1 / 38
1章 派遣
1話 未来が見える
しおりを挟む
「はぁ~ついに来たなぁ~」
もうすぐ、この部屋の扉が開かれ、僕の仲間だった格闘士のエレミナが入ってきます。
どうしてそれが分かるかと言いますと、死線を何度も超えた事で、僕の様な付与士の誰もが持っている10秒後が見えるスキル【先読み】が進化し、とても遠くの未来まで見えるようになったからです。
「あと3分・・・別に僕が悪い訳じゃないけど、説得できないんだよねぇ」
そのおかげで、僕は何度も死を回避していて、おかげで冒険者で最高峰の7つ星になれたけど、その瞬間に勇者PTから追放される未来が見えました。
並列思考や睡眠学習などのスキルを未来の記憶で習得し、勇者と一緒に頑張ってきたのに、それも今日で終わりを迎えます。
「でも、僕がガッカリしてるのはそこじゃなくて・・・勇者が死んで、他のみんなが落ちぶれてしまう事なんだよね」
死相が見えたのは勇者で、PT仲間の聖女であるイーシンの純潔を奪ったから処刑されるんだ。
最初は何度も未来を変えようと頑張りましたが、どうしても未来を変えられなくて、今はどうでも良くて正直説明が面倒になっています。
「あと1分・・・そろそろ準備しないとだね」
ベッドから起き上がり、荷造りを始めて退去する準備を始めます。
この未来にするために、僕は1324万4001回もスキルを使って繰り返していて、こうしないと僕に恨みを持った勇者たちが襲って来るんです。
「おいアレストっ!」
「はいはい、なんですかエレミナ」
「ドスモスが呼んでるぜ、あたいについて来な」
はいはいっと、僕は言われるがままに付いて行き、問題の部屋に入ったんだけど、みんな勢ぞろいしていて部屋の隅に位置しています。
この位置は、僕をここで始末する為で、このままだと僕はここで暗殺されます。
「でも、たった一言でこの陣形は崩れるから、問題はその後なんだよね」
ボソッと呟いた僕を睨んできたドスモスは、机に先で座ったままでクビを宣告してきました。
普通は突然の事で驚き、放心してしまうだろうけど、僕は知ってるので机に近づいて問題の一言を発する事にしました。
「丁度良かった、冒険者ギルドから職員に誘われててね、どう切り出そうか悩んでいたんだ」
「「「「なっ!」」」」
「じゃあ、僕は職員になるからさよなら」
先手は僕が貰い、全員に衝撃のクリーンヒットを浴びせました。
そして、考える事が出来ない人達は、どうするのかと勇者に集まってしまい陣形は崩れたよ。
「でも、それだけでは終わらないんだよね」
ボソッとまたまた呟いた僕は、扉に向かったんだけど、ドスモスが止めて来て、装備はおいて行けと言ってきたんだ。
次の人員の装備資金にすると言って来て、普通は嫌がる事だけど僕にそんな攻撃は通じません。
「それもそうだね、じゃあ僕が使っていた品もお金も全部あげるよ、その人に餞別として渡してよ」
「「「「なっなんだって!!」」」」
「何を驚いてるのさ、これからその人は大変なんだよ、それくらいしてあげないと可哀そうだもん」
僕の代わりに来る人は、最近流行の強化魔法士で、付与士と違うのはステータスを強化すると言う簡単さにあります。
でも、僕が言っているのは、ドスモスの女癖の悪さで、PTの3人以外にも遊んでいる事だったんだ。
「な、なんですって!」
「どういう事だよドスモス」
「ちょっと待てエレミナ、イーシンも落ち着け」
「落ち着いてなんていられませんわ、フィン魔法を準備なさい」
「ん、了解」
攻撃魔法士のフィンが詠唱を始め、ドスモスも流石に慌てたが、3人に問いつめられそれどころではなかったね。
仕方ないので、僕が他の街で遊んでいた事を話すと、3人はかなり怒りだしたよ。
「待て待てみんな、こんな奴の言う事を信じるなよ」
「そ、それもそうだな」
「ワタクシったら」
「ん、焦り過ぎた」
ドスモスの一言でみんなは落ち着いたけど、心には亀裂が出来ていて、本当に信じてはいません。
そこに新たな仲間がどんな人なのかという僕の質問に、3人がドスモスを信じられず睨んだんだ。
「そうだよね、僕が抜けるんだから女性だよねぇ~」
「て、てめぇアレスト、余計な事を言うんじゃねぇ」
「余計な事って、会えば一発でしょ」
可愛い人なんだろうねぇっと、他の街でドスモスが遊んだ女性の名前と容姿を話すと、さすがの3人も真実だったと理解し、詰め寄りだけでなく掴みかかり始めた。
この世界は一夫多妻制ではあるけど、それは女性たちが了承している場合で、遊びで増やす事は許されません。
「僕もね、こんな事は言いたくなかったんだけど、その人たちの悩み相談を受けているからね」
「な、なんだと」
「忘れたのかいドスモス、君はその女性たちに迎えに行くと嘘を言っているんだよ」
それが嘘なのは、3人を見れば分かるし、僕も性格を知っていたのでその時点で謝罪をしていました。
みんなの世話をしていたのが僕なので、そんな事もすべてやっていたけど、それももうおしまいと言ってやりました。
「最後になったけどドスモス、僕は未来が見えるようになったんだけど、お城からの呼び出しは理由を付けて断った方が良いよ」
「な、何を言っていやがる?」
「その呼び出しは聖剣を抜く試験で、君はその剣を抜けないんだけど、それ以外が問題なんだ」
ドスモスは、抜けなかった苛立ちを解消する為に、何を考えたのは王妃様に手を掛けてしまい、それをイーシンに知られ処刑と言う流れを作ってしまうんだ。
これがドスモスの未来で、他のみんなはバラバラになってしまう。
「だからね、行かない方が良いよ」
「そ、そんな事する訳がねぇだろう」
「僕が未来を見れなくても、君の性格は分かってる、綺麗な王妃様を見たらダメなのさ」
だから城には行くなと言ったんだけど、ドスモスが行かないわけもなく、僕が抜けて依頼も失敗続きだったせいもあって後もなかったんだ。
そこまで説明しても、僕の未来予知を信じてくれないけど、それはもう分かっていました。
「1324万4001回、僕はこの流れの話を君たちとしたけど、結局信じてくれない、だから僕は抜けるんだよ」
さようならっと、装備や他の物も部屋の隅に収納魔法から出し、僕は振り返りもしないで部屋を出ました。
部屋の中から、ドスモスを問い詰める3人の大きな声がしてくるけど、もう僕には関係ありません。
「さて、これで僕を恨む事なく、みんなはドスモスを恨んで終わる」
処刑されるのはドスモスの未来で、僕を信じれば回避する事は出来るけど、それは今の所見えません。
宿を出て、早速冒険者ギルドに向かい、話をしていた通りに職員として迎えて貰ったけど、大歓迎を受けて戸惑ったよ。
「当然よ、何せアレスト君が助けた冒険者は沢山いるんだからね」
「そうよ、アタシも前の彼と別れる時色々してもらったし、なんでもしちゃうわ」
「あ、ありがとうございます、僕頑張りますね」
みんなの歓迎を受け、僕はこのダンジョン都市【ミレリア】でギルド職員として働くことになりました。
無一文なので、しばらくはギルドで寝泊まりしますが、自分の未来を見ているのでそれは1週間で終わりを迎えます。
「新しいダンジョンが出来た村かぁ~」
楽しみだなぁっと、歓迎会から抜け出し、仮眠用のベッドに横になった僕は、先の未来を予知しないで楽しみにしました。
ドスモスたちの事があり、未来を見る事に疲れていて、必要な時以外は使う事を控えたんだ。
「まぁ危険もあるだろうし、数日先までは見るけど、冒険者やみんなの未来を見ておくだけでも大変だよね」
職員さんは幸せになってほしいし、冒険者は死んでほしくないからだけど、それだけでも大変っと横になって爆睡してしまったよ。
もうすぐ、この部屋の扉が開かれ、僕の仲間だった格闘士のエレミナが入ってきます。
どうしてそれが分かるかと言いますと、死線を何度も超えた事で、僕の様な付与士の誰もが持っている10秒後が見えるスキル【先読み】が進化し、とても遠くの未来まで見えるようになったからです。
「あと3分・・・別に僕が悪い訳じゃないけど、説得できないんだよねぇ」
そのおかげで、僕は何度も死を回避していて、おかげで冒険者で最高峰の7つ星になれたけど、その瞬間に勇者PTから追放される未来が見えました。
並列思考や睡眠学習などのスキルを未来の記憶で習得し、勇者と一緒に頑張ってきたのに、それも今日で終わりを迎えます。
「でも、僕がガッカリしてるのはそこじゃなくて・・・勇者が死んで、他のみんなが落ちぶれてしまう事なんだよね」
死相が見えたのは勇者で、PT仲間の聖女であるイーシンの純潔を奪ったから処刑されるんだ。
最初は何度も未来を変えようと頑張りましたが、どうしても未来を変えられなくて、今はどうでも良くて正直説明が面倒になっています。
「あと1分・・・そろそろ準備しないとだね」
ベッドから起き上がり、荷造りを始めて退去する準備を始めます。
この未来にするために、僕は1324万4001回もスキルを使って繰り返していて、こうしないと僕に恨みを持った勇者たちが襲って来るんです。
「おいアレストっ!」
「はいはい、なんですかエレミナ」
「ドスモスが呼んでるぜ、あたいについて来な」
はいはいっと、僕は言われるがままに付いて行き、問題の部屋に入ったんだけど、みんな勢ぞろいしていて部屋の隅に位置しています。
この位置は、僕をここで始末する為で、このままだと僕はここで暗殺されます。
「でも、たった一言でこの陣形は崩れるから、問題はその後なんだよね」
ボソッと呟いた僕を睨んできたドスモスは、机に先で座ったままでクビを宣告してきました。
普通は突然の事で驚き、放心してしまうだろうけど、僕は知ってるので机に近づいて問題の一言を発する事にしました。
「丁度良かった、冒険者ギルドから職員に誘われててね、どう切り出そうか悩んでいたんだ」
「「「「なっ!」」」」
「じゃあ、僕は職員になるからさよなら」
先手は僕が貰い、全員に衝撃のクリーンヒットを浴びせました。
そして、考える事が出来ない人達は、どうするのかと勇者に集まってしまい陣形は崩れたよ。
「でも、それだけでは終わらないんだよね」
ボソッとまたまた呟いた僕は、扉に向かったんだけど、ドスモスが止めて来て、装備はおいて行けと言ってきたんだ。
次の人員の装備資金にすると言って来て、普通は嫌がる事だけど僕にそんな攻撃は通じません。
「それもそうだね、じゃあ僕が使っていた品もお金も全部あげるよ、その人に餞別として渡してよ」
「「「「なっなんだって!!」」」」
「何を驚いてるのさ、これからその人は大変なんだよ、それくらいしてあげないと可哀そうだもん」
僕の代わりに来る人は、最近流行の強化魔法士で、付与士と違うのはステータスを強化すると言う簡単さにあります。
でも、僕が言っているのは、ドスモスの女癖の悪さで、PTの3人以外にも遊んでいる事だったんだ。
「な、なんですって!」
「どういう事だよドスモス」
「ちょっと待てエレミナ、イーシンも落ち着け」
「落ち着いてなんていられませんわ、フィン魔法を準備なさい」
「ん、了解」
攻撃魔法士のフィンが詠唱を始め、ドスモスも流石に慌てたが、3人に問いつめられそれどころではなかったね。
仕方ないので、僕が他の街で遊んでいた事を話すと、3人はかなり怒りだしたよ。
「待て待てみんな、こんな奴の言う事を信じるなよ」
「そ、それもそうだな」
「ワタクシったら」
「ん、焦り過ぎた」
ドスモスの一言でみんなは落ち着いたけど、心には亀裂が出来ていて、本当に信じてはいません。
