異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー

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2章 幸せ異世界生活

21話 遂に来た

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「ここだわ、彼はここにいる」


アタシの勘(愛)がここだと言ってて、早速街の中を探したのよ。
でも、彼なら探すまでもない程に、愛するアタシを導いてくれたわ。


「まずは、彼の大好きな占いのお店ね」


行列が出来てて、アタシは少しビックリしたのよ。
彼が人と接してるなんて、彼の成長以上に、アタシ以外の女の匂いも感じたわ。


「これはいけないわ、いけないわよ・・・急いで教育しなくちゃ」


行列に並んで、アタシはブツブツと今後の指導の方針を決めていたのだけど、列は直ぐに進んで行き、更に不思議に思ったわ。
彼が人と話してるにしては早過ぎる!そう感じた以上に、ある恐怖がアタシを襲ったのよ。


「彼が可愛く無くなっていたら」


それは、ショックなんてモノではない問題で、きっとアタシは耐えられないわ。
環境が変わって成長期になる人はいるし、アタシの番になったけど入れなかったわ。


「永遠のショタっ子のはずよね、きっと平気よね」


小さいままの彼を想像して、アタシは決心して店に入ったのよ。
だけど、顔も見えない占い師を見て、アタシは直ぐに分かったわ。


「マサヨシじゃないわ」


気持ちがとても落ちてしまったアタシは、店を出ようとしたけど、占い師が紙を渡して来て、地の底まで落ちた気持ちが爆上がりしたわ。
紙には、マサヨシがある場所で待ってると書いてあり、アタシの為に彼が待ってくれてる事が嬉しくて仕方なかったの。


「こんなこと初めて、もう結婚するしかないわね」


急いで店を出て、アタシは約束の場所に全力で走ったわ、街の門番が止めて来たけど、今のアタシを止められる者はいないわね。
大きな木の幹に開いていた穴に入り、階段がある疑問も感じないままに駆け下りて行き、その先にあった広い空間に出て、久しぶりの香りを味わったわ。


「ああ~マサヨシの香りがする~」


その空間は彼の為にあるのか、彼の存在しか感じなくて、身体をクネクネさせてしまったわ。
幸せ空間に入り、倒れそうな感覚に襲われたアタシは、その先に小さく見えた存在を見て、自分の全力以上の速さで間を詰めたわ。


「マ~サ~ヨ~シ~」
「ふぐぅぉっ!?」


両手を広げて彼の胸に飛び込むと、彼はしっかりと受け止めてくれた。
背中をポンポンと軽く叩いて来て、再会を喜んでくれたわ。


「く、くるしぃ~」
「会いたかったわ、もう離さないわ」


彼に会えて、アタシを抱きしめてくれた事が嬉しくて、その異変に気付かなかったけど、そんな事些細な事よ。
アタシの飛び込んだ勢いは、普通なら死んでてもおかしくない威力だったけど、愛の力で彼は耐えたのよ。


「愛してる、もうその気持ちを閉じ込めないわ」
「ぷはっ!死ぬかと思ったよアマギ」


身長差のせいで足をプラプラとさせてしまってる彼は、アタシの胸の間から顔を上げてニッコリと微笑んでくれたのよ。


「ひ、久しぶりアマギ」
「うん愛してる、マサヨシと普通に話せる、大好き」
「アマギ、早速だけど話しを聞いてくれるかな?」


天使の様な笑顔を貰って、胸に何が【ズキュン】っと突き刺さり、アタシはもう一度告白をしたわ。
マサヨシは、やっぱり話しが進まないと言ってたけど、アタシはマサヨシの笑顔が素敵過ぎてスルーしたわね。


「アマギは相変わらずだね」
「ふふふ、知っていたのね、さすがだわマサヨシ」
「それはそうだよ、後ろからあれだけの視線を受けてたらね」
「うふふふ、それを感じられるのが凄いのよマサヨシ」


アタシは気配を隠すプロの退魔忍なのよ、それは予言の力があると言っても分かるわけないのよ。
それなのに、マサヨシは後ろの視線に気づいていると言って来たけど、それは感じる訳の無い、存在しない気配なの。


