レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー

文字の大きさ
11 / 82
1章 新しい風

11話 探索者の新たな風

しおりを挟む
会社に戻った私は、彼の素晴らしさを思い出し、ぼ~っとして1日が終わっていました。


「200億エーンの探索者っか、自分で言ってて現実的じゃないわね」


言い切れるのは確かに大物ですけど、上司に報告した書類は直ぐに破棄され、なんとしてでも勧誘しろと言われていたのよ。
要求が200億なのに、それを出さずに勧誘なんて出来る訳がないっと、私はぼ~っとしながら匙を投げていた。


「しかも、あの額は一人に対してで、6人いるからもう無理よ」


それだけ超が付くほどの無理な条件で、誰も勧誘できない事が救いだったわ。
とはいえ、会社の命令は実行不可能だから、どうしたものかと悩んでしまって頭を抱えてしまいました。


「的場さん、平気ですか?」
「ああ、風切君平気よ、それよりも分かったのかしら?」


一緒に彼を見た情報担当の風切カナト君は、頷いて資料を見せてきて、私はその内容を読んで信じられず、何度も同じ文章を読みましたよ。
斑鳩君は、あの謎の商人【ハトポッポ】と分かったからで、とても信じられないと書類を机に置き風切君に視線を向けました。


「ふざけた名前のクセに、扱う商品は超一流で有名なあのハトなの?」
「そうです、色々調べて驚きましたよ、実はハトポッポが商品を卸しているお店、以前は経営不振で倒産寸前だったんです」
「つまり、自分が使う為に裏でお店を買い取って使ってたの?」
「商品を卸すだけに見せかけていますがその通りで、条件を付け加えて貸している様ですね」


商品が売れて借金が返済された時と言う内容だった様で、それは成功してからという当人同士の約束事で、どこも関与してないから世間に知られず私たちも知らなかったのよ。
そして、アクセサリーショップ以外にもそういったお店はあり、それも狙っているだろうと私は予想したわ。


「的場さん、言っておきますけど、考えてる事外れてます」
「それって、もしかして風切君も考えたの?」
「はい、このままの流れですと他のお店を買って増やすと思うのが妥当ですから、それにもう一つの手も考えてみれば妥当なんです」


一番の早道と言われ、私も凡人レベルとショックを受けている中、更にもう一つの方法を聞きました。
風切君の伝えて来た内容は、自分で動かずに目立たない方法として最高だったけど、単純すぎて納得できなかったわ。


「お店が軌道に乗り、借金が無くなったから他の商品をお店においてはどうかっと、あのハトポッポに提案されたのかもしれません」
「待ってよ風切君、それだけ直球なら直ぐに気づくわよ」
「そこが一番大変でした、何せ物流の流れを辿れないんです」
「辿れないって、新たな商品は運ばれるんだから、荷物を調べれば良いじゃない」


お金の流れは私も調べていて、全然辿れなかったから物の流れを見るしかなかったのだけど、どうしてか風切君は見つけられなかったわ。
それと言うのも、大荷物が運ばれる形跡がなく、小量の荷物しか後を追えなかったそうで、見つけるのが大変だったと笑っていたわ。


「でも見つけたのね、凄いじゃない」
「は、はい、的場さんの為に頑張りました」
「ありがとう、これで少しは上司を説得できるかもしれないわ」
「はい、なんとしてでも勧誘を成功させましょう」


勧誘は無理で、私が言ったのは上司に諦めさせることだったけど、斑鳩君に行きついた理由を聞いて、間違いじゃないかと聞き返してしまったわ。
それは、夢物語に出てくる魔法を斑鳩君が使ったと言う内容で、それと同時にお店にも魔法の指輪が売り出されたから判明したのよ。


「ほ、本当なのそれ」
「はい、実は自分の知り合いの子供があの学校にいるんですが、あの生徒と一緒にいたPTが火の玉を出せる指輪を学校内で配り、担任の教師が指導を始めたんです」
「それって、店に並ぶタイミングが早すぎるわね」
「そうなんです、だから彼が作ったと断定しました」


証拠はないけど、そんな事が出来るのは一人しかいないし、斑鳩君がハトポッポなのが確定したわ。
探索者にとって文字通り魔法の道具が手に入り、これは7つ星のダンジョンをクリアできると感じたのよ。


「200億って言った彼の言葉、あれは嘘ではなかったわね」
「元からそれだけの決意は感じましたけど、これはそれだけの利益を出します」
「ええ、でもそれを会社側が認めるとは思えないわね」


そして、200億と提示した斑鳩君のその先が読めて、本当に無理なんだとはっきりしたわ。
それのおかげか、私もある決意が出来て、上司の報告に向かったのよ。


「的場さん」
「風切君、あなたは何が起きても私に付いてきてくれるかしら?」
「勿論です、だって自分は」
「そう、それなら良いわ、行くわよ」


社長の部屋をノックし、入室して直ぐに斑鳩君とそのPTの勧誘を諦める様に伝えました。
風切君は、いきなりの事で私を止めてきたけど、これは情報の答えでもあり、このままでは会社が崩壊すると断言出来たんです。


「ほう、そこまで言うのか」
「的場さん、なんでそんな事を言うんです、自分はそうは思いません」
「風切君、彼はそれだけの大物という事よ、よく考えなさい」


今は小さくとも、探索者が絶対に欲しい商品を提供できる相手、それはとてつもない力を持っていると話しました。
大会社のここも、探索者が敵に回れば倒産するし、それを危惧しての事と注意しました。


「既に彼は動き出しています、アクセサリーだけならまだ問題ありませんでしたが、新たな力【魔法】が相手では勝ち目はありません」
「ふむ、それが本当なら確かに脅威だが、魔法など信じられると思うのか?」
「あの学校のダンジョン、既に1年生の制覇者が続出しています、それは十分な成果と言えませんか?」


風切君と話している間もチェックしていたけど、1年生のほとんどがクリアしていたわ。
だからこそ、斑鳩君がハトポッポだと確証も持ったし、負けるのが分かってるなら知らせるべきとここにいます。


「どうかお願いします、彼の事は諦めるか、協力する形を取ってください」
「何か勘違いしているな的場、ワシは新人を勧誘しろと言ってるんだ」
「それがダメなんです鳳凰社長、彼を新人とは思わず、今最強と呼ばれる探索者PT【フレイムロード】を勧誘すると思ってください」


それは今の段階では過大評価だけど、彼はそれ以上の存在になると私は思っていて、これを受け入れるかでこの会社の未来が決まると感じていました。
鳳凰社長は、この会社に最強と呼べる探索者がいないことに焦っていて、EGOや五十嵐重工に後れを取っているせいでもあるから忠告したんです。


「彼の要望を全て答えるんです、そうすれば」
「あははは、何をふざけたことを、ただの学生にそんな事が出来る訳がない」
「プライドが許しませんか?だからあなたに付いていく探索者がいないんです、私は探索者ではありませんが、ここで辞めさせていただきます」
「ちょっと、的場さん」


辞表を出し、風切君が止める間もなく退出しました。
外で風切君に止められ、どうして辞めるのかと聞かれたわ。


「風切君、このままじゃこの会社は崩壊するわ、だから辞めるのよ」
「そんな、あの斑鳩と言う生徒がそこまでなんですか」
「そうよ、彼は確実に最強になる、それをまじかで見たくなったの、あなたも来てくれるわよね?」


付いて来てほしいとお願いしたら、風切君は断ってきて、会社を支えると言ってきたわ。
付いてきてくれると思ったんだけど、とても残念に思いながら荷物を纏めてその日の内に会社を出ました。


「さて、斑鳩君に再会するのが楽しみね」


気持ちを切り替えて、自分を売り込む方法を考え、彼のさきを読んだ方法を見つけて動き出しました。
きっと彼も喜んでくれると信じて、会社では感じなかった達成感でいっぱいだったわ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

転生したら実は神の息子だった俺、無自覚のまま世界を救ってハーレム王になっていた件

fuwamofu
ファンタジー
ブラック企業で過労死した平凡サラリーマン・榊悠斗は、気づけば剣と魔法の異世界へ転生していた。 チート能力もない地味な村人として静かに暮らすはずだった……が、なぜか魔物が逃げ出し、勇者が跪き、王女がプロポーズ!? 実は神の息子で、世界最強の存在だったが、その力に本人だけが気づいていない。 「無自覚最強」な悠斗が巻き起こす勘違い系異世界英雄譚、ここに開幕!

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)
ファンタジー
どこにでも居るような冴えないおっさん、山田 太郎(独身)は、かつてやり込んでいたファンタジーシミュレーションRPGの世界に転生する運びとなった。しかし、ゲーム序盤で倒される山賊の下っ端キャラだった。女神様から貰ったスキルと、かつてやり込んでいたゲーム知識を使って、生き延びようと決心するおっさん。はたして、モンスター蔓延る異世界で生き延びられるだろうか?ザコキャラ奮闘ファンタジーここに開幕。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

処理中です...