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2章 成果
33話 死地で働く者たち
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ひとり、またひとりと倒れていくのを俺は見ている事しか出来なかったが、俺には力がないから仕方ないと諦めてしまっていた。
「勇者であった頃が懐かしいな」
荷物運びをしていて、元奴隷商だった者がまた倒れ、俺は横目で見て荷物を運ぶ仕事に戻ったんだ。
だが、その奴隷商を助けたのはギャルトで、奴隷商に肩を貸して運ぶ時、俺を睨んで通り過ぎたんだ。
「なんだよ、俺が悪いんじゃないだろう」
何がいけないんだと思い荷物を運んだんだが、こんな仕事をさせているあの女がいけないと何度も口に出していた。
それを聞き、箱に品を詰めていたミケーナが情けないと口にしてきたが、俺が悪いんじゃないと言い返したんだ。
「ほらまたですわ、あなたは誰かのせいにするだけで、自分では何もしようとしない、それでも勇者ですか!」
「な、何だよそれ、俺は勇者だろう」
「勇者様は、そんな顔はしませんわ、いつも勇気を持って目を輝かせているのが勇者なんですわよ」
そんな事は昔でもしていなかったし、そんな顔をしていたのはあの男とミケーナが涙を浮かべていた。
それなら、どうして俺なんかを好きになったんだと言ってやったが、その答えは俺があいつに抱いていたモノと一緒だったよ。
「そうか、嫉妬していたんだな」
「だって、アレシュはいつも遠くを見てて、わたくしたちなんて見てなかったのですわ」
「そうだな、あいつはいつも世界を見ていた、俺たちの仲間なのにいつもそうだった」
小間使いとして雇っていたのに、そんな態度だからクビにしたんだ。
俺の女遊びの件はあれだが、金の使い方を指摘させたのも、こちらを意識してもらう為だった。
「わたくしたちだって、衣服を買ったりして無駄遣いをしていたのは、あいつに見せる為ですわ」
「今思えば、あいつは俺たちの中心だったんだな」
「そうですわね、とても言いたくはありませんが、わたくしたちは間違ったのですわ」
やり直せるのならっと頭に浮かんだが、そんな事はありえない事で、俺たちは寝るまで働く事を強いられるこの職場で永遠と荷物を運んでいた。
だが、そんな俺たちにも楽しみはあり、ここの食事はとても美味く、ベッドはフカフカだったんだ。
「これがあるから何とかなっているが、考えてしまうな」
来たばかりの頃は、働く事に必死で考える暇もなかったが、俺は最近ずっと考えてしまっていた。
謝罪して一からやり直したいとあいつに伝え、外での生活に戻りたかったんだ。
「だが、そんなタイミングは訪れない、ここで働いてわかったよ」
商会の倉庫から馬車を往復するだけの生活なので、それ以外はありえなかったし、あの女もここには来ない。
俺たちは一緒に働く者たちとしか顔を会わせないし、そいつらが倒れても放置だった。
「ギャルトは、どうしてあんな顔をしたんだろうか」
そんな事も考える余裕が出来、俺はそればかりを考えてしまった。
答えが出ない中、変な声が聞こえるようになったのは、それから3日してからだったよ。
「なんだ?今のままで良いのかだって?」
そんなの良い訳がないっと、聞こえた声に答えたんだが、その声が更に変わって聞こえたんだ。
力をくれると言われ、俺はその場所に向かったんだ。
「ネズミは・・・いないな」
何処にでもあのネズミ共はいるんだが、どうしてか呼ばれた場所にそいつらの気配はなく、俺以外にも呼ばれた者も見えたんだ。
奴隷商の2人と兵士が6名で、面識はなく話しかける気も起きなかったよ。
「やぁやぁ揃ってるね、うんうん良い事だ」
「何モノだよお前」
「ボク?ボクは召喚された勇者の一人で、名前をオボロって言うんだ」
「「「「「ゆ、勇者だと!!」」」」」
俺たちは驚いたが、あの国が動いているのが直ぐに分かり、俺は動揺して逃げる準備を始めた。
しかし、オボロと言う男は力を与えてくれると言って来て、俺は逃げずにそれを待ったんだ。
「ではでは、場所を移すので皆さんこちらに集まってください」
「場所を移すって、何をするんだ?」
「簡単ですよ、ボクたちの国に来てもらうんです」
そこで力を授けてくれると言う事で、俺たちはそのまま魔法陣の上に乗り転移したんだ。
しかし、たどり着いた場所は牢獄で、俺たちは冷たい鉄の箱に入れられていた。
「ど、どういう事だ、おいオボロ!」
「どうも何もありません、このまま召喚の儀式をするだけです」
「だからって、どうしてこんな所に」
「それはですね、あなたたちが逃げ出さない為ですよ」
力を貰えるのなら何でもする気ではいたが、この流れでは貰えないのが良く分かったよ。
しかし、オボロは力を与える事は真実と言って来て、他の者たちはそれなら早く寄越せと言ってきた。
「そんなに自分たちで無くなる事を望みますか、それなら良いでしょう」
「ちょっと待て、自分ではなくなるとはなんだ?」
「ああ言ってませんでしたか、力を与えるというのは、あなたたちを生贄にして勇者を新たに呼ぶ事だったんですよ」
「「「「「なっ!!」」」」」
自分でなかったら力を貰っても意味がないと奴隷商が反対したが、俺たちの肉体が変化するのだから与えた事になるとオボロは悪ブレもなく言ってきた。
兵士の者たちは、鉄格子の間から手を伸ばしたがオボロに届く事は無く、魔法陣が牢獄を囲んで光りだした。
「い、イヤだっ!死にたくない」
「わ、ワシだって死にたくはない、なんのためにあの地獄で頑張って来たと思ってるんだ」
「はいはい、そんな欲望があるから皆さんはボクの声に呼ばれたんですよ、そんな事も分からないとかバカですねぇ」
諦めろっとオボロが最後に一言呟くと、兵士の一人の身体が溶け出し水溜まりになってしまった。
もう一人の兵士は怖くなり下がった所で、その水たまりが人の形となって伸びだしたんだ。
「うんうん、成功だね」
「な、何をしたんだオボロ」
「だからね、召喚の儀をボクとサミエで強化したのさ」
「強化って、どういう事だ」
「本来の召喚の儀はね、100年魔力を溜めないと使えなかったんだよ、それをもっと簡単に出来る様にしたのさ」
そんな事が可能なのかと疑問が生まれたが、他の者たちが水に変わり違う姿に伸びだし、ついに俺だけになって怖くなってきた。
俺の番が最後になり、オボロは相当強い者に変化すると笑っていたが、どうして新たにこいつらを召喚出来たのかと疑問をオボロにぶつけた。
「魔力だけを溜めていたらそうだろうね、でもこの国は追い詰められて最後の手段を取ったのさ」
「最後の手段って・・・もしかして」
「そうさ、アファロス王国は魔法士の命を犠牲にしてボクたちを呼んだのさ」
「そんな事が・・・どうしてそこまで」
オボロはその先を喋っていたが、俺の意識が薄れていき聞き取れなかった。
しかし、俺の願いはアレシュに一泡吹かせる事で、俺でなくなってもそれが叶うのなら良いかと、抵抗なく意識を断ったんだ。
「勇者であった頃が懐かしいな」
荷物運びをしていて、元奴隷商だった者がまた倒れ、俺は横目で見て荷物を運ぶ仕事に戻ったんだ。
だが、その奴隷商を助けたのはギャルトで、奴隷商に肩を貸して運ぶ時、俺を睨んで通り過ぎたんだ。
「なんだよ、俺が悪いんじゃないだろう」
何がいけないんだと思い荷物を運んだんだが、こんな仕事をさせているあの女がいけないと何度も口に出していた。
それを聞き、箱に品を詰めていたミケーナが情けないと口にしてきたが、俺が悪いんじゃないと言い返したんだ。
「ほらまたですわ、あなたは誰かのせいにするだけで、自分では何もしようとしない、それでも勇者ですか!」
「な、何だよそれ、俺は勇者だろう」
「勇者様は、そんな顔はしませんわ、いつも勇気を持って目を輝かせているのが勇者なんですわよ」
そんな事は昔でもしていなかったし、そんな顔をしていたのはあの男とミケーナが涙を浮かべていた。
それなら、どうして俺なんかを好きになったんだと言ってやったが、その答えは俺があいつに抱いていたモノと一緒だったよ。
「そうか、嫉妬していたんだな」
「だって、アレシュはいつも遠くを見てて、わたくしたちなんて見てなかったのですわ」
「そうだな、あいつはいつも世界を見ていた、俺たちの仲間なのにいつもそうだった」
小間使いとして雇っていたのに、そんな態度だからクビにしたんだ。
俺の女遊びの件はあれだが、金の使い方を指摘させたのも、こちらを意識してもらう為だった。
「わたくしたちだって、衣服を買ったりして無駄遣いをしていたのは、あいつに見せる為ですわ」
「今思えば、あいつは俺たちの中心だったんだな」
「そうですわね、とても言いたくはありませんが、わたくしたちは間違ったのですわ」
やり直せるのならっと頭に浮かんだが、そんな事はありえない事で、俺たちは寝るまで働く事を強いられるこの職場で永遠と荷物を運んでいた。
だが、そんな俺たちにも楽しみはあり、ここの食事はとても美味く、ベッドはフカフカだったんだ。