「僕は魔獣から逃げていたからね、気配には敏感なんだ」
「それをアタシが倒していたのよね」
「うん、ほんとなら僕に気づく事なく終わるのに、君が倒してたね」


それも見てたみたいで、アタシはそっちの方に驚いたの。
アタシはそれに気づいてないから、どうしてそんな事が出来たのかと考えたわ。


「アマギ、そんなに不思議?」
「それはそうよマサヨシ、退魔忍は影で戦って来た者で、結界だって張ってるのよ」
「ああそれね、張る前に結界の中に入っていたからだよ、不思議な事じゃない」


マサヨシの気配の薄さならばっと、アタシは納得しかけたわ。
でも、命のやり取りをしてる場所に行く必要がない事に気づいて、アタシは指摘したのよ。


「危ないじゃない、貴方はそんな場所に行っちゃダメよ」
「ああうん、普通ならそうなんだけど、僕には攻撃は当たらないんだよ」
「当たらないって、そんなはずないわよ」
「当たらないんだよアマギ、それだけ僕の存在って薄いんだ」


マサヨシの存在は、アタシが作ったと思っていたけど、どうやら自らで操作してたみたいで、流石と納得よ。
だからこそ、アタシの知らない間に戦いを観戦してて、隠してたアタシの存在を知っていたの。


「助けた事もあったんだけれど、気づかなかった?」
「ま、まさか!?」


数えきれない戦いの記憶の中、獣魔がスキを見せた事を思い返し、それがマサヨシの助けだったのを疑わなかったわ。
アタシが守って来たと思っていたマサヨシは、逆にアタシを守っていてくれていたの。


「やっぱりあなたは素敵ね」
「アマギ、僕はそんなんじゃないよ、怖くて前に進まなかった弱虫なんだ」


誰とも話さなかったのも、自分が傷つくのを避けていたわ。
だけど、そんな事は誰でもしてる自己防衛で、マサヨシはあの家元だから、そう思えるだけなの。


「あなたは強いわ、それはこちらに来て1人で生活してるのが証拠よ」
「そう言ってくれるんだね・・・でも、それを助けてくれる人がいるからなんだ、みんなが帰ってきたら紹介するよ」


マサヨシの言葉に、アタシはちょっとムッとしたけど、マサヨシの微笑みを見てそんな気持ちは吹き飛んだわ。
彼は、そいつらと親しくしてて、その中にアタシも入る事になるけど、きっとそれは特別なのよ。


「だから好きなのよマサヨシ」


マサヨシに再度抱き付いたアタシは、こっちに来て良かったと確信したわ。
マサヨシとの接触は、向こうでは禁止されてて、マサヨシが知っていても関係は無かったわ。


「アタシ、こっちに来て良かったわ」
「アマギもそう思うんだね、僕もそうなんだ」
「マサヨシは、やっぱり家を継ぎたくなかったの?」
「そうだね」


暗い表情で答えたマサヨシは、悲しそうに答えてくれて、事情の知ってるアタシは当然とも思ったわ。
獣魔との戦いはそれだけ過酷で、予言の力は絶対に必要だったわ。


「あなたが成人して前線に出ていれば、戦いを終わらせる事も出来たかもしれないわよ」
「そうでもないよ、僕は予言じゃなくて占いで知ってるんだ」


上の者たちはそれに期待していたけど、どうやらそうはならなかったそうよ。
そして、マサヨシの占いは遥か上を見てて、予言と呼べるレベルにまで到達していたの。


「だからね、アマギもここでみんなと仲良く暮らそう」
「マサヨシがそれを願うなら・・・でも、アタシを一番に思ってほしいわね」
「みんな同じくらい好きなんだけれど、努力するね」


こうして、アタシはここで暮らす事になって、マサヨシの代わりをしてる獣人たちとも顔を合わせたの。
皆とても可愛いけど、アタシと同じ様にマサヨシに好意を持ってて、油断が出来ないと思ったわね。
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