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4章 コスで救済

72話 果物ダンジョン

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「さて主、後ろからサクっと切るんだぞ」

分かってるよっと声を出さずに頷き静かに行動しています、相手はビッグラットのブドウ版、マスカットラットです。
竹の1がモンスターの注意を引いてる間、僕は後ろから収集用のハサミを使って尻尾の先端にぶら下がっているブドウを切る為だね、フサの根元を上手く切って竹の1に見せます、相手は切られた事に気づいてません。
尻尾を切ってからマスカットラットを竹の1が倒すと、ドロップ品が変わったんだ、尻尾でも取ったマスカットではなく、加工されたマスカットゼリーが出て来るんです、竹の1たち分身のおかげで知ったんです。


「さすが主1回で出来るとはね、じゃあ次に行くよ~」


僕の手を引っ張りダンジョンを進んでくれます、モモが尻尾のラビットやミカンが尻尾のリスを切って行きます、ちょっとだけ躊躇うけどスイーツの為です。
竹の1が褒めてくれたけど、僕のコスは収穫のプロである牧場ゲームのコスです、麦わら帽子をかぶって和風の服だから戦闘に向きません、だから竹の1も一緒なんです、ステータスはこんな感じです。


《ステータス》(コスプレ中)
【名前】遠藤竜(エリナ)
【年齢】16歳
【性別】女
【種族】ヒューマン
【職業】コスプレイヤー(皆牧コス)
【レベル】1(1)
【HP】100(4000)【MP】50(4000)
【力】100(4000)【防御】100(4000)
【素早さ】150(4000)【魔法抵抗】50(4000)
【魔法】
なし
【スキル】
収納レベルMax
(採取レベル10)
(収穫レベル10)
(畑レベル10)
(牧場経営レベル10)
裁縫レベル5
(調理レベル5)
【ユニークスキル】
コスプレ
永遠の16歳
不眠不休
不思議のダンジョンレベル4
《酒ダンジョン》
《野菜ダンジョン》
《肉ダンジョン》
《果物ダンジョン》
【称号】
破滅のランナー・世界を越えたコスプレイヤー・お酒ダンジョン制覇者・魅了の笑顔・恐怖の笑顔・宣伝娘・お酒ダンジョン制覇者・お仕置き人・迷惑っ子・二つ名持ち・ドジっ子・野菜ダンジョン制覇者・闇のお仕置き人・最高の指導者・救済者・肉ダンジョン制覇者
心の壁制覇者
(長年の悩みを解決した者)


僕の知ってるあのゲームはレベルアップの概念がありません、オーバーオールを変えるだけでそれ用に変化します、今は畜産ではなく畑重視です、オールラウンダーもあるけど、それはみんなに配ってしまって在庫切れなんですよ。
早く正確に尻尾を狩って行くと、モンスターが10階から大きくなりました、ウルフやヤギと大型犬並みで毛皮がツブツブが付いています、そいつらからはサクランボや梅が取れるんだよ。


「小さな果実だからうま味が凝縮してるんだよね」

「そうだよ主、あいつらの果物はほんとに美味しい、早速行くよ!」


竹の1と連携で刈り取りをします、ちなみに採取では果物を入れる小さめのガラス皿が取れます、フォークも二股で小さめの奴です、ゼリーも30階までガンガンゲットしたんだ、だけどここからがこのダンジョンの難しい所です、ここからはなんと恐竜種が果物型をしてるんだ。


「あれはトリケラモモップスだね」

「見れば分かるよ主、モモが何個もくっ付いてるもん」


竹の1にツッコまれ、いつものコックさんコスを着て戦います、ここからは二人で部位を解体です。
解体屋コスの竹の1と競争して恐竜たちを倒していったんだ、巨峰や夏みかんとたっぷり収穫をして、このダンジョンのボス前です、相手はイチゴクイーンラプトルです。


「あいつらって強いの?」

「まぁ普通に戦ったら・・・イーザスさんたちは10回は死んでますね」


3体のラプトルたちは、連携を取る戦いをします、縦一列にツッコんできたり、1人を集中して襲ってくるんだ、僕たち二人なら余裕だけど、そんなに強いんだね。
ラプトルたちは僕らを見つけると縦に並び突っ込んできました、僕たちも縦1列になって対応したんだ、先頭のラプトルを僕が解体すると、後ろのラプトルが僕に大きな口を開けてきます、そこは後ろの竹の1が僕の肩に足を乗せ踏み台にしてラプトルの頭を切りつけ倒したんだ。


「さすがだね竹の1」

「当然ですよ主、でもまだですよ」


竹の1が上空にいるので、僕はラプトルの下からお腹を切りつけました、上下からの攻撃を受けてラプトルたちは消滅です。
速度と強さを考えると、確かに倒せないかもです、土龍2体分の強さが3体って感じです。


「でもみんな強くなったからいけるんじゃ?」

「2倍装備を着ければ行けるかもだね」


武器はイーザスさんの奥の手があるので行けるでしょう、問題は負傷者の有無です、きっと相当やられます。
アルミクたちも野菜ダンジョンをクリアしたらしいので、みんなの訓練には良いかもですっと、僕は思ったんだけど、ボス部屋の存在を忘れていました、中には夕張ティラノサウルスという超が付くほどの強敵がいたんです、これがいる限りまだみんなには早いと諦めます。


「こいつはねぇ」


竹の1が上を見上げて無理だって頷きました、相手は50mはある恐竜です、ボス部屋もそいつ仕様になり広くなっています。
300㎥の広くさで十分戦いやすいです、それだけ夕張ティラノサウルスは強いんだけどね。
こうやって見ているけど、既に相手からは攻撃されてるんだ、僕たちには余裕で躱せます、一口でふたりは余裕で飲み込める口が広げられても、僕たちは会話を続けます、コスではなくみんなの実力で倒すにはどうすれば良いのかをね。


「無理だって主、さすがに強すぎるよ」

「そこを何とか考えてよ」


コスは目立つので最後の手段として残します、そうすると武器も作ってみるのも良いかもです、それでやっと倒せるだろうと答えを出したんだ。
そのチートは使わないとなると、やはりみんなのレベルを上げてもらうしかありません、夕張ティラノサウルスを二人で細切れにして答えを出しました。


「でも主、イーザスさんたちってさ、そこまで求めてないよね」


相談もされてないしそれを言わないでよっと、僕は突っ込みました、戦争の噂もなくなった為、ほんとに要らないとは思います、だから僕はみんなにコスを楽しんでもらう事に動こうと思い直しました。
アクセサリーを作って、みんなを完璧なキャラにするんだ、気合が入って来たよ。
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