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12章学園大会

284話 やられた分は返す

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大会のある街、キュワルムに向けて出発する日だが、俺の迷いを打ち消すほどの事が起こり、今俺たちは大型の飛空艇の中にいる。


ローディアナ
「まさか迎えの馬車が襲撃されて来ないとは思いませんでしたわ」

サラ
「ほんとです、でもそのおかげで姫様も大会を見ることが出来ますけどね」


二人は嬉しそうだが、俺はちょっと怒っている、何者かが馬車を来れなくしてきた、ということは向こうに行っても必ず何かしてくると確信した。


ケイイチ
「もう迷わないからな」

ミキ
「ん!何か言った?ケイイチ」


今までは俺が力を貸すが考えるのはヴェルたちが中心になるようにしてきた、ヴェルたちの為にならないからね、だが妨害は全力で阻止することにした。


ケイイチ
「いや、馬車よりも早く着いてしまうなと思ってさ」


飛空艇を使うので本当は20日掛かるところをその日に着いてしまう。


サーニャン
「早めに着いたら、こんなことをしてきた者たちを見つけ出しましょうマスター」

ケイイチ
「ああ、そうだなそうしようか」


そして学園の人たちは飛空艇で寝泊まりをしてもらうことにした、まあ希望者だけだけどね。


フルーティア
「ヒクウテイなら襲撃者は来れないわね、うふふ」


まあそうだね、でもこれくらいはしてもいいだろう、食事に毒などを入れられる恐れも無くなったわけだしね。



メルヤム校長
「ホホホ、長生きはする物ですね、こんな変わった乗り物に乗れるとは思いませんでしたよ」

ガリキャル教頭
「気を付けてください校長」


街に着き校長と教頭は専用の宿泊施設に行くそうなので見送りの為に飛空艇の入り口まで行った、教師もモーリスとヴァルトロ以外がそっちで寝泊まりをすると言ってきた。


モーリス
「みんなこっちの方が快適なのに・・・すみませんケイイチさん」


何故かモーリスが謝ってきた、襲撃されるとしたらこっちだからかな?。


ケイイチ
「別に気にしないよ、それにいつも使ってる場所の方が良いって人はいるさ」


俺たちがそんな話をしていると影が横に来た。



「ではケイイチ殿私は行ってまいります」

ケイイチ
「ああ、十分気を付けてな、あぶないと思ったら戻って来いよ」


影が頷いた後姿を消した。


ヴァルトロ
「生徒たちも宿舎に向かうそうですじゃ」


残ったのはヴェルたちと同じに俺が少し指導している3年生の数人で名前と種族は
サリィー(人種・女)
キャミル(人種・女)
ププート(人種・男)
ジェイク(獣人オオカミ・男)
ジルチ(ドワーフ・女)
だ、この大会で注目を浴びて主を得たいそうなのだ。


ケイイチ
「まあ強制はしないからいいけど、(他の競技参加者は平気かな?)じゃあ時間があるし今日は自由時間にしようか」


バニラ
「やったー!ケーラ街を見に行こ」

ケーラ
「そうね、この街は暖かいから変わったフルーツが売ってるのよ、楽しみだわー」

ヴェルティナ
「わたくしはやっぱりお洋服ですわ、ケイト何処がいいですか?」

ケイト
「わ、私ですか?ヴェル様と一緒なら何処でも楽しいので、その」


ヴェルたちが街を散策する話で盛り上がっている。

俺たちも行きたいが街の門のところから人が数人歩いてきている、格好からして門番ではなく大会の関係者だろう。

まあ大体予想は出来てたんだけどね。


大会役員
「君がこの異様な乗り物の持ち主かな?」


俺が大会役員っぽい服装の人に答えようとしたらローナが前に出てきてくれた。


ローディアナ
「わたくしがこのヒクウテイの持ち主ですわ、何か問題があるのかしら?」

大会役員
「こ、これは!ローディアナ姫様、門の前に大きな船が降りてきたと聞いて来た次第で、問題というほどでは」


大会役員さんが困っている、何が言いたいんだろうかこの人は。


ローディアナ
「ではなにかしら?」

大会役員
「いえ、出来ましたら場所を移動してほしいのです」

ローディアナ
「あら!街に入れてもよろしかったのかしら?それを早く行ってください、その方が会場から近くなっていいわ」


ローナは解っているのにそう言って返している、まあ馬車が来なかった事を怒っているのは俺たちだけじゃないってことだよね。


大会役員
「も、申し訳ありません、これほどの広さがある空き地はこの街にはありません、出来ましたら街から少し離れた場所にして頂けませんでしょうか?」

ローディアナ
「まあ!?わたくしに街の外で夜を明かし、会場まで遠く離れた場所から向かえとおっしゃるのあなたは」

大会役員
「も、申し訳ありません、ですがクロイツ国の方たちは馬車でこちらにお越しいただくと伺っていたので、まさかこれほどの乗り物で来るとは」


そこを言っちゃうんだね、あぁ~ローナが怒ってるよ。


ローディアナ
「迎えの馬車が来てくれればわたくしもこのようなことはしませんでしたわ、ですが主催者から馬車は来れませんと言われてしまったの」


頬に手を当てて困ったように見せてるローナを役員さんが引きつった顔で見てるよ、これからが大変だよ、きみ。


ローディアナ
「何者かに妨害されたから仕方なく、ほんとに仕方なく宿泊施設が整った他の乗り物でわたくしたちは来たのよ、それを追い出されては・・・侮辱ですわね、大会の上層部とお話があります案内なさい」

大会役員
「は、はいぃー」


ローナたちが大会役員の人と街に入って行った、さて俺たちも行動を開始するか。
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