甘やかされた欲しがり妹は~私の婚約者を奪おうとした妹が思わぬ展開に!

柚屋志宇

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11話 両家の話し合いの日

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「婚約の件を話し合うために、明日、ガーネット伯爵夫妻が来る。サフィール、お前も同席するようにとのことだ」

 私は父に呼ばれ、そう告げられました。

「私も? ルビーは同席するのですか?」

 私は父に問い返しました。

 これから婚約する当事者のルビーが同席するなら解りますけれど。
 婚約解消される私の同席は必要ないと思いましたから。

「ルビーも同席させる」

 父はそう答えました。

 この時の私はまだ知りませんでした。
 ガーネット伯爵は私の同席を望みましたが、ルビーの同席は望んでいませんでした。

 ルビーを同席させたのは、父です。
 惨事の責任は父にあります。


 ◆


(アルマンディン様……)

 ガーネット伯爵夫妻が我が家を来訪しました。
 私の婚約者、いえ、すでに元婚約者になるのかもしれませんが、アルマンディン様も一緒です。

「ようこそいらっしゃいました」

 玄関口で私たちはガーネット伯爵一家を迎えました。
 妹のルビーも一緒です。
 ルビーは母と一緒にいて、母に促されながら拙い挨拶をしています。

 ルビーの挨拶は本当に幼い子供のような拙いものでしたが、ルビーは満面の笑顔で得意気でした。

「サフィール嬢、やっと会えた」

 アルマンディン様が私にそう言いました。

「後で二人で話そう」
「……話せたら良いけれど……」

 アルマンディン様がそう望んでくださっても、ルビーが乱入して来たら私には止められません。

 それに私の両親もルビーの味方をします。
 両親はルビーとアルマンディン様を婚約させたいのですから、私がアルマンディン様と時間を持つことを良しとしないでしょう。

 私は言葉を濁しました。

 ですがアルマンディン様は朗らかな笑顔で言いました。

「大丈夫。父に頼んであるから」

 ――そのとき。

「アルマンディン様ぁ、浮気するなんて酷いです!」

 ルビーが、私とアルマンディン様の会話に割り込んで来ました。

「アルマンディン様はもうルビーの婚約者なんですからぁ、お姉様とはお話しないでください!」

 そしてルビーは素早い身のこなしで、アルマンディン様の腕に絡みつきました。

「……っ!」

 アルマンディン様が驚愕の表情で、二歩、三歩と後退りしました。
 ルビーをぶら下げたまま。

「ルビー嬢、離れてください! 手を放して!」

 アルマンディン様が悲愴な表情で叫びました。

 私も……。
 ルビーのこの目も当てられない無作法に、思わず心が現実逃避をしてしまい、天を仰いでしまいました。

「コランダム卿、君は娘さんにどういう教育をしているのだね?」

 ガーネット伯爵が厳しい眼差しで、私の父に苦言を呈しました。

 母が慌ててルビーに駆け寄り、ルビーを窘めてアルマンディン様から引きはがしました。

「お母様ぁ、アルマンディン様はルビーの婚約者なのに、どうして駄目なんですかぁ? 婚約者がエスコートしてくれないなんておかしいです!」

「まだルビーは正式に婚約していないからよ。これから婚約するのよ。もう少しの我慢よ」
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