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1章 コスで生活
19話 なぞの新人
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「えー俺たちは嫌だよ、勘弁してよ」
目の前で言われるとショックが大きいね、顔を隠してるからまだいいけど、そうでなかったら僕、ここから逃げ出してるよ。
ここは冒険者ギルドです、今日はとうとう僕の協力クエスト初参加の日なんだ、一人では駄目なので人数の少ないPTに入れてもらいます、それを受付嬢のエリーヌさんが頼んでいて嫌がられてます。
そこまでしなくてもっと思うけど、これには色々理由があるんだよ。
「そう言わないでよ、この子はねリュウ君って言うの、ブロンズなのにすごく強いの、今日だけ一緒に行かせてあげて」
エリーヌさんに説得されてるのは、同じブロンズクラスのアリーナソードというPTです、4人PTで索敵が出来る冒険者がメンバーにいないんだ、だから忍者で索敵の出来る僕が入るわけです、鼻と口と片目を隠しほとんど顔が見えない僕だから嫌がられてます、それに忍者コスなので見た事の無い服だから警戒してるんだ。
まぁ気持ちは分かります、顔も見せない人を仲間にしたくはありませんよね、顔を見せるのは覚悟が要ります、僕は今のうちに深呼吸をしました。
「索敵はほんとに出来るんでしょうね、そうじゃなかったら意味ないんですからね」
「それはばっちりよアレーン君、そうでしょジャービスさん」
エリーヌさんの隣で腕を組んで頷き肯定してくれます、ジャービスさん言葉に出そうよっと、みんなの心の声が聞こえましたね、エリーヌさんが兎に角平気っとか言ってる始末です、僕は頭を下げよろしくって言ったんですよ。
「その声、もしかして女なのか?」
「違うわよアレーン君、ちょっと背丈も小さいし声も高いけど、彼は男の子よ」
じゃあ顔を見せろと言われ、僕は見せました、それでもどっちなのか分からないとか言われたけど、エリーヌさんは僕の顔を見てウットリです。
ほんとに男の姿じゃ緊張します、単独クエストで少しずつ慣らしたおかげで少しは良くなりました、だけど本調子には程遠いです、その為の完全忍者コスです、ステータスを上げ余裕を作って戦ってるだよ。
「ほら、見せたんだから入れてあげなさい、言っておくけどPTに正式に入ってくれって言い出してもダメよ、アタシが許さないから、いいわね」
どうしてエリーヌさんが決めるんですか?そんなアレーンたちの心の声が聞こえた気がします、今日一緒に行くクエストは隣街に荷物を運ぶ物です、ブロンズクラスの必須クエストですね。
これをクリアしギルドに貢献していれば、次のランクに上がる試験を受けれます、僕はそれを受けなくてはいけないんです、魔石【中】を売る為にどうしても必要なんですよ、ジャービスさんと約束しました。
「分かりましたよ、でも変な格好だな、どうしてそんな真っ黒なんだ?」
アレーンと握手をして笑顔になります、顔のほとんどを隠しているので分からないですけど、忍者なので仕方ないです。
そう言っても分からないので、故郷の戦闘衣装と説明しました、アレーンは納得してませんよ。
「良いじゃんアレーン、アタシは魔法士のサーティナ、よろしくねリュウ」
ヒューマンの女性サーティナが自己紹介をしてくれます、他の2人もヒューマンで女性格闘士(サミー)と男性剣士(ジャッカル)です、それぞれ握手をして出発します。
エリーヌさんとジャービスさん、それと受付で手を振ってくれてるパーシェントさんに手を振り返したんですよ。
「それでお前、武器はその細い短剣だけかよ」
アレーンが僕の腰を見て怒ってます、ポシェットも見えてるはずなんだけど、小さいから武器は入って無いと思ってるんだ、他にもあるとポシェットから手裏剣や護符を出します。
あまり納得してない感じだけど、どうやら持ってるのが分かって安心したみたいです、馬車の御者席に乗って行きましたよ。
「ごめんなリュウ、あいつさ最近失敗続きだから焦ってるんだ、いつもはニコニコしてる良いやつなんだぜ、出来れば仲良くしてやってくれな」
サミーが白い歯を見せ、にこやかな笑顔をします、気にしてないって伝え安心させました、サミーは安心したのか僕の横を歩き始めます、でもサミーは僕の腕を触って来たんだ、しっかり食べてるかって心配そうです。
自分の体が基準だから僕の体が細すぎないかって事らしいよ、俊敏性の為に鍛えてるだけで、食事はちゃんと取ってるって伝えます、軽装備で腹筋が見えるサミーは、それでも心配だって干し肉をくれました、サミーは優しい女性みたいですよ。
「それで、あんたどれくらい強いんだ?」
王都を出ると、ジャッカルが僕の横を歩いて顔をのぞかせてきます、どれくらいと言われても基準が分からない、そう伝えたら、いきなり模擬戦をしようとか言い出しました、今は馬車の移動中で周囲を見張らないといけないのにです。
「おいジャッカル!今は馬車を守るのが優先だぞ、そいつの実力は後だ」
「良いじゃねぇかよアレーン、どうせ王都から出たばかりのここら辺じゃモンスターは出ない」
僕の前に移動したジャッカルは片手剣を抜き構えています、僕はどうしたものかとサミーを見ました、やれやれって顔してますよ。
御者席のアレーンは、結局止めるのを諦めます、横に座ってるサーティナはオロオロしてるし、サミーはごめんって仕草をして謝ってるよ、相手をしないと収まらないって事なんだろうけど、みんなは遠征を甘く見てます、体力はなるべく温存しないといけないんだよ。
「悪いけど、それはあいつらを倒してからだ」
「何?」
僕は断り前方を指差します、その先にはウルフが4匹見えました、ジャッカルはそれを見てビビってます、アレーンは馬車を止め困り出しました。
「ど、どうしてこんな王都の近くに、おいアレーン!どうする」
「この道を通らないと隣街のササジンにはいけない、幸いまだ向こうは気づいてない、先手を取って戦うぞ!サーティナは補助魔法を俺とジャッカルに掛けてくれ、その後はサミーと馬車の護衛だ、お前も索敵は済んだんだ馬車を守れよな」
ふたりだけで戦うの?と、僕は疑問を抱きます、補助魔法の光に包まれてふたりが突撃したけど、それほど強くないと感じ取れます、僕の見立て通りちょっと離れた場所で戦い始めたけど苦戦中ですよ、連携を取らずバラバラに攻撃してます、サーティナとサミーは応援してるけど、ウルフの事を知らなすぎだね。
馬車の屋根にジャンプした僕は、東側にある小山を見ます、そこでひょっこり顔を出したのは黒いウルフです、そいつは小山を駆け下り馬車に真っすぐ向かってきます、まだ僕以外気付いてません。
「アレーンたちが戦ってるのは星1つのウルフ、でもブラックウルフは2つ星、オークと同じくらいだから、アレーンたちブロンズクラスじゃ勝てない、仕方ないかな」
僕が倒す方が良いと手裏剣を出します、これはもちろん収納から出しました、腰のポシェットから出した風に見せてるだけで沢山の武器があります。
ブラックウルフ目掛けて投げると、何とブラックウルフは手裏剣を避けました、まだ向かって来るかと新しい手裏剣を構えるます、それを見たのかブラックウルフは逃げて行きます、アレーンたちが相手をしていたウルフたちも逃げて行ったんだよ。
「囮を使って襲撃してきたんだね、もし僕がいなかったら全滅してたかも、輸送クエストってこんなに難易度高いの?」
ブロンズクラスの冒険者は死亡率が高いです、新人だから仕方ないですけど、それを差し引いても難し過ぎな気もします。
アレーンたちはウルフ4体に苦戦し、逃げられるまで1体も倒せなかったんだ、1匹でも倒せていれば、それはお金になります、だけど倒せなかった、だからアレーンたちは最近クエストを失敗してる、地道に薬草採取とかをこなし、遭遇するモンスターを倒していればお金も溜まり経験を積める、そう言った積み重ねをこの子たちはしてないんだよ。
「いてて」
「ほらジッとしてアレーン」
彼らの欠点を理解した僕は、これからどうしようと考えます、指導しても良いけど、それほど親しくはないんだ。