「これがあるから何とかなっているが、考えてしまうな」
来たばかりの頃は、働く事に必死で考える暇もなかったが、俺は最近ずっと考えてしまっていた。
謝罪して一からやり直したいとあいつに伝え、外での生活に戻りたかったんだ。
「だが、そんなタイミングは訪れない、ここで働いてわかったよ」
商会の倉庫から馬車を往復するだけの生活なので、それ以外はありえなかったし、あの女もここには来ない。
俺たちは一緒に働く者たちとしか顔を会わせないし、そいつらが倒れても放置だった。
「ギャルトは、どうしてあんな顔をしたんだろうか」
そんな事も考える余裕が出来、俺はそればかりを考えてしまった。
答えが出ない中、変な声が聞こえるようになったのは、それから3日してからだったよ。
「なんだ?今のままで良いのかだって?」
そんなの良い訳がないっと、聞こえた声に答えたんだが、その声が更に変わって聞こえたんだ。
力をくれると言われ、俺はその場所に向かったんだ。
「ネズミは・・・いないな」
何処にでもあのネズミ共はいるんだが、どうしてか呼ばれた場所にそいつらの気配はなく、俺以外にも呼ばれた者も見えたんだ。
奴隷商の2人と兵士が6名で、面識はなく話しかける気も起きなかったよ。
「やぁやぁ揃ってるね、うんうん良い事だ」
「何モノだよお前」
「ボク?ボクは召喚された勇者の一人で、名前をオボロって言うんだ」
「「「「「ゆ、勇者だと!!」」」」」
俺たちは驚いたが、あの国が動いているのが直ぐに分かり、俺は動揺して逃げる準備を始めた。
しかし、オボロと言う男は力を与えてくれると言って来て、俺は逃げずにそれを待ったんだ。
「ではでは、場所を移すので皆さんこちらに集まってください」
「場所を移すって、何をするんだ?」
「簡単ですよ、ボクたちの国に来てもらうんです」
そこで力を授けてくれると言う事で、俺たちはそのまま魔法陣の上に乗り転移したんだ。
しかし、たどり着いた場所は牢獄で、俺たちは冷たい鉄の箱に入れられていた。
「ど、どういう事だ、おいオボロ!」
「どうも何もありません、このまま召喚の儀式をするだけです」
「だからって、どうしてこんな所に」
「それはですね、あなたたちが逃げ出さない為ですよ」
力を貰えるのなら何でもする気ではいたが、この流れでは貰えないのが良く分かったよ。
しかし、オボロは力を与える事は真実と言って来て、他の者たちはそれなら早く寄越せと言ってきた。
「そんなに自分たちで無くなる事を望みますか、それなら良いでしょう」
「ちょっと待て、自分ではなくなるとはなんだ?」
「ああ言ってませんでしたか、力を与えるというのは、あなたたちを生贄にして勇者を新たに呼ぶ事だったんですよ」
「「「「「なっ!!」」」」」
自分でなかったら力を貰っても意味がないと奴隷商が反対したが、俺たちの肉体が変化するのだから与えた事になるとオボロは悪ブレもなく言ってきた。
兵士の者たちは、鉄格子の間から手を伸ばしたがオボロに届く事は無く、魔法陣が牢獄を囲んで光りだした。
「い、イヤだっ!死にたくない」
「わ、ワシだって死にたくはない、なんのためにあの地獄で頑張って来たと思ってるんだ」
「はいはい、そんな欲望があるから皆さんはボクの声に呼ばれたんですよ、そんな事も分からないとかバカですねぇ」
諦めろっとオボロが最後に一言呟くと、兵士の一人の身体が溶け出し水溜まりになってしまった。
もう一人の兵士は怖くなり下がった所で、その水たまりが人の形となって伸びだしたんだ。
「うんうん、成功だね」
「な、何をしたんだオボロ」
「だからね、召喚の儀をボクとサミエで強化したのさ」
「強化って、どういう事だ」
「本来の召喚の儀はね、100年魔力を溜めないと使えなかったんだよ、それをもっと簡単に出来る様にしたのさ」
そんな事が可能なのかと疑問が生まれたが、他の者たちが水に変わり違う姿に伸びだし、ついに俺だけになって怖くなってきた。
俺の番が最後になり、オボロは相当強い者に変化すると笑っていたが、どうして新たにこいつらを召喚出来たのかと疑問をオボロにぶつけた。
「魔力だけを溜めていたらそうだろうね、でもこの国は追い詰められて最後の手段を取ったのさ」
「最後の手段って・・・もしかして」
「そうさ、アファロス王国は魔法士の命を犠牲にしてボクたちを呼んだのさ」
「そんな事が・・・どうしてそこまで」
オボロはその先を喋っていたが、俺の意識が薄れていき聞き取れなかった。
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