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1章 異世界

15話 お勉強

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次の朝朝食にあの料理を完成させた。


「これを入れて終了だ」


「うーんあの匂いね、最後にミルクを入れるのね」


そう最後にミルクを入れて終わりだ、ほんとはルーを入れるのだが俺しか作れないからな、今度料理ギルドに行って開発して貰ってもいいかもしれない。

まあそう言った事をやっているか分からんがな。


「じゃあ俺たちは出るけど、それ客に出すのか?」


「そうね、この量だし今日の朝食って事で出すわ」


もう作り方は分かったとカーラが張り切っている、作れるならいいかな。


「まあ無理はするなよ、身体を壊したら意味がないんだからな」


「わ、分かってるわよ・・・行ってらっしゃいユーヤ」


カーラが見送ってくれた、顔が少し赤かったが照れているのだろう。


「それにしても本がギルドにしかないってのはどうしてだ」


カーラとの料理教室の時聞いたのだが、ここには書物を見れる場所は各ギルドだけだそうだ、他は貴族や王族が個人で集めている物だと言われた。


あの紙はそれほど高いのだろう、植物紙を作ったら儲かりそうだな俺はやらんが。


「冒険者ギルドに何か用なの坊や」


冒険者ギルドに入ると結構人がいた、人族はいなかった角を頭や肩にはやした者、それと鱗や毛が付いている者たちばかりだ。

朝はクエストを受ける時間なのかもな、そして俺の前に並んでいた肩に角を付けている女性が聞いてきている、装備はビキニアーマーとは言わないがかなり軽装だ。


「僕も冒険者なんですよ、今日はちょっと勉強をしようと思ってるんです、だから受付で書物のある場所を教えて貰いたくて並んでいます」


「あら勉強熱心ね、書物なら二階の右の部屋よ、中に受付があるからその人に聞けばいいわ」


親切に教えてくれた、そうか2階はそう言った場所なんだな。


「ありがとうございます行ってみます」


俺は頭を下げてすぐに2階に向かった。


「すみません書物を見たいんですけどいいですか?」


部屋に入ると受付があって青い肌をした女性が座っていた、肌の色が違う人は初めてだな。


「はい、一回銅貨5枚ですがよろしいですか?」


「お金を取るんですね、銀貨からで良いですか?」


俺は銀貨を出してお釣りを貰い奥に入って行った。


「かなりの量があるな、取り敢えず奥から見て行くか」


俺は気を頭に集中して高速で読んで行った。


「フム、大体分かったな」


「ユーヤすごいの!?どうしたらそんなに早く読めるの」


肩の上でファラが聞いてきた、ファラにはページをめくっているだけに見えたんだろうな。


「これは気の力を使ってるんだ、目と頭に集めると早く読めるんだよ」


「そうなの?ファラもやってみたいの」


ファラには無理かな、まあ練習すればわからんが何年もかかる。


「直ぐには出来ないぞ、今度教えてやるよ」


「やったの!絶対なの」


訓練はきついのだがいいのだろうか、ファラに教えるときは優しくしてやらないとな。


そんな会話をして再開した、モンスターの事が書いてあるものや薬草などの草花の本と色々見た。

その中で衝撃の事実が記載されている物があった。


「妊娠は女性の感情の高ぶりで左右されるってどういうことだ・・・じゃあケイは」


そうなのだ、きっと彼女は分かっている、だから確実に妊娠しているのだろう。


「ま、まあ過ぎたことだなうん、子供が来たら協力しよう」



そしてまたしばらく本を読んでスキルなどの書物を見た時少し冷汗が出た。


「これはまずいな」


俺が見たのは魔力などで人を判別できるスキルだ、オーラで相手が分かるのと似ている。


「馬車の者たちにこれを持っている人がいたら、髪の色を変えただけではバレるな・・・まあ持っていないことを期待しよう」


さすがに捕まると言う事はないと思う、お礼を拒否しただけだからな、念の為に魔力の色を変えておくかな。

魔力は気とかなり近い物だ、そして強弱と得意な属性で色が違う、俺の最初の色は赤で火属性に見えただろう、今は得意な属性のない新人の色で白だ、普通の住民が大体がこれだな。


そして他にはいろいろなスキルがあった、戦闘職の物や生産職だな、そして俺が一番知りたかった物、戦技の書物だ。


「フム、武器を持っている個所に魔力と闘気を集め、それを武器に流し名称を唱えると使えるっか・・・随分簡単だな」


書物には集めるのが難しく練習が必要とある、そしてスキルレベルはその過程で上がるとある。


「スキルレベルは必要ないのだろうが、結局上の戦技を使うには練習が必要でスキルは上がっているって訳だな、俺は日常的にやっているから後は魔力の扱いに慣れるだけって事か、後で試してみるかな」


俺は魔力をすでに体の中に感じている、そしてここに来る前に軽く練習しているんだ、だが名称が分からないから出来なかったんだ、どうしてそこが必要なのか分からんが兎に角使えなかった、これは魔法も同じだ。


「フムフム、初級は一撃の威力を上げる物で、中級がそれを連続で繰り出す物、そして上級は威力が更に強い一撃の物になっているんだな」


名称も書いてあったので今度やってみるかな、そう言えば昨日の試験の奴は連続系を使っていた、あれで中級だったのか。


俺は目当ての戦技を調べられたので、適当に時間を潰しながら本を読んだ。

主に日常的な物だな、1日の時間や1年が何日とか、変わった物で風呂は貴族くらいしか入らないとか、男性は子を作ることを優先しろとかがあったな。

そして戦争の書物は最悪だった、人族の残虐行為がかなり書いてあったんだ、戦争の仕方としては相手の冷静さを削ぐためだろうがかなり嫌な感じだ。


「外壁の前で敵の兵士をいたぶり命を削ぐ・・・考えただけでも怒りがこみあげてくるな」


「ユーヤ、そろそろご飯食べたいの」


ファラが俺の髪を引っ張ってきた、少し本に夢中で忘れていたな。


「そうだな、じゃあ街の外に行って食べるか」


「うんなの」


街の中で食べれるところと言えば店しかないさすがに自分が作った料理を店で出すわけにはいかないからな、中央広場のベンチとかで座って食べるのもいいが、屋台で売っていない物を食べていると大変かもしれない、なるべく人目を避けた方が良いだろう。


「あら、もういいのですか?」


「はい、昼食を食べてまた来ます」


「昼食?」


そう言えばさっきの本にこの世界は朝と夜に食事を取るって書いてあった、だから朝は遅く夜の食事は早いんだ。


「はい、僕の住んでたところでは一日3食を食べるんですよ」


「そうなの、でもここを出るとまた来た時料金を貰うわよ、それでもいいの?」


「もちろんです、貴重な本を読むんです、それ位は払いますよ」



笑顔でそう言っておいた、この世界ではほんとに貴重だろうからな、ただ受付の女性が顔を赤くしていたのが気になったが、頻繁には会わないから平気だよな。

そう言えば親切に教えてくれた両肩にツノをはやした女性も赤くなっていたような・・・うん気を付けよう。

ケイのように迫られたら今の俺は抵抗できる自信がない。
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