76 / 132
3章 1年2学期
76話 スタンピードバトル
しおりを挟む
「かわいそうに」
僕の後ろでシャンティが小さく呟きました。
僕もそれには同意しますけど、予定通りなので彼女たちには頑張ってもらいます。
「いいですわよ!そのまま押し込みなさい」
言いがかりをつけてきた生徒たちと門を合わせたバトルは、スタンピードバトルというもので、ダンジョンのモンスターを戦かわせるモノです。
「最後の階層にある出口に相手モンスターが着けば勝ちになる形式。しかも追加設置が可能でドンドンモンスターを召喚し、ポイントが尽きない限りこの戦いは続く」
僕のダンジョンのモンスターたちは強いから、シャンティは相手にかわいそうと言ったんだ。
今は押し込まれてるけど、それは最初だけなんだよ。
「それに、僕のポイントは30兆あるからまず勝てない。まぁ追加なんてしないけどね」
相手がそれで勝てるなら、僕の作戦はそっちに移行する。
どんどん僕のダンジョンに攻めてきて、嬉しそうにしてる彼女たちも必死なんだ。
「1階の中間まで攻められていますね」
「そうだねシャンティ、すごい数と勢いだから、流石のスライムナイトもすぐにやられてる。普通の騎士たちの戦いとも違ってて面白いよ」
大多数との戦闘が見られ、強さよりも数の差の戦いが映像に映った。
あれなら僕が戦ってもダメージを受けるかもしれない。
「100体以上の大人数を相手にしたバトルか、今度やってみようかな」
「どうしましたの?この程度かしら」
先頭の一番偉そうな生徒が何か言ってきています。
彼女たちのモンスターも減っているけど、最初から数が違うのでこちらは減る一方だよ。
「まだ始まったばかりだよ君」
「ふんっ、強がっていられるのも今の内ですわ」
先頭の子は画面に視線を戻し、他の子たちと一緒に応援を再開です。
でも、ここら辺から強くなってくるのが僕のダンジョンで、彼女たちのモンスターは段々と勢いがなくなって行ったよ。
「な、なぜですの!?どうして1階層がこれほどに広いんですのよ」
他の生徒も驚いていて、中間地点にいたスライムナイトが階層の最後だと思い、2階層に突入と勘違いしていたようで、モンスターはまだまだ1階層のマップを染めていきます。
「え、エマル様問題ないですよ、ただ広いだけです。わたしたちが優勢なのは変わりませんわ」
「そ、そうですわね」
少しひきつった顔をして画面を見始める頃、相手のモンスターの撃侵は少しずつ止まり始める。
まだ少しの差だから分からない様だけど、違和感は持ってる感じに見てるよ。
「それにしても、上位種だけでも数がいると結構やるもんだね」
相手は強くても上位種のモンスターたちで、1000体いてもそれほど脅威じゃありません。
スライム騎士ともう1体が出て来て、その勢いは弱まってきたんだ。
「何を言ってるんですかアレシャス様、あのような下位のモンスターいくら集まっても無駄です。魔法を使われたらおしまいですからね」
「まぁそうだけど、実力以上に成果を出してるのはほんとでしょ」
「それはそうですけど、まだ1階じゃないですか」
それはそうだと、1階の終盤にいるスライム騎士とスライムマジシャン、それとスライム重騎士とスライム槍騎士4体が相手になると、相手の勢いはぴたりと止まりモンスターが減っていきます。
「ど、どうしてですの!?たかだか4匹のモンスターに、あれだけの数がやられていますわ」
「ま、まずいですよエマル様」
生徒たちが動揺を隠せず慌てだします。
もうどうしたらいいのかわからないって感じで、モンスターはどんどん減っていく。
逆にこちらのモンスターたちが進み始め反撃が始まった。
「あらら、これでお終いかな」
「そうなると思います。今までこちらは配置された場所で数体が相手をしていましたから、ここからは進軍して数もどんどん増えます」
ただでさえ強かったモンスターが数を増やす。相手の利点を今度はこちらが使う事になるんだ。
もう勝ち目はない、それが分かるほどの撃侵をこちらは見せ始めた。
「え、エマル様!押されています」
「おお、落ち着きなさい!追加召喚ですわよ、みなさんキングクラスを10体で召喚するのですわ」
「「「「「はい!」」」」」
向こうからそんな声がして、ゴブリンキングやアルラウネやナーガと言ったキングクラスが姿を現した。それに昆虫型のヘラクレストってカブトムシの武者が登場して、僕は少し興味を持ったね。
「あの刀は良いかも」
「刀好きですよねアレシャス様」
「うん、あれを見るとね、昔を思い出すんだ」
自分でダンジョンを攻略していた時、力の無さに苦戦していたあの時です。
刀を手にして突破口が開けた、あれはとても助かったんだ。
彼女たちのモンスターも同列の強さを手に入れ、おかげで相手は少しずつ前進して来た、僕はそれを見てちょっとガッカリです。
「キングクラスまでしか知らないのは、ちょっと可愛そうだね」
「仕方ないですよアレシャス様、皆さんは普通の10歳のお貴族様ですからね」
「そうだね、このままだと、またさっきの大部屋で接戦だ・・・シャンティ、相手側のポイントっていくつかわかる?」
ムクロスには色々調べてもらっていて、生徒の事情なんかも分かってる。彼女たちは長女で家を継ぐから、このままだと没落するから困ってるんだ。
シャンティに聞けば大体の事は知る事が出来て、相手側の数値は平均20万だそうです。
「となると、キング種は大体1体1万だから10体召喚で5万ずつ消費するんだね」
「はいアレシャス様、ですので1人大体4回召還すれば、ポイントがなくなります」
つまり、今拮抗している状態が関の山ということです。
計算を早く出来たとシャンティをえらいえらいと撫でて褒めます。
「孤児院でしっかりと勉強をしている証拠だね、偉いよシャンティ」
「はうぅ~」
尻尾を振って喜ぶシャンティはとても可愛い、もっと撫でていたいけど、相手が騒ぎ出したのでそちらに集中です。
「ど、どうしてですの!?」
相手側からそんな声が響き、また僕のモンスターが押し始めた。ポイントも使い果たし成す術がないと言った感じです。
もう終わりかと、僕はちょっと心配になります。
「これからの教育が大変かも」
彼女たちには、ボスを使えるようになってもらう予定で、数日前にケリーさんの誘導をしていた。
それに気づくことなく僕に言いがかりを付けに来た訳です。
「こちらはキングクラスですわよ、相手は小さなウサギじゃありませんの」
「2階層のモンスターは、力押しだけでは勝てないんだよエマルさん」
「くっ偉そうに」
ウサギ型はそういった者たちが主流で、足が速かったりふわふわの毛で攻撃を無力化したりと色々です。
一番は厄介なのが状態異常になることで、麻痺やスタンを食らって動けなくなっています。
「ま、まだまだですわよ」
「強がりは良しなよエマルさん、今なら降参も受け入れるよ」
「そ、そんな事しませんわ」
わたくしたちは負けてないっ!!そう言って必死で設置と応援を始めた。
こちらは更に援軍が到着して進軍を開始する。後ろから遠距離タイプのウサギ、ラビットマジシャンとラビットアーチャーが狙い撃ちです。
「エマルさん、キングは確かに一撃は強いよ。でもね、その攻撃もそれを超える防御力には勝てないんだよ」
「う、上からの物言いですわね、これからと言いましたわよ」
「皆さままだ分からないのですか?こちらはまだまだ余裕があるのですよ。正直私は3階層までは進むと思っていました。ですがとても残念です」
シャンティが話しに入って来て、もう終わりだと言うのを教えた。
こちらは6階層まであるダンジョンで、まだポイントもモンスターも沢山いる、最初から勝ち目がなかったんだ。
「メイドの分際で何様ですのあなた」
「おい君、シャンティがメイドだからって侮辱するのは許さないよ」
シャンティを撫でるのを止めて、僕は相手を睨み少しだけ圧を掛けた。
エマルたちはそれだけで怯えだしたよ。
「君たちの敗因は、そうやって相手の意見を聞かない事だよ。それにキングまでしか出さないことも1つの敗因。その上にはまだまだいるんだよ」
キングクラスの上、ハイエンダクラスとレジェンドクラスがある。それ以上に、今使ってるキングクラスも、下の方に位置してる存在で、中か上のモンスターを召喚しないとダメなんだ。
「エンシェントなんてもっとすごいけど、まぁあれは規格外だからね」
「な、何を独り言を」
威嚇に何とか抗い、エマルが怒鳴り返してきた。
僕は星の数を例に出して説明してあげたよ、ゴブリンキングとかよりもオーガを出せばいいと言ってやったんだ。
「え、偉そうに」
「偉いとかじゃないんだよエマルさん、僕たちは生徒で学ぶ為にここにいる。みんな平等なんだよ」
「な、何が平等ですか!わたくしたちは上に立つ者ですわよ」
これだからダメなんだと言ってやりたい。
騎士たちの忠告も、休み前には言われていたはずで、それを聞かなかったから今困ってるんだ。
「え、エマル様!そろそろポイントが」
「ふっふっふ・・・分かりましたわ、もうお遊びはお終いですわ」
エマルさんが黒い鎧のモンスターを1体召喚して、僕の巨大ウサギたちが吹き飛ばされ消滅しました。
生徒たちは歓声を上げたけど、僕はそれほどでもない。
「モンスターが武技を!?アレシャス様!これはもしかして」
「シャンティの考えは合ってるよ、召喚されたのはハイエンダクラスのモンスターだ」
画面には3mくらいのモンスターが立ち、大剣を地面に刺して仁王立ちです。いかにも強そうだけど、あれは僕の中ではそうでもないんだ。
「どうですの、このモンスターはデスウォーリア、ゴブリン種最強の戦士モンスターですわよ」
「最強ねぇ~」
エマルの言う通り、書物の中では最強種で、僕の2階層のモンスターはどんどん倒されていき、エマルたちが勢いを取り戻す様に見えた。
相手側もそれを見てかなり湧き上がり、さすがとエマルを褒め始めたね。
「このモンスターは1体10万Pですのよ。あなたの忠告通り、キングクラスではなくハイエンダクラスですわ。さぁどうしますの」
「残ったポイントを全部使っての反撃、アレシャス様」
「そうだねシャンティ、もうこの戦いは終わりだ」
僕の2階層のボスである大玉ウサギが武技で弾かれ、勢いをなくしたところに大剣で両断やられました。
エマルたちは降参するなら今だと、さっきの僕の言葉を返して来た。
「申し訳ないけど、これしきじゃ降参は出来ないね」
「ふんっ!強がりも今の内ですわ、デスウォーリアは数で押し込んで勝てる相手ではないのですわよ」
鋼鉄ウサギよりも強固で回転を止めないと倒せないはずのウサギ、それがさっき倒されたウサギで、さすがハイエンダだと思ったよ。
でも、僕の感想はその程度で勝てないとは思ってない。
「アレシャス様、武技はやっぱりすごいのですね」
「そうだねシャンティ、冒険者のシーラたちでやっとじゃないかな?」
シーラたちは30レベルまで上がっていて、スキルも相当に使いこなせるようになってる。武技もそこそこでランクも着実に上げているんだ。
エマルたちを無視していたからか怒って来たけど、事態はそれどころじゃない事になったんだよ。
僕の後ろでシャンティが小さく呟きました。
僕もそれには同意しますけど、予定通りなので彼女たちには頑張ってもらいます。
「いいですわよ!そのまま押し込みなさい」
言いがかりをつけてきた生徒たちと門を合わせたバトルは、スタンピードバトルというもので、ダンジョンのモンスターを戦かわせるモノです。
「最後の階層にある出口に相手モンスターが着けば勝ちになる形式。しかも追加設置が可能でドンドンモンスターを召喚し、ポイントが尽きない限りこの戦いは続く」
僕のダンジョンのモンスターたちは強いから、シャンティは相手にかわいそうと言ったんだ。
今は押し込まれてるけど、それは最初だけなんだよ。
「それに、僕のポイントは30兆あるからまず勝てない。まぁ追加なんてしないけどね」
相手がそれで勝てるなら、僕の作戦はそっちに移行する。
どんどん僕のダンジョンに攻めてきて、嬉しそうにしてる彼女たちも必死なんだ。
「1階の中間まで攻められていますね」
「そうだねシャンティ、すごい数と勢いだから、流石のスライムナイトもすぐにやられてる。普通の騎士たちの戦いとも違ってて面白いよ」
大多数との戦闘が見られ、強さよりも数の差の戦いが映像に映った。
あれなら僕が戦ってもダメージを受けるかもしれない。
「100体以上の大人数を相手にしたバトルか、今度やってみようかな」
「どうしましたの?この程度かしら」
先頭の一番偉そうな生徒が何か言ってきています。
彼女たちのモンスターも減っているけど、最初から数が違うのでこちらは減る一方だよ。
「まだ始まったばかりだよ君」
「ふんっ、強がっていられるのも今の内ですわ」
先頭の子は画面に視線を戻し、他の子たちと一緒に応援を再開です。
でも、ここら辺から強くなってくるのが僕のダンジョンで、彼女たちのモンスターは段々と勢いがなくなって行ったよ。
「な、なぜですの!?どうして1階層がこれほどに広いんですのよ」
他の生徒も驚いていて、中間地点にいたスライムナイトが階層の最後だと思い、2階層に突入と勘違いしていたようで、モンスターはまだまだ1階層のマップを染めていきます。
「え、エマル様問題ないですよ、ただ広いだけです。わたしたちが優勢なのは変わりませんわ」
「そ、そうですわね」
少しひきつった顔をして画面を見始める頃、相手のモンスターの撃侵は少しずつ止まり始める。
まだ少しの差だから分からない様だけど、違和感は持ってる感じに見てるよ。
「それにしても、上位種だけでも数がいると結構やるもんだね」
相手は強くても上位種のモンスターたちで、1000体いてもそれほど脅威じゃありません。
スライム騎士ともう1体が出て来て、その勢いは弱まってきたんだ。
「何を言ってるんですかアレシャス様、あのような下位のモンスターいくら集まっても無駄です。魔法を使われたらおしまいですからね」
「まぁそうだけど、実力以上に成果を出してるのはほんとでしょ」
「それはそうですけど、まだ1階じゃないですか」
それはそうだと、1階の終盤にいるスライム騎士とスライムマジシャン、それとスライム重騎士とスライム槍騎士4体が相手になると、相手の勢いはぴたりと止まりモンスターが減っていきます。
「ど、どうしてですの!?たかだか4匹のモンスターに、あれだけの数がやられていますわ」
「ま、まずいですよエマル様」
生徒たちが動揺を隠せず慌てだします。
もうどうしたらいいのかわからないって感じで、モンスターはどんどん減っていく。
逆にこちらのモンスターたちが進み始め反撃が始まった。
「あらら、これでお終いかな」
「そうなると思います。今までこちらは配置された場所で数体が相手をしていましたから、ここからは進軍して数もどんどん増えます」
ただでさえ強かったモンスターが数を増やす。相手の利点を今度はこちらが使う事になるんだ。
もう勝ち目はない、それが分かるほどの撃侵をこちらは見せ始めた。
「え、エマル様!押されています」
「おお、落ち着きなさい!追加召喚ですわよ、みなさんキングクラスを10体で召喚するのですわ」
「「「「「はい!」」」」」
向こうからそんな声がして、ゴブリンキングやアルラウネやナーガと言ったキングクラスが姿を現した。それに昆虫型のヘラクレストってカブトムシの武者が登場して、僕は少し興味を持ったね。
「あの刀は良いかも」
「刀好きですよねアレシャス様」
「うん、あれを見るとね、昔を思い出すんだ」
自分でダンジョンを攻略していた時、力の無さに苦戦していたあの時です。
刀を手にして突破口が開けた、あれはとても助かったんだ。
彼女たちのモンスターも同列の強さを手に入れ、おかげで相手は少しずつ前進して来た、僕はそれを見てちょっとガッカリです。
「キングクラスまでしか知らないのは、ちょっと可愛そうだね」
「仕方ないですよアレシャス様、皆さんは普通の10歳のお貴族様ですからね」
「そうだね、このままだと、またさっきの大部屋で接戦だ・・・シャンティ、相手側のポイントっていくつかわかる?」
ムクロスには色々調べてもらっていて、生徒の事情なんかも分かってる。彼女たちは長女で家を継ぐから、このままだと没落するから困ってるんだ。
シャンティに聞けば大体の事は知る事が出来て、相手側の数値は平均20万だそうです。
「となると、キング種は大体1体1万だから10体召喚で5万ずつ消費するんだね」
「はいアレシャス様、ですので1人大体4回召還すれば、ポイントがなくなります」
つまり、今拮抗している状態が関の山ということです。
計算を早く出来たとシャンティをえらいえらいと撫でて褒めます。
「孤児院でしっかりと勉強をしている証拠だね、偉いよシャンティ」
「はうぅ~」
尻尾を振って喜ぶシャンティはとても可愛い、もっと撫でていたいけど、相手が騒ぎ出したのでそちらに集中です。
「ど、どうしてですの!?」
相手側からそんな声が響き、また僕のモンスターが押し始めた。ポイントも使い果たし成す術がないと言った感じです。
もう終わりかと、僕はちょっと心配になります。
「これからの教育が大変かも」
彼女たちには、ボスを使えるようになってもらう予定で、数日前にケリーさんの誘導をしていた。
それに気づくことなく僕に言いがかりを付けに来た訳です。
「こちらはキングクラスですわよ、相手は小さなウサギじゃありませんの」
「2階層のモンスターは、力押しだけでは勝てないんだよエマルさん」
「くっ偉そうに」
ウサギ型はそういった者たちが主流で、足が速かったりふわふわの毛で攻撃を無力化したりと色々です。
一番は厄介なのが状態異常になることで、麻痺やスタンを食らって動けなくなっています。
「ま、まだまだですわよ」
「強がりは良しなよエマルさん、今なら降参も受け入れるよ」
「そ、そんな事しませんわ」
わたくしたちは負けてないっ!!そう言って必死で設置と応援を始めた。
こちらは更に援軍が到着して進軍を開始する。後ろから遠距離タイプのウサギ、ラビットマジシャンとラビットアーチャーが狙い撃ちです。
「エマルさん、キングは確かに一撃は強いよ。でもね、その攻撃もそれを超える防御力には勝てないんだよ」
「う、上からの物言いですわね、これからと言いましたわよ」
「皆さままだ分からないのですか?こちらはまだまだ余裕があるのですよ。正直私は3階層までは進むと思っていました。ですがとても残念です」
シャンティが話しに入って来て、もう終わりだと言うのを教えた。
こちらは6階層まであるダンジョンで、まだポイントもモンスターも沢山いる、最初から勝ち目がなかったんだ。
「メイドの分際で何様ですのあなた」
「おい君、シャンティがメイドだからって侮辱するのは許さないよ」
シャンティを撫でるのを止めて、僕は相手を睨み少しだけ圧を掛けた。
エマルたちはそれだけで怯えだしたよ。
「君たちの敗因は、そうやって相手の意見を聞かない事だよ。それにキングまでしか出さないことも1つの敗因。その上にはまだまだいるんだよ」
キングクラスの上、ハイエンダクラスとレジェンドクラスがある。それ以上に、今使ってるキングクラスも、下の方に位置してる存在で、中か上のモンスターを召喚しないとダメなんだ。
「エンシェントなんてもっとすごいけど、まぁあれは規格外だからね」
「な、何を独り言を」
威嚇に何とか抗い、エマルが怒鳴り返してきた。
僕は星の数を例に出して説明してあげたよ、ゴブリンキングとかよりもオーガを出せばいいと言ってやったんだ。
「え、偉そうに」
「偉いとかじゃないんだよエマルさん、僕たちは生徒で学ぶ為にここにいる。みんな平等なんだよ」
「な、何が平等ですか!わたくしたちは上に立つ者ですわよ」
これだからダメなんだと言ってやりたい。
騎士たちの忠告も、休み前には言われていたはずで、それを聞かなかったから今困ってるんだ。
「え、エマル様!そろそろポイントが」
「ふっふっふ・・・分かりましたわ、もうお遊びはお終いですわ」
エマルさんが黒い鎧のモンスターを1体召喚して、僕の巨大ウサギたちが吹き飛ばされ消滅しました。
生徒たちは歓声を上げたけど、僕はそれほどでもない。
「モンスターが武技を!?アレシャス様!これはもしかして」
「シャンティの考えは合ってるよ、召喚されたのはハイエンダクラスのモンスターだ」
画面には3mくらいのモンスターが立ち、大剣を地面に刺して仁王立ちです。いかにも強そうだけど、あれは僕の中ではそうでもないんだ。
「どうですの、このモンスターはデスウォーリア、ゴブリン種最強の戦士モンスターですわよ」
「最強ねぇ~」
エマルの言う通り、書物の中では最強種で、僕の2階層のモンスターはどんどん倒されていき、エマルたちが勢いを取り戻す様に見えた。
相手側もそれを見てかなり湧き上がり、さすがとエマルを褒め始めたね。
「このモンスターは1体10万Pですのよ。あなたの忠告通り、キングクラスではなくハイエンダクラスですわ。さぁどうしますの」
「残ったポイントを全部使っての反撃、アレシャス様」
「そうだねシャンティ、もうこの戦いは終わりだ」
僕の2階層のボスである大玉ウサギが武技で弾かれ、勢いをなくしたところに大剣で両断やられました。
エマルたちは降参するなら今だと、さっきの僕の言葉を返して来た。
「申し訳ないけど、これしきじゃ降参は出来ないね」
「ふんっ!強がりも今の内ですわ、デスウォーリアは数で押し込んで勝てる相手ではないのですわよ」
鋼鉄ウサギよりも強固で回転を止めないと倒せないはずのウサギ、それがさっき倒されたウサギで、さすがハイエンダだと思ったよ。
でも、僕の感想はその程度で勝てないとは思ってない。
「アレシャス様、武技はやっぱりすごいのですね」
「そうだねシャンティ、冒険者のシーラたちでやっとじゃないかな?」
シーラたちは30レベルまで上がっていて、スキルも相当に使いこなせるようになってる。武技もそこそこでランクも着実に上げているんだ。
エマルたちを無視していたからか怒って来たけど、事態はそれどころじゃない事になったんだよ。
0
あなたにおすすめの小説
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜
大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。
広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。
ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。
彼の名はレッド=カーマイン。
最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。
※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる