15 / 39
悪役令嬢が去ったあと
皇宮は大変なようです
しおりを挟む
呪われてる?キンバリー公爵家が?私は周りを飛び回るミルラをみた。
「ミルラ、どういうことなの?」
混乱した頭をかかえて、私はミルラに尋ねる。
「キンバリー公爵家は、小国の王から帝国の貴族にはなったけれど領地も従えていた貴族もそのままよ?財産もあるし、呪われてるなんて…」
私が首をふると、ミルラは
「でもミルクを窓辺に出しておいてくれるだろ?庭はいつでもキレイにしておくし、ガラス玉もとっておいてくれる。ホントは妖精を怒らせないためだろ?俺は嬉しいけど、他の奴らは当たり前だと思ってるし、やってくれなかったら腹をたててイタズラする。バロウズがそう決めたからさ」
そういえばなぜか、そんな決まりごとがあった。え、これが呪いなの?呪いって、普通もっとおどろおどろしいものでは?しないと地味に嫌なこと(椅子の足が折れてたり、ドレスに盛大に謎の茶色い輪ジミがあったり)がおきるんだけど、そんなのが?
私がベッドに座って首をかしげていると、ミルラは私の膝の上にすわった。後ろ頭がふわり、ふわりと揺れている。
「バロウズは緑の精霊王だぜ?イタズラは得意でも、痛めつけるのは俺らの性には合わないんだ。そういうのは、亡霊の森の悪鬼ぐらいだろ」
亡霊の森、と私はつぶやいた。ルディ殿下とリュシリュー、ゴーウィンが一緒にこっそり忍び込んだことのある、帝都郊外の北側にある深い森。昼でも鬱蒼と木々が生い茂り、なんとなくあまり近寄りたくはないいっぽうで、男の子や若者たちが肝試しに入った話は珍しくない。
「痛めつけるような呪いでないなら、いいじゃない」
「アシュレイは嫌だろ?家のやつらが無表情なのも、婚約者に愛して貰えなかったときも、泣いてたじゃないか」
それもみんな呪いのせいなの?と私は首をかしげた。
「バロウズのやつは、キンバリーに惚れてフィヨールカを去った自分の妹が戻ってくるようにキンバリーの屋敷にそんな呪いをかけたのさ。好きな人に、好きだと伝わらないよう、笑顔や思いやりの言葉を封じる呪いだ」
なんて悪質な呪いをかけるのよ。だったら、何代にもわたって険しい表情がデフォルトなのも頷けるわ。威厳を示すための渋面かとおもっていたけど、単にそう動かないだけなのね。
「……待って、私は笑えるわよ」
ミルラに尋ねる。うん、子供のころから笑っていたし、庭に怪我をした子鹿が迷いこんだときは、手当てしても何の異変もなかった。思いやりの言葉だって普通にでるわ。
「ううーん、バロウズにとってアシュレイは、特別だからかな。あれだよ、夕陽の髪の乙女とおなじなんだ。一目惚れってやつ。案外あいつ惚れっぽいのかもな。だから、わざわざ体を入れ換えてまでフィヨールカに……あ、まずい」
ミルラはそう言って、くるんと回転して消えた。
「え、なに?なにか今言わなかった?」
私は慌ててミルラを探したけれど、ミルラはもう、影もかたちもみえなくなっていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
休息日だというのにマリアのお父様…侯爵はキンバリー公爵家へ出掛けていった。二人で上手く話せば入れ替わったことを説明できるかもしれないから、一緒に行きたいと伝えてみたけれど、侯爵は私をかわいそうなものを見るような目で見ただけだった。
そういえばマリアは私の追っかけだったのだっけ。
「もう少しアシュレイ嬢が元気になってきたら、お庭の隅から見せていただけるかもしれないよ」
レイモンド様が励ましてくださるけど、なんで隠れて観察するのが目的と思われちゃったんだろう…
ともかく、私にはやらなくてはならないことが沢山ある。今日は街へいって、ジェレミーに会ってリュシリューのお父様は無事か確認してこなくちゃならないし、私個人の手紙なんかを置いている私書箱を覗きにいかなくては。
「マリア、今日は僕と出掛けようか。僕が皇宮で検診している間、君は皇宮の庭園に行けるよ」
ああ、でも今日も一人ではでかけられなさそうね。
表情に出ていたのか、レイモンド様が首をかしげる。
「気がすすまないかい?」
いいえ、と私は首をふった。
「何も覚えていないので、皇宮でなにか失敗したらどうしようかと思っただけです」
レイモンド様はにこっと笑い、
「今日は両陛下も皇子様たちも検診日だから、誰にも会わないと思うよ」
と答えた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
確かにレイモンド様は誰にも会わないと言ったけれど、こうまでひと気がないなんて。私はキョロキョロしながら回廊を歩いていた。あ、ここからは皇子さまたちがいる宮殿だわ…引き返さないと。
以前私がお茶会や会談でここへ来ていたときは、皇子の宮殿にも沢山の使用人たちが働いていた。無礼もいろいろされたけれど、そもそも私が何者か知らない人たちもいて、たぶん数百人…もっと、いたと思う。
「……クモの巣だわ」
そこは、汚れて暗く、なんとなく陰気な場所になっていた。
「辞めたのは何人ですか?」
静かな宮殿のなかなので、誰かの話す声がとても響く。回廊のむこうの皇子宮のどこかの扉が開いているのかしら?
「しらないぞ、私がクビにしたわけではないのにどんどん辞めていくんだ」
「ミュシャ嬢の身柄を一度城下へ移しては?彼女はあまりにお金がかかりすぎます。身分は他の侍女より低いというのに、厚遇されすぎている」
あら、ルディ殿下の皇子宮にこんなことを言うかたがいたの?と側へ寄っていく。
「ミュシャはただの侍女じゃない、私の幼馴染みで私の婚約者なんだぞ!」
「婚約者は兄上が決められるわけではないでしょう…いまさら侍女に戻すこともできませんし、一旦愛妾として城下で囲っておけば、兄上の宮殿だけがこんな状態なのは解決しますよ」
兄上と呼んでいるということは、第二皇子殿下かしら?あまりお会いしたことはないけれど。
「うるっさい!貴様、私の皇太子としての地位だけでなくミュシャまで狙っているのだな!出ていけ、今すぐこの宮殿から出て行け!!」
ガラガラと何かがぶつかるような音がして、足音がしてきたので私は物陰にかくれた。頭を下げ、通りすぎるのを待っていると、
「申し訳ない、嫌な話を聞かせたね…兄上を頼む」
どうやら服装がシンプルすぎて宮仕えの侍女と間違えられたらしい。顔をあげるまでもなく、皇子殿下は立ち去っていった。
マリアが素朴な見た目の少女でよかった…
「《アシュレイ、庭に出て》」
足音が去ったのを確認していると、ポケットから顔を出して、ミルラがささやく。
「《何かあるの?》」
「《いいから、はやく!》」
急かされて、皇子宮から一番小さい近い階段から中庭へと降りていった。
「やっぱりここも荒れてるわ」
私が降り立ったのは、少し前までルディ殿下が友人やミュシャとお茶会を開いたりしていた中庭だ。
「《庭師もここにはよらなくなったからだよ》」
どうして?と思っているとミルラはポケットから出て胸元から例の革袋をだす。今日は金の粉ではなく、なにかブローチのようなものを取り出した。
「《これをそこの井戸に置いてきてよ》」
渡されたそれは、小鳥か宝石のついたさくらんぼを咥えているかたちに彫られていた。
「井戸?」
今はそこここに草が生えてなんとなくうら寂しい庭だけど、たしかにちょうど真ん中に、井戸というか、なにか石でできた筒のようなものが置いてあるのが見えた。
「《落ちないでよ》」
ミルラが言う。
「なんでそんなとこで見てるのよ、貴方がおけばいいじゃない」
「《俺は無理!怖いもん》」
何が怖いのよ、と井戸に近づいて、異変に気付いた。たしか、以前は子供が落ちたりしないようきちんと蓋がされていた。その蓋がないのだ。回りにあった筈の花壇もなくなり、かわりに梯子が井戸の脇にたてかけられていた。
「《そこ!そこに置いていって!》」
ミルラの指示するとおり、私はそのブローチを置いた。ブローチを井戸に置くとき、まるで井戸は息をするように生ぬるい風が底の方からふいてきた。
腐った肉のような、雨の日の下足のような、嫌な匂いがあがってきた。井戸の底から風だなんて、おかしいわ。
「《もういいから、早く行こうアシュレイ》」
ミルラが私の袖をひっぱった。
私はミルラに袖をひかれるがままに、皇宮の中の、レイモンド様のいるあたりへと急いでもどりはじめた。
「ミルラ、どういうことなの?」
混乱した頭をかかえて、私はミルラに尋ねる。
「キンバリー公爵家は、小国の王から帝国の貴族にはなったけれど領地も従えていた貴族もそのままよ?財産もあるし、呪われてるなんて…」
私が首をふると、ミルラは
「でもミルクを窓辺に出しておいてくれるだろ?庭はいつでもキレイにしておくし、ガラス玉もとっておいてくれる。ホントは妖精を怒らせないためだろ?俺は嬉しいけど、他の奴らは当たり前だと思ってるし、やってくれなかったら腹をたててイタズラする。バロウズがそう決めたからさ」
そういえばなぜか、そんな決まりごとがあった。え、これが呪いなの?呪いって、普通もっとおどろおどろしいものでは?しないと地味に嫌なこと(椅子の足が折れてたり、ドレスに盛大に謎の茶色い輪ジミがあったり)がおきるんだけど、そんなのが?
私がベッドに座って首をかしげていると、ミルラは私の膝の上にすわった。後ろ頭がふわり、ふわりと揺れている。
「バロウズは緑の精霊王だぜ?イタズラは得意でも、痛めつけるのは俺らの性には合わないんだ。そういうのは、亡霊の森の悪鬼ぐらいだろ」
亡霊の森、と私はつぶやいた。ルディ殿下とリュシリュー、ゴーウィンが一緒にこっそり忍び込んだことのある、帝都郊外の北側にある深い森。昼でも鬱蒼と木々が生い茂り、なんとなくあまり近寄りたくはないいっぽうで、男の子や若者たちが肝試しに入った話は珍しくない。
「痛めつけるような呪いでないなら、いいじゃない」
「アシュレイは嫌だろ?家のやつらが無表情なのも、婚約者に愛して貰えなかったときも、泣いてたじゃないか」
それもみんな呪いのせいなの?と私は首をかしげた。
「バロウズのやつは、キンバリーに惚れてフィヨールカを去った自分の妹が戻ってくるようにキンバリーの屋敷にそんな呪いをかけたのさ。好きな人に、好きだと伝わらないよう、笑顔や思いやりの言葉を封じる呪いだ」
なんて悪質な呪いをかけるのよ。だったら、何代にもわたって険しい表情がデフォルトなのも頷けるわ。威厳を示すための渋面かとおもっていたけど、単にそう動かないだけなのね。
「……待って、私は笑えるわよ」
ミルラに尋ねる。うん、子供のころから笑っていたし、庭に怪我をした子鹿が迷いこんだときは、手当てしても何の異変もなかった。思いやりの言葉だって普通にでるわ。
「ううーん、バロウズにとってアシュレイは、特別だからかな。あれだよ、夕陽の髪の乙女とおなじなんだ。一目惚れってやつ。案外あいつ惚れっぽいのかもな。だから、わざわざ体を入れ換えてまでフィヨールカに……あ、まずい」
ミルラはそう言って、くるんと回転して消えた。
「え、なに?なにか今言わなかった?」
私は慌ててミルラを探したけれど、ミルラはもう、影もかたちもみえなくなっていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
休息日だというのにマリアのお父様…侯爵はキンバリー公爵家へ出掛けていった。二人で上手く話せば入れ替わったことを説明できるかもしれないから、一緒に行きたいと伝えてみたけれど、侯爵は私をかわいそうなものを見るような目で見ただけだった。
そういえばマリアは私の追っかけだったのだっけ。
「もう少しアシュレイ嬢が元気になってきたら、お庭の隅から見せていただけるかもしれないよ」
レイモンド様が励ましてくださるけど、なんで隠れて観察するのが目的と思われちゃったんだろう…
ともかく、私にはやらなくてはならないことが沢山ある。今日は街へいって、ジェレミーに会ってリュシリューのお父様は無事か確認してこなくちゃならないし、私個人の手紙なんかを置いている私書箱を覗きにいかなくては。
「マリア、今日は僕と出掛けようか。僕が皇宮で検診している間、君は皇宮の庭園に行けるよ」
ああ、でも今日も一人ではでかけられなさそうね。
表情に出ていたのか、レイモンド様が首をかしげる。
「気がすすまないかい?」
いいえ、と私は首をふった。
「何も覚えていないので、皇宮でなにか失敗したらどうしようかと思っただけです」
レイモンド様はにこっと笑い、
「今日は両陛下も皇子様たちも検診日だから、誰にも会わないと思うよ」
と答えた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
確かにレイモンド様は誰にも会わないと言ったけれど、こうまでひと気がないなんて。私はキョロキョロしながら回廊を歩いていた。あ、ここからは皇子さまたちがいる宮殿だわ…引き返さないと。
以前私がお茶会や会談でここへ来ていたときは、皇子の宮殿にも沢山の使用人たちが働いていた。無礼もいろいろされたけれど、そもそも私が何者か知らない人たちもいて、たぶん数百人…もっと、いたと思う。
「……クモの巣だわ」
そこは、汚れて暗く、なんとなく陰気な場所になっていた。
「辞めたのは何人ですか?」
静かな宮殿のなかなので、誰かの話す声がとても響く。回廊のむこうの皇子宮のどこかの扉が開いているのかしら?
「しらないぞ、私がクビにしたわけではないのにどんどん辞めていくんだ」
「ミュシャ嬢の身柄を一度城下へ移しては?彼女はあまりにお金がかかりすぎます。身分は他の侍女より低いというのに、厚遇されすぎている」
あら、ルディ殿下の皇子宮にこんなことを言うかたがいたの?と側へ寄っていく。
「ミュシャはただの侍女じゃない、私の幼馴染みで私の婚約者なんだぞ!」
「婚約者は兄上が決められるわけではないでしょう…いまさら侍女に戻すこともできませんし、一旦愛妾として城下で囲っておけば、兄上の宮殿だけがこんな状態なのは解決しますよ」
兄上と呼んでいるということは、第二皇子殿下かしら?あまりお会いしたことはないけれど。
「うるっさい!貴様、私の皇太子としての地位だけでなくミュシャまで狙っているのだな!出ていけ、今すぐこの宮殿から出て行け!!」
ガラガラと何かがぶつかるような音がして、足音がしてきたので私は物陰にかくれた。頭を下げ、通りすぎるのを待っていると、
「申し訳ない、嫌な話を聞かせたね…兄上を頼む」
どうやら服装がシンプルすぎて宮仕えの侍女と間違えられたらしい。顔をあげるまでもなく、皇子殿下は立ち去っていった。
マリアが素朴な見た目の少女でよかった…
「《アシュレイ、庭に出て》」
足音が去ったのを確認していると、ポケットから顔を出して、ミルラがささやく。
「《何かあるの?》」
「《いいから、はやく!》」
急かされて、皇子宮から一番小さい近い階段から中庭へと降りていった。
「やっぱりここも荒れてるわ」
私が降り立ったのは、少し前までルディ殿下が友人やミュシャとお茶会を開いたりしていた中庭だ。
「《庭師もここにはよらなくなったからだよ》」
どうして?と思っているとミルラはポケットから出て胸元から例の革袋をだす。今日は金の粉ではなく、なにかブローチのようなものを取り出した。
「《これをそこの井戸に置いてきてよ》」
渡されたそれは、小鳥か宝石のついたさくらんぼを咥えているかたちに彫られていた。
「井戸?」
今はそこここに草が生えてなんとなくうら寂しい庭だけど、たしかにちょうど真ん中に、井戸というか、なにか石でできた筒のようなものが置いてあるのが見えた。
「《落ちないでよ》」
ミルラが言う。
「なんでそんなとこで見てるのよ、貴方がおけばいいじゃない」
「《俺は無理!怖いもん》」
何が怖いのよ、と井戸に近づいて、異変に気付いた。たしか、以前は子供が落ちたりしないようきちんと蓋がされていた。その蓋がないのだ。回りにあった筈の花壇もなくなり、かわりに梯子が井戸の脇にたてかけられていた。
「《そこ!そこに置いていって!》」
ミルラの指示するとおり、私はそのブローチを置いた。ブローチを井戸に置くとき、まるで井戸は息をするように生ぬるい風が底の方からふいてきた。
腐った肉のような、雨の日の下足のような、嫌な匂いがあがってきた。井戸の底から風だなんて、おかしいわ。
「《もういいから、早く行こうアシュレイ》」
ミルラが私の袖をひっぱった。
私はミルラに袖をひかれるがままに、皇宮の中の、レイモンド様のいるあたりへと急いでもどりはじめた。
602
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』
放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」
王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。
しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!?
「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!)
怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる