3 / 44
入学編
第2話 エリザベス・スカーレット
しおりを挟む
「魔法師が扱う魔力とはつまり、サーヴァントが本来持つ能力を引き出すために必要な場合もあるわけだが、魔力のコントロールが出来なければ、サーヴァントの力も発揮されない──」
ひどく抑揚の効いた声と、単調なチョークの音が講義室に響く。
講義室は、一般的な大学の講義室と同じような内装だ。黒板の前には教卓あり、そこから扇状に広がる学生の席は、段々と後ろにいくほど高さがある。
アルヴィスは中ほどの席に収まって、アンヴィエッタの講義を受けていた。
アンヴィエッタの講義を受けるのは初めてだというのに、本日最後の講義、はっきりと言ってアルヴィスは眠くて仕方がなかった。
アンヴィエッタの講義が解り難いわけではなく、元々アルヴィスはジッと人の話を訊いていることが苦手であり、昨日は好奇心で碌に眠ることができなかったのだ。
あくびを噛み殺しつつ、室内を見るともなしに見廻す。
さすが貴族も多く在籍する最高学府だけあり、皆真面目に講義を受けている。
せっせとノートを取る者、教本を読む者と、様々だ。
アルヴィスは我慢ができずあくびを掻いていると、ふと、こちらを睨む赤い瞳に気が付いた。
当然、アンヴィエッタのものだ。
アンヴィエッタは何を思い付いたのか、口元を怪しく歪め、アルヴィスに向き直った。
「私の講義を聞き流すとはいい度胸だな、〈最下位〉。誰のためにこんな初歩的な話をしてやっていると思う?」
「バカ相手にだろ?」
「つまり、君ということだな」
室内にクスクスと笑い声が漏れる。
「私の話を訊いていなかった罰だ。答えろ、サーヴァントとはどうやって契約する?」
「そんなのは簡単だ、そりゃ──」
とても初歩的な簡単な問題だったが、咄嗟に答えが出てこない。アルヴィスは首をひねり、
「頼んでみる……とか?」
自分でもそんなわけがないと思っているが、他に答えが思い付かず応えた。
その回答にアンヴィエッタは下を見ながら首を左右に振り、「ありえん馬鹿だな」と呟きながら深い溜息を吐く。
「答えは3つある。それがなんなのかくらい自分で調べ直せよ? ──今日の講義はここまで。各自予習しておくように」
そう言うと、アンヴィエッタは足早に講義室を出て行った。
――その夜、寮の自室にて。
「眠れねぇっ!」
ベッドで寝ていたアルヴィスは、ガバっと上半身を起こし頭を掻き毟る。
「外の空気でも吸いに行くか」
アルヴィスはカーディガンを1枚羽織り、寮を出た。
探検がてら学院の庭をぐるりと一周し、そろそろ部屋へ戻ろうかと思っていたが、アルヴィスは道に迷ってしまっていた。
適当に1寮周辺かと思う場所をフラついていると───
「君、なにしてるの?」
突然どこからともなく女性の声が響く。アルヴィスは空を見上げるが、そこに人の姿はない。
「こっちだよ」
アルヴィスはキョロキョロと声の聞こえた方を探すと、空ではなく寮の5階の窓から女性が半身を出していた。
その女性は端整な目鼻立ちに、すらりと伸びた腕。恐らく、脚も同様だろう。月光に輝く髪は赤く、瞳は髪色より淡い。誰が見ても美人と言うだろう。
(5階ということは、4年生か)
「俺に何か用か……ですか?」
「いいよいいよ、敬語なんて。なんか君には似合わないよ」
「慣れてないんだ、助かる。それより俺に何か用か?」
「君がずっとそこでウロウロしてるから、気になっちゃって」
「ちょっと寮の入口がわかんなくてな」
アルヴィスは頬をぽりぽりと、少し恥ずかしそうに掻いた。
「新入生君だよね。私が教えてあげるよ」
「本当か!? 助かる。えーと……」
「あ、名前? エリザベス・スカーレット。エリザでいいよ」
「アルヴィス・レインズワースだ。サンキュー、エリザ。マジ助かった」
「ちょっと待ってね、今降りるから」
アルヴィスの礼に応えると、エリザベスは窓から乗り出していた半身をさらに乗り出し頭から落下してきた。
「降りるからって──はッ!?」
エリザベスは5階からアルヴィスに向かって落下中、精神を集中させる様に一瞬目を瞑った。すると身体を淡い青白い光が包む。
そのまま青白い光を纏いさらに落下し、2階の窓に向かって右手をつき出す。そして僅かな窓の縁に指をかけ体勢を脚が地面に向くよう上下反転し整える。
さらに落下は続くが体勢を直したエリザベスは難なく両足で着地した。
「よっと──」
まるで体操選手のように両手を上げ着地すると、アルヴィスに向き直る。
「お待たせ」
「お、おぉ……っ」
アルヴィスは地上15メートル以上もあるエリザベスの大胆な着地劇に呆然としていた。
「じゃっ、行こっか。こっちだよ、付いてきて」
当の本人のエリザベスはそんなアルヴィスを気にもせず、鼻唄混じりに歩き出した。
エリザからは既に先程までの青白い光は消えている。消えたことでやっと分かったが、時刻も時刻だ、当然なことなのだがエリザの服装は寝巻き姿だ。
ベビードールのように透けている寝巻き姿からは上下ともに真っ赤な下着も見えている。
どこまでも赤で統一されているな、なんてことを頭の隅で考えながらもアルヴィスは極力エリザベスの足元しか視界に入らないように俯きがちに付いていく。
「ところで──」
歩き出して1分か2分ほどが過ぎた頃。エリザベスが両手を背中側で組ながら顔だけ後方のアルヴィスに振り向く。
「君はなんであそこにいたの?」
「ん? さっき言わなかったか?」
アルヴィスは頭を掻きながら応えた。
「そうじゃなくって、なんでこんな時間に外にいるの?」
エリザベスは身体ごとアルヴィスに向き直り、後ろ歩きで進む。そんな彼女を器用な奴だなと思いながらアルヴィスは掻く手を止めた。
「なんか興奮して眠れないんだよな」
「それで講義中に寝ちゃうパターンでしょ?」
エリザベスはクスクスと笑いながら楽しそうに言い、月を見上げ過去を思い出すかのように眼を細めた。
「ちょっと分かるかも。私も入学当初はわくわくしてたもん」
「でも今日はずっと話を聞いてばかりで暇でよー。早く実習訓練がしたいぜ」
「んー、それはもうちょっとだけ先かなぁ。いきなり実習して事故なんか起きたら危ないからねぇ」
エリザベスはその小さな顎に指を当て考える様な仕草で応える。恐らく彼女の考えるときの癖なのだろう。
「おいおい勘弁してくれよ……。身体が鈍っちまうよ」
「あっ──」
アルヴィスが項垂れていると、エリザベスが何か閃いたのかパチンと手を叩く。その音に反応したアルヴィスは顔を上彼女の次の言葉を待つ。
「講義が終わった後の自習なら自由なんだし、演習場を借りるっていうのはどうかな?」
「演習場かぁ──」
アルヴィスは昨日見た上級生の練習試合を思い出しながら思案する。僅かな間考え込むと嘆息を吐き、首を左右に振る。
「でもだめだ。相手がいない」
「んー、それなら私でよければ相手をするけど?」
「本当かッ!?」
「ええ、お姉さんが指導して上げましょう、後輩君」
エリザベスはえへんっ、と胸を張り右手を添える。その仕草に全くの違和感が無く、かなりの良い所の出なのではと、この時初めてアルヴィスは思った。
「それじゃ早速明日からどうかしら?」
「了解だ。ところで演習場は勝手に借りて使って平気なのか?」
「申請が必要よ。使用したがる生徒が多いから日にち待ちになることもあるけど、それは気にしなくていいわ。私が明日、申請してきてあげる」
「いろいろと任せちゃって悪いな、助かる」
「気にしなくていいわ。それに結構君の事気に入っちゃったし、何かあったらいつでも言って? ──はいっ、着いた」
そう言いエリザベスが振り向いた先には1寮の入口の姿が見えた。入口は既に閉じているが僅かに灯りが漏れている。
アルヴィスがさ迷っていた場所と目的地の入口とは真逆の位置にあったわけだが、寮を半周するために掛かった時間はおよそ10分。いかに敷地が広大かを物語っていた。
エリザベスはアルヴィスと明日の約束を再び交わすと、来た道を戻っていく。同じ寮なのだから一緒に入口から入ればよいと提案をするも、外からの方が近いからと却下されたのだ。
独り自室に戻りベッドに潜り込むが、アルヴィスは明日のことを考えると興奮覚め遣らず眠れずに朝まで迎える事になった。
ひどく抑揚の効いた声と、単調なチョークの音が講義室に響く。
講義室は、一般的な大学の講義室と同じような内装だ。黒板の前には教卓あり、そこから扇状に広がる学生の席は、段々と後ろにいくほど高さがある。
アルヴィスは中ほどの席に収まって、アンヴィエッタの講義を受けていた。
アンヴィエッタの講義を受けるのは初めてだというのに、本日最後の講義、はっきりと言ってアルヴィスは眠くて仕方がなかった。
アンヴィエッタの講義が解り難いわけではなく、元々アルヴィスはジッと人の話を訊いていることが苦手であり、昨日は好奇心で碌に眠ることができなかったのだ。
あくびを噛み殺しつつ、室内を見るともなしに見廻す。
さすが貴族も多く在籍する最高学府だけあり、皆真面目に講義を受けている。
せっせとノートを取る者、教本を読む者と、様々だ。
アルヴィスは我慢ができずあくびを掻いていると、ふと、こちらを睨む赤い瞳に気が付いた。
当然、アンヴィエッタのものだ。
アンヴィエッタは何を思い付いたのか、口元を怪しく歪め、アルヴィスに向き直った。
「私の講義を聞き流すとはいい度胸だな、〈最下位〉。誰のためにこんな初歩的な話をしてやっていると思う?」
「バカ相手にだろ?」
「つまり、君ということだな」
室内にクスクスと笑い声が漏れる。
「私の話を訊いていなかった罰だ。答えろ、サーヴァントとはどうやって契約する?」
「そんなのは簡単だ、そりゃ──」
とても初歩的な簡単な問題だったが、咄嗟に答えが出てこない。アルヴィスは首をひねり、
「頼んでみる……とか?」
自分でもそんなわけがないと思っているが、他に答えが思い付かず応えた。
その回答にアンヴィエッタは下を見ながら首を左右に振り、「ありえん馬鹿だな」と呟きながら深い溜息を吐く。
「答えは3つある。それがなんなのかくらい自分で調べ直せよ? ──今日の講義はここまで。各自予習しておくように」
そう言うと、アンヴィエッタは足早に講義室を出て行った。
――その夜、寮の自室にて。
「眠れねぇっ!」
ベッドで寝ていたアルヴィスは、ガバっと上半身を起こし頭を掻き毟る。
「外の空気でも吸いに行くか」
アルヴィスはカーディガンを1枚羽織り、寮を出た。
探検がてら学院の庭をぐるりと一周し、そろそろ部屋へ戻ろうかと思っていたが、アルヴィスは道に迷ってしまっていた。
適当に1寮周辺かと思う場所をフラついていると───
「君、なにしてるの?」
突然どこからともなく女性の声が響く。アルヴィスは空を見上げるが、そこに人の姿はない。
「こっちだよ」
アルヴィスはキョロキョロと声の聞こえた方を探すと、空ではなく寮の5階の窓から女性が半身を出していた。
その女性は端整な目鼻立ちに、すらりと伸びた腕。恐らく、脚も同様だろう。月光に輝く髪は赤く、瞳は髪色より淡い。誰が見ても美人と言うだろう。
(5階ということは、4年生か)
「俺に何か用か……ですか?」
「いいよいいよ、敬語なんて。なんか君には似合わないよ」
「慣れてないんだ、助かる。それより俺に何か用か?」
「君がずっとそこでウロウロしてるから、気になっちゃって」
「ちょっと寮の入口がわかんなくてな」
アルヴィスは頬をぽりぽりと、少し恥ずかしそうに掻いた。
「新入生君だよね。私が教えてあげるよ」
「本当か!? 助かる。えーと……」
「あ、名前? エリザベス・スカーレット。エリザでいいよ」
「アルヴィス・レインズワースだ。サンキュー、エリザ。マジ助かった」
「ちょっと待ってね、今降りるから」
アルヴィスの礼に応えると、エリザベスは窓から乗り出していた半身をさらに乗り出し頭から落下してきた。
「降りるからって──はッ!?」
エリザベスは5階からアルヴィスに向かって落下中、精神を集中させる様に一瞬目を瞑った。すると身体を淡い青白い光が包む。
そのまま青白い光を纏いさらに落下し、2階の窓に向かって右手をつき出す。そして僅かな窓の縁に指をかけ体勢を脚が地面に向くよう上下反転し整える。
さらに落下は続くが体勢を直したエリザベスは難なく両足で着地した。
「よっと──」
まるで体操選手のように両手を上げ着地すると、アルヴィスに向き直る。
「お待たせ」
「お、おぉ……っ」
アルヴィスは地上15メートル以上もあるエリザベスの大胆な着地劇に呆然としていた。
「じゃっ、行こっか。こっちだよ、付いてきて」
当の本人のエリザベスはそんなアルヴィスを気にもせず、鼻唄混じりに歩き出した。
エリザからは既に先程までの青白い光は消えている。消えたことでやっと分かったが、時刻も時刻だ、当然なことなのだがエリザの服装は寝巻き姿だ。
ベビードールのように透けている寝巻き姿からは上下ともに真っ赤な下着も見えている。
どこまでも赤で統一されているな、なんてことを頭の隅で考えながらもアルヴィスは極力エリザベスの足元しか視界に入らないように俯きがちに付いていく。
「ところで──」
