108 / 132
4章 1年3学期
108話 襲撃の対応その3
しおりを挟む
「ああんもうっ!だから魔力はもっと繊細に寄越してよシェネル!」
「うるさいですわよフレイヤルロッド!魔力はガッと流してドカンと使うものですわ【バーストフレア】」
わたくしは今、空から振ってきた杖と口論をしながら、ワイバーンたちに炎の魔法を放ち蹴散らしていますわ。
正直、この杖が空から振ってこなかったら、わたくしたちの命はありませんでしたわ。
「んもうっ!またバーストフレアを使ってぇ~中級ばかり使ってると、さっきみたいに魔力が無くなって動けなくなるわよ」
杖の言っているように、わたくしは最初、プラチナロッドで魔法を使い、空に飛んでいたワイバーンを攻撃していましたわ。
ですけど、魔力が尽き掛けフラフラになりましたの。ロッツェーネとブイロネも同じ感じでしたわ。
「それならこちらに魔力を寄こしなさい!出来るんでしょ」
「出来るけど、消費は抑えてよね」
わたくしたちは、降りてきたワイバーンたちを見て、もう終わりだと諦めていました。
ですが、この杖たちが空から振って来て「私たちを握れ」っと言ったのです。
わたくしたちは言われるがまま、自分たちの前に刺さっている杖を握り、形勢は今の通り逆転したのですわ。
「それは平気ですわフレイヤルロッド、あなたのおかげで使用魔力は10分の1以下になっていますし、威力は2倍以上。これなら100発撃ってもまだまだお釣りが来ますわよ【バーストフレア】」
しかも、詠唱が不要のバーストフレアですわ、例えワイバーンでも吹っ飛ばせる威力ですのよ。
さっきまでのわたくしは、詠唱をしてやっとだったのですけど、これなら余裕ですわ。
「それでも致命傷になってないでしょ!ワイバーンはまだ空に沢山いるのよ。吹っ飛ばされたやつだって、空に逃げてるだけじゃないの、無駄撃ちをしているだけじゃダメよ、あっちのあの子たちにも言い聞かせて!」
ロッツェーネとブイロネも同じ様に、杖と何やら口論をしている感じなのが見えましたわ。
あの子たちもわたくしと同じで、地上のワイバーンを攻撃していますけど、空に逃げられるばかりで致命打にはなっていませんの。
「なにか策があるのですかフレイヤルロッド」
「当然でしょ、あそこに転がってるプラチナロッドを左手に持って私に合わせなさい!そして魔法は【エクスプロージョン】よ」
わたくしはその魔法名を聞き、冷や汗が出ましたわ。
その魔法は、爆裂魔法の上位魔法ですわ。
「そそ、そんな魔法を使ったら、わたくしが倒れてしまいますわ!それに寿命も削りますわよ」
「それは平気よ、私の固有魔法だから寿命は削らないし、魔力も私のを使うわ。あなたに負担はかからないから唱えればいいのよ」
それを聞いても信じられなかったわたくしは、どうしてなのかと聞きましたの。
上級魔法を付与されている杖なんて、聞いたことなかったからですわね。
「あら?もしかして信じてないわね。私の本当の名前はエクスプロードマイン、ハイエンダクラスのリビングモンスターよ」
フレイムロッドのその言葉を聞いて、わたくしは頭が真っ白になりましたわ。
リビングモンスターなのは分かっていましたわよ、喋る武器なんてそれくらいですもの。
「あああ、あなたフレイムロッドじゃなかったのですの」
ミスリルロッドよりも優秀なのが分かっていたので、少なくとも3つ星モンスターのファイアリビングロッドの上位種、フレイムリビングロッドだと思っていましたの。
でも、実際はその更に上のハイエンダクラスでしたわよ。
「3つ星に位置しているリビングモンスターに、ハイエンダクラスがいたなんて知らなかったですわ」
「まぁ普通は知らないわよ。ハードまでしかいないと思われてるものね、だからフレイムロッドってさっきは名乗ったのよ」
自分の種族の強さをそこで教えてくれましたけど、ハイエンダのエクスプロードマインの強さは、単体でも400万もあるそうですわよ。
ワイバーン10匹分くらいあって、かなりビビってしまいましたわ。
「そそ、それは知らないはずですわね、人が太刀打ちできる強さではありませんわ」
「まぁね・・・でも、使用者が優秀なら4000万のドラゴンだって倒せるのよ私、だから早くプラチナロッドを拾いなさい、そして唱えるのよ!」
わたくしはそう言われ従いましたわ。
