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4章 制覇
76話 生徒からの要望
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斑鳩君たちが10つ星に挑む事を決め、その話は生徒には広まっていないと思っていたんだけど、合宿と称した旅行から戻ってきてそれは知られてしまい、私と笹森先生の所に生徒が殺到してきたわ。
「みんな落ち着て」
「落ち着てなんていられませんよ先生、アタシたちもダンジョンに行きたいんです」
「そう言われても、決定権は斑鳩君にあるのよ」
「それに、みんなが選ばれなかったのは力が足りなかっただけ、もっと精進しなさい」
笹森先生が突き放すような説得をして、それで済む話なら良かったんだけど、それならレベルアップの訓練をしてほしいとお願いされてしまったわ。
あれは数が揃わないからそう簡単にはできないのに、勝手過ぎるといら立ってきたのよ。
「あなたたち、あれは大変時間の掛かる訓練なのよ」
「美穂子たちは出来てるじゃない、自分たちだけ使ってずるいわ」
「そうです、ワタシたちも同じ商会に入るって決めてるんです、平等にしてほしいです」
「それは無理よ、あれは彼女たちが勝ち取った力だもの」
笹森先生が悲しそうに言う様に、私たちもその力を貰えなかった外されたメンバーで、佐々木さん達は命を懸けて斑鳩君を救ったんです。
その決意は笹森先生にも私にもなく、あの時ただ見ているだけだったのよ。
「斑鳩君は好きだけど、それは生徒として見ていただけで、命を分けるなんて抵抗があったのよ」
「先生?なんの話をしているの」
「こっちの話よ、だけどみんなも私達と同じ、だから今回は見ているだけなのよ」
「そんな、何とかしてくださいよ」
みんなからどうしてもとお願いされ、仕方なく斑鳩君に聞いてみる事にしたわ。
クラスで佐々木さん達と一緒に居る斑鳩君に直談判出来るのに、その勇気がない時点で資格なんて無いと分からないなんて、まだまだ若いと微笑ましくも思ったわね。
「約束ですよ」
「ええ、それでダメだったら諦めなさいね」
諦める事はないのか返事はもらえなかったので、斑鳩君に何かテストを考えてもらう事にして教室に向かったわ。
ホームルームが終わってすぐにお願いしたら、すぐにそのテストを考えてくれて、トレーニングルームに先ほどの生徒たちを集めたのよ。
「それでは、みんなが10つ星ダンジョンに挑みたいという事を白樺先生から聞きました、だからこれに乗れたら参加を認めます」
「それって、いつも野営中に守ってくれてるビーズアニマルみたいだけど」
「ちょっと違うんだ、これは改良して装備出来るビーズスーツなんだよ」
ゴリラに見えるそのビーズスーツは、お腹の部分に入ることが出来て能力がすごく上がるらしく、10つ星ダンジョンでも活躍できると斑鳩君が説明してくれたわ。
だから10体のゴリラに生徒が入っていくけど、動かせる生徒は一人もおらず、結局誰も動かせなかったわ。
「残念、誰も動かせなかったね」
「これって、本当に動かせるの?詐欺じゃないのかしら」
「そんなことないよ、白樺先生ちょっと乗ってみてください」
「わ、私っ!」
みんなの注目が集まる中、私はゴリラの中に入り歩いてみました。
生徒たちがピクリとも動かせなかったのに、私は抵抗なく動かせて不思議な気分だったわ。
「な、なんでよ!どうして動かせるのよ」
「不思議に思うだろうけど、これはみんなの意思なんだよ」
「何でそうなるのよ斑鳩君、アタシたちは行きたいのよ」
「口では言ってるけど、心の中では怖いと思ってる気持ちの方が多いんだ」
その気持ちのままにダンジョンに行けば、必ず危険な事態になり探索は失敗すると言われ、だから連れていけないと断られたわ。
私は動かせたから本来は参加出来たのだけど、それは辞退させてもらったわ。
「先生、どうして」
「それはね、自分のダメなところを知っているからよ」
「そうね、アタシもそうよ」
笹森先生も同じで、あの時とっさに自分を守ろうとして斑鳩君を助けなかったんです。
人としてそれは当たり前かもしれないけど、佐々木さん達は躊躇いなく斑鳩君を助ける方を選んだ、みんなにそれを伝え諦める様に説得に入りました。
「それが出来る人が選ばれる、私はそう思っているわ、だから出来なかった自分たちは辞退するのよ」
「白樺先生・・・分かりました」
「諦める事も探索者として必要、それが分かっただけ成長したわ」
これも人生という事で、いつか一緒に行ける様に訓練しようと伝えて、私は訓練に入るみんなを応援しました。
本当は私も参加したいけど、旅行に行けなかった事で線引きされてしまい、私達はそちら側に行けないと思ってしまったわ。
「躊躇してしまったあの時、誰かを本気で好きになる意味を知ったわ」
青春と言うには本気度が違ったし、私はそんな恋愛がしたいと思ったんです。
その相手は斑鳩君じゃないかもしれないけど、手本になる斑鳩君たちを見ていきたいと思っていました。
「とはいえ、ダンジョンには行かないから、帰ってきたらお話を聞きたいわね」
という事で、訓練を一緒に眺めていた斑鳩君にお願いしたら、なんと他の報告を聞いて招待状をもらったのよ。
その招待状が結婚式のものだったから、私はその死亡フラグを言わせない為、斑鳩君の手を掴んで止めたんです。
「白樺先生?」
「ダメよ斑鳩君、それはまだ早いわ」
「そう言われましても、ダンジョンから戻ったら」
「だから、それ以上言っちゃダメなのよ!」
直ぐに止める為、手を引き寄せて抱きしめてしまったけど、言わせないことに成功してホッとしたわ。
謝罪してから離れると、心配していた私に感謝の言葉を伝えて来て、素直な良い子なのを再確認したわね。
「斑鳩君は変わらないわね、いつまでも優しくて良い事よ」
「そうですかね、この性格は変える気はありません」
「そうね、佐々木さん達はそんな斑鳩君だから好きになったのよね」
惹かれている人は他にもいるだろうけど、それは私が抱いている程度の愛で、もっと深くなくては隣にはいられませんでした。
普通とは違う場所に斑鳩君たちはいて、まぶしくて仕方なかったわね。
「みんな落ち着て」
「落ち着てなんていられませんよ先生、アタシたちもダンジョンに行きたいんです」
「そう言われても、決定権は斑鳩君にあるのよ」
「それに、みんなが選ばれなかったのは力が足りなかっただけ、もっと精進しなさい」
笹森先生が突き放すような説得をして、それで済む話なら良かったんだけど、それならレベルアップの訓練をしてほしいとお願いされてしまったわ。
あれは数が揃わないからそう簡単にはできないのに、勝手過ぎるといら立ってきたのよ。
「あなたたち、あれは大変時間の掛かる訓練なのよ」
「美穂子たちは出来てるじゃない、自分たちだけ使ってずるいわ」
「そうです、ワタシたちも同じ商会に入るって決めてるんです、平等にしてほしいです」
「それは無理よ、あれは彼女たちが勝ち取った力だもの」
笹森先生が悲しそうに言う様に、私たちもその力を貰えなかった外されたメンバーで、佐々木さん達は命を懸けて斑鳩君を救ったんです。
その決意は笹森先生にも私にもなく、あの時ただ見ているだけだったのよ。
「斑鳩君は好きだけど、それは生徒として見ていただけで、命を分けるなんて抵抗があったのよ」
「先生?なんの話をしているの」
「こっちの話よ、だけどみんなも私達と同じ、だから今回は見ているだけなのよ」
「そんな、何とかしてくださいよ」
みんなからどうしてもとお願いされ、仕方なく斑鳩君に聞いてみる事にしたわ。
クラスで佐々木さん達と一緒に居る斑鳩君に直談判出来るのに、その勇気がない時点で資格なんて無いと分からないなんて、まだまだ若いと微笑ましくも思ったわね。
「約束ですよ」
「ええ、それでダメだったら諦めなさいね」
諦める事はないのか返事はもらえなかったので、斑鳩君に何かテストを考えてもらう事にして教室に向かったわ。
ホームルームが終わってすぐにお願いしたら、すぐにそのテストを考えてくれて、トレーニングルームに先ほどの生徒たちを集めたのよ。
「それでは、みんなが10つ星ダンジョンに挑みたいという事を白樺先生から聞きました、だからこれに乗れたら参加を認めます」
「それって、いつも野営中に守ってくれてるビーズアニマルみたいだけど」
「ちょっと違うんだ、これは改良して装備出来るビーズスーツなんだよ」
ゴリラに見えるそのビーズスーツは、お腹の部分に入ることが出来て能力がすごく上がるらしく、10つ星ダンジョンでも活躍できると斑鳩君が説明してくれたわ。
だから10体のゴリラに生徒が入っていくけど、動かせる生徒は一人もおらず、結局誰も動かせなかったわ。
「残念、誰も動かせなかったね」
「これって、本当に動かせるの?詐欺じゃないのかしら」
「そんなことないよ、白樺先生ちょっと乗ってみてください」
「わ、私っ!」
みんなの注目が集まる中、私はゴリラの中に入り歩いてみました。
生徒たちがピクリとも動かせなかったのに、私は抵抗なく動かせて不思議な気分だったわ。
「な、なんでよ!どうして動かせるのよ」
「不思議に思うだろうけど、これはみんなの意思なんだよ」
「何でそうなるのよ斑鳩君、アタシたちは行きたいのよ」
「口では言ってるけど、心の中では怖いと思ってる気持ちの方が多いんだ」
その気持ちのままにダンジョンに行けば、必ず危険な事態になり探索は失敗すると言われ、だから連れていけないと断られたわ。
私は動かせたから本来は参加出来たのだけど、それは辞退させてもらったわ。
「先生、どうして」
「それはね、自分のダメなところを知っているからよ」
「そうね、アタシもそうよ」
笹森先生も同じで、あの時とっさに自分を守ろうとして斑鳩君を助けなかったんです。
人としてそれは当たり前かもしれないけど、佐々木さん達は躊躇いなく斑鳩君を助ける方を選んだ、みんなにそれを伝え諦める様に説得に入りました。
「それが出来る人が選ばれる、私はそう思っているわ、だから出来なかった自分たちは辞退するのよ」
「白樺先生・・・分かりました」
「諦める事も探索者として必要、それが分かっただけ成長したわ」
これも人生という事で、いつか一緒に行ける様に訓練しようと伝えて、私は訓練に入るみんなを応援しました。
本当は私も参加したいけど、旅行に行けなかった事で線引きされてしまい、私達はそちら側に行けないと思ってしまったわ。
「躊躇してしまったあの時、誰かを本気で好きになる意味を知ったわ」
青春と言うには本気度が違ったし、私はそんな恋愛がしたいと思ったんです。
その相手は斑鳩君じゃないかもしれないけど、手本になる斑鳩君たちを見ていきたいと思っていました。
「とはいえ、ダンジョンには行かないから、帰ってきたらお話を聞きたいわね」
という事で、訓練を一緒に眺めていた斑鳩君にお願いしたら、なんと他の報告を聞いて招待状をもらったのよ。
その招待状が結婚式のものだったから、私はその死亡フラグを言わせない為、斑鳩君の手を掴んで止めたんです。
「白樺先生?」
「ダメよ斑鳩君、それはまだ早いわ」
「そう言われましても、ダンジョンから戻ったら」
「だから、それ以上言っちゃダメなのよ!」
直ぐに止める為、手を引き寄せて抱きしめてしまったけど、言わせないことに成功してホッとしたわ。
謝罪してから離れると、心配していた私に感謝の言葉を伝えて来て、素直な良い子なのを再確認したわね。
「斑鳩君は変わらないわね、いつまでも優しくて良い事よ」
「そうですかね、この性格は変える気はありません」
「そうね、佐々木さん達はそんな斑鳩君だから好きになったのよね」
惹かれている人は他にもいるだろうけど、それは私が抱いている程度の愛で、もっと深くなくては隣にはいられませんでした。
普通とは違う場所に斑鳩君たちはいて、まぶしくて仕方なかったわね。
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