歩き出して1分か2分ほどが過ぎた頃。エリザベスが両手を背中側で組ながら顔だけ後方のアルヴィスに振り向く。
「君はなんであそこにいたの?」
「ん? さっき言わなかったか?」
アルヴィスは頭を掻きながら応えた。
「そうじゃなくって、なんでこんな時間に外にいるの?」
エリザベスは身体ごとアルヴィスに向き直り、後ろ歩きで進む。そんな彼女を器用な奴だなと思いながらアルヴィスは掻く手を止めた。
「なんか興奮して眠れないんだよな」
「それで講義中に寝ちゃうパターンでしょ?」
エリザベスはクスクスと笑いながら楽しそうに言い、月を見上げ過去を思い出すかのように眼を細めた。
「ちょっと分かるかも。私も入学当初はわくわくしてたもん」
「でも今日はずっと話を聞いてばかりで暇でよー。早く実習訓練がしたいぜ」
「んー、それはもうちょっとだけ先かなぁ。いきなり実習して事故なんか起きたら危ないからねぇ」
エリザベスはその小さな顎に指を当て考える様な仕草で応える。恐らく彼女の考えるときの癖なのだろう。
「おいおい勘弁してくれよ……。身体が鈍っちまうよ」
「あっ──」
アルヴィスが項垂れていると、エリザベスが何か閃いたのかパチンと手を叩く。その音に反応したアルヴィスは顔を上彼女の次の言葉を待つ。
「講義が終わった後の自習なら自由なんだし、演習場を借りるっていうのはどうかな?」
「演習場かぁ──」
アルヴィスは昨日見た上級生の練習試合を思い出しながら思案する。僅かな間考え込むと嘆息を吐き、首を左右に振る。
「でもだめだ。相手がいない」
「んー、それなら私でよければ相手をするけど?」
「本当かッ!?」
「ええ、お姉さんが指導して上げましょう、後輩君」
エリザベスはえへんっ、と胸を張り右手を添える。その仕草に全くの違和感が無く、かなりの良い所の出なのではと、この時初めてアルヴィスは思った。
「それじゃ早速明日からどうかしら?」
「了解だ。ところで演習場は勝手に借りて使って平気なのか?」
「申請が必要よ。使用したがる生徒が多いから日にち待ちになることもあるけど、それは気にしなくていいわ。私が明日、申請してきてあげる」
「いろいろと任せちゃって悪いな、助かる」
「気にしなくていいわ。それに結構君の事気に入っちゃったし、何かあったらいつでも言って? ──はいっ、着いた」
そう言いエリザベスが振り向いた先には1寮の入口の姿が見えた。入口は既に閉じているが僅かに灯りが漏れている。
アルヴィスがさ迷っていた場所と目的地の入口とは真逆の位置にあったわけだが、寮を半周するために掛かった時間はおよそ10分。いかに敷地が広大かを物語っていた。
エリザベスはアルヴィスと明日の約束を再び交わすと、来た道を戻っていく。同じ寮なのだから一緒に入口から入ればよいと提案をするも、外からの方が近いからと却下されたのだ。
独り自室に戻りベッドに潜り込むが、アルヴィスは明日のことを考えると興奮覚め遣らず眠れずに朝まで迎える事になった。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。
三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。
……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」
その言葉は、もう何度聞いたか分からない。
霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。
周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。
同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。
――俺だけが、何もできない。
反論したい気持ちはある。
でも、できない事実は変わらない。
そんな俺が、
世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて――
この時は、まだ知る由もなかった。
これは――
妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。
《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる