異世界の戦争が大大大好きな野球だったから、俺は戦争に行く!

まったりー

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1章 下積み

6話 完封勝利

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一球だけでも場を支配し、俺はその後本気の投球はしなかったが、そもそもコースを突けば簡単に三振が取れた。


「10歳の本気なんて知れているのに、先ほどの相手の投球を見て確信したよ」


全力でも100キロ出ているかどうか、それが相手の投球で回転もあまり効いてない球だった。
それもあったからホームランを打てたし、後に続いた二人も打てたんだ。


「俺の速球も100キロほど、違いは回転とコースだけだが、行ける!」


最初の戦士を3球で仕留め、次もその次も神棒は球に当たらず振りぬけた。
俺たちの攻撃になり、まだ打席に立っていない3人が出たが、誰も打つことが出来ず、俺たちは守備に戻ることになったが、危険な臭いを感じているのは俺だけだった。


「すでに相手は流れを取り戻しつつあるが俺が強引に止めている、それが崩れたらおしまいだ」


あっという間に負けるのが想像できるから、俺は集中する為に深呼吸をした。
現役の時も、ルーティンとして行っていたが、守備位置で行うと集中力が高まり視界が広がった。


「今は、相手の構えて打てない位置が分かる、これは良いな」


最速で投げずコントロール重視で良いから外すことが無く、俺は初回と同じく9球で終わらせることが出来た。
しかし、攻撃に代わり俺は期待されたが、打席で構えて動かず3球が終わって戻ったんだ。


「ど、どうしたんだアース」
「もしかしてどこか痛むのか?」
「父さん、それにガンズおじさん、俺たちはこれ以上振っちゃダメだ」
「「なんで!」」


二人が驚き、打ちたいと言い出すが、これ以上点はいらないし、俺がさせないと宣言した。
それは難しいだろと他の村の人が指摘してきたので、俺が相手戦士を1人でも打ち取れなかったら、その時は振って良いと約束を提案したんだ。


「本当だろうな」
「うん、俺も勝ちたいからね、でも俺が目指しているのはこの先、次の戦争なんだ」
「どういうことだ?」
「気づかないかな、見てよ相手の視線」


相手の戦士は、俺が振らなかったからいらだっていて、どうして打てたのかを調べようと必死になっていた。
出来れば、俺の投げるフォームなども隠したいが、それは流石に出来ないから今回はそれだけを犠牲にすると説明したんだ。


「お前、本当に10歳か?」
「10歳ですよ、意気込みの強いただの子供です」


野球が好きで、戦略を仕事中に沢山考えていたと説明し、俺に任せてほしいとお願いした。
2回も抑えているからか、他の村の戦士も託してくれて、俺は久しぶりの気持ちを受けて嬉しかったよ。


「信じてもらえてその期待に応える、すっげぇ良い感じだ」


この気持ちの時、俺はファインプレーも連発したし、打席に立てば打てない事はなかった。
今はキングの投手、これで打たれるわけがないと自信を持って投げ、俺は5回15人を見事に三振に仕留めた。


「こ、これでイシュバーラ国とチェラトリア国の村同士の戦争は終了する」


勝者は俺たち、チェラトリア国の村と宣言され、全員で喜びの声を上げた。
格上相手で喜ばしいと、俺のおかげだとみんなから言われたが、この勝利は全員で勝ち取ったものと伝えた。


「何だアース、謙遜か?」
「そうじゃないよガンズおじさん、俺みたいな新人の子供のいう事を聞いてくれたみんながいたからこその勝利です」


普通は聞かずに自分たちのいつもの戦いをするものだったが、そうしないで俺に付いて来てくれた。
それが無ければ絶対に勝てなかった、そう言えるほどに相手は強かったんだ。


「まぁ街の戦士だった奴らだからな」
「はい、でもそれに勝ちました、みんなのおかげで勝ったんです」
「そうだな、みんなの勝利だな」


ガンズおじさんは、それを再度実感し、雄叫びを上げて勝利を実感していた。
最初と同じく整列し戦争は終了したが、相手は笑顔を見せず悔しそうだった。


「お前、次は負けねぇぞ」
「そうですね、普通に戦っていたら勝てませんでした」
「ふんっ!当たり前だろう、俺様たちは街の戦士だったんだ」
「そこですよ、その考え方をしていたから、俺たちは勝てたんだ」


相手が俺を見るだけで終わっていたから、俺だけに注目させて勝利できた。
良い事が全て俺に味方したから、格上だらけの相手に勝てた。
野球は一人では勝てない、前の人生でもそれは十分に理解していたし、こちらでもそれが重要と再確認が出来たよ。
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