僕と精霊

青春忘却編 5月11日〜5月17日

第45話 欠けた2ピース

　大量の怪我人達が病院に運ばれる
「急いで下さい、重傷患者です！」
「こっちもだ！すぐに集中治療室へ！」
「ベットが足りないぞ！」
病院内は大パニックだ

「...ゔ...ゔぅ...」
「お姉ちゃん❗️死なないで❗️うわーん...」
「カナ..メちゃ...」
白夜は薄れゆく意識の中でカナメの泣き声を聞く

翌日

「...！」
白夜は病室のベットで目を覚ます
ベットにはカナメもローズと一緒に寝ていた

「カナメちゃん...」
白夜は寝ているカナメの頭を撫でる
「スーちゃん、起きたのね、体は大丈夫？」
ベットの横の椅子に座っていたキャミーが目を覚ます

「ママ！いつからそこに？」
白夜は少し混乱しながら聞く
「あなたがここに運ばれてからずっと居たわよ」　
キャミーは白夜の手を掴みながら優しく答える

「あ！お姉ちゃん起きた！ローズ！お姉ちゃん起きたよ！」
「え！本当だ！白夜！体は大丈夫なの！」
ローズは飛び起きすぐに白夜の心配をする

「ふふっ、大丈夫よ、それより他の皆さんは？」
白夜は心配そうに言う

「大丈夫よ、みんな違う部屋で寝ているはずよ」
ローズは答える
「なら安心ね」
白夜は安心するともう一度眠りについてしまう

　ラートとレート
「zzzz...」
「グゴォォォ！」
二人はぐっすり眠っている

「これなら、安心ですぜ」
ボノムがラートに布団をかける

「そうですね、マスター達もすぐ目覚めるでしょう」
グライドは窓から外を眺めて言う

ザルとリベラ
「はっ！俺は！」
ザルは目覚める

「お目覚めですか、ザル様」
メイデンが軽くお辞儀をする

「おお、メイデンここはどこだ？」
「病院でございます、昨日我々が運びました」
「そうか、ありがとな、迷惑かけちまって」
「滅相もございません、パートナーとして当然です！」
メイデンは誇らしげに角を光らせる

「ザルさん目が覚めたのですね」
リベラが隣のベットからザルに声をかける

「おう、お前こそ大丈夫か？結構メンタル面がやられてるように見えたが」
ザルの一言でリベラは少しビクッとする

「だ、大丈夫です、リベラの心配はしないで下さい、リベラは悪い子なので」
リベラは悲しそうな目をして言う

「何言ってんだよ！お前は悪い子なんかじゃない！もっと自分に自信をもてよ！」
ザルがリベラに一喝する

「おや？お二人とも元気のようですね！」
病室にウリエラとガブリラがやって来た

「ウリエラさんにガブリラさん！心配しましたよ、どこにいたんですか！」
リベラは機嫌を取り戻す

「ええ、ちょっと大変なことになっていて」
ウリエラは新聞を二人に渡した

「...！今回の騒動で1000以上の死傷者が出ただと！？」
ザルは新聞の記事に驚愕する
「その中には龍神学園の生徒達も大勢含まれています」
ガブリラは追加で報告する

「クソ！科学軍の人間め！」
ザルがベットを叩く
「今回のテロには魔法軍の人間も関わっているようです」
「なんだと！？」
ザルは言葉が詰まる

「そして、一番の問題が...」
ウリエラは悪魔の事について、ザル達に全て話す

「最悪だな」
ザルは考え込む
「で、でもリベラ達のクラスメイト全員が無事だったのが何よりです」
「ああ、それはそうだな」

　ザル達は安心しながらこれからのことを考える