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小屋の猟師?
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空には、白い雲がゆっくりと流れていく。
魚の様な形。
四足動物の、多分、牛の様な形。
馬だとしたら、ちょっとお腹周りが、おデブ過ぎるかな。
そんな雲を指差して、「あー」とか「うー」とか言っている少女が1人。
その子に付いて来られて、ちょっと困ってる少年が1人。
川沿いを森の方へ向かって、2人は歩いていた。
「…で、何処まで付いて来るの?」
「…?」
クランの呼び掛けに、きょとんとした顔を返す少女。
クランは、川面に映った姿からすると、恐らくは7歳か8歳くらい。
少女はさらに幼く、4歳か5歳といった所か。
「付いてくるなら、せめて名前だけでも教えてよ」
「…あーま…?」
「な、ま、え。君の名前を教えてって」
川で出逢った時にも聞いたが、こんな風に、少女はちゃんと答えてはくれない。
そんな少女を、クランは業を煮やして放って歩き出したのだが、少女の方はそんなクランに付いて来ていた。
「なーま?」
「そう、なまえ」
自分より小さい子に腹を立てるのも恥ずかしいから、クランは苛立ちを抑えて作り笑いを浮かべる。
「なーま、なーま!」
キャッキャと一緒になって笑う少女は、どうやらクランの作り笑いを楽しんでると勘違いして、笑ってくれた時の言葉を連呼した。
言葉が解らない、小さい子によくある事。
だが、これがまだ幼いクランにはふざけている様にしか見えない。
「なーまじゃない。な、ま、え。君の名前だよ」
少し語気を強くして、クランは少女の目を見た。
すると、少女から笑顔が消え、泣き出しそうな表情に変わっていく。
「ああっ!?なな、なんで!?ど、どうしたら名前を教えてくれるんだ!?」
頭を抱えたクランを見て、少女はとうとう泣き出してしまった。
「うわぁっ!ちょっ!泣くなよ!君が名前も教えてくれないからだろ!?」
クランがそう言おうとして、言い切らないうちに少女が走り出す。
「あ!待って!」
掴もうとしたクランの手は、ほんの僅かに少女の服を掠める事しかできなかった。
掴めなかった自分の手に舌打ちしながら、クランは仕方なく少女を追って走り出す。
まだ森には入っておらず、森の木が壁の様に並ぶラインに沿って、草原を走る。
太陽が背になる方向なのは間違いないが、依然、方角はサッパリだった。
泣き出してがむしゃらに走る子供は、なかなかどうして簡単には捕まらない。
ようやく、もう少しというところで、少女を掴みかけた。
その時。
少女の紅い髪の隙間、丁度耳の上辺りに、黒いものが見えたのだった。
「…っ!?」
クランは思わず伸ばした手を引っ込める。
その刹那。
突然目の前を黒い影が横切り、突風と共に少女の姿が消えたのだった。
「なっ!?…消えた!?」
驚きを隠せず声に出しながらも、バサバサと大きな羽音を聞き逃さなかった。
羽音のする方を見ると、巨大なコウモリの羽を持つ、恐竜の様な生き物が飛んでいた。
「くっ!!…あ、あの子!?」
恐竜の足に、少女が捕まえられているのが見える。
「くそっ!どうしたら…!!」
とにかく何かを飛ばそうと思って、足元の小石を掴み、恐竜へ向かって投げた。
するとその時、クランが投げた石は到底届きもせずに落ちたのだが、恐竜は何かの衝撃を受けて動きが止まり、左に傾いてそのまま落下し始めた。
ヤバい!!
女の子が!!
あの高さから落ちたら確実に死ぬ!
そう思うより先に身体が駆け出す!
ヤバい!ヤバい!!ヤバい!!!
間に合ってくれええぇぇぇーッッッ!!!
恐竜の足から離された少女は、力無く頭から真っ逆さまに落ちる!
もっと早く!もっと!!もっとッ!!!
くっそおおおぉぉぉーーーッッッッ!!!!
全身の、あらゆる筋肉をフル活用して、全身全霊で走った!
1秒が何分にも感じられる思考加速も、全て早く走る事に費やす!
いつの間にか、クランは自分が青白く発光している事に気付いた!
だが、本人にも何事か解らない。
こういう時の判断は、クランは速かった。
何事か解らない事など加速した思考で即座に捨て置き、瞬時に再び前を向いた。
すると、加速している思考に身体の動きが追い付いてくる!
青白い光のせいか。
走り始めた時、正直言うと、とてもじゃないが間に合わないとも思っていた。
しかし、今は違う。
加速した思考と共に、身体の動きも加速していた!
これなら!!
やるしかないだろ!!
全力で助けてやる―――!!
―――それからは、一瞬だった。
クランにとっては何分もの時間を走った気分だが、端から見れば、とても人間の出せるスピードではなかった。
200メートル強ほどの距離を、概ね4秒余りで駆け抜けたのだ。
バイクのドラッグレース程ではないが、それに匹敵しそうな、常人離れした速さだった。
そして、ジャンプして少女を抱き込むと、そのまま上昇して、羽が風の抵抗を受けて後から落ちてきた恐竜を掴み、クッション代わりに活用して地面に落ちたのだった。
その衝撃で、腕の中の少女が目を覚ます。
クランと目が合った途端に、幼い瞳から涙が溢れだす。
赤子とも思える高い声で、嗚咽を漏らす。
「ごめん、ごめんよ、怖い思いさせて…」
そんな少女を、クランがしっかりと抱きしめ、恐くてどうしようもなく溢れる涙も、鼻水と合わせてたっぷりとクランの服に染み込むのだった。
それからしばらくして。
少女が落ち着いた頃を待って居てくれた人物が、クランの前に姿を現す。
「ようやく、落ち着いた様じゃの?」
それは、あの恐竜を、手に持った大きな弓矢で打ち落とした、猟師らしき風貌の年老いた男だった。
外はあんなに晴れていたのに、少し薄暗い部屋だな。
クランが最初に室内を見た時の第一印象だった。
しかも、壁などには物々しい刃物や、何かの機械が幾つか置かれている。
機械と言っても、木を主体に作られた手動の機械で、脱穀機とか、そういう類いの物だ。
「いやぁ、たまげたぞぃ!まさか、こんなちいこい子供が、2人だけでこんな所に来るとはよ?」
キッチンで何か支度をする老人が、クラン達に言った。
「来た、というより、気付いたら居た、という方が正しいですけどね」
クランは、老人の期待に応えられない事実に、バツが悪そうな笑みを浮かべる。
「気付いたら居た、じゃと?」
クランの言葉に、老人は振り返って問い質した。
「え?…ええ、まあ、僕はそうです。でもこの子はたまたま草原の中を流れる川でバッタリ逢いまして…」
「なんと!こんなちこんまい子らが、それぞれ1人でこんなところへ…!?」
どうやら、老人の何か思うところに触れた様で、少しばかり高揚するのが見て取れる。
「は、はぁ…」
僕達、何かやらかしたのか?
