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新人戦編 ―前編―
第23話 〈暴虐の姫〉
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アルヴィスも生徒の群れと共に1寮用演習場へと向かっていく。すると入り口にはアンヴィエッタの姿があった。
どうやらアヒムは意外にもちゃんと演習場の使用許可願いを提出していたようだ。
アルヴィスはアンヴィエッタと言葉を交わすことなく、ただ横目でチラリとお互い目を合わせただけで中へと入っていった。
寮長の責任として観に来ただけなのか、アルヴィスを気に掛け観に来たのかはもちろんアンヴィエッタ本人にしか解らないことだが、少なくともアルヴィスは後者と信じていた。
そしてフィールドに着くと、観戦席は少なく見ても半分以上は埋まっていた。つまり1寮の学生の半数が騒ぎを聞き付け観に来たことになる。
「おー、すげぇーなぁー」
アルヴィスが観戦席をキョロキョロと眺めながらフィールド中心へ向かって歩いていると、既に中心でスタンバイしていたアヒムが話し掛けてきた。
「怖気ついて逃げ出すなら今のうちですよ、アルヴィス・レインズワース。まぁ、逃がしはしませんが」
「はんッ! 誰が逃げるかよ!」
「生意気な。――まぁいいです。決闘のルールは新人戦と同じです。つまりサーヴァントの使用など何でも有りってことです」
「ああ、それでいいぜ。――つまり、1人じゃ自信の無いお前はそこの2人を堂々と使うためにわざわざこんな場を設けたわけだろ?」
「なっ!? ふっ、ふざけるな! 誰が貴様ごときに負けるものか!」
アルヴィスの挑発とも受け取れる台詞に、アヒムはこめかみをひくつかせながら叫び否定した。
先程までの彼がまるで嘘だったかのように本性を露にしたことから、見事に挑発の効果覿面だったようだ。
「だってそうだろ? 俺にお前が1人でいるところを狙われたら困るから機を狙って自分から仕掛けてきたんだろ?」
「くっ、もう許さん! 無事に済むと思うなよ! ――お前達 、行け!!」
「「ハッ」」
アヒムが命令すると、制服からいつの間にか執事服とメイド服にそれぞれ着替えていた男女の2人が駆けて接近してきた。恐らく制服姿は学院に侵入するための変装で、もともとこちらが本来の服装なのだろう。つまりバルドゥル家に仕えるサーヴァントだったということだ。
左右二手に別れてアルヴィスを挟み込むように駆けてくる2人。男が懐から小太刀を取りだし、女は右手が発光していた。女の方は何か魔法を使うため魔力を溜めているのだろう。
そして正面にいるアヒムも魔力をかなり溜めている様子だった。2人に隙をつくらせアヒムが仕留める、という作戦だろうと一瞬で見極め判断したアルヴィスは、一気に多重加速魔法を自身に掛け尚且つ身体強化も同時に行う。
その纏う魔力量は1週間前のロベルト戦とは段違いだった。多重魔法にもさらに磨きがかかり10重を軽く超えている。
とてもわずか1週間という短期間での成長とは思えないものだった。
そのアルヴィスが1歩踏み出すと空気が震えたように軽く衝撃が生まれた。後からアルヴィスを追うようにまるで鞭のようなパンッという小さな破裂音も生じる。
音速に届きそうな速度なのだ。
衝撃で盛大に砂塵が舞っていたが落ち着くと、そこには魔法も魔力も解いたアルヴィスがもと居た位置に立っていた。
突然の砂塵に眼を瞑り、腕で顔を隠していたアヒムが腕の下から覗くように片眼を開けると、左右に展開していた自身のサーヴァントが居ないことに気付く。
腕ごしに辺りを見渡すと、フィールドと観戦席を隔てるコンクリート塀にめり込んでいる男の姿と、反対側の塀の手前で倒れている女の姿を発見した。
「なッ!? ――ど、どういうことだ!? 何があったんだ!?」
アヒムは一瞬の突然の出来事に動揺を隠しきれず混乱していた。口をあんぐりと開けたその姿は、先刻までの威勢は無く練っていた魔力も消失している。
「き、貴様!? いったい何をした!?」
「そんなことはどうだっていいだろ? 見ての通りお前のサーヴァントは戦闘不能、ただそれだけだよ」
「こんなこと認めてたまるか! あいつらは二人ともCランク魔術師だぞ! 貴様ごとき底辺にやられるわけがない!」
「ならお前もあーなるだけだぞ?」
「じょ、上等だッ!」
「そうかよ」
アルヴィスはまた魔法を掛けた。
――その時だった。
突然アルヴィスとアヒム両者の間に渦巻く炎が出現し、2人の接近を阻んだ。
(これは――!?)
「――アルくんストップ!!」
渦巻く炎の中から女性の声が聞こえてきた。そして数瞬の後炎が消え姿を現す。
「やっぱりエリザだったか」
「な、なんだ貴様は!? 邪魔をするな!」
「アルくん、君わたしと約束したよね!? あの多重魔法はまだコントロールしきれないから実戦では禁止って!」
「わ、わりぃ」
「僕を無視するな!」
「ごめんごめん。でも君も、アルくんに挑むのはもうやめなよ。君、気付いてないの?」
「な、何をだ!?」
「下、見てごらんよ――」
エリザベスはここでアヒムのズボンを指差した。
「――失禁してるよ」
「んなっ!?」
どうやらアヒムはエリザベスに指摘されるまで本当に気付いていなかったらしく、腰を抜かしたようにへたり込んでしまった。
「これ以上貴族としての恥を晒すのは止めた方がいいと思うけど。――それでもまだやるというのならこの私、序列4位エリザベス・スカーレットが全力で阻止するわよ」
エリザベスはアヒムを威嚇するように炎を纏いさらに魔力を高めていく。これでは威嚇ではなく臨戦態勢だ。
だが敵意を向けられたアヒムは、それとは関係なくエリザベス本人に怯えたようにゆっくりと後退していた。
「――――〈暴虐タイラントの姫プリンセス〉!?」
どうやらアヒムは意外にもちゃんと演習場の使用許可願いを提出していたようだ。
アルヴィスはアンヴィエッタと言葉を交わすことなく、ただ横目でチラリとお互い目を合わせただけで中へと入っていった。
寮長の責任として観に来ただけなのか、アルヴィスを気に掛け観に来たのかはもちろんアンヴィエッタ本人にしか解らないことだが、少なくともアルヴィスは後者と信じていた。
そしてフィールドに着くと、観戦席は少なく見ても半分以上は埋まっていた。つまり1寮の学生の半数が騒ぎを聞き付け観に来たことになる。
「おー、すげぇーなぁー」
アルヴィスが観戦席をキョロキョロと眺めながらフィールド中心へ向かって歩いていると、既に中心でスタンバイしていたアヒムが話し掛けてきた。
「怖気ついて逃げ出すなら今のうちですよ、アルヴィス・レインズワース。まぁ、逃がしはしませんが」
「はんッ! 誰が逃げるかよ!」
「生意気な。――まぁいいです。決闘のルールは新人戦と同じです。つまりサーヴァントの使用など何でも有りってことです」
「ああ、それでいいぜ。――つまり、1人じゃ自信の無いお前はそこの2人を堂々と使うためにわざわざこんな場を設けたわけだろ?」
「なっ!? ふっ、ふざけるな! 誰が貴様ごときに負けるものか!」
アルヴィスの挑発とも受け取れる台詞に、アヒムはこめかみをひくつかせながら叫び否定した。
先程までの彼がまるで嘘だったかのように本性を露にしたことから、見事に挑発の効果覿面だったようだ。
「だってそうだろ? 俺にお前が1人でいるところを狙われたら困るから機を狙って自分から仕掛けてきたんだろ?」
「くっ、もう許さん! 無事に済むと思うなよ! ――お前達 、行け!!」
「「ハッ」」
アヒムが命令すると、制服からいつの間にか執事服とメイド服にそれぞれ着替えていた男女の2人が駆けて接近してきた。恐らく制服姿は学院に侵入するための変装で、もともとこちらが本来の服装なのだろう。つまりバルドゥル家に仕えるサーヴァントだったということだ。
左右二手に別れてアルヴィスを挟み込むように駆けてくる2人。男が懐から小太刀を取りだし、女は右手が発光していた。女の方は何か魔法を使うため魔力を溜めているのだろう。
そして正面にいるアヒムも魔力をかなり溜めている様子だった。2人に隙をつくらせアヒムが仕留める、という作戦だろうと一瞬で見極め判断したアルヴィスは、一気に多重加速魔法を自身に掛け尚且つ身体強化も同時に行う。
その纏う魔力量は1週間前のロベルト戦とは段違いだった。多重魔法にもさらに磨きがかかり10重を軽く超えている。
とてもわずか1週間という短期間での成長とは思えないものだった。
そのアルヴィスが1歩踏み出すと空気が震えたように軽く衝撃が生まれた。後からアルヴィスを追うようにまるで鞭のようなパンッという小さな破裂音も生じる。
音速に届きそうな速度なのだ。
衝撃で盛大に砂塵が舞っていたが落ち着くと、そこには魔法も魔力も解いたアルヴィスがもと居た位置に立っていた。
突然の砂塵に眼を瞑り、腕で顔を隠していたアヒムが腕の下から覗くように片眼を開けると、左右に展開していた自身のサーヴァントが居ないことに気付く。
腕ごしに辺りを見渡すと、フィールドと観戦席を隔てるコンクリート塀にめり込んでいる男の姿と、反対側の塀の手前で倒れている女の姿を発見した。
「なッ!? ――ど、どういうことだ!? 何があったんだ!?」
アヒムは一瞬の突然の出来事に動揺を隠しきれず混乱していた。口をあんぐりと開けたその姿は、先刻までの威勢は無く練っていた魔力も消失している。
「き、貴様!? いったい何をした!?」
「そんなことはどうだっていいだろ? 見ての通りお前のサーヴァントは戦闘不能、ただそれだけだよ」
「こんなこと認めてたまるか! あいつらは二人ともCランク魔術師だぞ! 貴様ごとき底辺にやられるわけがない!」
「ならお前もあーなるだけだぞ?」
「じょ、上等だッ!」
「そうかよ」
アルヴィスはまた魔法を掛けた。
――その時だった。
突然アルヴィスとアヒム両者の間に渦巻く炎が出現し、2人の接近を阻んだ。
(これは――!?)
「――アルくんストップ!!」
渦巻く炎の中から女性の声が聞こえてきた。そして数瞬の後炎が消え姿を現す。
「やっぱりエリザだったか」
「な、なんだ貴様は!? 邪魔をするな!」
「アルくん、君わたしと約束したよね!? あの多重魔法はまだコントロールしきれないから実戦では禁止って!」
「わ、わりぃ」
「僕を無視するな!」
「ごめんごめん。でも君も、アルくんに挑むのはもうやめなよ。君、気付いてないの?」
「な、何をだ!?」
「下、見てごらんよ――」
エリザベスはここでアヒムのズボンを指差した。
「――失禁してるよ」
「んなっ!?」
どうやらアヒムはエリザベスに指摘されるまで本当に気付いていなかったらしく、腰を抜かしたようにへたり込んでしまった。
「これ以上貴族としての恥を晒すのは止めた方がいいと思うけど。――それでもまだやるというのならこの私、序列4位エリザベス・スカーレットが全力で阻止するわよ」
エリザベスはアヒムを威嚇するように炎を纏いさらに魔力を高めていく。これでは威嚇ではなく臨戦態勢だ。
だが敵意を向けられたアヒムは、それとは関係なくエリザベス本人に怯えたようにゆっくりと後退していた。
「――――〈暴虐タイラントの姫プリンセス〉!?」
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