レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野

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第9章 勇者RENの冒険

第184話 二回戦第二試合 死の国代表 ジーク VS メタルドール代表 ミリィ

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「さぁ、興奮冷めやらない会場ですが、まもなく、本日の第二試合が始まろうとしています。ローファンさん、第二試合は死の国代表 ジーク VS メタルドール代表 ミリィというカードになっておりますがどうご覧になりますか?」

「はい、こちらも激闘必死、好カード間違いないかと思いますが、なんといっても、魔法が通用しないジークに対し、ミリィが戦闘のみでどこまでジークと戦えるのか? ここが一つの見所ではないでしょうか!」

「確かに、イヴリスの超級極大魔法すら吸い込んでしまうほどのブラックホールをジークは持っていますからね。ミリィの攻撃も必然と物理攻撃に頼らざるを得ないかもしれませんね」

「はい、それに加え、ジークは神代の剣を持っています。それを扱うだけの技量もあるわけですから、ミリィのあの、謎の剣が果たしてどこまで通用するのか? 激しい剣での戦いになるのではないでしょうか?」

「なるほど、ちなみに、その口ぶりですと、ジーク有利という予想でしょうか?」

「そうですね。個人的にはジークが優勢に試合を運ぶのではないか? と考えていますが、ミリィもまだ隠している武器がある可能性が大きいですからね。こればかりは……わかりませんね」

「さぁ、会場の整備が終わりました! いよいよ、戦士の入場ですッ!」



「東の方角ッ! 死の国代表ッ! ジークッッッ!!!」

「さぁ、歩いてきたのは黒いローブ。不気味なまでの静かさでスーッと移動してきます。入ってくるだけで背筋に冷たいものを感じるのは私だけではないでしょう! そして、一回戦で使用したあの聖剣、ヴォルグスネーガを腰に提げています!」

「見れば見るほど異様な迫力のある剣ですね。一旦見てしまうと眼が離せなくなると言いますか……、あの不気味さもジークならではですね」

 ジークは歩くこと無く、わずかに浮遊し、舞台まで移動していった。周囲の天使たちの表情も青ざめるほどの負のオーラを身に纏って。



「西の方角ッ! メタルドール代表ッ! ミリィッッッ!!!」

「さぁ、ミリィが入場して参りました! 相変わらず、戦いとは無縁そうな服装ですね。メイド服というのでしょうか? 平和が香りを感じてしまいますが、中身は違います! 見た目からは想像もつかないほどの戦闘マシーンであります! 果たして、ジークとの決戦、どちらが勝つのかッッッ!」

「ミリィは一回戦でのダメージもなさそうですね。ジークもまったく一回戦の影響を感じませんでしたので、お互いのコンディションはバッチリと言えそうです!」

「そうですね。傷ついた服? のようなものもしっかりと復元しています! 謎の技術に満ちたメタルドール。その真価が今! 問われようとしています!」



「ミリィが舞台インしました! 両者、相手から視線が外れませんッ! ジークの眼窩に青白い炎が灯りました! ミリィの眼は正にサイボーグの如く冷たい視線をジークに向けています! さぁ、本日の第二試合、今! 始まります!」



「死の国代表! ジーク! VS メタルドール代表! ミリィ! レディ………………、ゴーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!」



 ミリィは動かなかった。いや、動けなかった。ジークの眼は眼窩の中の炎をより大きく燃やし、こちらを見つめている。

 どうしかけてくる? 私は魔法を使えない。私の持つ威力の弱い魔法などジークは意にも介さないだろう。やはり直接勝負しか……、

 背中にある異次元格納庫から瞬時に短剣を取り出し、構える。

 だが、ジークはジッとこちらを見つめ、動かなかった。

「そこの娘よ」

 ……ッ?

 ジークが口を開く。

「ワシに勝ちを譲るつもりはないか?」

 ジークは一回戦でも最初に何かをしゃべっていた。恐らく、イヴリスにも同じことを言っていたのだろう。だが……、馬鹿げている。私にも目的があってここにいるのだ。勝ちを譲るなど到底かんがえられない。

「無理か? ハッキリ言っておこう。ワシの目的は神の撲滅。神の終焉ラグナリョークこそワシの理想。もう神が下界に関与する時代は終わったのだ。どうか……、協力してはもらえまいかのぅ?」

 ジークの言葉にウソはなさそう。私のコンピューターがそう伝えてくる。だが、神を撲滅する? そんなことが可能だというの? 本気でそんなことを考えているのだとしたら、とんでもない夢想家か、とんでもない大馬鹿者のどちらかだわ。

「申し訳ありませんが、私にも目的があるのです。それに必要な力はアナタではない、とマザーコンピューターマテルコンプが告げているのです。アナタの暗黒の力はこの神の国アースガルドだけでなく、我々の国ミッドガルドまでをも滅ぼしてしまいそうな危うい力。アナタに協力するわけにはいかないわ」

 ジークは眼の炎をより強くした。身体に纏うオーラが噴出し、凄まじい威圧を放ってくる。

 私が生きる生命でなかったのが幸いしたわ。もし私が生命体であれば、この威圧で動けなくなってしまった可能性も高いわね。

「そうか……、ワシの目的をそこまで見抜くとはな……。話が早い。

 確かに、この神の国アースガルドを制圧し、その次こそ人族の国ミッドガルドの制圧。そして、ワシは巨神族の国ヨーツンヘイム冥界ヘルまでも制圧してみせよう。

 全ての国の垣根を壊し、全ての民たちが平等に暮らせる地上、永遠の地エターナルガイアの創生こそワシの目的なのだ」

 ジークは両腕を広げ、さらに魔力のオーラを開放した。そのオーラは身長10メルほどもある人形を形成し、濃密に、ドス黒く染まっている。

 この男、何を考えているのだ? 今ある国を全て滅ぼす? そんなこと出来るわけがないッ!

 私はこの夢想家の野望を打ち砕くべく、小刀を構え、飛び跳ねるように仕掛けて行くのだった。

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