荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

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1章 覚醒

10話 トラウマ

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僕をまさか専属にという話が出るとは思わなかったんです、確かに食事を渡したりしましたけど、それ以外は普通の仕事内容でした。


「僕なんかで良いんですか?もう少し考えた方が」

「それがなぁ」


カッツェさんが嫌そうな顔をして渋って何かを言いかけ、皆さんを見て止めちゃったよ、前に何かあったのかな?


「ん、絶対バイトがいい」

「そうだよねぇ、報酬の額も的確だったしね」


もしかして前に雇ったポーターはちょろまかしたりとかしたのかな?確かにできなくはないよ、僕たちは荷物を全部持つからね、でもそれは信用と言う物を無くす、一番失っちゃダメなものだよね。


「そうにゃそうにゃ!それにあたいたちと一緒にいるのに変な目で見てこないにゃ」

「そうだぜ、ほかの奴なんてほんと嫌になる、考えただけでも寒気がするぜ」


カッツェさんが身震いしています、まぁ確かに皆さんは美人さんですからね、僕だって気にしますよ、でもあまり見ないようにしてました、だって失礼にあたりますし、こっちが困ります。


「それにね、ダンジョンの情報を普通に話してくれたでしょ、だから私たちには貴重なのよ」

「ま、まぁ普通は話す時に交渉をしますね、でも皆さんに話した情報はそれほど重要では無くてですね、普通は初心者救済って事で話すものなんですよ」


常連の人ならだれでも知ってることで初心者くらいしか喜びません、だから普通は熟練のポーターが話すんだけど、もしかして前のポーターはそう言った事もしなかったのかな?今は僕以外フリーはいないはずだから何処かの専属だろうけど、これはギルドに報告した方が良いかもね。


「そこよ!もっと色々教えてほしいの、だからお願い」


アンジェリカさんが手を合わせています、みなさんもそんな感じですけど専属ですか、願ってもない事で僕はすごく動揺してます。それに僕はあることが頭を過って正直怖いんです。


「僕の収納はレベル1で今回ギリギリでした、あそこからはもっと増えるので入りきらないかもしれませんよ、それでも良いんですか?」


僕は笑顔で対応しても心の中では冒険者を信用していません、当然です、線引きはしっかりしないと生きていけませんからね、アンジェリカさんたちは僕を専属にと言ってくれた人達だから信じたいけど、まだ会って1日、答えを出すには早すぎます。なので自分の欠点を言ってとりあえず考え直してもらい、しばらくの期間仕事を貰う事にしようと思ってます。


「そん時は一度戻ればいいさ、なぁアンジェ」

「ええ、それにレベルは今後上げればいいのよ」

「で、でも僕が貰える経験値はそれほど高くないんですよ、かなりの時間が掛かるかも」


僕は皆さんの笑顔を見てドキッとしました、恋とかではなく怖いんだ、前にそう言って笑顔で迎えてくれた人たちに捨てられたことがあるんです、その人たちは優しくしてくれた、でも途中で強いモンスターに会って僕を置いて逃げたんだ、そんな事をする冒険者はいるんです。アンジェリカさんたちと探索をしてそんな人達じゃないと信じたい、でもダンジョンで見捨てられた経験があるから怖いんだよ。


「それなら一緒に戦えばいいにゃ、そうすれば経験値もはいるにゃよ」

「え!?」


僕はアイミさんのそんな提案を聞き顔を上げて皆さんを見ました、納得して頷いてるけど、僕としてはすごくびっくりです。


「普通ポーターにそんな事する冒険者はいませんよ」

「他は他よ、私たちはそうしたいのどうかしら?」


リーダーであるアンジェリカさんがそう言ってみなさんも頷いているよ、ここまで言ってくれるんですね、経験値は戦闘に少しでも参加すれば平等に貰えます、どうなっているかは分かりませんがそうなってるんだ、だからモンスターに攻撃を当てれば良いんです、でもそれを仲間でないポーターがすると経験値泥棒と言われ、かなり悪い対応になります、下手をすればそこで攻撃され死ぬこともあると聞きました。

