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1章 転生
19話 最初の実験
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妹が工房に来た夜、僕はお祝いをした後にあいつらを閉じ込めた異次元空間に入りました。
そこでは、ツタに拘束されているデロマたちがいたよ。
「やぁデロマ君、元気にしていたかな?」
「ふ、ふざけるなよ平民」
「「「「「殺してやる」」」」」
「どうやら元気な様だね、良い事だよ」
悪態を付くデロマ君たちを見て、今すぐに研究が出来るとウキウキが止まりません。
本来はマリサとメリリの魔力を使う予定だったけど、その前にちょっと危険を伴う事をやりたくなったんだ。
「さて諸君、君たちは痛いのは好きかな?」
「「「「「なっ!」」」」」
好きな訳がないけど、デロマ君たちに覚悟をしてもらう必要があるから、ナイフを出して知らせた。
それを見て、デロマ君が殺されると思って青い顔をしてきたけど、そこまではしないと言いながらデロマ君の指にナイフを突き付けた。
「ほら、少し痛いだけでしょう」
「こ、これで何をするんだ」
「やるのはこれからだけど、ここからが苦しいんだよね」
「な、なにを!があぁぁーー」
いきなり叫び声を上げるデロマ君の指から血がどんどんと流れ出し、その血は僕の両手に球体として集められた。
魔法陣に魔力を維持させるには、それなりの媒体が必要と考えていて、その中で一番効率が良いのは魔力を持った人の血液だったんだ。
「他にもあったんだけど、最初の魔道具にはどうしても血液が必要だったんだ、助かったよデロマ君」
痛みがない様に少しずつ集める予定だったけど、おかげで必要量が簡単に手に入りました。
それでも死ぬほどの量は取らず、ギリギリで留めて他の5人からも血液を採取しました。
「「「「「うぅ~」」」」」
「じゃあ、用は済んだから、また今度ね」
「ま、待ちやがれ」
デロマ君の最後の力を振り絞った声に僕は振り返り、何を言うのかが想像できる表情をしていたから嫌になったよ。
予想通り、彼は僕の事を魔王の様な所業をする奴と言ってきたけど、貴族よりは良いと応えてあげました。
「な、なんだと、オレたちが何をしたっていうんだ」
「知らないのかい?君たちは平民を道具として散々捨ててきただろう」
「そ、それは」
「それに比べたら可愛いモノでしょう」
血を抜くだけで全然死ぬほどじゃないし、それで魔王なら貴族のしてきた事はそれ以上で、悪魔の所業と言ってやった。
何も言い返せないデロマ君は、自分だけでもとか言い出して、これだから貴族は嫌なんだと言ってやったよ。
「そういえば、他の子をここに投げ飛ばした時もそうだったけど、自分が彼らを巻き込んだのは自覚があるのかな?」
「な、なにを言う、こいつらは自分の意思で来たんだ」
「そんなわけないでしょう、君に逆らえなかっただけさ」
この際だから、一緒に苦しんでいる貴族たちに聞いてみろよ言ってやったよ。
今は回復してないから喋れないみたいだったけど、デロマ君を見る目は明らかに恨んでいた。
「死のうと思っても駄目だよ、もう味わったと思うけど、ツタから無理やり栄養を飲まされたでしょう」
「ぐっ」
「おまけに言っておくけど、排出も専用のツタがあるからね、ここでの生活は動かなくて良いんだよ」
「そういう問題じゃねぇ」
デロマ君は叫んで怒ってきたけど、回復した仲間の貴族たちに睨まれ、早速攻撃を受け始めた。
次に来たときは変わっているだろうと、他人事に思いつつ僕の本業に移る為に工房に戻りました。
「さて、ここからが僕の本番だね」
血液は乾けば剥がれてしまうので、そこは凝固剤としてここで良く使われる、リザードの血と混ぜて使う事にしました。
作っておいた魔法陣を刻んだ板を出し、そこに血液を流し込み乾くのを待ちました。
「テスト段階で使うのは勿体ないけど、魔力が停滞しなかったら、せっかく作った試作品の魔道具が使えなくなるからね」
元気だったから、デロマ君たちはまだ使えるし、このまま一気に試作品まで行きたいと乾いた状態の板を凝視すると、何とか魔力が霧散する事はなかった。
後は、魔力が消費された後に補給できるかどうかで、ここでマリサさんを呼びたい衝動を何とか抑えたんだ。
「深夜だから、さすがまずいよね・・・とりあえず、血液の凝固剤入りの名前は【魔液】にして、次はちょっと危険な事にトライだね」
僕が本当にしたい事とは、ズバリ自分自身で魔法を使いたいという事で、それは魔道具を通さずに自分の肉体でという事だった。
以前魔力をそのまま流した時は、体の中で霧散するだけだったけど、今回は体に魔法陣を刻む方法を取ろうと袖をまくって腕を出したよ。
「自分だけでは難しいけど、何とか気を使って刻まないとね」
2本の指から気を伸ばし、片方の腕に魔法陣を刻み血が滲んできました。
かなり深く傷をつけないと治ってしまうので、かなり深めに魔法陣を刻んで痛みに耐えました。
「くぅ~痛いけど、これで魔法陣は完成したから、後はこれにさっきの液体を」
左腕に魔血液を塗り込むと、とてつもない痛みが走り僕は気絶しました。
次に気づいた時、僕は自分の部屋のベッドに寝ていたけど、寝ている僕のお腹に顔をうずめている妹がいたよ。
「そうか、僕は迷惑を掛けちゃったんだね」
謝罪の為、妹の頭を撫でようとしたら、自分の左腕がない事に気づき、無くなった部分を見て爆発したのが分かった。
拒絶反応ではなく、ただ失敗しただけっぽいから少し安心したけど、まずは腕を治さないといけないから気を集中させました。
「それにしても、腕を吹き飛ばした程度で気絶とか、ちょっとありえないね」
前世も含め数々の戦いを生き抜いた僕は、腕の一本や二本無くなっても気絶する事はなく、原因が魔液にあると考察してみる事にした。
やはり魔力が原因と考えるのが妥当で、気で魔法陣を刻んだから反発で爆発し、その衝撃で気絶したんだ。
「拒絶なら、爆発ではなく魔力だけが霧散するだろうし、これならいける」
「何がいけるだよアルサ、腕が無くなってるじゃない、絶対ダメだからね」
「あ、アネモネ」
これくらいいつもの事とか言いたかったけど、その大声でアーチェも起きてしまい、泣いて心配されてしまった。
僕が色々やっているのは知られていたようだけど、ここまでは無いと思っていたらしく、もうやめてとか言われてしまった。
「ごめんなアーチェ、でも実験は止められない」
「そんなに魔法が大事なのお兄ちゃん、良いじゃん気功術があるじゃん」
「みんなもそういうけどさ、気だけでは火に似た力しか出せない」
素振りをして風を起こし真空破も出せるけど、それは無から生み出すわけではなく現象だと説明した。
雷雲を使い雷魔法に似たことも出来るけど、それは本物ではなく魔道具も似たようなものだったんだ。
「一歩目は魔道具だけど、僕の最終目標は自分の体だけで使う事なんだよ」
「そんなの無理に決まってるじゃない」
「そうだよおにいちゃん、自分で言ってたんじゃない、魔力腺がないと無理だって」
「だから自分で作ろうとしているんだよアーチェ」
その為の魔法陣で、僕は直していた腕を凝視して確認しました。
でも、僕の予想は外れて魔法陣は綺麗さっぱり無くなっていたよ。
「ダメかぁ~」
「ダメかぁ~じゃないわよアルサ、こっちは心配してるのよ」
「そうだよお兄ちゃん」
「ごめん、そこまで心配されるとは思って無くて、本当にごめんなさい」
これからも危険はあるけど、今回ほどの物はないと約束をしました。
一番危険な事をやっておいたから良かったけど、それが無ければ止められていたかもしれず、その時は叱られるだけでは済まなかったかもしれません。
「ちょっとアルサ、本当にやめるんでしょうね」
「そうだね、言葉だけじゃ信じて貰えないね」
それなら、魔道具の作成をして信じてもらおうと提案し、朝からマリサとメリリを呼んで実験が始まった。
そして、第一号を持って学園に登校し、みんなに賞賛の言葉を貰ったんだ。
そこでは、ツタに拘束されているデロマたちがいたよ。
「やぁデロマ君、元気にしていたかな?」
「ふ、ふざけるなよ平民」
「「「「「殺してやる」」」」」
「どうやら元気な様だね、良い事だよ」
悪態を付くデロマ君たちを見て、今すぐに研究が出来るとウキウキが止まりません。
本来はマリサとメリリの魔力を使う予定だったけど、その前にちょっと危険を伴う事をやりたくなったんだ。
「さて諸君、君たちは痛いのは好きかな?」
「「「「「なっ!」」」」」
好きな訳がないけど、デロマ君たちに覚悟をしてもらう必要があるから、ナイフを出して知らせた。
それを見て、デロマ君が殺されると思って青い顔をしてきたけど、そこまではしないと言いながらデロマ君の指にナイフを突き付けた。
「ほら、少し痛いだけでしょう」
「こ、これで何をするんだ」
「やるのはこれからだけど、ここからが苦しいんだよね」
「な、なにを!があぁぁーー」
いきなり叫び声を上げるデロマ君の指から血がどんどんと流れ出し、その血は僕の両手に球体として集められた。
魔法陣に魔力を維持させるには、それなりの媒体が必要と考えていて、その中で一番効率が良いのは魔力を持った人の血液だったんだ。
「他にもあったんだけど、最初の魔道具にはどうしても血液が必要だったんだ、助かったよデロマ君」
痛みがない様に少しずつ集める予定だったけど、おかげで必要量が簡単に手に入りました。
それでも死ぬほどの量は取らず、ギリギリで留めて他の5人からも血液を採取しました。
「「「「「うぅ~」」」」」
「じゃあ、用は済んだから、また今度ね」
「ま、待ちやがれ」
デロマ君の最後の力を振り絞った声に僕は振り返り、何を言うのかが想像できる表情をしていたから嫌になったよ。
予想通り、彼は僕の事を魔王の様な所業をする奴と言ってきたけど、貴族よりは良いと応えてあげました。
「な、なんだと、オレたちが何をしたっていうんだ」
「知らないのかい?君たちは平民を道具として散々捨ててきただろう」
「そ、それは」
「それに比べたら可愛いモノでしょう」
血を抜くだけで全然死ぬほどじゃないし、それで魔王なら貴族のしてきた事はそれ以上で、悪魔の所業と言ってやった。
何も言い返せないデロマ君は、自分だけでもとか言い出して、これだから貴族は嫌なんだと言ってやったよ。
「そういえば、他の子をここに投げ飛ばした時もそうだったけど、自分が彼らを巻き込んだのは自覚があるのかな?」
「な、なにを言う、こいつらは自分の意思で来たんだ」
「そんなわけないでしょう、君に逆らえなかっただけさ」
この際だから、一緒に苦しんでいる貴族たちに聞いてみろよ言ってやったよ。
今は回復してないから喋れないみたいだったけど、デロマ君を見る目は明らかに恨んでいた。
「死のうと思っても駄目だよ、もう味わったと思うけど、ツタから無理やり栄養を飲まされたでしょう」
「ぐっ」
「おまけに言っておくけど、排出も専用のツタがあるからね、ここでの生活は動かなくて良いんだよ」
「そういう問題じゃねぇ」
デロマ君は叫んで怒ってきたけど、回復した仲間の貴族たちに睨まれ、早速攻撃を受け始めた。
次に来たときは変わっているだろうと、他人事に思いつつ僕の本業に移る為に工房に戻りました。
「さて、ここからが僕の本番だね」
血液は乾けば剥がれてしまうので、そこは凝固剤としてここで良く使われる、リザードの血と混ぜて使う事にしました。
作っておいた魔法陣を刻んだ板を出し、そこに血液を流し込み乾くのを待ちました。
「テスト段階で使うのは勿体ないけど、魔力が停滞しなかったら、せっかく作った試作品の魔道具が使えなくなるからね」
元気だったから、デロマ君たちはまだ使えるし、このまま一気に試作品まで行きたいと乾いた状態の板を凝視すると、何とか魔力が霧散する事はなかった。
後は、魔力が消費された後に補給できるかどうかで、ここでマリサさんを呼びたい衝動を何とか抑えたんだ。
「深夜だから、さすがまずいよね・・・とりあえず、血液の凝固剤入りの名前は【魔液】にして、次はちょっと危険な事にトライだね」
僕が本当にしたい事とは、ズバリ自分自身で魔法を使いたいという事で、それは魔道具を通さずに自分の肉体でという事だった。
以前魔力をそのまま流した時は、体の中で霧散するだけだったけど、今回は体に魔法陣を刻む方法を取ろうと袖をまくって腕を出したよ。
「自分だけでは難しいけど、何とか気を使って刻まないとね」
2本の指から気を伸ばし、片方の腕に魔法陣を刻み血が滲んできました。
かなり深く傷をつけないと治ってしまうので、かなり深めに魔法陣を刻んで痛みに耐えました。
「くぅ~痛いけど、これで魔法陣は完成したから、後はこれにさっきの液体を」
左腕に魔血液を塗り込むと、とてつもない痛みが走り僕は気絶しました。
次に気づいた時、僕は自分の部屋のベッドに寝ていたけど、寝ている僕のお腹に顔をうずめている妹がいたよ。
「そうか、僕は迷惑を掛けちゃったんだね」
謝罪の為、妹の頭を撫でようとしたら、自分の左腕がない事に気づき、無くなった部分を見て爆発したのが分かった。
拒絶反応ではなく、ただ失敗しただけっぽいから少し安心したけど、まずは腕を治さないといけないから気を集中させました。
「それにしても、腕を吹き飛ばした程度で気絶とか、ちょっとありえないね」
前世も含め数々の戦いを生き抜いた僕は、腕の一本や二本無くなっても気絶する事はなく、原因が魔液にあると考察してみる事にした。
やはり魔力が原因と考えるのが妥当で、気で魔法陣を刻んだから反発で爆発し、その衝撃で気絶したんだ。
「拒絶なら、爆発ではなく魔力だけが霧散するだろうし、これならいける」
「何がいけるだよアルサ、腕が無くなってるじゃない、絶対ダメだからね」
「あ、アネモネ」
これくらいいつもの事とか言いたかったけど、その大声でアーチェも起きてしまい、泣いて心配されてしまった。
僕が色々やっているのは知られていたようだけど、ここまでは無いと思っていたらしく、もうやめてとか言われてしまった。
「ごめんなアーチェ、でも実験は止められない」
「そんなに魔法が大事なのお兄ちゃん、良いじゃん気功術があるじゃん」
「みんなもそういうけどさ、気だけでは火に似た力しか出せない」
素振りをして風を起こし真空破も出せるけど、それは無から生み出すわけではなく現象だと説明した。
雷雲を使い雷魔法に似たことも出来るけど、それは本物ではなく魔道具も似たようなものだったんだ。
「一歩目は魔道具だけど、僕の最終目標は自分の体だけで使う事なんだよ」
「そんなの無理に決まってるじゃない」
「そうだよおにいちゃん、自分で言ってたんじゃない、魔力腺がないと無理だって」
「だから自分で作ろうとしているんだよアーチェ」
その為の魔法陣で、僕は直していた腕を凝視して確認しました。
でも、僕の予想は外れて魔法陣は綺麗さっぱり無くなっていたよ。
「ダメかぁ~」
「ダメかぁ~じゃないわよアルサ、こっちは心配してるのよ」
「そうだよお兄ちゃん」
「ごめん、そこまで心配されるとは思って無くて、本当にごめんなさい」
これからも危険はあるけど、今回ほどの物はないと約束をしました。
一番危険な事をやっておいたから良かったけど、それが無ければ止められていたかもしれず、その時は叱られるだけでは済まなかったかもしれません。
「ちょっとアルサ、本当にやめるんでしょうね」
「そうだね、言葉だけじゃ信じて貰えないね」
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