7 / 11
1章 下積み
7話 稲妻が走るほどの衝撃
しおりを挟む
見事に勝利を収めた村の戦争を魔道具の板から見ていた我は、勝利よりも他のことに意識が向いていてそれどころではなかった。
「グラウ様、勝利しましたね」
「ギラル、お前はそう見たのか?」
「実際そうでしょう、正直街の三流戦士を村で出された時は、確実に負けたと思いましたが」
見事な勝利とは言わず、ギラルは相手が予想よりも弱かったと一笑した。
戦争は、どちらかが2勝すれば終わり、相手はそれを狙って最初の2戦で決めに来ていた。
「相手国の貴族の部隊が弱体化している、その情報は確かなようだなギラル」
「ですね、その為に村と街を強化してた様です」
「我らの勝利は、村が勝ったことで決まった、だがなギラル、その勝利に導いたのはあの少年だぞ」
あの中で一番小さく、見るからに新人という感じだった彼、その彼が勝利の一撃を放ちそのままの勢いで相手を押さえた。
そんな事があの小さな体で出来るのか、それを彼は証明して見せたんだ。
「あの最初の一撃、あれはすごかった」
「変わった振り方でしたけど、所詮普通の戦いですよグラウ様」
「そう、普通の戦いだったよギラル、だが魔法も闘気も使わずにあれだぞ、それは評価すべきだ」
相手の戦士は、神玉を投げる時闘気で体を強化していた、それと同じ速度で彼は普通に投げたんだ。
それは普通に出来る事ではなく、その秘密を知りたいと我は思わずにはいられなかった。
「彼の村、調べてくれギラル」
「褒美を分配する時、自分が見てきます」
「そうしてくれ、報告を楽しみにしているぞ」
ギラルが部屋から出ていき調査は始まったんだが、あの振り方をもう一度見てみたいと心から思い、魔道具の映像に映る彼を眺めていた。
最初の一振り以外、彼は神棒を振らなかったが、その作戦も称賛すべき事だ。
「魔道具で観戦している者で、あれに気づかない貴族はいない」
あの振り方、神玉を投げる型は今までになく、それだけでも我に衝撃を与えたんだ。
映像を映す魔道具に記憶機能があれば、我は何度も見返して自分もあんな振り方や投げ方をしてみたい、そう魅了されたよ。
「彼は我が領地を変えてくれる、そう思えたよ」
国同士の戦争とは、負ければ自分の領地を取られ国の力が弱まってしまう。
負けるわけにはいかない、それはどちらも同じだが、我には後が無かった。
「前回の戦争で負け、牙を磨く為に金を限界まで使った」
もう負けられない、そんな我に彼は希望の光を見せてくれた。
だからギラルに一番に探させたが、どうか早く見つかる事を祈ったよ。
「とはいえ、貴族の部隊が勝たなくては、彼の勝利も無意味になる」
そこで我は考え、彼が何度も見せてくれた投げ方をやってみる事にした。
指は5本全てを使うのではなく、2本を伸ばし神玉の突起に掛けて強く押す。
「すぐには出来なくても、我には風の魔法がある」
2本だと、玉はどこに飛ぶか見当がつかず、彼の様にコントロールは出来ないと思ったが、そこは魔法でカバーする事にした。
訓練の時間はないが、街の部隊の戦いが終わるまでには時間があるから、その間に部屋で行う事にして神玉を壁に向かって投げた。
その玉は、今までよりも早く、鋭く飛んだ気がした。
「今までと何が違う、速度が上がったのは分かるが何が違うんだ」
2本の指に力を入れた事で、玉の速度が上がったのは分かった、しかしどうしてか玉が鋭いように見えたんだ。
何度も投げてみたが、結局その鋭さが分からず、街の戦争は終わり我たちの出番となった。
ギラルが彼に会って詳細を聞けばきっと分かる、街の部隊は負けたが我は今のこの技術で勝ってみせる、そう決意して我は戦場に向かった。
「グラウ様、勝利しましたね」
「ギラル、お前はそう見たのか?」
「実際そうでしょう、正直街の三流戦士を村で出された時は、確実に負けたと思いましたが」
見事な勝利とは言わず、ギラルは相手が予想よりも弱かったと一笑した。
戦争は、どちらかが2勝すれば終わり、相手はそれを狙って最初の2戦で決めに来ていた。
「相手国の貴族の部隊が弱体化している、その情報は確かなようだなギラル」
「ですね、その為に村と街を強化してた様です」
「我らの勝利は、村が勝ったことで決まった、だがなギラル、その勝利に導いたのはあの少年だぞ」
あの中で一番小さく、見るからに新人という感じだった彼、その彼が勝利の一撃を放ちそのままの勢いで相手を押さえた。
そんな事があの小さな体で出来るのか、それを彼は証明して見せたんだ。
「あの最初の一撃、あれはすごかった」
「変わった振り方でしたけど、所詮普通の戦いですよグラウ様」
「そう、普通の戦いだったよギラル、だが魔法も闘気も使わずにあれだぞ、それは評価すべきだ」
相手の戦士は、神玉を投げる時闘気で体を強化していた、それと同じ速度で彼は普通に投げたんだ。
それは普通に出来る事ではなく、その秘密を知りたいと我は思わずにはいられなかった。
「彼の村、調べてくれギラル」
「褒美を分配する時、自分が見てきます」
「そうしてくれ、報告を楽しみにしているぞ」
ギラルが部屋から出ていき調査は始まったんだが、あの振り方をもう一度見てみたいと心から思い、魔道具の映像に映る彼を眺めていた。
最初の一振り以外、彼は神棒を振らなかったが、その作戦も称賛すべき事だ。
「魔道具で観戦している者で、あれに気づかない貴族はいない」
あの振り方、神玉を投げる型は今までになく、それだけでも我に衝撃を与えたんだ。
映像を映す魔道具に記憶機能があれば、我は何度も見返して自分もあんな振り方や投げ方をしてみたい、そう魅了されたよ。
「彼は我が領地を変えてくれる、そう思えたよ」
国同士の戦争とは、負ければ自分の領地を取られ国の力が弱まってしまう。
負けるわけにはいかない、それはどちらも同じだが、我には後が無かった。
「前回の戦争で負け、牙を磨く為に金を限界まで使った」
もう負けられない、そんな我に彼は希望の光を見せてくれた。
だからギラルに一番に探させたが、どうか早く見つかる事を祈ったよ。
「とはいえ、貴族の部隊が勝たなくては、彼の勝利も無意味になる」
そこで我は考え、彼が何度も見せてくれた投げ方をやってみる事にした。
指は5本全てを使うのではなく、2本を伸ばし神玉の突起に掛けて強く押す。
「すぐには出来なくても、我には風の魔法がある」
2本だと、玉はどこに飛ぶか見当がつかず、彼の様にコントロールは出来ないと思ったが、そこは魔法でカバーする事にした。
訓練の時間はないが、街の部隊の戦いが終わるまでには時間があるから、その間に部屋で行う事にして神玉を壁に向かって投げた。
その玉は、今までよりも早く、鋭く飛んだ気がした。
「今までと何が違う、速度が上がったのは分かるが何が違うんだ」
2本の指に力を入れた事で、玉の速度が上がったのは分かった、しかしどうしてか玉が鋭いように見えたんだ。
何度も投げてみたが、結局その鋭さが分からず、街の戦争は終わり我たちの出番となった。
ギラルが彼に会って詳細を聞けばきっと分かる、街の部隊は負けたが我は今のこの技術で勝ってみせる、そう決意して我は戦場に向かった。
7
あなたにおすすめの小説
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
元社畜悪役令嬢、辺境のボロ城を全自動ボタニカル美容スパに大改造して引きこもる ~前世コスメで冷徹公爵を完治させたら溺愛されました~
季未
恋愛
「貴様のような悪逆非道な女は、極寒の辺境へ追放だ!」
建国記念の夜会で王太子から婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロッテ。
しかし、彼女の中身は前世でブラック企業に殺された過労で過労死したマーケターだった!
(激務の王妃ルート回避!? しかも辺境は誰にも邪魔されないブルーオーシャン! 最高のフリーランス生活の始まりじゃない!)
理不尽な追放を究極のホワイト・スローライフへのパスポートだと歓喜した彼女は、あてがわれた辺境のボロ城を、前世の「DIY・スマートホーム知識」と「土・水魔法」を駆使して爆速で大改造!
隙間風の吹く部屋は、一瞬で「床暖房完備の全自動温水スパ」へ。
辺境に自生する雑草からは「極上ボタニカルコスメ」を開発し、自らも絶世の美女へと変貌していく。
さらに「お前には干渉しない」と白い結婚を突きつけてきたはずの、呪いで顔に火傷を負った氷の公爵に特製マッサージと美肌治療を施したところ……。
「お前が作ったこの空間と、お前自身が……俺のすべてだ」
冷徹だったはずの公爵様が、極上の癒やし空間と彼女の手技で完全に骨抜きにされ、異常なまでの過保護・溺愛モードに突入!?
現代マーケティングと美容チートで辺境を超高級スマート・リゾートへと再生させ、かつて自分を追放した王太子たちを大後悔させる!
爽快&極甘な、異世界リゾート経営×溺愛ファンタジー、堂々開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる