異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー

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1章 占い異世界生活

10話 今度はヘンテコな占い師

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「ここがそうなのか」


アタシの姿を見て、列に並ぶ冒険者たちがうるさいが、列の最後尾に並ぶ為、問題の屋台を後にした。
一体どこまで続いているのかと思ったが、列が動くと凄く早く進んでくれたな。


「これなら仕事にも支障が出ないか」


通りで冒険者たちにも人気なわけだと、アタシは自分の番になるのを楽しみにした。
しかし、いざ自分の番になると、フードを被って顔を隠した占い師から、1枚の紙を貰うだけで終わってしまったんだ。


「そう言えば、ギルドで貰ったのもそうだったが、代金もいらないのはどういう事だ?」


占い師は、一切喋らず石板の見せて来るだけだ。
あの医者と同じとか、変人は金に困ってないのかと言いたくなった。


「それに、アタシがここに来たのは領主の件で占ってほしいからだ、これにはそれが書かれてるってのか?」


占い師は頷くだけで、ほんとかよと思って紙を開いて読んだが、とんでもない事が書かれてて占い師を凝視してしまった。
紙に書かれた内容は、兵士たちの健康診断の要請と、ダンジョンを使った強化訓練方法で、最後にこいつは面会しないというのが記載されていた。


「どうしてダメなんだ?領主に顔位見せても良いだろう」


アタシに対しての返答は、占い師が渡して来た新たな紙に書かれていて、最終的な結果に不満があるのが分かった。
城に赴き爵位を得るのが嫌なんだそうだ。


「それは、分かるな」


アタシも元7つ星だから名誉男爵を持っていて、授かったばかりの時は大変だった。
理由が分かり、アタシがなんとかする約束をして、同時に占いも継続してもらえるように伝えた。


「頷いているって事は了承なんだな?」


占い師は、どういう訳か喋らない、キャシーが言う様に子供だとバレたくなんだろう。
しかし、ここの孤児たちではないのは調べて分かっているから、恐らく森に住むエルフだと推察した。


「それにしても、孤児たちにも変化があったとはな」


店を出て、アタシは見えてなかった変化に視線を動かし驚いたんだ。
いつもなら、ダンジョンの入り口付近には孤児の姿があり、冒険者に小銭を貰おうと狙っていた。


「だが、そいつらがいつの間にかいなくなってて、露店を開いてやがる」


どんな物を売ってるのか、横を歩いてチラ見したが、良く出来た木の彫り物だったぞ。
しかも、それを作ったのはあの闇医者で、アイツが孤児を雇っていたんだ。


「ほんと、何を考えてるんだろうな」


孤児が辛い思いをしなくなるのは良い事なんだが、何も起きない気がしない。
領主にも知らせるべきだし、占いでも言わない様にとは指示されてない。


「必要ない不安を与えたくはないが、分からんからな」


アイツらの考えが分からない以上、知らせないわけにはいかない。
それでも、なるべく穏便になる様には話す必要があり、アタシは頭が痛くなってきた。


「まぁ、売ってる品も買って見せれば問題はないだろうが、不安しかないな」


慈善事業をする奴は、大抵裏で何かを企んでいる、それが二人となると相当危険だ。
おまけに、そいつらは街の住民に人気があり、それに手を出すのは街の崩壊を意味する。


「既にそこまでになってるから、気づくのが遅れたこちらが不利なわけだが、負けたくはないな」


アタシは負けるのが嫌いだ、だからあの医者にも次は勝ってやると思っているが、領主はそれが分かるだろうかと不安なんだ。
利益になってる事ばかりだから、アタシの言い方ですべてが決まる、頭が痛くなる案件だ。


「そこも占いで指示をしてほしいな」


そんな事出来ないよなっと、笑いながらギルドに向かったが、そこにはキャシーが待ってて、あの紙を持っていたよ。
まさかと思ったが、開いてみると領主との対談の指示が書かれていたよ。


「ほんとかよ」
「だから言ったのですよギルマス、彼は何でも知ってるんです」
「それにしたって限度があるだろう」


顔は隠してるし喋らない、おまけに子供が3人位で背を誤魔化し、それを商業ギルドが了承しているんだ。
ギルド会議でもそんな事は聞いてないし、利益優先でも限度がある。


「そうは思わないかキャシー」
「そうでしょうか?子供を使った商売なんて、どこでもやってますよ」
「そ、そう言われれば・・・いやしかし、占いの方は3人の内誰かがしてるのは確実だ、それはユニークスキル持ちだぞ」


ユニークスキル持ちは貴重で、保護の対象になる。
子供だからと言って、孤児になるはずがないんだが、占い師はここでは知られてなかった。


「きっと、使い方を見つけ出したんですよ」
「考えすぎるのも問題かもしれないな」


占いの紙には、領主と仲良くしようとする動きが見て取れた、子供がそれを考えたのなら、そいつは天才と呼んでも良い程で、それなら敵対する危険性も分かるだろうと結論を出したんだ。
後は、指示通りに話して上手く行くのか、アタシは部屋に戻って読み上げて頭に入れる事にしたんだ。


「今年の不作から話を始めて、その原因と対策を持ち掛ける、それに相手がどう答えるのかで方向を決め、更に方法を幾つも話すのか」


分岐が沢山書かれ、それのどちらを選ぶのかも予想されていた。
それを見て、アタシはゾッとしたぞ。


「これがほんとなら、こいつは天才と言うレベルではなく化け物だ」


先の先を読むことは、相手を知っていれば出来るかもしれない。
しかし、これを書いた奴は、相手の傾向まで読んだ答えを用意してる。


「これでは、占いではなく予言だ!どうしたらこんな事が可能なんだ、そもそもアタシの時もそうだったから、領主だけでなく、占いを受けた全員と言う事になるぞ」


それは、とんでもなく大人数と言う事で、それを全て覚えてるとか化け物としか言えない。
負けるのが嫌いだから、アタシは勝てない戦いもしない。


「もし、領主がこの通りに動かなければ、その時はアタシがごり押ししてやる」


領主も人気はあるんだが、今の二人には遠く及ばないし、一人に限定しても勝てないだろう。
暴動が起きるのは確実で、アタシの参加する方は占い師側だろう。


「まぁ、兵士の訓練も指示するし、きっと平気だよな」


ここの領主は話しの分かる奴で、ダンジョン都市を任されるに値する子爵家だ。
問題は、次期領主と言う事で、息子が一時的に任されてる事にある。


「王都に会議に行ってる時期だから不安なんだ」


息子は出来が良くないのはアタシも知ってるが、娘の方に任せてほしかったぞ。
男子が継いでほしいという領主の願いな訳だが、このタイミングでは悪い方に向きそうで、頭が痛い。


「占い師の指示もその息子向けだし、問題はないと思いたいが、果たしてどうなるのか」


考えればきりがない、アタシは指示を良く読んでヘマをしない様に心掛けたんだ。
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