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05話 魅了魔法
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「ぜんぶメロディスの魅了魔法のせいだったんだ!」
レオ殿下が私の前で、機密を暴露していらっしゃいます。
噂や推測はあれど、メロディスさんが捕縛された理由は明らかにされていませんから、魅了魔法のことは堂々と口に出してはいけないことと思うのですが。
「私はシャローナを愛している!」
王立魔法学園を欠席しているレオ殿下から、私に王宮への招待状が届きました。
私と話がしたいとのことでした。
私は、父グラスター公爵にも同席してもらうということで、その招待を受けました。
そして今、私はレオ殿下とお話をしています。
私の隣には父が、レオ殿下の隣には王妃殿下がいらっしゃいます。
「シャローナ、もう一度私と婚約してくれ! やり直したい!」
「お断りします」
私はきっぱりお断りしました。
私の隣で、父が苦笑いをしています。
「どうして?! 君は私のことを愛しているだろう?!」
「……メロディスさんが、私に虐められていた、と、今でも信じていらっしゃるのですか?」
「信じていない。全てメロディスの嘘だったのだ。シャローナはそんなことはしていなかった」
「レオ殿下はおっしゃいましたよね。私がメロディスさんを虐めていることが、私がレオ殿下に執着している証拠だと。ならば、お解りですよね……」
やっていないことの証明は難しいので、私がメロディスさんを虐めていない証拠を出すことは困難だと思っておりました。
しかし思いがけず、私はメロディスさんを虐めていなかった、と、レオ殿下が認めてくださいました。
「私はメロディスさんを虐めていなかったのですから、嫉妬などしていなかったということです。私はレオ殿下には何の執着もありません」
「な、何を言っているんだ……」
「レオ殿下がおっしゃったことです」
「メロディスに魅了されていた間のことは、私の本心ではない。私が本当に愛しているのは、シャローナ、君だけなんだ!」
「レオ殿下のそのお顔……」
私はモヤモヤしている憂鬱な気持ちをレオ殿下に伝えました。
「メロディスさんを心配なさっていたときのお顔ですよね」
「だ、だからそれはメロディスの魅了魔法のせいだったんだ」
「レオ殿下のお姿を拝見すると、殿下がメロディスさんに優しくしていらしたことを思い出してしまいますので、もう無理です」
「これからはシャローナだけに優しくする!」
「メロディスさんに優しく微笑みかけていたお顔で、私に優しく微笑みかけるのですか?」
私はこみあげる不快感に眉を歪めながら、レオ殿下に言いました。
「そのお顔、二度と見たくありませんの」
レオ殿下が私の前で、機密を暴露していらっしゃいます。
噂や推測はあれど、メロディスさんが捕縛された理由は明らかにされていませんから、魅了魔法のことは堂々と口に出してはいけないことと思うのですが。
「私はシャローナを愛している!」
王立魔法学園を欠席しているレオ殿下から、私に王宮への招待状が届きました。
私と話がしたいとのことでした。
私は、父グラスター公爵にも同席してもらうということで、その招待を受けました。
そして今、私はレオ殿下とお話をしています。
私の隣には父が、レオ殿下の隣には王妃殿下がいらっしゃいます。
「シャローナ、もう一度私と婚約してくれ! やり直したい!」
「お断りします」
私はきっぱりお断りしました。
私の隣で、父が苦笑いをしています。
「どうして?! 君は私のことを愛しているだろう?!」
「……メロディスさんが、私に虐められていた、と、今でも信じていらっしゃるのですか?」
「信じていない。全てメロディスの嘘だったのだ。シャローナはそんなことはしていなかった」
「レオ殿下はおっしゃいましたよね。私がメロディスさんを虐めていることが、私がレオ殿下に執着している証拠だと。ならば、お解りですよね……」
やっていないことの証明は難しいので、私がメロディスさんを虐めていない証拠を出すことは困難だと思っておりました。
しかし思いがけず、私はメロディスさんを虐めていなかった、と、レオ殿下が認めてくださいました。
「私はメロディスさんを虐めていなかったのですから、嫉妬などしていなかったということです。私はレオ殿下には何の執着もありません」
「な、何を言っているんだ……」
「レオ殿下がおっしゃったことです」
「メロディスに魅了されていた間のことは、私の本心ではない。私が本当に愛しているのは、シャローナ、君だけなんだ!」
「レオ殿下のそのお顔……」
私はモヤモヤしている憂鬱な気持ちをレオ殿下に伝えました。
「メロディスさんを心配なさっていたときのお顔ですよね」
「だ、だからそれはメロディスの魅了魔法のせいだったんだ」
「レオ殿下のお姿を拝見すると、殿下がメロディスさんに優しくしていらしたことを思い出してしまいますので、もう無理です」
「これからはシャローナだけに優しくする!」
「メロディスさんに優しく微笑みかけていたお顔で、私に優しく微笑みかけるのですか?」
私はこみあげる不快感に眉を歪めながら、レオ殿下に言いました。
「そのお顔、二度と見たくありませんの」
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