レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー

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3章 抵抗

43話 女子陣の訓練

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文哉が忙しくしている事をなんとなく感じ、日曜もダンジョン関係で働いている事を妹のリンリちゃんに教えて貰い、私たちも頑張ろうと日曜に集まる様になって、改めて思ったことが我慢できません。


「ねぇミクル」
「ああ美穂子、拙者も思っていたでござる」
「そうよね・・・文哉を慕う人が多すぎよね」


慕うだけなら注意はしなかったけど、リンリちゃんと一緒に来るようになった影縫誠が気になっていたわ。
1レベルなのに、彼女の動きは7つ星ダンジョンで見た姉さん以上で、彼女が文哉を見る目は明らかに私達と同じだったわ。


「うかうかしてられないわね」
「それはそうでござるが、今更でござるよ美穂子」


ミクルの言う様に、リンリちゃんから始まりどんどんと人が増えてきていて、私の姉さんも入っていたわ。
そして、女性ばかりではなく男性もその中に入ってて、文哉の周りに人が集まりだしたわ。


「卒業までクランは作らないとは言ってたけど、もうほとんど完成してるわよね」
「希望の光が配下になったでござるからな、文哉もそのつもりでござろう」
「だよね、これからどんどんダンジョンに入るのよね」
「それもそうでござるが、問題はレベルアップでござるよ」


異世界に行く、それはとても不安な言葉で、それは文哉との絆の深い私達だけと思っていたんです。
そこまで踏み込まれたら、本当に焦ってしまうからダンジョンに来るようになったけど、これは4つ星ではなく5つ星に行くべきだったと反省したわね。


「だけど準備はしてないし、今日は4つ星しかないわね」
「そうでござるな、次からは5つ星・・・気合を入れて6つ星でも良いでござるな」


ミクルの意見も聞けて、6つ星はみんなと相談することになって今日は頑張ろうと張り切ってダンジョンに入っていきました。
でも、そんな私たちの前に団体の探索者が道を塞いできて、何やら異様な雰囲気を出してきたわ。


「何ですかあなたたち」
「お前ら、7つ星を攻略した時にいたな」
「それが何よ、あなた誰かしら?」


見たことあるような気がして思い出そうとしたけど、それよりも態度が気に入らなくて思い出せませんでした。
そんな私を見て、相手の男が怒ってきて武器をいきなり抜いて振り下ろしてきて、それを防いだのは影縫誠だったわ。


「お前、どういうつもりだ」
「簡単な事でございますよ深炎様、あなたを切り捨て新たな殿方を見つけたのです」
「そうかよ、じゃあ一緒に死ね」


男が後ろにいた人たちに指示を出し、全員が武器を構えてきたので私も本気で武器を抜いたわ。
ミクルたちも武器を抜き、ダンジョン内での戦いが始まろうしていたわ。


「お前ら分かってるのか?俺たちはあのフレイムロードだぞ」
「あらそう、あいにくだけど、こっちはそんな言葉で怖気づいてしまう程弱くないわ」
「言うじゃねぇか小娘、なら見せてみな」


影縫誠の短剣を押して後退した深炎は、肩に大剣を乗せて闘気を溜めてきて、大きいのが来るから影縫誠が注意するように言ってきたけど、そもそも相手の攻撃は私には効きません。
闘気を攻撃の当たる場所に集めるだけでそれが出来、相手の速度なら簡単に出来るから、正直めんどくさかったわ。


「こんな奴相手にするより、ダンジョンを進みたいわね」


ミクルたちも武器を構えるだけで嫌がっていて、それなら相手をしないで進もうと思ったわ。
武器を収めてみんなに指示を出し、私は影縫誠を抱き上げて深炎を飛び越えて見せました。


「なっ!逃げるのか」
「だって戦う価値がないもの」
「な、なんだと」
「だって、あなた弱いのよ、もっと強くなってから出直してきなさい」


レベルが上がらない人たちだから仕方ないけど、闘気を溜めて出すだけの相手なんて今の私達は暇ではないし、急いでダンジョンを進んでいきました。
最初に出会ったモンスター【オークバトラー】を追いかけてくる深炎に任せる為、相手をしないでそのまま避けて進みました。


「これであいつらは来ないでしょうね」


倒して追いかけてきたら、その時は相手をしてあげようと先を進み、1階降りた所で影縫誠を降ろして先に進むようにみんなに指示を出したわ。
私が影縫誠を降ろして何も聞かないから、影縫誠が不思議そうだったけど、聞いてほしいのかと逆に聞いたわ。


「それは」
「言えないなら良いのよ、文哉が連れてきたのだから何かあるんでしょうし、私達には関係ないわ」
「そうですか・・・分かりました」


これ以上競争相手が出てきても困るので、私はそれ以上聞かずに先を歩きました。
ここのモンスターは、1階でも出会った格闘の得意なオークバトラーで、武器無しで闘気を高めて戦う相手としてタフ差があります。


「じゃあ、誰から行く?」
「拙者から行こう」
「じゃあミクルからね」
「ちょ、ちょっと待ってください、もしかして一人で戦う気ですか」


影縫誠が驚いてきたけど、ここには訓練の為に来ていて、一人どころか武器も使わないと伝えたわ。
それにはかなり驚いて来て、無謀と止めてきたから、一緒に来るようになって3回目だけど、まだ分かってないと安心したわね。


「あなた、文哉から聞いてないの?」
「いいえ、ここには先ほどの奴らが来ると思ったので、護衛としてきました」
「護衛って、いらないわよ」
「いいえ、先ほどは正面から来ましたが、襲撃してくる可能性はあるんです」


ダンジョンの外が一番危険で、ここまで来たから容赦しないと燃えていたわ。
でも、影縫誠だけでは勝てるかギリギリに感じたので、私たちの心配はいらないと言っておきました。


「ですが、油断している時はどんな人でもあります」
「普通の人ならね、でも私達は違うのよ」


それは訓練でそうしているからで、闘気を常時高めているから安全でした。
それでも影縫誠は心配してきたので、仕方ないから倒すことにしたわ。


「じゃあ、誰が行く?」
「ど、どうしてそうなるのです、一人では危険です」
「影縫誠、あなた何度も私たちとダンジョンに入ってるじゃない、まだ分かってないの?」


それなりの実力があるのは分かっている様だけど、それでも不安が拭えないらしく、オークバトラーを倒すところを見て貰う事にしました。
丁度大きなオークバトラーが歩いて来て、ミクルが素手で相手を始めたので、あれを見てもそう思うのかと注意したのよ。


「そ、そんな・・・どうなってるの」
「一撃じゃないのは問題ね」
「い、一撃って」
「私たちはもっと強くなりたいの、あなたを紹介してきた文哉くらいにね」


文哉はそれだけ実力があり、だから彼女も付いてきているのは分かっていました。
以前のダンジョン探索で納得できない以上、彼女の実力はその程度と言うしかなく、少量の闘気を爆発させている事も理解してない感じでした。


「なるほど、皆さんはお強いのですね」
「そういう事よ、見ていると思っていたけど、案外抜けてるわねあなた」
「すみません、皆さんが本気ではない事が分かりました」


訓練なのだから、本気の戦いではないので仕方ないけど、これがレベルの違いと言うのが良く分かりました。
文哉が私たちに影縫誠を付けたのは、これを知る為だったのかと納得したわね。


「それじゃあ、ここからはモンスターが相手ではない訓練ね」


それもいつか来ると覚悟していて、ついに来たかとフレイムロードを待ちました。
出来るだけそんな事はしたくないというのが本心だけど、話しても分からない人はいるし、強くなるための訓練と心に言い聞かせました。
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