そこに新たな仲間がどんな人なのかという僕の質問に、3人がドスモスを信じられず睨んだんだ。
「そうだよね、僕が抜けるんだから女性だよねぇ~」
「て、てめぇアレスト、余計な事を言うんじゃねぇ」
「余計な事って、会えば一発でしょ」
可愛い人なんだろうねぇっと、他の街でドスモスが遊んだ女性の名前と容姿を話すと、さすがの3人も真実だったと理解し、詰め寄りだけでなく掴みかかり始めた。
この世界は一夫多妻制ではあるけど、それは女性たちが了承している場合で、遊びで増やす事は許されません。
「僕もね、こんな事は言いたくなかったんだけど、その人たちの悩み相談を受けているからね」
「な、なんだと」
「忘れたのかいドスモス、君はその女性たちに迎えに行くと嘘を言っているんだよ」
それが嘘なのは、3人を見れば分かるし、僕も性格を知っていたのでその時点で謝罪をしていました。
みんなの世話をしていたのが僕なので、そんな事もすべてやっていたけど、それももうおしまいと言ってやりました。
「最後になったけどドスモス、僕は未来が見えるようになったんだけど、お城からの呼び出しは理由を付けて断った方が良いよ」
「な、何を言っていやがる?」
「その呼び出しは聖剣を抜く試験で、君はその剣を抜けないんだけど、それ以外が問題なんだ」
ドスモスは、抜けなかった苛立ちを解消する為に、何を考えたのは王妃様に手を掛けてしまい、それをイーシンに知られ処刑と言う流れを作ってしまうんだ。
これがドスモスの未来で、他のみんなはバラバラになってしまう。
「だからね、行かない方が良いよ」
「そ、そんな事する訳がねぇだろう」
「僕が未来を見れなくても、君の性格は分かってる、綺麗な王妃様を見たらダメなのさ」
だから城には行くなと言ったんだけど、ドスモスが行かないわけもなく、僕が抜けて依頼も失敗続きだったせいもあって後もなかったんだ。
そこまで説明しても、僕の未来予知を信じてくれないけど、それはもう分かっていました。
「1324万4001回、僕はこの流れの話を君たちとしたけど、結局信じてくれない、だから僕は抜けるんだよ」
さようならっと、装備や他の物も部屋の隅に収納魔法から出し、僕は振り返りもしないで部屋を出ました。
部屋の中から、ドスモスを問い詰める3人の大きな声がしてくるけど、もう僕には関係ありません。
「さて、これで僕を恨む事なく、みんなはドスモスを恨んで終わる」
処刑されるのはドスモスの未来で、僕を信じれば回避する事は出来るけど、それは今の所見えません。
宿を出て、早速冒険者ギルドに向かい、話をしていた通りに職員として迎えて貰ったけど、大歓迎を受けて戸惑ったよ。
「当然よ、何せアレスト君が助けた冒険者は沢山いるんだからね」
「そうよ、アタシも前の彼と別れる時色々してもらったし、なんでもしちゃうわ」
「あ、ありがとうございます、僕頑張りますね」
みんなの歓迎を受け、僕はこのダンジョン都市【ミレリア】でギルド職員として働くことになりました。
無一文なので、しばらくはギルドで寝泊まりしますが、自分の未来を見ているのでそれは1週間で終わりを迎えます。
「新しいダンジョンが出来た村かぁ~」
楽しみだなぁっと、歓迎会から抜け出し、仮眠用のベッドに横になった僕は、先の未来を予知しないで楽しみにしました。
ドスモスたちの事があり、未来を見る事に疲れていて、必要な時以外は使う事を控えたんだ。
「まぁ危険もあるだろうし、数日先までは見るけど、冒険者やみんなの未来を見ておくだけでも大変だよね」
職員さんは幸せになってほしいし、冒険者は死んでほしくないからだけど、それだけでも大変っと横になって爆睡してしまったよ。
応援ありがとうございます!
3
お気に入りに追加
495
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる