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77話 王宮女官(2)
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「リナリア様、王宮女官って、そうなんですの?」
カトレア夫人は私を振り向いて確認するように問いました。
「ええ。王弟妃殿下の紹介状がいただけるなら、どこのお屋敷でも雇われると思います。王宮女官はメイドとしては最高の職歴です」
「そうなのですね」
カトレア夫人は私の答えを聞くと、バジル様に前向きな質問を始めました。
「私は平民です。平民が王宮女官になれるでしょうか」
「なれます。この離宮には平民の女官もおります。この離宮の女主人は私の母、王弟妃殿下です。私が推薦すれば母は採用してくれます」
「私はお作法も未熟です。エンフィールド家でお作法は教わっておりますが、まだまだ知らないことや、戸惑うことがあります。王宮の女官になるには、どのくらいのレベルのお作法が必要でしょうか?」
カトレア夫人、かなり前向きですね。
「作法はこちらで指導いたします。……そうそう」
バジル様は思い出したように言いました。
どこかのタイミングで出すつもりの話だったのかもしれませんが。
「デイジー嬢のお友達、クローブ子爵のご令嬢ミモザさんも、今、女官としてこの離宮で働いています」
ミモザというのはデイジーの信望者のあの小娘ですね。
葡萄酒事件の現場に居合わせ、調書の作成のためバジル様に協力したという。
「え?! ミモザさんが?!」
デイジーが軽く驚いたような顔でバジル様に言いました。
「女官になられたのですか?!」
「はい。ミモザさんには私もお世話になりましたので、何かお手伝いが出来ればと思い、女官の仕事を紹介しました」
「ミモザさんはここで働いているのですか?!」
「はい。ミモザさんは貴族の娘ですから、侍女となって行儀見習いをしています。ご心配ならミモザさんにも話を聞いてみてはいかがでしょう」
カトレア夫人はデイジーを振り向きました。
「デイジー、ミモザさんというお方はお友達なの?」
「ええ、お友達よ」
少し警戒心を解いたようなデイジーとカトレア夫人の様子を見て、バジル様はわずかに喜色を浮かべて説明を続けました。
「下位貴族のご令嬢には、王宮女官の経歴があれば結婚に有利となりますから、お手伝いさせていただいております」
「結婚に……?」
カトレア夫人が少し興味ありそうな目でバジル様に問い掛けるように言いました。
「はい。女官の経歴があれば箔がつきます。下位の貴族のご令嬢であれば、女官の経歴は嫁入り道具にもなるのです」
「箔がつくのですか?」
「はい」
バジル様は手ごたえを感じたのか、前のめりに勧誘を続けました。
「王宮女官は、女性が官位を得られる唯一の職業です。国王陛下から官位を賜るのですから、その経歴は箔になります。もしカトレア夫人が、この先ご結婚をお考えになった場合にも、王宮女官の経歴は有利に働くでしょう」
「私が……結婚?!」
カトレア夫人は衝撃を受けたような顔をしました。
カトレア夫人は私を振り向いて確認するように問いました。
「ええ。王弟妃殿下の紹介状がいただけるなら、どこのお屋敷でも雇われると思います。王宮女官はメイドとしては最高の職歴です」
「そうなのですね」
カトレア夫人は私の答えを聞くと、バジル様に前向きな質問を始めました。
「私は平民です。平民が王宮女官になれるでしょうか」
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「私はお作法も未熟です。エンフィールド家でお作法は教わっておりますが、まだまだ知らないことや、戸惑うことがあります。王宮の女官になるには、どのくらいのレベルのお作法が必要でしょうか?」
カトレア夫人、かなり前向きですね。
「作法はこちらで指導いたします。……そうそう」
バジル様は思い出したように言いました。
どこかのタイミングで出すつもりの話だったのかもしれませんが。
「デイジー嬢のお友達、クローブ子爵のご令嬢ミモザさんも、今、女官としてこの離宮で働いています」
ミモザというのはデイジーの信望者のあの小娘ですね。
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「え?! ミモザさんが?!」
デイジーが軽く驚いたような顔でバジル様に言いました。
「女官になられたのですか?!」
「はい。ミモザさんには私もお世話になりましたので、何かお手伝いが出来ればと思い、女官の仕事を紹介しました」
「ミモザさんはここで働いているのですか?!」
「はい。ミモザさんは貴族の娘ですから、侍女となって行儀見習いをしています。ご心配ならミモザさんにも話を聞いてみてはいかがでしょう」
カトレア夫人はデイジーを振り向きました。
「デイジー、ミモザさんというお方はお友達なの?」
「ええ、お友達よ」
少し警戒心を解いたようなデイジーとカトレア夫人の様子を見て、バジル様はわずかに喜色を浮かべて説明を続けました。
「下位貴族のご令嬢には、王宮女官の経歴があれば結婚に有利となりますから、お手伝いさせていただいております」
「結婚に……?」
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「はい。女官の経歴があれば箔がつきます。下位の貴族のご令嬢であれば、女官の経歴は嫁入り道具にもなるのです」
「箔がつくのですか?」
「はい」
バジル様は手ごたえを感じたのか、前のめりに勧誘を続けました。
「王宮女官は、女性が官位を得られる唯一の職業です。国王陛下から官位を賜るのですから、その経歴は箔になります。もしカトレア夫人が、この先ご結婚をお考えになった場合にも、王宮女官の経歴は有利に働くでしょう」
「私が……結婚?!」
カトレア夫人は衝撃を受けたような顔をしました。
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