それだけアンジェリカさんたちは僕を仲間と思ってくれてる、顔を見ても嘘を言ってるようには見えません、僕はすごく嬉しくなったよ。


「分かりました、僕なんかで良ければ」

「やったわ!これからよろしくねバイト君」


アンジェリカさんが僕の手を取ってすごい笑顔です、反則級ですねその笑顔。


「じゃあ探索の成功と新しい仲間に」

「「「「「カンパーイ」」」」」


皆でジョッキを掲げて乾杯しました、とても楽しい食事でした、ここでポーターとして生活して初めての事だったよ。


「じゃあねバイトっち」

「はい、皆さんもおやすみなさい」


かなり長い時間食事会をして、皆さんと別れて僕は宿屋に向かいました、帰ってきたのは早かったのに結局いつもと同じくらいです。


「でも美味しかったし楽しい時間だったなぁ、まさか普通に報酬を均等に貰えるなんて、ほんとにいい人たちだよ」


僕はかなり言ったんですよ、報酬は普通1割だって、でも引いてくれなくて終いには皆で迫ってきたんだ、身体で払おうかってさ。


『マスターは奥手ですね』

「いやいやハナ、あれは僕を困らせて遊んでるんだよ、最後の顔見たでしょハナ」


僕に迫って来た時ニヤニヤしてたんだ、あれは確実に嫌がってるのを楽しんでたよ、諦めて報酬は貰ったけど今後大変そうだよ。


『ふふふ、そうでしたね』

「まったくだよ、でもこれから楽しそうではあるかな」


前のようになるかもと思うと怖いです、今でも思い出すと体が震えるんだ。


「でもきっと大丈夫だよね・・・その時は僕の秘密も言えるのかな」


空を見ながら独り言を呟き宿屋に入りました、おかみさんには食事は要らないことを告げ、体を拭くお湯だけを注文しました。


「これだけ汗をかくと、やっぱりお風呂に入りたいね」


階段を上がりながら呟いています、ここにはお風呂はありません、ラノベとかであるやつです、身体はベタベタだし頭もかゆい、石鹸は高くて買えません、それなのにタオルで体を拭くだけとか最悪だよね。


『ノームの人口が1000を超えますと空間の中に入れますよマスター、そこにお風呂を作ってみてはいかがですか?』

「え!?」


僕は階段の途中で止まってハナをギョッて見ちゃったよ、聞いてないよそれ。


『ノームたちもマスターを仲間のノームと認識するので、追い出されることはありません』

「もしかしてさハナ、他にも隠し要素あるのかな?」


今僕が思っていることは都市経営ゲームである神のいたずら的な要素だよ、使う気はないけど他にもプラス的な物が色々ありそうじゃないか、それにダンジョン、あれにはあまりやれることが少ない、もしかしてその隠し要素が多くあるから今はないんじゃないのかな。


『もちろんですマスター、例えばダンジョンを21階まで作りますと20階の作りが変わりボス部屋だけになります、そしてマスターがモンスターをセット出来るのです』

「なるほどなるほど20階毎にボスを設置できるんだね・・・ってどうして言わないかなそう言う大事な事!」


僕は少し怒ったよ、でも大声は出しません、ハナとの会話は聞かれるわけにはいかないからね、ってか僕が変人に思われちゃう。


『出来るようにならなければ説明しても意味はありませんからね、ノームたちの説明は到達しましたので報告したまでです、ダンジョンは例えですよ例え』


ハナが顔を逸らして言ったよ、ツンって事なのハナ?「もっと頑張りなさいよ」って事なの?


「まぁ分かったよ部屋に帰ったらやってみよう」

『そうしてくださいマスター、でも中に入る場合はお気をつけて、宿の部屋にいるはずのマスターがいないとまずいですからね』


まぁ確かにそうだね、空間魔法の中では僕はあまり意識されないようだけど、こちらでは違うからね十分気を付けるよ。
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