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覚醒編3・硝子の少年であり、永遠の中学生
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曇天のせいで陽射しは暖かくはないものの真冬に比べれば過ごしやすく、どうしても眠気を誘う。
新しいクラスになったり、隼人の相手したり、春菜の保護監察官になったり、優香にド突かれたり、と精神的に安らぐ時間が圧倒的に不足しているからな。
見目だけは麗しい(中身は小悪魔系?)柚繰の隣で、うつらうつらしたり、軽く睡眠を取ってみたり、熟睡したりしていると、何時の間にかお昼の時間になっていた。
「もう慣れてはきたけど……本当によくそんなに寝れるわね?」
呆れ顔でお隣さんの柚繰がそう言った。トントトン、と使ったのであろう教科書を揃えて机の中にしまっている。
ちなみに、俺の教科書はまだ新品だ。
「ハッハッハ、今日はちょっと夢見が悪くてなぁ」
「夢?」
「んだんだ。全く覚えてないんだが……あんまりいい夢ではなかったような気がするなぁ」
「へぇ……意外と繊細なのね、夢を気にするなんて」
「意外とな。硝子の少年とは俺様のことだぜ」
まぁ、夢については全く覚えていないんだがな。起き抜けの胸騒ぎも今となっては欠片も残っていないし……単純に眠かったからだな、うん。
「……おーい、浩之、柚繰ちゃん。飯に行こうぜ」
隼人が目を擦りながら俺たちに呼びかけてきた。
……俺はあんなに堂々と寝ることは出来ないな。繊細というよりも小心者なのかもしれない。
とにもかくにも飯にしよう。
食堂まで移動してきて昼食を食す。
何時の間にか、本当に何時の間にか春菜が合流していた。
……忍者かこいつは。
「飯食ったらよ、朝言ってたアレやってみようぜ」
定食とラーメンを持ってきた隼人がそう言った。
まぁ、隼人の体格からしたらこれぐらいの量を食べるでも分からなくはないんだが……
「はぁー、楽しみだねぇ……」
ごとごとり、とカレーライスとうどんをテーブルに置いた春菜がきらきらした目で立っていた。
こいつのこの量はおかしいだろ?
カレーにうどんって、軽く2食分だぞ?
「……ねぇ、アレって何?」
きつねそばを既に啜り始めていた柚繰は新出のワードに興味を引かれたようだ。
そうだよなぁ、普通このぐらいの量が一般的女子だよなぁ。
「俺も良くは分からないんだけどさ……」
朝の『ロールさん』についての内容を掻い摘んで説明してみる。
「その『ロールさん』をこの俺様が手に入れたって訳よ」
キュッキュッとハンカチでご神体を磨きながらドヤ顔でそう言う隼人。
この野郎、朝はちり紙に包んでたくせに……。
「へぇ、そういうのが今流行っているのね」
「俺も寡聞にして知らなかったがな。まぁ、歴史は繰り返す、ってことなのかねぇ」
カチリカチリカチリ。
「歴史は繰り返すって……浩之、アンタまるで中年のおじさんみたいだね」
「なにおぅっ!? この永遠の中学生とご町内でも有名な俺を捕まえて中年のハゲデブオヤジとは何たる暴言っ!?」
「そこまで言ってないけど……ていうか、永遠の中学生って、それはそれでまずくない?」
「……お前にだけは言われたくないが、細かいこたぁいいんだよ」
フッとニヒルな笑みを溢して春菜を見やるが……
「ふーん、はい、ごちそうさま。浩之……全然箸が進んでないけど大丈夫?」
「………………あれ?」
「ごっそーさん」
「ご馳走様」
気付くとみんな食器が空になっていた。対して俺は、まだ半分以上残っている。
「ぐぬぬぬ………………」
昨日に引き続き、俺は冷めかけた昼飯をかっこむのであった。
新しいクラスになったり、隼人の相手したり、春菜の保護監察官になったり、優香にド突かれたり、と精神的に安らぐ時間が圧倒的に不足しているからな。
見目だけは麗しい(中身は小悪魔系?)柚繰の隣で、うつらうつらしたり、軽く睡眠を取ってみたり、熟睡したりしていると、何時の間にかお昼の時間になっていた。
「もう慣れてはきたけど……本当によくそんなに寝れるわね?」
呆れ顔でお隣さんの柚繰がそう言った。トントトン、と使ったのであろう教科書を揃えて机の中にしまっている。
ちなみに、俺の教科書はまだ新品だ。
「ハッハッハ、今日はちょっと夢見が悪くてなぁ」
「夢?」
「んだんだ。全く覚えてないんだが……あんまりいい夢ではなかったような気がするなぁ」
「へぇ……意外と繊細なのね、夢を気にするなんて」
「意外とな。硝子の少年とは俺様のことだぜ」
まぁ、夢については全く覚えていないんだがな。起き抜けの胸騒ぎも今となっては欠片も残っていないし……単純に眠かったからだな、うん。
「……おーい、浩之、柚繰ちゃん。飯に行こうぜ」
隼人が目を擦りながら俺たちに呼びかけてきた。
……俺はあんなに堂々と寝ることは出来ないな。繊細というよりも小心者なのかもしれない。
とにもかくにも飯にしよう。
食堂まで移動してきて昼食を食す。
何時の間にか、本当に何時の間にか春菜が合流していた。
……忍者かこいつは。
「飯食ったらよ、朝言ってたアレやってみようぜ」
定食とラーメンを持ってきた隼人がそう言った。
まぁ、隼人の体格からしたらこれぐらいの量を食べるでも分からなくはないんだが……
「はぁー、楽しみだねぇ……」
ごとごとり、とカレーライスとうどんをテーブルに置いた春菜がきらきらした目で立っていた。
こいつのこの量はおかしいだろ?
カレーにうどんって、軽く2食分だぞ?
「……ねぇ、アレって何?」
きつねそばを既に啜り始めていた柚繰は新出のワードに興味を引かれたようだ。
そうだよなぁ、普通このぐらいの量が一般的女子だよなぁ。
「俺も良くは分からないんだけどさ……」
朝の『ロールさん』についての内容を掻い摘んで説明してみる。
「その『ロールさん』をこの俺様が手に入れたって訳よ」
キュッキュッとハンカチでご神体を磨きながらドヤ顔でそう言う隼人。
この野郎、朝はちり紙に包んでたくせに……。
「へぇ、そういうのが今流行っているのね」
「俺も寡聞にして知らなかったがな。まぁ、歴史は繰り返す、ってことなのかねぇ」
カチリカチリカチリ。
「歴史は繰り返すって……浩之、アンタまるで中年のおじさんみたいだね」
「なにおぅっ!? この永遠の中学生とご町内でも有名な俺を捕まえて中年のハゲデブオヤジとは何たる暴言っ!?」
「そこまで言ってないけど……ていうか、永遠の中学生って、それはそれでまずくない?」
「……お前にだけは言われたくないが、細かいこたぁいいんだよ」
フッとニヒルな笑みを溢して春菜を見やるが……
「ふーん、はい、ごちそうさま。浩之……全然箸が進んでないけど大丈夫?」
「………………あれ?」
「ごっそーさん」
「ご馳走様」
気付くとみんな食器が空になっていた。対して俺は、まだ半分以上残っている。
「ぐぬぬぬ………………」
昨日に引き続き、俺は冷めかけた昼飯をかっこむのであった。
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