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12章学園大会

297話 悪事開始

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どうも影です。


私は大会の運営者たちが集まっている部屋の隅に立っています、そう立っているのです。


ハンシュ
「それでは会議を始めます」


今日の競技報告をしていますが魔法威力の担当者が言ってきました。


運営者A
「どうなっているのですか今年のクロイツ学園は、前代未聞ですよ」

運営者B
「まあ落ち着きなさい」

運営者A
「これが落ち着いていられますか!測定器を壊したんですよ!?冒険者だってあれほどの魔力を持っているのはAランク以上ですよ!」


要注意人物でない者たちが話しています、当然です!ケイイチ殿が指導しているのですから。

私は部屋の隅で聞いていますが誰も気づきません、ほんとは天井にいるのが普通なのですがレベルが上がりスキルも授かったので平気なのです。

そう思っていると要注意人物の一人、ヒンマリが話始めました。


ヒンマリ
「まあいいではありませんか、優秀な子供がいただけですよそれより次の話です、予選で予想よりも時間が掛かってしまっていますよね」

運営者B
「そ、そうですね、このままでは期日までにはすべての試合を終了できません」

ヒンマリ
「そうです、なので1日2試合を消化したいと思います」

運営者C
「それは・・・少し無理がありますよ、子供たちが持ちません」


とんでもない事を言ってきましたね、まだ妨害を考えていたのですねこの人たちは、実は大会前いくつか妨害を企てていたのです、私とサーラで阻止しましたケイイチ殿には報告していません。

余計な心配を掛けたくないのです私は、撫でて貰えませんけど最後に報告して撫でてもらいます。


ジョマンネ
「それは学園側でサポートしてもらいましょう、それも学園の実力ですよ」

運営者B
「た、確かにそうですね、分かりました明日各学園に報告いたします」

ハンシュ
「では会議を解散します、これからも頑張ってください」


要注意人物の4人以外が退出していきました、これからですね私の仕事は。


ヒンマリ
「まったくどうなっているのだクロイツ学園は」

ジョマンネ
「ほんとね、これは対策どうこうのレベルではないわ、せっかく密かに魔道具を生徒に渡していたのにそれを軽々超えて行ったわ」

ハンシュ
「そうだな・・・ジェジェは何をしているのだ、食事に微量な毒を入れろと言ったではないか」


な!?そんなことをしようとしていたのですか、まあヒクウテイには入れませんけど、許せませんね。


ヒンマリ
「それが、あのヒクウテイという乗り物に潜入できないとあきらめておりますよ」


ヒンマリがそう言うとハンシュが机をたたき言ってきました。


ハンシュ
「バカモン!?潜入できないなら他に方法があるだろう、大会中の控室の飲み物に入れるとかしないか、まったく」


またとんでもない事を言い出しましたねこの男、ここで始末しておくべきでしょうがケイイチ殿に止められているのです、うぅ~。


ハンシュ
「それで一日2試合を行ってうちの学園は平気なのか?」

ヒンマリ
「はい、それは抜かりありません、事前にポーション各種を取り揃えています」

ハンシュ
「よし、後は何かないか、それだけではあの怪物どもは止められんぞ」

ヒンマリ
「う、も、申し訳ありません」


策がないようですねいい気味です、私がそう思っているとジョマンネが言ってきました。


ジョマンネ
「私に考えがありますわ」

ハンシュ
「どれ、話してみろ」


私は聞き耳スキルを使って聞きました、フムフム、今回は大掛かりな作戦ですね。


ハンシュ
「なるほど切り札の手前か、よし決勝前の予選で行え、そうすれば人数も限定されるだろう」

ジョマンネ
「はっお任せてください」

ヒンマリ
「ほ、ほんとにやるのですか」

ハンシュ
「そうだ!やむをえんだろう、十分注意して事にあたれよ、それがばれれば私たちはお終いだぞ」

ジョマンネ
「はっ分っておりますともほほほ、ですがそれが失敗したらあれを」

ハンシュ
「ああそうだな、準備は進んでいる、あれが動けばクロイツ学園はお終いだ」


あれとは何でしょうか?それよりも決勝前の作戦は大人数のようです、さすがに私とサーラだけでは対応ができません、ケイイチ殿に知らせなくてはいけませんね。

要注意人物たちが話を終わらせたので私は急ぎヒクウテイに戻りました。



ケイイチ
「そうか、ついに動くのか」


ケイイチ殿の言葉に頷いて時間と場所を報告しました。


サイガ
「やっとか、待ってたぜ」

ケン
「サイガさん殺さないように気を付けてくださいよ」

イーレ
「そうですよサイガさん!手加減を考えてください」

サイガ
「解ってるさ、それに腕の一本や二本無くなっても死にはしない」


それは違うと思いますが、彼にそれを言っても無駄でしょう、みんなも分かっているようでため息をついています。


ケイイチ
「まあ自分たちの安全が第一だからね、みんな気を付けて行こう、向こうは何をしてくるか解らないんだから」


ケイイチ殿は優しいですね、私も注意して敵を殲滅します。


ケイイチ
「それと影、ちょっとおいで」


私は何故かケイイチ殿に呼ばれ部屋に入りました。



「ヒャ!?」


入ってすぐにケイイチ殿に抱きしめられました、な!何でですか。


ケイイチ
「サーラから聞いたよ、あまり無理をしちゃダメだろ」


どうやら密かに妨害阻止をしていることをサーラが言ったようです、あれだけ止めておいたのにバカ弟子。



「無理はしていません、それよりケイイチ殿に余計な心配を掛けたくなかったのです」

ケイイチ
「今俺は心配しているよ、学園の生徒達でなく君をね」


そう言われてしまいました。



「バカ弟子に感謝ですね」

ケイイチ
「ん!何か言った影?」


「いえ何でもないです、ケイイチ殿もう少しいいですか」

ケイイチ
「ああいいよ、好きなだけやってあげるよ」


しばらく私は撫でられながら抱きしめてもらいました。
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