ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー

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勉学のファイブステップ

77歩目 処理魔法の改善点

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「分かって貰えて良かった、じゃあ次は記憶媒体の説明だね、これは魔導ゴーレムを作るのとあまり変わらないから、ちょっとやってみよう」


生徒たちはすごくいやな顔をします、教科書にも記憶媒体になる魔力コアは難しいと書かれているんです、実はこっちの方が簡単と僕は呟きます、向こうで言うところのCPUとハードディスクを合わせた物です、それを魔法の力で作り上げ小さな宝石の様なコアに凝縮して作るんです。


「手に魔力を一定に注いで唱える『コアブロック』」


魔法を唱えると、両手に集めた魔力が凝縮され始めます、ここで難しいのは一定に送る事だと教えます、真珠の様に白い玉になりだして親指くらいの大きさで安定しました、僕はそれをみんなに見せましたよ。


「すす、すごい!?白いコアなんて始めて見たわよ」


サーラが驚き、他の生徒もジッと僕の手にあるコアを見ています、教科書にも書いてありました、コアは性能によって色が決まっています、青から始まり緑・紫・赤とランクが上がり最後が白です。


「せ、先生!どうやったんだ、お教えてくれよ」


僕にアンドが寄ってきて服を掴んできたよ、興奮しているようなので僕はアンドの頭に手を置いて撫でて落ち着かせました、そして笑顔で言ったんです。


「まぁ落ち着いてよアンド、まずは席に着いて楽な姿勢を取ろう、そして思い出してみて魔法は何が大切だったのかをね」


僕の質問に頭を悩ませています、撫でながら僕は言います。


「イメージが大事なんだよアンド、魔法陣を良く思い出して理解するんだ、よく考えてやってみて」

「は、はい先生!」


アンドが良い返事をして自分の席に走って行ったのを見て、他の生徒も急いで席に着いて集中し始めたよ、僕は上手くみんなを着席させることに成功したってアマンダとイーシャを笑顔で見ました、二人は嬉しそうですよ。


「まったくげんきんね子供って」

「そうだな・・・でもここじゃアタシたちの出番はなさそうだ、アユムに任せっきりになりそうだな」


ふたりがそんな話をして、ちょっとつまらなそうにしています、そこで僕は考えました。

僕たちはまだ新米です、それも教師の勉強をしたわけでもない、二人がつまらなそうにしているのならもっと協力出来る何かが必要だと思うんです、そしてここに来るまでの事を思い出しある事が思いつきました。


「それがねぇ~二人の方が重要なんだよね」

「「え!?」」


ふたりが驚いて僕を見ます、ロボットを知ってる僕だから見つけた事かもしれません、魔導ゴーレムを上手く動かすには、動きを良く分かっていないといけません、それを二人にやってもらうんです、それを伝えると腕を組んで考え込んでいます。


「アユムが言いたいのは、記憶させた事しかゴーレムにはさせられないから、アタシたちに指導させるって事か?」

「そうだよアマンダ、ゴーレムに記憶させるにはその動きや記憶を魔力に乗せてコアに注がないといけない、でも経験した事じゃないとあまり詳細な情報として送れない、自分の体で覚えたモノは濃い記憶として残るんだ、それを記憶させる事が出来れば今後武器になると思うよ」


ふたりに説明した後、生徒たちがコアを一つ作りました、魔力を凝縮させたので生徒たちは息を切らせています、僕はそこら辺も今後対策を立てようと思い、生徒たちのコアを確認しました。


「やったねアンド、紫のコアが出来たじゃないか」


アンドの肩に手を置いて褒めました、教科書には緑のコアが作れるようになるのは、学園を卒業する時だと書いてありました、つまりその上の紫を作った時点で、アンドはここのトップと言う事になります、紫を作れたのは他にサーラだけでした、でも緑は作れているので十分ですよ、みんな出来上がったコアを見て固まっているので、僕が声を大きめにしました、でも誰も反応しません。


「どうかなみんな、僕の授業を受ける気になった?」


しばらくしてもみんなが戻ってきません、ちょっと意地悪に聞いてみると、みんながギョッて顔をして僕を見ました、僕は笑顔で耳を向けます。


「「「「「お願いします、教えてください!」」」」」

「うんうん、じゃあ残った時間はゴーレムを動かす運動場で続きをやろう、みんな自動通路を使わずに歩くよ」

「「「「「はい?」」」」」


僕は教室の扉を開けてみんなに言いました、生徒たちは訳が分からないって顔しています、僕は説明をせずに移動を始めました、生徒たちは付いてきますけどブツブツと言っています。


「さてみんな、これを手に持ってください、決して落とさないようにね」


運動場に出て、生徒たち全員にストラップを渡しました、これで30分歩けばレベルが3か4くらいは上がります、そうすればMPが上がって今後の勉強で疲れることは無くなります。


「あ、あの先生、どうして歩くのでしょうか?さっきもわざわざオート通路を外れてましたし、何か理由があるんですか?」

「サーラ、ゴーレムは車輪で走らせてるのが普通だけど、人の様に二足歩行の方が便利な時があるでしょ、その時に記憶させられる様に色々な場所を歩くんだよ」


僕の答えにサーラはなるほどって言っています、他の生徒たちも分かったようなので僕たちは歩き始めました、離れた場所で他の生徒たちがゴーレムを動かしているのが見えます、ただ歩いている僕たちを見て不思議そうです、サーラたちはちょっと恥ずかしそうです、でも僕はやめません、レベルアップは必要ですからね、そして30分が経ちみんなからストラップを回収です。


「さて、次の授業は魔導ゴーレムをいよいよ動かそうと思うんだけど、みんなのはちょっと不格好だね」


10分の休憩をはさみこのまま次の授業です、さっき作ったコアをゴーレムに入れて動かそうと授業内容を話したんだ、でも収納魔法から出てきたみんなのゴーレムは、骨格がしっかりと出来ていなかったり、ただ丸い人形だったりしていたんだよ。


「仕方ないんだよ先生、これは俺たちが適当に作ったんだからな」


全員がしょんぼりしている中、担任がすぐに辞めてしまうので誰も教えてくれなかったとアンドが悔しそうです、アマンダもイーシャも人形を見てこれは酷いって顔していますよ。


「じゃあまずそれを直そうか、みんな魔力が少ししかないから小さいのを作ろう」


レベルが上がっても全快には時間が掛かります、なのでコアを作った時の魔力が少ししか回復していません、ゴーレムは小さいとは言え、最初から作り直す程の魔力はないんです、今の不格好なゴーレムを手直しすれば魔力の節約になります、でもこのままミニゴーレムを直しても、骨格などが再現出来てないので上手く動かないのは見えています、今でも出来て楽しい事を提案です。


「そこでみんな、好きな動物を形作ろうか、そうすれば今よりも小さいし、魔力も少なくて済むよ」


みんなの不格好なゴーレムを見て、最初に思ったのがペンギンでした、この世界ではまだ見た事がありませんけど、動物を作るのは良いと思ったんですよ。


「でも先生、そんな物を作っても仕事には」

「サーラ、別に今作るのは仕事には使わないでしょ、これは練習だよ」


サーラにそう言って好きな形を作ってもらいました、好きな動物なのでみんな形がはっきりと作れています、鳥だったり犬だったりと色々です、僕も一緒に作って肩に乗せます、僕はインコのような鳥を作ったんですよ。


「先生作ったのですが、ちょっと動きが」


全員が作り終わると、サーラが小さなウサギを抱きかかえてきました、しっかりとウサギの形は出来ています、でも動きがカクカクしていてぎこちないんですよ。


「サーラはウサギの動作を理解してないんだね、鼻をヒクヒクさせている時はどうしてか?耳を動かしている時は何でなのかって考えてみて、自分でその条件を作れば上手く動くよ」

「なるほど、やってみます」


良い返事をしたサーラの頭を撫でて、僕は他の生徒にも助言をしに行きました、そして20分後にはみんなしっかりと動いています、変わった動きをする動物もいますけど、それもまた個性だよね。


「みんな良く出来てるね、そんなみんなに僕からプレゼントです」


僕は一人一人のゴーレムの額に白のコアを埋め込んで行きました、みんなはそれを見て凄く驚いています。
みんなと歩いている時、教科書を読みながらコアを人数分作ったんです、これはちょっと特殊なモノで今後は使うことになると思っています。


「せ、先生良いんですか?」

「これは僕たちを担任と認めてくれたお祝いです、そして今からみんなに課題を出します、今作ったその子たちに個性を与えてほしいんです」


僕が埋め込んだコアは記憶媒体の他に学習機能を付けました、これによりみんなが覚えさせた動きをする時、自然に学習した情報で考え、まったく違う動きをするようになります、要はAIですね。


「そ、そんな物聞いた事ないですよ先生!」

「サーラ、これは今作ったモノだから当然だよ、教科書を読んで見て、もう一つコアを入れれば出来るんじゃないかって思ったんだ、その子たちは世界で1体しかいない君たちだけの相棒だ、しっかりと育ててね、これが僕からのプレゼントでもあり課題だよ」


生徒たちが自分たちのゴーレムをジッと見ています、今は覚えさせた動きしかしないので生徒たちの顔を見たり、顔を洗ったりと色々勝手に動作しています、きっとその内本物と同じ動きをするようになりますよ。


「もちろん普通の授業でも課題は出しますからね、ビシバシ行きますよ」

「「「「「は、はい!」」」」」


生徒たちがちょっとビクビクしていました、こんなプレゼントを生徒に渡すくらいですから相当大変だと思っているのかもです、でも僕は最初に言いました、やる気があるならトップを取れると、これはその第一歩です。
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