異世界の戦争が大大大好きな野球だったから、俺は戦争に行く!

まったりー

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1章 下積み

7話 稲妻が走るほどの衝撃

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見事に勝利を収めた村の戦争を魔道具の板から見ていた我は、勝利よりも他のことに意識が向いていてそれどころではなかった。


「グラウ様、勝利しましたね」
「ギラル、お前はそう見たのか?」
「実際そうでしょう、正直街の三流戦士を村で出された時は、確実に負けたと思いましたが」


見事な勝利とは言わず、ギラルは相手が予想よりも弱かったと一笑した。
戦争は、どちらかが2勝すれば終わり、相手はそれを狙って最初の2戦で決めに来ていた。


「相手国の貴族の部隊が弱体化している、その情報は確かなようだなギラル」
「ですね、その為に村と街を強化してた様です」
「我らの勝利は、村が勝ったことで決まった、だがなギラル、その勝利に導いたのはあの少年だぞ」


あの中で一番小さく、見るからに新人という感じだった彼、その彼が勝利の一撃を放ちそのままの勢いで相手を押さえた。
そんな事があの小さな体で出来るのか、それを彼は証明して見せたんだ。


「あの最初の一撃、あれはすごかった」
「変わった振り方でしたけど、所詮普通の戦いですよグラウ様」
「そう、普通の戦いだったよギラル、だが魔法も闘気も使わずにあれだぞ、それは評価すべきだ」


相手の戦士は、神玉を投げる時闘気で体を強化していた、それと同じ速度で彼は普通に投げたんだ。
それは普通に出来る事ではなく、その秘密を知りたいと我は思わずにはいられなかった。


「彼の村、調べてくれギラル」
「褒美を分配する時、自分が見てきます」
「そうしてくれ、報告を楽しみにしているぞ」


ギラルが部屋から出ていき調査は始まったんだが、あの振り方をもう一度見てみたいと心から思い、魔道具の映像に映る彼を眺めていた。
最初の一振り以外、彼は神棒を振らなかったが、その作戦も称賛すべき事だ。


「魔道具で観戦している者で、あれに気づかない貴族はいない」


あの振り方、神玉を投げる型は今までになく、それだけでも我に衝撃を与えたんだ。
映像を映す魔道具に記憶機能があれば、我は何度も見返して自分もあんな振り方や投げ方をしてみたい、そう魅了されたよ。


「彼は我が領地を変えてくれる、そう思えたよ」


国同士の戦争とは、負ければ自分の領地を取られ国の力が弱まってしまう。
負けるわけにはいかない、それはどちらも同じだが、我には後が無かった。


「前回の戦争で負け、牙を磨く為に金を限界まで使った」


もう負けられない、そんな我に彼は希望の光を見せてくれた。
だからギラルに一番に探させたが、どうか早く見つかる事を祈ったよ。


「とはいえ、貴族の部隊が勝たなくては、彼の勝利も無意味になる」


そこで我は考え、彼が何度も見せてくれた投げ方をやってみる事にした。
指は5本全てを使うのではなく、2本を伸ばし神玉の突起に掛けて強く押す。


「すぐには出来なくても、我には風の魔法がある」


2本だと、玉はどこに飛ぶか見当がつかず、彼の様にコントロールは出来ないと思ったが、そこは魔法でカバーする事にした。
訓練の時間はないが、街の部隊の戦いが終わるまでには時間があるから、その間に部屋で行う事にして神玉を壁に向かって投げた。
その玉は、今までよりも早く、鋭く飛んだ気がした。


「今までと何が違う、速度が上がったのは分かるが何が違うんだ」


2本の指に力を入れた事で、玉の速度が上がったのは分かった、しかしどうしてか玉が鋭いように見えたんだ。
何度も投げてみたが、結局その鋭さが分からず、街の戦争は終わり我たちの出番となった。
ギラルが彼に会って詳細を聞けばきっと分かる、街の部隊は負けたが我は今のこの技術で勝ってみせる、そう決意して我は戦場に向かった。
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