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【67】破門拒否
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――帝国に巣食う魔人、アヴィ・レ・ギルデオル伯爵。
ロックは、その魔人をよく知っている。
「奴は俺が殺したはずだ」
この手で……と、ロックは自分手を握り締める。
けれどもすぐに思い直したみたいだ。
「……いや、待てよ。現に今生きているとしたら、何らかの方法を用いて死を逃れたことになる」
「蘇ったとでも言うつもり? そんなことは絶対にできないわ」
「ああ、通常であればな」
何人たりとも、死を逃れることはできない。
それはあらかじめ答えの決まった問いかけであり、当たり前のことと言える。
その相手が、死人を操る魔人でなければ……。
「あのとき、俺は奴の首を獲りはしたが……魔石を回収しなかった」
ロックの台詞を耳にして、わたしは頷く。
つまりその魔人は、死んだけど死んでいなかったということになる。
「ひょっとして、自分自身を死人として生き永らえさせているの?」
「かもしれない」
ここまで話したあと、ロックは急に黙り込んでしまった。
色々と考えるべきことがあるのだろう。すると、ロックがわたしと目を合わせる。
「すまない、メル。暫くの間、師弟関係を解消させてほしい」
「理由を聞いてもいいかしら」
「やらなければならないことができた」
きっと、そう言うと思っていた。
だからわたしは訊ねる。
「倒しに行くつもり?」
この問いかけに、ロックは少しだけ間を開ける。
でも、正直に答えることにしたようだ。
「奴は、俺が殺し損ねた魔人だ。その結果、帝国は奴の手に堕ちた……。だから今度こそ、俺がこの手で決着をつける必要がある」
嫌だと言っても、行くなと言っても、ロックのことだから無駄だと分かっている。
それならば、わたしがすべきことは一つしかない。
「どうしても行くのね?」
「ああ、どの程度の期間になるか定かではないが……」
「じゃあ仕方ないわね。いつ出発する?」
「……お前、まさか」
「ええ。もちろんついて行くわ」
ニコリと微笑み、わたしはロックに返事をする。
「理解してないのか? 帝国は今、魔物の巣窟になってるんだぞ? しかも、魔人も居るんだ」
「その上で言っているのよ」
帝国へと向かう彼を止める術はない。
だからわたしは、一緒について行くことを決めた。
「弟子が師匠の背中を追いかけるのは、当然のことでしょう? たとえ師匠から破門を言い渡されたとしても、弟子は納得しないし、師匠の背中を追い続けるわ」
「危険だ。次は足を失うだけでは済まないかもしれない」
「安心して。わたしに考えがあるわ」
「……考えだと?」
ロックが眉を寄せる。
まだまだ新米を抜け出せないわたしが、いったい何を企んでいるのかと疑問に思ったのだろう。当然の反応だ。
「耳を貸しなさい」
わたしは不遜な笑みを浮かべる。
そしてその作戦を、そっと伝えるのだった。
ロックは、その魔人をよく知っている。
「奴は俺が殺したはずだ」
この手で……と、ロックは自分手を握り締める。
けれどもすぐに思い直したみたいだ。
「……いや、待てよ。現に今生きているとしたら、何らかの方法を用いて死を逃れたことになる」
「蘇ったとでも言うつもり? そんなことは絶対にできないわ」
「ああ、通常であればな」
何人たりとも、死を逃れることはできない。
それはあらかじめ答えの決まった問いかけであり、当たり前のことと言える。
その相手が、死人を操る魔人でなければ……。
「あのとき、俺は奴の首を獲りはしたが……魔石を回収しなかった」
ロックの台詞を耳にして、わたしは頷く。
つまりその魔人は、死んだけど死んでいなかったということになる。
「ひょっとして、自分自身を死人として生き永らえさせているの?」
「かもしれない」
ここまで話したあと、ロックは急に黙り込んでしまった。
色々と考えるべきことがあるのだろう。すると、ロックがわたしと目を合わせる。
「すまない、メル。暫くの間、師弟関係を解消させてほしい」
「理由を聞いてもいいかしら」
「やらなければならないことができた」
きっと、そう言うと思っていた。
だからわたしは訊ねる。
「倒しに行くつもり?」
この問いかけに、ロックは少しだけ間を開ける。
でも、正直に答えることにしたようだ。
「奴は、俺が殺し損ねた魔人だ。その結果、帝国は奴の手に堕ちた……。だから今度こそ、俺がこの手で決着をつける必要がある」
嫌だと言っても、行くなと言っても、ロックのことだから無駄だと分かっている。
それならば、わたしがすべきことは一つしかない。
「どうしても行くのね?」
「ああ、どの程度の期間になるか定かではないが……」
「じゃあ仕方ないわね。いつ出発する?」
「……お前、まさか」
「ええ。もちろんついて行くわ」
ニコリと微笑み、わたしはロックに返事をする。
「理解してないのか? 帝国は今、魔物の巣窟になってるんだぞ? しかも、魔人も居るんだ」
「その上で言っているのよ」
帝国へと向かう彼を止める術はない。
だからわたしは、一緒について行くことを決めた。
「弟子が師匠の背中を追いかけるのは、当然のことでしょう? たとえ師匠から破門を言い渡されたとしても、弟子は納得しないし、師匠の背中を追い続けるわ」
「危険だ。次は足を失うだけでは済まないかもしれない」
「安心して。わたしに考えがあるわ」
「……考えだと?」
ロックが眉を寄せる。
まだまだ新米を抜け出せないわたしが、いったい何を企んでいるのかと疑問に思ったのだろう。当然の反応だ。
「耳を貸しなさい」
わたしは不遜な笑みを浮かべる。
そしてその作戦を、そっと伝えるのだった。
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