プラチナロッドを拾い、フレイヤルロッドに交差する感じに構えたんですの、そして空に向かって唱えましたわ。
「うぇっ!?」
「うんうん、我ながらしびれる威力ね」
ものすごい爆発と共に、空に飛んでいたワイバーンが塵になって落ちていくのが見えましたわ。
わたくしはそれを見て、魔法を唱えたままの姿勢で固まってしまいましたわね。
「すすす、すごいですわ!?あなたものすごい杖だったのですわね!」
「やっとわかったの?」
柄をクネクネさせて不思議そうな声を出しましたけど、わたくしはものすごい威力にしびれていますわ。
「あれならワイバーンなんて物の数ではありませんわ!ドラゴンだって束になって来ても勝てますわよ」
「あはは、それはあなた次第よ」
そう言われましたが、あの威力を前にわたくしは高揚しています。
空を見ても爆発の煙がその威力を物語っています。
「何でも行いですわ」
「あはは、その意気よ」
ワイバーンを狙う為、煙の収まってない空を狙ったのですが、わたくしの高揚はスーッと下がっていく影を見てしまいます。
そのモンスターは、飛んでいるのを見ただけで、誰もが逃げる事を考える存在。
こんな物まで来たのかと、わたくしの血の気が引きましたわ。
「そそそ、そんな嘘ですわ!?レッドドラゴンがいますわ」
わたくしは己の目を疑いました。
わたくしが高揚した魔法の名残である大きな煙が小さく見える程の存在感でした。
「あはは、赤く大きな体で翼を広げ飛んでいますわ」
乾いた笑いを浮かべ、もうおしまいだとわたくしは動けないでいました。
そしてあろう事か、わたくしの前にその存在が舞い降りてきたのですわ。
「今の魔法はそなたの物か?」
「は、はわわぁぁ~」
レッドドラゴンは、わたくしに顔を近づけてしゃべり掛けてきましたわ。
わたくしは変な声を上げ、腰が抜けて座り込んでしまいましたのよ。
「どうした、そなたではなかったのか?」
情けないなんて思わないでくださいましね、ちびらなかっただけマシですわ。
強さ4億と言われるレッドドラゴンですわよ、普通こうなりますわ。
「ロッツェーネ、ブイロネ・・・たた助けて」
ちょっと離れているロッツェーネとブイロネに涙目で助けを求めたのですけど、すでにふたりは失神していましたわ。
フレイヤルロッドと一緒に降りてきた、アクアロッドとストーンロッドに頭をポンポン叩かれても起きませんわね。
「こらっドランゴちゃん!もう少し離れて降りないとダメでしょ、私の使用者が腰を抜かしちゃったじゃないの!」
わたくしが動けないでいると、腕の中のフレイヤルロッドがレッドドラゴンに怒りだしましたわ。
レッドドラゴンも手を頭に乗せてすまなそうな体勢を取ったのです。
わたくし、なにがなんだかわかりませんわ。
「すまんすまん、主以外の人に出会うのは初めてだからな、つい主と同じ感じにしてしまった」
「まったく!普通の人はあなたを見たら、この世の終わりとか思うくらいなんだから気をつけてよ」
ずいぶん親しそうに話していて、わたくしは真っ白な思考で思ったのです。
これは夢ですわね!!どこから夢だったのか分かりませんけど、早く目を覚まさないといけませんわ。
「そうであったな、主が普通に接してくるから忘れてしまっていた、娘よ悪かったな」
「いえいえ~わたくしに構わず、どうぞお話を続けてくださいまし~」
夢なのだから、もうなにも怖い物はありませんわ。
わたくしは、座ったままで事態の状況をレッドドラゴンから聞きましたの。
「ほとんど殲滅させたのねドランゴちゃん」
「うむ、今残っているのは、南地区と敵の数が多かった城周辺だ」
お二人の話を聞いて、敵の襲撃が終わりを迎えそうなのがわかりましたわ。
ですが周りを見ても被害が甚大で、相手の襲撃は成功したと感じましたわ。
「我は引き続き外からの増援が来ないか警戒する、エクスプロードマインはどうする?」
「私はシェネルといるわ、ちょっと気に入っちゃったの」
フレイヤルロッドがわたくしの頭に杖の先端を当てて撫でてきましたわ。
それを見て、レッドドラゴンが大きな声で笑って来ましたの、その風圧はさすがですわよ。
「では主に言わなければな」
「そうね、きっとお許しになるわ」
フレイヤルロッドがそう言うと、レッドドラゴンは空に飛び立ちました。
その姿は、空の帝王にふさわしいと思える、優雅なで力強いモノでしたわよ。
「うるさいですわよフレイヤルロッド!魔力はガッと流してドカンと使うものですわ【バーストフレア】」
わたくしは今、空から振ってきた杖と口論をしながら、ワイバーンたちに炎の魔法を放ち蹴散らしていますわ。
正直、この杖が空から振ってこなかったら、わたくしたちの命はありませんでしたわ。
「んもうっ!またバーストフレアを使ってぇ~中級ばかり使ってると、さっきみたいに魔力が無くなって動けなくなるわよ」
杖の言っているように、わたくしは最初、プラチナロッドで魔法を使い、空に飛んでいたワイバーンを攻撃していましたわ。
ですけど、魔力が尽き掛けフラフラになりましたの。ロッツェーネとブイロネも同じ感じでしたわ。
「それならこちらに魔力を寄こしなさい!出来るんでしょ」
「出来るけど、消費は抑えてよね」
わたくしたちは、降りてきたワイバーンたちを見て、もう終わりだと諦めていました。
ですが、この杖たちが空から振って来て「私たちを握れ」っと言ったのです。
わたくしたちは言われるがまま、自分たちの前に刺さっている杖を握り、形勢は今の通り逆転したのですわ。
「それは平気ですわフレイヤルロッド、あなたのおかげで使用魔力は10分の1以下になっていますし、威力は2倍以上。これなら100発撃ってもまだまだお釣りが来ますわよ【バーストフレア】」
しかも、詠唱が不要のバーストフレアですわ、例えワイバーンでも吹っ飛ばせる威力ですのよ。
さっきまでのわたくしは、詠唱をしてやっとだったのですけど、これなら余裕ですわ。
「それでも致命傷になってないでしょ!ワイバーンはまだ空に沢山いるのよ。吹っ飛ばされたやつだって、空に逃げてるだけじゃないの、無駄撃ちをしているだけじゃダメよ、あっちのあの子たちにも言い聞かせて!」
ロッツェーネとブイロネも同じ様に、杖と何やら口論をしている感じなのが見えましたわ。
あの子たちもわたくしと同じで、地上のワイバーンを攻撃していますけど、空に逃げられるばかりで致命打にはなっていませんの。
「なにか策があるのですかフレイヤルロッド」
「当然でしょ、あそこに転がってるプラチナロッドを左手に持って私に合わせなさい!そして魔法は【エクスプロージョン】よ」
わたくしはその魔法名を聞き、冷や汗が出ましたわ。
その魔法は、爆裂魔法の上位魔法ですわ。
「そそ、そんな魔法を使ったら、わたくしが倒れてしまいますわ!それに寿命も削りますわよ」
「それは平気よ、私の固有魔法だから寿命は削らないし、魔力も私のを使うわ。あなたに負担はかからないから唱えればいいのよ」
それを聞いても信じられなかったわたくしは、どうしてなのかと聞きましたの。
上級魔法を付与されている杖なんて、聞いたことなかったからですわね。
「あら?もしかして信じてないわね。私の本当の名前はエクスプロードマイン、ハイエンダクラスのリビングモンスターよ」
フレイムロッドのその言葉を聞いて、わたくしは頭が真っ白になりましたわ。
リビングモンスターなのは分かっていましたわよ、喋る武器なんてそれくらいですもの。
「あああ、あなたフレイムロッドじゃなかったのですの」
ミスリルロッドよりも優秀なのが分かっていたので、少なくとも3つ星モンスターのファイアリビングロッドの上位種、フレイムリビングロッドだと思っていましたの。
でも、実際はその更に上のハイエンダクラスでしたわよ。
「3つ星に位置しているリビングモンスターに、ハイエンダクラスがいたなんて知らなかったですわ」
「まぁ普通は知らないわよ。ハードまでしかいないと思われてるものね、だからフレイムロッドってさっきは名乗ったのよ」
自分の種族の強さをそこで教えてくれましたけど、ハイエンダのエクスプロードマインの強さは、単体でも400万もあるそうですわよ。
ワイバーン10匹分くらいあって、かなりビビってしまいましたわ。
「そそ、それは知らないはずですわね、人が太刀打ちできる強さではありませんわ」
「まぁね・・・でも、使用者が優秀なら4000万のドラゴンだって倒せるのよ私、だから早くプラチナロッドを拾いなさい、そして唱えるのよ!」
わたくしはそう言われ従いましたわ。
プラチナロッドを拾い、フレイヤルロッドに交差する感じに構えたんですの、そして空に向かって唱えましたわ。
「うぇっ!?」
「うんうん、我ながらしびれる威力ね」
ものすごい爆発と共に、空に飛んでいたワイバーンが塵になって落ちていくのが見えましたわ。
わたくしはそれを見て、魔法を唱えたままの姿勢で固まってしまいましたわね。
「すすす、すごいですわ!?あなたものすごい杖だったのですわね!」
「やっとわかったの?」
柄をクネクネさせて不思議そうな声を出しましたけど、わたくしはものすごい威力にしびれていますわ。
「あれならワイバーンなんて物の数ではありませんわ!ドラゴンだって束になって来ても勝てますわよ」
「あはは、それはあなた次第よ」
そう言われましたが、あの威力を前にわたくしは高揚しています。
空を見ても爆発の煙がその威力を物語っています。
「何でも行いですわ」
「あはは、その意気よ」
ワイバーンを狙う為、煙の収まってない空を狙ったのですが、わたくしの高揚はスーッと下がっていく影を見てしまいます。
そのモンスターは、飛んでいるのを見ただけで、誰もが逃げる事を考える存在。
こんな物まで来たのかと、わたくしの血の気が引きましたわ。
「そそそ、そんな嘘ですわ!?レッドドラゴンがいますわ」
わたくしは己の目を疑いました。
わたくしが高揚した魔法の名残である大きな煙が小さく見える程の存在感でした。
「あはは、赤く大きな体で翼を広げ飛んでいますわ」
乾いた笑いを浮かべ、もうおしまいだとわたくしは動けないでいました。
そしてあろう事か、わたくしの前にその存在が舞い降りてきたのですわ。
「今の魔法はそなたの物か?」
「は、はわわぁぁ~」
レッドドラゴンは、わたくしに顔を近づけてしゃべり掛けてきましたわ。
わたくしは変な声を上げ、腰が抜けて座り込んでしまいましたのよ。
「どうした、そなたではなかったのか?」
情けないなんて思わないでくださいましね、ちびらなかっただけマシですわ。
強さ4億と言われるレッドドラゴンですわよ、普通こうなりますわ。
「ロッツェーネ、ブイロネ・・・たた助けて」
ちょっと離れているロッツェーネとブイロネに涙目で助けを求めたのですけど、すでにふたりは失神していましたわ。
フレイヤルロッドと一緒に降りてきた、アクアロッドとストーンロッドに頭をポンポン叩かれても起きませんわね。
「こらっドランゴちゃん!もう少し離れて降りないとダメでしょ、私の使用者が腰を抜かしちゃったじゃないの!」
わたくしが動けないでいると、腕の中のフレイヤルロッドがレッドドラゴンに怒りだしましたわ。
レッドドラゴンも手を頭に乗せてすまなそうな体勢を取ったのです。
わたくし、なにがなんだかわかりませんわ。
「すまんすまん、主以外の人に出会うのは初めてだからな、つい主と同じ感じにしてしまった」
「まったく!普通の人はあなたを見たら、この世の終わりとか思うくらいなんだから気をつけてよ」
ずいぶん親しそうに話していて、わたくしは真っ白な思考で思ったのです。
これは夢ですわね!!どこから夢だったのか分かりませんけど、早く目を覚まさないといけませんわ。
「そうであったな、主が普通に接してくるから忘れてしまっていた、娘よ悪かったな」
「いえいえ~わたくしに構わず、どうぞお話を続けてくださいまし~」
夢なのだから、もうなにも怖い物はありませんわ。
わたくしは、座ったままで事態の状況をレッドドラゴンから聞きましたの。
「ほとんど殲滅させたのねドランゴちゃん」
「うむ、今残っているのは、南地区と敵の数が多かった城周辺だ」
お二人の話を聞いて、敵の襲撃が終わりを迎えそうなのがわかりましたわ。
ですが周りを見ても被害が甚大で、相手の襲撃は成功したと感じましたわ。
「我は引き続き外からの増援が来ないか警戒する、エクスプロードマインはどうする?」
「私はシェネルといるわ、ちょっと気に入っちゃったの」
フレイヤルロッドがわたくしの頭に杖の先端を当てて撫でてきましたわ。
それを見て、レッドドラゴンが大きな声で笑って来ましたの、その風圧はさすがですわよ。
「では主に言わなければな」
「そうね、きっとお許しになるわ」
フレイヤルロッドがそう言うと、レッドドラゴンは空に飛び立ちました。
その姿は、空の帝王にふさわしいと思える、優雅なで力強いモノでしたわよ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
124
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる