レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー

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3章 抵抗

51話 囚われた僕

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僕が目を覚ますとそこはどこかの工場跡で、鎖で手足を拘束されていて囚われたのが分かりました。


「こんな事をする相手に心当たりがあり過ぎる」


いったい誰の仕業なのか、不安にもならずに待っていたら、その相手が遠くの入口から入ってきて、僕はとてもガッカリしたよ。
その人は、とてもイライラした表情の笹田君で、僕が目を覚ましているのを見て腹に蹴りを入れてきた。


「痛いな、どうしてこんなことをするのさ」
「やっぱりだ、お前は痛がってねぇ、相当レベルが上がっているな」
「そうだけど、まさか眠らされるとは思わなかったよ」
「耐性があるのは分かっていたからな、苦労したんだぜ」


何処かで呪いを掛ける道具を作ったらしく、笹田君は右手の小指に嵌めた指輪を見せてきた。
僕は聞いてないのに、得意げに笹田君が話し始め、僕の様に力を求めた結果だったよ。


「そうか、僕とは違い付与に似た力を見つけたんだね」
「そうさ、お前はレベルアップと言う発見をしたが、他にも新たな力を発見した奴はいたんだよ」
「それを見つけて僕に使った」


その通りっと笹田君は得意げで、更に蹴りを入れてきた。
先ほどよりも痛みを感じ、僕のその表情を見て笹田君が笑ってきたよ。


「お前がいけないんだ、あんなに簡単に強くなりやがって、レベルアップとかふざけるな」
「き、君だって強くなれるんだよ」
「良いや違うね、お前を超える事は出来ない、絶対にな」


だからこうして捕まえて最後の手段に出た様で、笹田君が少し離れて椅子を持ってきた。
どうやら、僕の命を取る前に何かするようで、これからどうするのかわざわざ教えてくれた。


「ここに美穂子を呼び、お前を使ってあいつらの心を砕く」
「そうか、君は美穂子が目的だったんだね」
「そうだ、俺はあいつを取り戻す」


最初から自分の物の様に言う笹田君は、どうしても認める気になれません。
今まで放置していたのは間違いで、僕はこれ以上は見過ごせないと鎖を引きちぎる為に力を入れた。


「無駄だぜ、その鎖は特注品だ」
「呪いだね、しかもかなり強力だ」
「そうさ、指輪と連動してる」
「君、このままじゃ死ぬよ」


自分の命を使った呪い掛けで、そこまでして何になるのか疑問だった。
笹田君は取り戻した後なんて考えてなくて、僕から奪った事実が欲しかったんだ。


「その為なら、俺は命なんていらない」
「馬鹿だね、美穂子がそう簡単に諦める訳ないじゃないか」
「だからこその呪いだ、お前は段々と弱っていくんだよ」


力が入らなかったのはそのせいらしく、僕は美穂子が来る頃には喋る事も出来なくなると言われた。
笹田君は、自分も死ぬけど僕も道連れとか笑ってきて、椅子に座って僕を睨んできたよ。


「蹴ったりしないの?」
「それはあいつが来てからだ、楽しみだぜ」
「呪いの道具、どうやって手に入れたのさ、こんな強力なの簡単には手に入らないでしょう」
「そうでもないぜ、金さえあれば誰でも手に入る」


どうやら、僕と契約したお金で買った様で、ダンジョン探索の為の装備を買わずに使ったと笑っていた。
どうしてここまでねじ曲がってしまったのか、とても悲しい気持ちになったよ。


「俺は、美穂子が好きだった、なのにお前が奪ったんだ」
「誰を好きになるのかは人の自由だよ」
「違うっ!あいつは俺を好きにならなければいけないんだ」


どうやら、呪いが笹田君の意思を強くしている様で、僕の言葉は届きませんでした。
美穂子の説得もダメだろうと、最後の切り札を使う準備に入りました。


「無駄だぜ斑鳩、お前の力は全て呪いが封印してる」
「呪いに目を付けたのは凄いよ笹田、でも君は何も分かってない」
「そうかよ、だったら無駄な努力をするんだな」


そうさせて貰う事にして、1時間したら美穂子が倉庫に来て笹田に剣を向けて僕の解放を命令した。
その命令を聞く訳もなく、僕を蹴って美穂子に武器を捨てる事を命令したんだ。


「従わなければ更に剣で切りつけるぞ」
「やっても意味がないわ、文哉は強いのよ」
「普通ならそうだな、だが今のこいつはそうじゃないんだよ」


剣を僕の足に刺した事で、それが真実なのを美穂子が理解し武器を捨てた。
痛みをあまり受けない僕は美穂子が来る前の事で、僕は激痛に堪えるのが精いっぱいだった。


「どうして、なんでこんな事をするのよ笹田」
「それだよ、俺はお前が欲しいのさ」
「欲しいって、私はあなたなんて何とも思って無いわよ」
「昔は違っただろう、結婚の約束もした」


子供の頃の話で、何を言ってるんだと美穂子が呆れていた。
笹田は真剣で、ここで誓いを立てると言い出し、抵抗するなら僕を殺すと言ってきたよ。


「そんな事させないわ、武器が無くたって」
「闘気を使った攻撃や移動はさせないぜ」


美穂子が闘気を上げようとした時、笹田が指輪を新たに親指に着けて闘気を吸い始めた。
僕も美穂子も驚いたけど、その反動はすごく激しい様で、笹田は血を吐いたよ。


「ど、どうだよ」
「あなた、死ぬ気?」
「ぞうざ、お前を手に入れる為なら何でもずる」


目からも血が流れだし、笹田はいかにも死ぬ寸前となり、美穂子はチャンスを伺うように僕を見てきた。
僕なら何とかすると思っての事で、僕は喋れる元気が無かったので頷いて見せた。


「そいつに期待しても無駄だ、闘気も魔法も俺が全て奪ったんだよ」
「確かに、私ならそこまでされたらもう諦めてたわ」
「はははっそうだろう、だから俺の物になれ」
「おあいにくさま、あなたが捕まえたのは私ではなく文哉よ、簡単にはいかないわ」


僕が何かを残しているのは笹田も分かってて、それでも自分が命を賭けていたから簡単ではなかったと語って来た。
ポーションの製作に失敗し、ダンジョンで強くなろうと努力したけだ、僕のレベル上げで簡単に超えられて諦めてしまったんだ。


「そんな時、俺は闇商人に出会い呪いの道具を買ったのさ」
「命まで使うなんて、どうしてその意思を他に使わないのよ笹田」
「つかつもお前は手に入らない、分かってたのさ」


正攻法では無理だから、もうこの方法しかないともう一つ指輪を出して来た。
その指輪を嵌めたら最後、笹田も死ぬけど僕も道連れと言い出したから、美穂子が焦り出した。


「それが嫌なら俺と結婚しろ美穂子、じゃないた斑鳩が死ぬぞ」
「わ、分かった、あなたに従う」
「くくく、やっとだ、とうとう手に入れたぞ」
「そうはさせないよ」


僕は鎖に縛られたままで立ち上がり、美穂子に近づく笹田を止めた。
声が出せた事も驚いてたけど、立ち上がったのは更に驚く事で、なんで動けるのか聞いてきたよ。


「そんなの簡単だよ、根性さ」
「な、なにをバカな、そんな事出来る訳ねぇ」
「笹田、残念だけど事実だよ、これはレベルが上がっているからじゃない」


簡単に強くなってはいたけど、僕たちはそれ以上に努力して根性を鍛えたきたんだ。
限界とはそうして超えるモノで、美穂子には十分分かってもらえたよ。


「そんなバカな!・・・いやまだだ、お前立ってるだけで精一杯だ、俺なら殺せるし鎖もある」
「生憎だけどね笹田、僕には最後の切り札がある」
「な、なんだと」
「今見せてあげるよ、僕の命の炎」


闘気に似てるけど、文字通り命を燃やして力に換えるから、寿命が極端に減ってしまう。
その代わりに力は通常の1000倍にもなり、獣人が秘匿している奥義で、鎖を壊して笹田の腹に拳をぶつけて粉砕した。


「君には感謝したんだよ笹田、なのに残念だよ」


ポーションの販売がここまでスムーズに進んだのは紛れもなく彼のおかけで、クラスが団結したのもそうだった。
その意図が複雑でも、僕にとってはそれが答えで、こんな事にならなければ友達になれたはずと、涙が出て来たよ。


「文哉、力を止めて」
「そうだね美穂子、もう笹田はいない」
「あんな奴どうでもいいから、早く止めるのよ」
「それは無理なんだよ美穂子、この力は発動したら止まらない」


止めるには僕の命が無くならないとダメで、何とかしてと美穂子が泣いてきた。
これを教えてくれた獣人は、同じ様に命を使って戦い死んでしまったから、僕も同じ様になると最後のお別れを言う事にした。


「好きだよ美穂子、みんなにも伝えて」
「そんなの自分で伝えなさいよ、じゃないとみんな許さないわ」
「そう言われてもね、僕自身止められないんだ」
「考えて、あなたはいつもそうして来たんじゃない」


そう言われても、この結果は必然でありどうにも出来ないと思ったけど、美穂子の悲しむ顔を見ていたら、何だか悔しくなったんだ。
このままで終わるなんて僕らしくない、そう美穂子は思わせてくれたんだ。


「一つだけ可能性のある方法がある」
「本当!じゃあ急いで」
「でも、それには美穂子の助けが必要なんだ」
「分かったわ、何をすれば良いのよ」


美穂子にやってもらう事とは、心臓マッサージと人工呼吸で、僕はこれから自分の心臓を止める為、圧縮した電撃魔法を自分に打つと話した。
仮死状態になれば今の状態から元に戻れるかもしれないっと、魔法を出して圧縮し始めた。


「ただね、僕の命は疲労してるから、戻ってこれるかわからないんだ」
「それでも、このまま待つよりは良いって事ね」
「じゃあお願いね美穂子」
「任せて、必ず戻してみせるわ」


美穂子に任せて、僕は自分に電撃魔法を放ち意識を無くしました。
僕にとって二度目の死を迎えたんだけど、今回は一瞬ではなく長い夢を見る事になったんだ。
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