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第2章 更なるレベルアップへの道のり
第16話 オークジェネラル戦 2
しおりを挟むデカいだけのブタが出た。それが正直な感想だ。
しかも辺りの木を抜いては投げまくってくる。環境破壊もいいところだ! こいつは許しておけぬ。俺は無意味な環境破壊は大嫌いなのだ。すぐに駆除せねば。
デカいブタの周りに十個程度の残像を置くと、もぐら叩きのようにあちこち叩き始めた。
「見苦しいな。雑魚はしょせん雑魚か」
俺の残像に踊らされるだけの大ブタは目を血走らせながら叩きまわっている。
真後ろに移動していてもまるで気づく様子がない。
「はぁ~、見た目は強そうだったんだがなぁ。期待外れもいいところだ。とっとと止めでも刺してやるか」
頭部の近くまで軽くジャンプし、ホーリーソードを横に一凪する。
それだけであっけなくブタの頭部は切り離された。
ズゥゥゥゥンと地響きを立てながら沈みゆく巨体。
「ふぅ、片付いたかな。ミーナ、大丈夫か?」
「……」
「おーい、ミーナ?」
「……」
「ミーナ? どうかしたのか? 俺の知らない所で怪我でもさせちゃったか?」
「……いや」
「ふぅ、ならいいんだけど……、そろそろ降りないか? もう片付いたし」
「……」
一体どうしたんだろう? ミーナは固まったまま動く気配がない。マッピングの中にもう敵の反応はないのでこれで大丈夫なはすだし。さっさと薬草とって帰りたいのだが……。
ミーナをゆっくりと地面に降ろし、顔を見ると、目が丸く開きっぱなし、口も開いたまま塞がらず、ぼーっと呆けたまま固まっている。
「おーい、ミーナ! もう帰ろうよ。エリザが待ってるだろ?」
「……はっ! あ、ソウ……。私……夢でも見てるのかしら?」
「何いってんだ? そんなワケないだろ? ちょっとゴミ掃除しただけだ。ほら、薬草取りにいこう。暗くなっちゃうぞ?」
「だって、さっきのはオークジェネラルなのよ?」
「オークジェネラル? なんだそれ、美味しいの?」
「美味しいわけないでしょ! あんなの食べられるワケないじゃない!」
怒鳴られてしまった。俺は経験値的にオイシイのか聞いただけで、オイシイのならもっと狩りに行きたかっただけ、だったんだが……。まぁいい。女のヒステリーもサッと聞き流すのが紳士ってもんさ。
「じゃぁ、もう帰ろうよ。ずっと座ってないでさ」
「あ……」
「ん? まだ何かあったのか? あ、そっか。ちょっと汗でもかいたんだな。なんだ、それなら早く言ってくれればいいのに。それっ!」
ヒールとキュアーの重ねがけだ。これで体もスッキリ間違いなし!
「あ、ありがと。でもそうじゃないの……」
「あれ? 違うの?」
「こ、腰が動かなくって……」
「え? 腰が抜けて動けないってこと?」
「そう……みたい」
急にしおらしくなったな。いつもこんな感じなら可愛いのに。
「ほら、また背負っていくから、捕まって」
「……うん」
「よっこいしょっと」
「ちょっと、何そのオジサンくさい掛け声」
「えっ? あっ、今のナシでっ」
また背中にミーナの温もりがと柔らかさが戻ってきた。さて、帰るとするか。
振り返った瞬間の出来事だった。目の前に突然、あのダンジョンで飽きるほど見た、モンスターが出現する時の黒いモヤが現れたのだ。
「あ、あれは!?」
ミーナが驚く。
その黒いモヤはオークジェネラルよりも遥かに大きく広がり、辺り一帯に転がっていたオークの死体を吸い込んでいった。そして、
「う、うそよ。うそでしょ? ねぇっ! 終わったんじゃないの?」
黒いモヤから出てきた足の大きさだけでも、先程のオークジェネラルを上回る大きさだ。
上体も現れると体長は優に二十メートルを超える超巨体が出現した。
その体には金色に輝く長い毛で覆われており、腕は先程のオークジェネラルの胴体よりも太い。そして、腕には黄金に光るロングソードを持って現れたのだ。
そのロングソードは体長のさらに倍は長く、推定四十メートル程。それを肩に担いだだけで、足が地面に軽く沈むほどの重さを持っていた。
背中にいたミーナの体がガタガタと震えだした。
「ミーナ?」
「お、終わりだわ……」
「終わり?」
ミーナはそれ以上何も喋らなくなってしまった。そして、俺の腰にジワ~ッと生暖かい水分が広がった。
「あっ、おいっ! ミーナっ!」
「……」
ミーナは口をカタカタと震わせて動けなくなっていた。
くっ、まさか呆けたまま失禁するなんて……。トホホ……。まぁキュアーでなんとかなるけどさ。
すぐにキュアーを発動し、服も乾いた所で心機一転、俺は目の前の巨体と対峙した。
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