そんな不安が頭にチラつく。
「…で?君はどこから?」
老人は少女を見て、ニッコリと笑う。
「どぅ、ど、どーか?」
たどたどしい言葉遣いは変わらないが、濁点などは発音が難しいのか、余計に噛んでる。
「こんな感じで、言葉が解らないみたいなので、僕も名前すら聞けずに困ってたんですよ」
頭を掻きながら、少女のフォローを入れる。
「いや、これはもしや、伝承の通りかもしれんのう」
老人は、そう言いながら御盆を手に取り、此方へ運んできた。
「伝承?」
テーブルの上に置かれるカップを見ながら、クランは老人の言葉への疑問を聞き返していた。
「そう。伝承、古き言い伝えじゃ」
そう前置きして、老人は紀元前から伝えられると言う、言い伝えを話し始めたのだった。
魚の様な形。
四足動物の、多分、牛の様な形。
馬だとしたら、ちょっとお腹周りが、おデブ過ぎるかな。
そんな雲を指差して、「あー」とか「うー」とか言っている少女が1人。
その子に付いて来られて、ちょっと困ってる少年が1人。
川沿いを森の方へ向かって、2人は歩いていた。
「…で、何処まで付いて来るの?」
「…?」
クランの呼び掛けに、きょとんとした顔を返す少女。
クランは、川面に映った姿からすると、恐らくは7歳か8歳くらい。
少女はさらに幼く、4歳か5歳といった所か。
「付いてくるなら、せめて名前だけでも教えてよ」
「…あーま…?」
「な、ま、え。君の名前を教えてって」
川で出逢った時にも聞いたが、こんな風に、少女はちゃんと答えてはくれない。
そんな少女を、クランは業を煮やして放って歩き出したのだが、少女の方はそんなクランに付いて来ていた。
「なーま?」
「そう、なまえ」
自分より小さい子に腹を立てるのも恥ずかしいから、クランは苛立ちを抑えて作り笑いを浮かべる。
「なーま、なーま!」
キャッキャと一緒になって笑う少女は、どうやらクランの作り笑いを楽しんでると勘違いして、笑ってくれた時の言葉を連呼した。
言葉が解らない、小さい子によくある事。
だが、これがまだ幼いクランにはふざけている様にしか見えない。
「なーまじゃない。な、ま、え。君の名前だよ」
少し語気を強くして、クランは少女の目を見た。
すると、少女から笑顔が消え、泣き出しそうな表情に変わっていく。
「ああっ!?なな、なんで!?ど、どうしたら名前を教えてくれるんだ!?」
頭を抱えたクランを見て、少女はとうとう泣き出してしまった。
「うわぁっ!ちょっ!泣くなよ!君が名前も教えてくれないからだろ!?」
クランがそう言おうとして、言い切らないうちに少女が走り出す。
「あ!待って!」
掴もうとしたクランの手は、ほんの僅かに少女の服を掠める事しかできなかった。
掴めなかった自分の手に舌打ちしながら、クランは仕方なく少女を追って走り出す。
まだ森には入っておらず、森の木が壁の様に並ぶラインに沿って、草原を走る。
太陽が背になる方向なのは間違いないが、依然、方角はサッパリだった。
泣き出してがむしゃらに走る子供は、なかなかどうして簡単には捕まらない。
ようやく、もう少しというところで、少女を掴みかけた。
その時。
少女の紅い髪の隙間、丁度耳の上辺りに、黒いものが見えたのだった。
「…っ!?」
クランは思わず伸ばした手を引っ込める。
その刹那。
突然目の前を黒い影が横切り、突風と共に少女の姿が消えたのだった。
「なっ!?…消えた!?」
驚きを隠せず声に出しながらも、バサバサと大きな羽音を聞き逃さなかった。
羽音のする方を見ると、巨大なコウモリの羽を持つ、恐竜の様な生き物が飛んでいた。
「くっ!!…あ、あの子!?」
恐竜の足に、少女が捕まえられているのが見える。
「くそっ!どうしたら…!!」
とにかく何かを飛ばそうと思って、足元の小石を掴み、恐竜へ向かって投げた。
するとその時、クランが投げた石は到底届きもせずに落ちたのだが、恐竜は何かの衝撃を受けて動きが止まり、左に傾いてそのまま落下し始めた。
ヤバい!!
女の子が!!
あの高さから落ちたら確実に死ぬ!
そう思うより先に身体が駆け出す!
ヤバい!ヤバい!!ヤバい!!!
間に合ってくれええぇぇぇーッッッ!!!
恐竜の足から離された少女は、力無く頭から真っ逆さまに落ちる!
もっと早く!もっと!!もっとッ!!!
くっそおおおぉぉぉーーーッッッッ!!!!
全身の、あらゆる筋肉をフル活用して、全身全霊で走った!
1秒が何分にも感じられる思考加速も、全て早く走る事に費やす!
いつの間にか、クランは自分が青白く発光している事に気付いた!
だが、本人にも何事か解らない。
こういう時の判断は、クランは速かった。
何事か解らない事など加速した思考で即座に捨て置き、瞬時に再び前を向いた。
すると、加速している思考に身体の動きが追い付いてくる!
青白い光のせいか。
走り始めた時、正直言うと、とてもじゃないが間に合わないとも思っていた。
しかし、今は違う。
加速した思考と共に、身体の動きも加速していた!
これなら!!
やるしかないだろ!!
全力で助けてやる―――!!
―――それからは、一瞬だった。
クランにとっては何分もの時間を走った気分だが、端から見れば、とても人間の出せるスピードではなかった。
200メートル強ほどの距離を、概ね4秒余りで駆け抜けたのだ。
バイクのドラッグレース程ではないが、それに匹敵しそうな、常人離れした速さだった。
そして、ジャンプして少女を抱き込むと、そのまま上昇して、羽が風の抵抗を受けて後から落ちてきた恐竜を掴み、クッション代わりに活用して地面に落ちたのだった。
その衝撃で、腕の中の少女が目を覚ます。
クランと目が合った途端に、幼い瞳から涙が溢れだす。
赤子とも思える高い声で、嗚咽を漏らす。
「ごめん、ごめんよ、怖い思いさせて…」
そんな少女を、クランがしっかりと抱きしめ、恐くてどうしようもなく溢れる涙も、鼻水と合わせてたっぷりとクランの服に染み込むのだった。
それからしばらくして。
少女が落ち着いた頃を待って居てくれた人物が、クランの前に姿を現す。
「ようやく、落ち着いた様じゃの?」
それは、あの恐竜を、手に持った大きな弓矢で打ち落とした、猟師らしき風貌の年老いた男だった。
外はあんなに晴れていたのに、少し薄暗い部屋だな。
クランが最初に室内を見た時の第一印象だった。
しかも、壁などには物々しい刃物や、何かの機械が幾つか置かれている。
機械と言っても、木を主体に作られた手動の機械で、脱穀機とか、そういう類いの物だ。
「いやぁ、たまげたぞぃ!まさか、こんなちいこい子供が、2人だけでこんな所に来るとはよ?」
キッチンで何か支度をする老人が、クラン達に言った。
「来た、というより、気付いたら居た、という方が正しいですけどね」
クランは、老人の期待に応えられない事実に、バツが悪そうな笑みを浮かべる。
「気付いたら居た、じゃと?」
クランの言葉に、老人は振り返って問い質した。
「え?…ええ、まあ、僕はそうです。でもこの子はたまたま草原の中を流れる川でバッタリ逢いまして…」
「なんと!こんなちこんまい子らが、それぞれ1人でこんなところへ…!?」
どうやら、老人の何か思うところに触れた様で、少しばかり高揚するのが見て取れる。
「は、はぁ…」
僕達、何かやらかしたのか?
そんな不安が頭にチラつく。
「…で?君はどこから?」
老人は少女を見て、ニッコリと笑う。
「どぅ、ど、どーか?」
たどたどしい言葉遣いは変わらないが、濁点などは発音が難しいのか、余計に噛んでる。
「こんな感じで、言葉が解らないみたいなので、僕も名前すら聞けずに困ってたんですよ」
頭を掻きながら、少女のフォローを入れる。
「いや、これはもしや、伝承の通りかもしれんのう」
老人は、そう言いながら御盆を手に取り、此方へ運んできた。
「伝承?」
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