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第2章
18.「やっぱりわたし、この仕事が大好きです!」
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家の中に戻ると、エリクとアンリエッタは家の掃除を始めていた。天気が良くなり、窓を全開にできるおかげだ。ブロンは床を拭いているエリクの方へぴゅーっと駆けていった。
「あ、お疲れさん、シュゼット。掃除はやっておくから、休んだらどうだ?」
エリクは布巾を水に浸して、力強く絞った。シュゼットが絞るよりもずっと水がよく切れている。
「ありがとう。でも、洗濯用のせっけん作ってくるよ」
「そうか? 無理するなよ」
「うん」と答えたシュゼットが歩き出すと、ブロンがすぐにその後についてきた。
ブロンと一緒にソープワートを摘み、鍋の中に入れて揉んでいく。手を動かしながら、シュゼットは頭も動かしていた。
ロラのために何かできることがないか。それだけが頭に浮かんできた。
――間接的にでも何かできること。ブライアン先生を介してでも、できることはないかな。
その時だった。
シュゼットの頭の中に、誰かの声が聞こえてきた。
『喘息には埃やカビが大敵よ。だから、相手を思って贈り物をする時も、埃やカビの温床になるようなものはダメ。例えばぬいぐるみとか。子どもは喜ぶから、ついついあげたくなるかもしれないけどダメ。結局相手のためにならないもの。それからマスクはなるべくした方が良いわね。精油をスプレーしたマスクをすると、呼吸が楽になるから』
「……埃と、カビと、マスク」
そうつぶやくと同時に、シュゼットはロラの部屋がぬいぐるみであふれていることを思い出した。外に出られず、友達が少ないロラのために両親が買い与えているぬいぐるみ。あれがロラにとって悪影響を及ぼしているのかもしれないのだ。
「神様のお告げだ!」
そう叫ぶやいなや、シュゼットはブロンを抱き上げ、家の中に飛び込んだ。
「わたし、フランセットさんを追いかけてくる!」
「まあ、急にどうしたの?」
ダイニングルームの家具の埃を落とし終えたアンリエッタが現れると、シュゼットはアンリエッタの腕にブロンを預けた。
「ロラのことで、神様のお告げがあったの! すぐに知らせなきゃ! そうしたら、ロラの症状は改善するかもしれない!」
シュゼットはアンリエッタの返事を待たずに駆け出した。
「シュゼット、フランセットさんを追いかけるって?」
エリクが遅れてやってくると、アンリエッタは置いて行かれて拗ねているブロンをあやしながら笑顔で答えた。
「ええ。お告げがあったそうよ」
「お告げ?」
「シュゼットは時々、神様からお告げをいただくそうなの。アロマとハーブのテラピーっていう自然療法の今の仕事も、神様のお告げによって始めたそうよ」
「へえ! すごいな、シュゼット」
エリクは驚きで微笑みを浮かべながら、開いたままになっているドアを閉めた。
「きっとあの子が人のためになる子だってわかってるんでしょうね、神様は。あの子にぴったりの仕事を授けてくださったもの。絶対に続けるべきだわ」
「確かに、シュゼットにしかできない仕事だな。誰かのために必死になったり、考えたり」
アンリエッタはエリクの言葉に嬉しそうにうなずいた。
「あの子がお告げを受けたなら、ロラはきっと良くなるわね」
「ねえ、ブロン?」と尋ねると、ブロンは元気よく「キャンッ」と答えた。
「――フランセットさん!」
フランセットの家がもう目と鼻の先に見えているところで、シュゼットはフランセットに追いついた。フランセットは驚いた顔で振り返り、シュゼットに駆け寄ってきた。
「どうしたの、シュゼット」
シュゼットはゼイゼイ息を吐きながら答えた。
「あ、あの、わたし、気づいたんです。喘息には、埃とカビが良くないんです」
「埃とカビ?」
「は、はい。喘息の症状がある人は、たいてい、埃とカビにも弱いんです。だから、ロラの部屋のぬいぐるみを、別の部屋に移すか、毎日お日様の下で干すか、してほしいんです。そしたら、ロラの症状は改善するかもしれません」
「まあ、そんなことで! それなら、今すぐにでもやるわ!」
フランセットがあっさりと信じてくれたことに、シュゼットは安心した。
この世界で最も権威のある医療である魔法医療では、症状の根本原因を究明しないことが多い。体の悪いところを透視魔法で見つけて、それを治癒魔法で正常に治す、という治療をしているのだ。そのため、病気の根本的な原因や症状を悪化させる原因などは分かっていないものの方が多い。
それにもかかわらず、シュゼットのような民間療法士の言葉を素直に聞き入れてくれるなんて。
それだけフランセットがロラを心配し、藁にもすがる思いだということがわかった。
「わざわざ追いかけてきてくれて、ありがとう、シュゼット。あなたには頭が上がらないわ」
「そんなことないです。むしろギリギリでお会いできてよかった。あ、あともう一つ」
シュゼットは一度呼吸を整えてから、マスクがどういうものかを、地面に絵を描いて説明した。フランセットの家の周辺は、レンガではなく土の道なのだ。
「へえ。そんなものがあるのね」
「自分の呼吸によって常に喉を潤すことができますし、万が一寝ている間に口を開けてしまっても、埃の侵入を防ぐことができるんです。それから、精油の効果で呼吸がしやすくなることもあるので、ぜひ、試してもらいたくて。あ、でも、重要な精油を持ってくるの、忘れてた」
シュゼットはいつも持ち歩いている手提げカゴすら持って来るのを忘れていた。あの中にならば、数種類の精油が入っていたというのに。
「それなら、せめてマスクをつけさせてみるわ。それで、わたしがあの人の説得に成功したら、その時はマスクにつけるための精油を持って訪ねてきてちょうだい」
「わかりました! それじゃあ、どの精油が良いか、ロラが気に入りそうなものを選んでおきますね」
「ありがとう。さあ、急いで仕事に取り掛からなくちゃ! 本当にありがとうね、シュゼット」
「いえ。それじゃあ、ロラによろしく伝えてください」
シュゼットとフランセットは笑顔で別れた。
「はー、間に合ってよかったあ」
額は汗まみれ、髪は首に張り付き、喉は焼けるように痛い。こんなにも全力で走ったのは久しぶりだ。身はボロボロだが、シュゼットの心は晴れやかだった。
神様のお告げで、ロラの力になれるかもしれないのだ。
そのことが何よりもうれしかった。
「神様、ありがとうございます! やっぱりわたし、この仕事が大好きです!」
シュゼットはゆっくりと家路をたどった。その口元には微笑みが浮かんでいた。
「あ、お疲れさん、シュゼット。掃除はやっておくから、休んだらどうだ?」
エリクは布巾を水に浸して、力強く絞った。シュゼットが絞るよりもずっと水がよく切れている。
「ありがとう。でも、洗濯用のせっけん作ってくるよ」
「そうか? 無理するなよ」
「うん」と答えたシュゼットが歩き出すと、ブロンがすぐにその後についてきた。
ブロンと一緒にソープワートを摘み、鍋の中に入れて揉んでいく。手を動かしながら、シュゼットは頭も動かしていた。
ロラのために何かできることがないか。それだけが頭に浮かんできた。
――間接的にでも何かできること。ブライアン先生を介してでも、できることはないかな。
その時だった。
シュゼットの頭の中に、誰かの声が聞こえてきた。
『喘息には埃やカビが大敵よ。だから、相手を思って贈り物をする時も、埃やカビの温床になるようなものはダメ。例えばぬいぐるみとか。子どもは喜ぶから、ついついあげたくなるかもしれないけどダメ。結局相手のためにならないもの。それからマスクはなるべくした方が良いわね。精油をスプレーしたマスクをすると、呼吸が楽になるから』
「……埃と、カビと、マスク」
そうつぶやくと同時に、シュゼットはロラの部屋がぬいぐるみであふれていることを思い出した。外に出られず、友達が少ないロラのために両親が買い与えているぬいぐるみ。あれがロラにとって悪影響を及ぼしているのかもしれないのだ。
「神様のお告げだ!」
そう叫ぶやいなや、シュゼットはブロンを抱き上げ、家の中に飛び込んだ。
「わたし、フランセットさんを追いかけてくる!」
「まあ、急にどうしたの?」
ダイニングルームの家具の埃を落とし終えたアンリエッタが現れると、シュゼットはアンリエッタの腕にブロンを預けた。
「ロラのことで、神様のお告げがあったの! すぐに知らせなきゃ! そうしたら、ロラの症状は改善するかもしれない!」
シュゼットはアンリエッタの返事を待たずに駆け出した。
「シュゼット、フランセットさんを追いかけるって?」
エリクが遅れてやってくると、アンリエッタは置いて行かれて拗ねているブロンをあやしながら笑顔で答えた。
「ええ。お告げがあったそうよ」
「お告げ?」
「シュゼットは時々、神様からお告げをいただくそうなの。アロマとハーブのテラピーっていう自然療法の今の仕事も、神様のお告げによって始めたそうよ」
「へえ! すごいな、シュゼット」
エリクは驚きで微笑みを浮かべながら、開いたままになっているドアを閉めた。
「きっとあの子が人のためになる子だってわかってるんでしょうね、神様は。あの子にぴったりの仕事を授けてくださったもの。絶対に続けるべきだわ」
「確かに、シュゼットにしかできない仕事だな。誰かのために必死になったり、考えたり」
アンリエッタはエリクの言葉に嬉しそうにうなずいた。
「あの子がお告げを受けたなら、ロラはきっと良くなるわね」
「ねえ、ブロン?」と尋ねると、ブロンは元気よく「キャンッ」と答えた。
「――フランセットさん!」
フランセットの家がもう目と鼻の先に見えているところで、シュゼットはフランセットに追いついた。フランセットは驚いた顔で振り返り、シュゼットに駆け寄ってきた。
「どうしたの、シュゼット」
シュゼットはゼイゼイ息を吐きながら答えた。
「あ、あの、わたし、気づいたんです。喘息には、埃とカビが良くないんです」
「埃とカビ?」
「は、はい。喘息の症状がある人は、たいてい、埃とカビにも弱いんです。だから、ロラの部屋のぬいぐるみを、別の部屋に移すか、毎日お日様の下で干すか、してほしいんです。そしたら、ロラの症状は改善するかもしれません」
「まあ、そんなことで! それなら、今すぐにでもやるわ!」
フランセットがあっさりと信じてくれたことに、シュゼットは安心した。
この世界で最も権威のある医療である魔法医療では、症状の根本原因を究明しないことが多い。体の悪いところを透視魔法で見つけて、それを治癒魔法で正常に治す、という治療をしているのだ。そのため、病気の根本的な原因や症状を悪化させる原因などは分かっていないものの方が多い。
それにもかかわらず、シュゼットのような民間療法士の言葉を素直に聞き入れてくれるなんて。
それだけフランセットがロラを心配し、藁にもすがる思いだということがわかった。
「わざわざ追いかけてきてくれて、ありがとう、シュゼット。あなたには頭が上がらないわ」
「そんなことないです。むしろギリギリでお会いできてよかった。あ、あともう一つ」
シュゼットは一度呼吸を整えてから、マスクがどういうものかを、地面に絵を描いて説明した。フランセットの家の周辺は、レンガではなく土の道なのだ。
「へえ。そんなものがあるのね」
「自分の呼吸によって常に喉を潤すことができますし、万が一寝ている間に口を開けてしまっても、埃の侵入を防ぐことができるんです。それから、精油の効果で呼吸がしやすくなることもあるので、ぜひ、試してもらいたくて。あ、でも、重要な精油を持ってくるの、忘れてた」
シュゼットはいつも持ち歩いている手提げカゴすら持って来るのを忘れていた。あの中にならば、数種類の精油が入っていたというのに。
「それなら、せめてマスクをつけさせてみるわ。それで、わたしがあの人の説得に成功したら、その時はマスクにつけるための精油を持って訪ねてきてちょうだい」
「わかりました! それじゃあ、どの精油が良いか、ロラが気に入りそうなものを選んでおきますね」
「ありがとう。さあ、急いで仕事に取り掛からなくちゃ! 本当にありがとうね、シュゼット」
「いえ。それじゃあ、ロラによろしく伝えてください」
シュゼットとフランセットは笑顔で別れた。
「はー、間に合ってよかったあ」
額は汗まみれ、髪は首に張り付き、喉は焼けるように痛い。こんなにも全力で走ったのは久しぶりだ。身はボロボロだが、シュゼットの心は晴れやかだった。
神様のお告げで、ロラの力になれるかもしれないのだ。
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