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5章 2年1学期
125話 クラブでの第一歩
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「わたくしはマリーナ・ルーメルンですわ、皆さんどうぞよろしくですわ」
「はは、初めましてボブサ・ロブロです」
楽しみにしてたクラブ活動の時間になり、わたしが最初に自己紹介をすると、一緒に入った子爵の二人がその後に続きました。
お母様から聞いていたけど、この二人はこれからの混血派と純血派の立場を決める役目があって、両方の派閥をつなぐ為にここにいるわ、それだけに、相当なプレッシャーなのよ。
「どうもよろしく、僕はアレシャス・エルギルトです、君たちの教育を任されました」
アレシャスが名乗った後、後ろに控えるメンバーを紹介してくれました。
ジャケン公爵にケリー公爵と、優秀と噂のふたりに並び、論文で話題になったエマル伯爵がいました。
ボブサは、有名人揃いでかなり緊張していますよ。
「そう緊張しないでボブサ、純血派の君でもここでは関係ないんだよ、これから仲良くしていこう」
「はは、はい・・・よろしくお願いします」
すごく小さな声で、ボブサは返事をしていて、彼の大変な立場に同情したわ。
彼は純潔派で大変なのよ、肩身が狭いのにここに入ったから、混血派のマリーナの方が生き生きしているわ。
「それじゃ早速だけど、3人のダンジョンを見せてくれるかな」
アレシャスに言われ、わたしとボブサは素直に画面を出したのだけど、そこでマリーナがしぶしぶって感じを見せているの。
気にしない様子で、アレシャスたちは画面を見ているわよ。
「ふむ、まだまだ荒いがおもしろいダンジョンだ」
「そうですわねジャケン、小部屋ばかりだけど、モンスターは2つ星ですから、それなりに強いですわ」
ジャケン先輩とケリー先輩は、わたしたちの評価をしてくれて、なんだかムズムズしましたわ。
そしてアレシャスも同じ感じで、わたしはそれがちょっとうれしく感じたの。
「じゃあ次は、このモンスターたちをどうやって上位に成長させるかだね。みんなは自分のダンジョンを見て、どこでモンスターが強くなってるのか分かる?」
アレシャスがそんな質問をしてきて、わたしのダンジョンは、奥に行くほど成長していると思って答えたわ。
でも、マリーナがため息を付いたのよ。
「どうしたのかなマリーナさん」
「いえ、なんだかがっかりしただけです。もっと、とんでもなくすごい事を話し合っているとばかり思っていたんですよあたし」
そう言って、またため息を付いて来ました。
それを見て、ジャケン先輩が表情を変え、やれやれって顔をして来たわね。
「それはこっちのセルフだぞマリーナ、俺たちがそっちに合わせているんだ」
「だからっ!そちらにあたしたちが参加すれば良いだけだと言ってるんです。ダンジョンなんて、所詮設置の仕方でしょ、同じ物を作れば、誰だって高い難易度の物が作れるんですよ」
マリーナが怒りながらそんなことを言って来て、ダンジョンヒューマンが口にしない禁句だと思ってしまったわね。
彼女の言った事は正論で、それがあるからダンジョンは秘匿され、個人で研究をしているんですよ。
「ははは、同じモノか、それはそうだ」
「若いですわね」
「初々しいね~」
でも、それを聞いてアレシャスたちは笑っています。
それを見て、マリーナが怒って「なにを笑ってるんだ」って叫んだわね。
「じゃあマネてみると良いよ、今の時点でそれをしても、難易度が下がるのを実感するといい。満足するまでポイントは貸してあげるね」
「そ、そこまで言いますか!?」
「まぁやってみれば分かるよマリーナ、今の君に似てるのは、ライラかな?」
アレシャスがそう言うと、ライラ先輩が前に出てきて、ダンジョンを見せてくれました。
モンスターはマリーナと同じスネイク系で、ダンジョンの壁が茶色かったのよ。
「あのシャルティル様、どうして岩の壁ではないんですか?」
「エミリーは知らないでしょうけど、あれは通路の種類を変えてるのよ、教科書の終盤に書いてあったわ」
わたしが教科書を開いてエミリーに見せると、なるほどって顔をしていました。
その間に、マリーナはダンジョンを作り直して、モンスターを配置したのだけど、どうしてなのかと叫んでいます。
「どうして進化しないのよ!」
「それはそうよ、わたしのダンジョンは、特別なモンスター配置をしてるの。アレシャスから100万ポイントを貰い、同じダンジョンを作ったとしても、同じ様にはモンスターは進化しないわよ」
ライラ先輩がそう言って、他にも必要なモノがあると匂わせたわ。
わたしたち1年は、誰も分からない事で、マリーナは余計怒ってきたわ。
「そ、それなら最初からそう言ってよ!」
「そうさマリーナ、だから僕たちは集まって情報を共有してるんだ。ポイントがあっても、知らなければ作れるモノじゃないんだよ」
ライラ先輩のダンジョンが写っている画面の数カ所に、アレシャスは魔法の杖で点を打ちました。
それを見ても、私たちは誰一人分かりません。
「それがなにを示しているの?」
「これはねマリーナ、1体召還をする位置だよ」
わたしはその言葉に驚き、マリーナは口をパクパクさせてたわ。
教科書にはそんなこと書いていませんし、1体での召喚は、ポイントのプラスにならないから、誰もがやらない事だと、ボブサが手を挙げて答えてたわよ。
「うんうん、そうだねボブサ、誰もやらないよね」
「もも、モンスターの召還位置だってそうです、どこも同じじゃないんですか?1体で召喚しても意味ないんじゃ」
「ボブサそれは違う、誰も知らないだけなんだよ」
アレシャスがその後説明してくれましたが、驚きの連続でした。
わたしたちがモンスターを設置するタイミングは、凄く偏っているそうで、それだと気づくことが出来なくなるんだそうよ。
「モンスターの設置なんてみんな一緒よ!授業中にPTの通った場所で、モンスターがいなくなったところでもあるけど、それがなによ」
「マリーナそこが重要なんだよ。なにが違うのか、どう変えれば良い結果が出るのかを話し合うのがここなんだ、マネているだけじゃダメなんだよ」
アレシャスは、マリアル先輩をちらっとみました。
マリアル先輩は、恥ずかしそうにしていましたから、きっとマネばかりしていたんでしょうね。
「でで、でもですよ先輩、失敗したらポイントが全て無駄になります。今だって、彼女に渡したポイントは無駄になってしまったじゃないですか」
「だからみんなで集まっているんだよボブサ、話し合いで出た結果を、少しずつ出し合ったポイントを使って試す。それで良い結果になれば、みんなでそれを作り結果を公表するんだよ」
「しかしだ、俺たちもダンジョンの作りが違うから誤差になり、上手くいかないかも知れない」
「そこで、わたくしたちは更に話し合い、みんなでダンジョンを良くして行くのですわ、それが大事なのですわよ」
わたしはそれを聞いて、お母様を思い出しました。
お母様も、冒険者たちとそんな話をしてて、楽しかった時間だったのよ。
「そんな人たちが集まったから、ダンジョンが急に良くなったんですね。ボク、納得したよ」
「何納得してんのよボブサ、無駄が多いじゃない、今だって言ってくれれば」
「マリーナ、それで済まないのが個人の意見なんだよ、ねぇジャケン」
アレシャスがジャケン先輩に振ると、すごくいやそうな顔をしています。
皆さん、何かしら失敗しているのがよく分かったわ。
「この同好会を作るきっかけは、まさにそれなんだよマリーナ」
「なんだか納得だわ、みんなの疑問や予想を解決させる場所なのね」
「やっとわかってくれたね」
それはそうだろうと、ジャケン先輩たちが口を揃えたわ。
今まさに失敗したマリーナの様に、皆さんも納得して集まったのです。
「懐かしいですわね、わたくしたちも自分の意見が正しいと思って、作ってみたら失敗したのでしたわ」
そんな話をして先輩たちは笑っています。
わたしは、それがお母様に見えてきて、うれしいと感じましたわ。
「マリーナ、失敗しないようにするのは良いけど、それもやり過ぎると前に進めないよ。今までは、それがブレーキになってたんだ」
アレシャスは、名前を言わないある人の話を始めました。
「強いモンスターを設置するだけで良いと思ってたその人は、それが間違っていると知らなかったんだ。ダンジョンの難易度が低いと、モンスターたちは退化してしまうってね」
わたしは、それを知ってたから、ドラゴンの事だと分かったんです。
だからお母様は、ユウバリティラノを10体召還では出さず、メロンティラノから、何とか成長させて出そうとしたんですよ。
それも出せるかもしれない、わたしはとてもワクワクしましたわ。
「はは、初めましてボブサ・ロブロです」
楽しみにしてたクラブ活動の時間になり、わたしが最初に自己紹介をすると、一緒に入った子爵の二人がその後に続きました。
お母様から聞いていたけど、この二人はこれからの混血派と純血派の立場を決める役目があって、両方の派閥をつなぐ為にここにいるわ、それだけに、相当なプレッシャーなのよ。
「どうもよろしく、僕はアレシャス・エルギルトです、君たちの教育を任されました」
アレシャスが名乗った後、後ろに控えるメンバーを紹介してくれました。
ジャケン公爵にケリー公爵と、優秀と噂のふたりに並び、論文で話題になったエマル伯爵がいました。
ボブサは、有名人揃いでかなり緊張していますよ。
「そう緊張しないでボブサ、純血派の君でもここでは関係ないんだよ、これから仲良くしていこう」
「はは、はい・・・よろしくお願いします」
すごく小さな声で、ボブサは返事をしていて、彼の大変な立場に同情したわ。
彼は純潔派で大変なのよ、肩身が狭いのにここに入ったから、混血派のマリーナの方が生き生きしているわ。
「それじゃ早速だけど、3人のダンジョンを見せてくれるかな」
アレシャスに言われ、わたしとボブサは素直に画面を出したのだけど、そこでマリーナがしぶしぶって感じを見せているの。
気にしない様子で、アレシャスたちは画面を見ているわよ。
「ふむ、まだまだ荒いがおもしろいダンジョンだ」
「そうですわねジャケン、小部屋ばかりだけど、モンスターは2つ星ですから、それなりに強いですわ」
ジャケン先輩とケリー先輩は、わたしたちの評価をしてくれて、なんだかムズムズしましたわ。
そしてアレシャスも同じ感じで、わたしはそれがちょっとうれしく感じたの。
「じゃあ次は、このモンスターたちをどうやって上位に成長させるかだね。みんなは自分のダンジョンを見て、どこでモンスターが強くなってるのか分かる?」
アレシャスがそんな質問をしてきて、わたしのダンジョンは、奥に行くほど成長していると思って答えたわ。
でも、マリーナがため息を付いたのよ。
「どうしたのかなマリーナさん」
「いえ、なんだかがっかりしただけです。もっと、とんでもなくすごい事を話し合っているとばかり思っていたんですよあたし」
そう言って、またため息を付いて来ました。
それを見て、ジャケン先輩が表情を変え、やれやれって顔をして来たわね。
「それはこっちのセルフだぞマリーナ、俺たちがそっちに合わせているんだ」
「だからっ!そちらにあたしたちが参加すれば良いだけだと言ってるんです。ダンジョンなんて、所詮設置の仕方でしょ、同じ物を作れば、誰だって高い難易度の物が作れるんですよ」
マリーナが怒りながらそんなことを言って来て、ダンジョンヒューマンが口にしない禁句だと思ってしまったわね。
彼女の言った事は正論で、それがあるからダンジョンは秘匿され、個人で研究をしているんですよ。
「ははは、同じモノか、それはそうだ」
「若いですわね」
「初々しいね~」
でも、それを聞いてアレシャスたちは笑っています。
それを見て、マリーナが怒って「なにを笑ってるんだ」って叫んだわね。
「じゃあマネてみると良いよ、今の時点でそれをしても、難易度が下がるのを実感するといい。満足するまでポイントは貸してあげるね」
「そ、そこまで言いますか!?」
「まぁやってみれば分かるよマリーナ、今の君に似てるのは、ライラかな?」
アレシャスがそう言うと、ライラ先輩が前に出てきて、ダンジョンを見せてくれました。
モンスターはマリーナと同じスネイク系で、ダンジョンの壁が茶色かったのよ。
「あのシャルティル様、どうして岩の壁ではないんですか?」
「エミリーは知らないでしょうけど、あれは通路の種類を変えてるのよ、教科書の終盤に書いてあったわ」
わたしが教科書を開いてエミリーに見せると、なるほどって顔をしていました。
その間に、マリーナはダンジョンを作り直して、モンスターを配置したのだけど、どうしてなのかと叫んでいます。
「どうして進化しないのよ!」
「それはそうよ、わたしのダンジョンは、特別なモンスター配置をしてるの。アレシャスから100万ポイントを貰い、同じダンジョンを作ったとしても、同じ様にはモンスターは進化しないわよ」
ライラ先輩がそう言って、他にも必要なモノがあると匂わせたわ。
わたしたち1年は、誰も分からない事で、マリーナは余計怒ってきたわ。
「そ、それなら最初からそう言ってよ!」
「そうさマリーナ、だから僕たちは集まって情報を共有してるんだ。ポイントがあっても、知らなければ作れるモノじゃないんだよ」
ライラ先輩のダンジョンが写っている画面の数カ所に、アレシャスは魔法の杖で点を打ちました。
それを見ても、私たちは誰一人分かりません。
「それがなにを示しているの?」
「これはねマリーナ、1体召還をする位置だよ」
わたしはその言葉に驚き、マリーナは口をパクパクさせてたわ。
教科書にはそんなこと書いていませんし、1体での召喚は、ポイントのプラスにならないから、誰もがやらない事だと、ボブサが手を挙げて答えてたわよ。
「うんうん、そうだねボブサ、誰もやらないよね」
「もも、モンスターの召還位置だってそうです、どこも同じじゃないんですか?1体で召喚しても意味ないんじゃ」
「ボブサそれは違う、誰も知らないだけなんだよ」
アレシャスがその後説明してくれましたが、驚きの連続でした。
わたしたちがモンスターを設置するタイミングは、凄く偏っているそうで、それだと気づくことが出来なくなるんだそうよ。
「モンスターの設置なんてみんな一緒よ!授業中にPTの通った場所で、モンスターがいなくなったところでもあるけど、それがなによ」
「マリーナそこが重要なんだよ。なにが違うのか、どう変えれば良い結果が出るのかを話し合うのがここなんだ、マネているだけじゃダメなんだよ」
アレシャスは、マリアル先輩をちらっとみました。
マリアル先輩は、恥ずかしそうにしていましたから、きっとマネばかりしていたんでしょうね。
「でで、でもですよ先輩、失敗したらポイントが全て無駄になります。今だって、彼女に渡したポイントは無駄になってしまったじゃないですか」
「だからみんなで集まっているんだよボブサ、話し合いで出た結果を、少しずつ出し合ったポイントを使って試す。それで良い結果になれば、みんなでそれを作り結果を公表するんだよ」
「しかしだ、俺たちもダンジョンの作りが違うから誤差になり、上手くいかないかも知れない」
「そこで、わたくしたちは更に話し合い、みんなでダンジョンを良くして行くのですわ、それが大事なのですわよ」
わたしはそれを聞いて、お母様を思い出しました。
お母様も、冒険者たちとそんな話をしてて、楽しかった時間だったのよ。
「そんな人たちが集まったから、ダンジョンが急に良くなったんですね。ボク、納得したよ」
「何納得してんのよボブサ、無駄が多いじゃない、今だって言ってくれれば」
「マリーナ、それで済まないのが個人の意見なんだよ、ねぇジャケン」
アレシャスがジャケン先輩に振ると、すごくいやそうな顔をしています。
皆さん、何かしら失敗しているのがよく分かったわ。
「この同好会を作るきっかけは、まさにそれなんだよマリーナ」
「なんだか納得だわ、みんなの疑問や予想を解決させる場所なのね」
「やっとわかってくれたね」
それはそうだろうと、ジャケン先輩たちが口を揃えたわ。
今まさに失敗したマリーナの様に、皆さんも納得して集まったのです。
「懐かしいですわね、わたくしたちも自分の意見が正しいと思って、作ってみたら失敗したのでしたわ」
そんな話をして先輩たちは笑っています。
わたしは、それがお母様に見えてきて、うれしいと感じましたわ。
「マリーナ、失敗しないようにするのは良いけど、それもやり過ぎると前に進めないよ。今までは、それがブレーキになってたんだ」
アレシャスは、名前を言わないある人の話を始めました。
「強いモンスターを設置するだけで良いと思ってたその人は、それが間違っていると知らなかったんだ。ダンジョンの難易度が低いと、モンスターたちは退化してしまうってね」
わたしは、それを知ってたから、ドラゴンの事だと分かったんです。
だからお母様は、ユウバリティラノを10体召還では出さず、メロンティラノから、何とか成長させて出そうとしたんですよ。
それも出せるかもしれない、わたしはとてもワクワクしましたわ。
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