神さまに捧ぐ歌 〜推しからの溺愛は地雷です〜【完】

新羽梅衣

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カーテンコールに花束を

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 堪らなくなって口付けを贈れば、途端に瞳の色が変わる。どんどん深くなるキスに甘い声が漏れた。この声も反応も、紡の全てが俺だけのものという優越感に浸る。

 名残惜しく思いながら一度唇を離せば、耳まで赤く染めた紡が躊躇いがちに手を伸ばす。


 「ねえ、今日は僕にさせて」
 「え!?」


 普段、エッチなことなんて知りませんって顔をしているのに、今この子は何と言った?
 純粋無垢な紡から発せられた言葉が信じられなくて、思わず聞き返してしまう。


 「……僕も律に触りたい」


 すると拗ねたようにそう言うから、頭にかあっと血が上って、ぐと奥歯を噛み締めた。理性がぼろぼろに崩れ去ってしまいそうになるけれど、もし今本能のままに紡を犯せば新たなトラウマを作ってしまうだろう。なけなしの理性を掻き集めて、狼が紳士の皮を被る。


 「紡の好きなようにしていいよ」


 それを聞いた紡は移動すると、恥ずかしそうに視線を落としてズボンの上から控えめに触れる。もう既にそこは主張していて、それに驚いた紡はへにゃりと眉を下げる。

 自分から言い出したのに視線をさ迷わせて、早速どうしていいか分からなくなっている。そんな初心なところも興奮材料になる浅はかな自分に呆れてしまった。


 「脱ごうか?」
 「……ん」


 むすと唇を尖らせた紡。多分、自分から言い出したのにってまた自己嫌悪してるのだろう。そんなところも可愛いと思うのだから、恋は盲目だ。

 最後は任せようとズボンだけ脱げば、上目遣いでこちらを見る。何も言わずにいれば、紡は恐る恐る下着の上から唇を落とす。

 その光景だけでもう満足。無理するなと頭を撫でれば、負けず嫌いが顔を出す。一思いに下着を下げた紡は、その勢いのままに大きくなった先端に口付けた。そして、それからどうしようと再び固まってしまう。


 「……紡、」
 「やだ」


 経験のない紡に無理をさせまいと声をかければ、イヤイヤと首を振る。今日の収録でアドレナリンが出て、興奮が止まらないのだろう。

 すりと耳を指先で弄れば、きゅと目を閉じた。そんな紡が可愛くて額にキスをすれば、意思の強い瞳が俺を見つめる。さっきまであんなに躊躇っていたのに、赤い舌を覗かせてそれを咥えた。


 「ッ、」


 全くの予想外、不意をつかれて思わず声が漏れる。それに気を良くした紡は、俺の様子を伺いながら右手を添えて動かし始める。

 俺にとって、紡の歌声は宝物。その歌声を発する口内に自分のものが入っていると思うと、一気に血が沸騰してくらくらした。


 「きもちいい?」
 「うん、上手だよ」


 瞳から欲望を垂れ流しにしている自覚はあるけれど、丸い頭を撫でながら努めて優しく言えば紡はへにゃりと笑う。


 「紡、そろそろ」
 「だめ、今日は僕が全部する」


 立場を逆転させようと、紡の体をベッドに横たえようとすればその手を掴まれる。そして、そのまま紡は俺の上に跨った。慣らしてもいないのに駄目だと止めようとすれば、目を閉じて眉間に皺を寄せた紡が自分の指でそこを拡げていた。

 この子は俺をどうしたいのだろう。何度か体を重ねることはあったけれど、ここまで積極的な紡は初めてだ。今夜は俺が紡を甘やかそうと思っていたのに、これでは俺がご褒美を貰っている側だ。

 だけど、紡のやりたいことは全て叶えてやりたい。俺は押し倒したい気持ちを押し込めて、紡のやりたいようにやらせてあげることにした。


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