アレーンは右腕に噛みつかれ、あの短時間で回復魔法を使うほどの怪我をしました、ジャッカルは擦り傷程度です、相手の数が多いのにバラバラで戦ったから後ろから攻撃されたんです。
「ねぇサミーちょっと聞きたいんだけど、いいかな?」
「お!?リュウから話しかけて来るなんてな、どうかしたのか?」
昼休憩中、先ほどの戦闘の話をサミーに持ち掛けたんだ、それまでに戦闘は起きてません、それと言うのも王都から近いからです、既に僕の索敵にはモンスターが映ります、それもこっちを調べてる空気を感じます、このまま進むと必ず待ち伏せを食らいますね。
「戦い方はいつもあんな感じなの?もう少し味方の背中を気にするとかしないのかな」
「ああ~それな・・・実はアレーンとジャッカルは仲が悪いんだ」
はい?って僕は聞き返そうとして止めました、サミーの目線がその答えを教えてくれたからです、今サーティナとアレーンは昼食を仲良く取っています、それを少し離れてジャッカルが見てるんだ、黒パンと干し肉をかじって睨んでるみたいです。
サミーが分かっただろ?って見て来たから頷いておきました、僕はすごく心配になってしまったね。
「実は、こうなったのは1月前からなんだ、最初はみんな信頼して戦ってた、だけど最近はな」
1人の女性を思うあまりと言うやつです、それはどうしようもないってサミーは言います、ジャッカルが諦めるか、アレーンがジャッカルの気持ちを理解し、見えない所でイチャつくとかしてほしいとサミーは言います。
そんな時間は僕たちには無い、このクエストはこのままじゃ失敗します、それは僕も困るんです、そう思ってある作戦をサミーに話します。
「良いなそれ、アタシは賛成だ」
「じゃあ見ててねサミー」
ニッコリと立ち上がり、僕はジャッカルに模擬戦に誘います、でもジャッカルだけではなく、アレーンも誘い二人掛かりで来るように言ったんです、ふたりは作戦通り怒っています。
悪口を言って焚き付けたからだね、2人との模擬戦が決まり少し離れた所で僕は構えます、ふたりの本気はどの程度でしょうね、少し楽しみです。
目の前で言われるとショックが大きいね、顔を隠してるからまだいいけど、そうでなかったら僕、ここから逃げ出してるよ。
ここは冒険者ギルドです、今日はとうとう僕の協力クエスト初参加の日なんだ、一人では駄目なので人数の少ないPTに入れてもらいます、それを受付嬢のエリーヌさんが頼んでいて嫌がられてます。
そこまでしなくてもっと思うけど、これには色々理由があるんだよ。
「そう言わないでよ、この子はねリュウ君って言うの、ブロンズなのにすごく強いの、今日だけ一緒に行かせてあげて」
エリーヌさんに説得されてるのは、同じブロンズクラスのアリーナソードというPTです、4人PTで索敵が出来る冒険者がメンバーにいないんだ、だから忍者で索敵の出来る僕が入るわけです、鼻と口と片目を隠しほとんど顔が見えない僕だから嫌がられてます、それに忍者コスなので見た事の無い服だから警戒してるんだ。
まぁ気持ちは分かります、顔も見せない人を仲間にしたくはありませんよね、顔を見せるのは覚悟が要ります、僕は今のうちに深呼吸をしました。
「索敵はほんとに出来るんでしょうね、そうじゃなかったら意味ないんですからね」
「それはばっちりよアレーン君、そうでしょジャービスさん」
エリーヌさんの隣で腕を組んで頷き肯定してくれます、ジャービスさん言葉に出そうよっと、みんなの心の声が聞こえましたね、エリーヌさんが兎に角平気っとか言ってる始末です、僕は頭を下げよろしくって言ったんですよ。
「その声、もしかして女なのか?」
「違うわよアレーン君、ちょっと背丈も小さいし声も高いけど、彼は男の子よ」
じゃあ顔を見せろと言われ、僕は見せました、それでもどっちなのか分からないとか言われたけど、エリーヌさんは僕の顔を見てウットリです。
ほんとに男の姿じゃ緊張します、単独クエストで少しずつ慣らしたおかげで少しは良くなりました、だけど本調子には程遠いです、その為の完全忍者コスです、ステータスを上げ余裕を作って戦ってるだよ。
「ほら、見せたんだから入れてあげなさい、言っておくけどPTに正式に入ってくれって言い出してもダメよ、アタシが許さないから、いいわね」
どうしてエリーヌさんが決めるんですか?そんなアレーンたちの心の声が聞こえた気がします、今日一緒に行くクエストは隣街に荷物を運ぶ物です、ブロンズクラスの必須クエストですね。
これをクリアしギルドに貢献していれば、次のランクに上がる試験を受けれます、僕はそれを受けなくてはいけないんです、魔石【中】を売る為にどうしても必要なんですよ、ジャービスさんと約束しました。
「分かりましたよ、でも変な格好だな、どうしてそんな真っ黒なんだ?」
アレーンと握手をして笑顔になります、顔のほとんどを隠しているので分からないですけど、忍者なので仕方ないです。
そう言っても分からないので、故郷の戦闘衣装と説明しました、アレーンは納得してませんよ。
「良いじゃんアレーン、アタシは魔法士のサーティナ、よろしくねリュウ」
ヒューマンの女性サーティナが自己紹介をしてくれます、他の2人もヒューマンで女性格闘士(サミー)と男性剣士(ジャッカル)です、それぞれ握手をして出発します。
エリーヌさんとジャービスさん、それと受付で手を振ってくれてるパーシェントさんに手を振り返したんですよ。
「それでお前、武器はその細い短剣だけかよ」
アレーンが僕の腰を見て怒ってます、ポシェットも見えてるはずなんだけど、小さいから武器は入って無いと思ってるんだ、他にもあるとポシェットから手裏剣や護符を出します。
あまり納得してない感じだけど、どうやら持ってるのが分かって安心したみたいです、馬車の御者席に乗って行きましたよ。
「ごめんなリュウ、あいつさ最近失敗続きだから焦ってるんだ、いつもはニコニコしてる良いやつなんだぜ、出来れば仲良くしてやってくれな」
サミーが白い歯を見せ、にこやかな笑顔をします、気にしてないって伝え安心させました、サミーは安心したのか僕の横を歩き始めます、でもサミーは僕の腕を触って来たんだ、しっかり食べてるかって心配そうです。
自分の体が基準だから僕の体が細すぎないかって事らしいよ、俊敏性の為に鍛えてるだけで、食事はちゃんと取ってるって伝えます、軽装備で腹筋が見えるサミーは、それでも心配だって干し肉をくれました、サミーは優しい女性みたいですよ。
「それで、あんたどれくらい強いんだ?」
王都を出ると、ジャッカルが僕の横を歩いて顔をのぞかせてきます、どれくらいと言われても基準が分からない、そう伝えたら、いきなり模擬戦をしようとか言い出しました、今は馬車の移動中で周囲を見張らないといけないのにです。
「おいジャッカル!今は馬車を守るのが優先だぞ、そいつの実力は後だ」
「良いじゃねぇかよアレーン、どうせ王都から出たばかりのここら辺じゃモンスターは出ない」
僕の前に移動したジャッカルは片手剣を抜き構えています、僕はどうしたものかとサミーを見ました、やれやれって顔してますよ。
御者席のアレーンは、結局止めるのを諦めます、横に座ってるサーティナはオロオロしてるし、サミーはごめんって仕草をして謝ってるよ、相手をしないと収まらないって事なんだろうけど、みんなは遠征を甘く見てます、体力はなるべく温存しないといけないんだよ。
「悪いけど、それはあいつらを倒してからだ」
「何?」
僕は断り前方を指差します、その先にはウルフが4匹見えました、ジャッカルはそれを見てビビってます、アレーンは馬車を止め困り出しました。
「ど、どうしてこんな王都の近くに、おいアレーン!どうする」
「この道を通らないと隣街のササジンにはいけない、幸いまだ向こうは気づいてない、先手を取って戦うぞ!サーティナは補助魔法を俺とジャッカルに掛けてくれ、その後はサミーと馬車の護衛だ、お前も索敵は済んだんだ馬車を守れよな」
ふたりだけで戦うの?と、僕は疑問を抱きます、補助魔法の光に包まれてふたりが突撃したけど、それほど強くないと感じ取れます、僕の見立て通りちょっと離れた場所で戦い始めたけど苦戦中ですよ、連携を取らずバラバラに攻撃してます、サーティナとサミーは応援してるけど、ウルフの事を知らなすぎだね。
馬車の屋根にジャンプした僕は、東側にある小山を見ます、そこでひょっこり顔を出したのは黒いウルフです、そいつは小山を駆け下り馬車に真っすぐ向かってきます、まだ僕以外気付いてません。
「アレーンたちが戦ってるのは星1つのウルフ、でもブラックウルフは2つ星、オークと同じくらいだから、アレーンたちブロンズクラスじゃ勝てない、仕方ないかな」
僕が倒す方が良いと手裏剣を出します、これはもちろん収納から出しました、腰のポシェットから出した風に見せてるだけで沢山の武器があります。
ブラックウルフ目掛けて投げると、何とブラックウルフは手裏剣を避けました、まだ向かって来るかと新しい手裏剣を構えるます、それを見たのかブラックウルフは逃げて行きます、アレーンたちが相手をしていたウルフたちも逃げて行ったんだよ。
「囮を使って襲撃してきたんだね、もし僕がいなかったら全滅してたかも、輸送クエストってこんなに難易度高いの?」
ブロンズクラスの冒険者は死亡率が高いです、新人だから仕方ないですけど、それを差し引いても難し過ぎな気もします。
アレーンたちはウルフ4体に苦戦し、逃げられるまで1体も倒せなかったんだ、1匹でも倒せていれば、それはお金になります、だけど倒せなかった、だからアレーンたちは最近クエストを失敗してる、地道に薬草採取とかをこなし、遭遇するモンスターを倒していればお金も溜まり経験を積める、そう言った積み重ねをこの子たちはしてないんだよ。
「いてて」
「ほらジッとしてアレーン」
彼らの欠点を理解した僕は、これからどうしようと考えます、指導しても良いけど、それほど親しくはないんだ。
アレーンは右腕に噛みつかれ、あの短時間で回復魔法を使うほどの怪我をしました、ジャッカルは擦り傷程度です、相手の数が多いのにバラバラで戦ったから後ろから攻撃されたんです。
「ねぇサミーちょっと聞きたいんだけど、いいかな?」
「お!?リュウから話しかけて来るなんてな、どうかしたのか?」
昼休憩中、先ほどの戦闘の話をサミーに持ち掛けたんだ、それまでに戦闘は起きてません、それと言うのも王都から近いからです、既に僕の索敵にはモンスターが映ります、それもこっちを調べてる空気を感じます、このまま進むと必ず待ち伏せを食らいますね。
「戦い方はいつもあんな感じなの?もう少し味方の背中を気にするとかしないのかな」
「ああ~それな・・・実はアレーンとジャッカルは仲が悪いんだ」
はい?って僕は聞き返そうとして止めました、サミーの目線がその答えを教えてくれたからです、今サーティナとアレーンは昼食を仲良く取っています、それを少し離れてジャッカルが見てるんだ、黒パンと干し肉をかじって睨んでるみたいです。
サミーが分かっただろ?って見て来たから頷いておきました、僕はすごく心配になってしまったね。
「実は、こうなったのは1月前からなんだ、最初はみんな信頼して戦ってた、だけど最近はな」
1人の女性を思うあまりと言うやつです、それはどうしようもないってサミーは言います、ジャッカルが諦めるか、アレーンがジャッカルの気持ちを理解し、見えない所でイチャつくとかしてほしいとサミーは言います。
そんな時間は僕たちには無い、このクエストはこのままじゃ失敗します、それは僕も困るんです、そう思ってある作戦をサミーに話します。
「良いなそれ、アタシは賛成だ」
「じゃあ見ててねサミー」
ニッコリと立ち上がり、僕はジャッカルに模擬戦に誘います、でもジャッカルだけではなく、アレーンも誘い二人掛かりで来るように言ったんです、ふたりは作戦通り怒っています。
悪口を言って焚き付けたからだね、2人との模擬戦が決まり少し離れた所で僕は構えます、ふたりの本気はどの程度でしょうね、少し楽しみです。
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