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貴族に売られました
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私はルナ・ヘーレ。ぴちぴちの13歳である。本日、親に金で売られて、馬車に乗せられた。行く先はよく知らないお貴族様のおうち。どうせ若い女を虐待したいクソ野郎なんだろう。
「こちらです」
門から敷地に入る。今まで住んでいた家に比べてあまりの大きさの違いに驚かされる。ここ家なのか!?
家に入ると柔和な男性が立っていた。
「いらっしゃい。アルテス伯爵家へようこそ。僕はこの家の主人のクロム・アルテスです」
「ルナです。よろしく、お願いします」
思っていたのとだいぶ違う男性にちょっと面食らいながら挨拶をした。
「さて、早速、君を引き取った理由なんだけどね、王太子とその周辺にいる奴らを引きずり落としてほしいんだ」
ガチで早速だし、何を言ってるんだこの人と正直思うが、一応詳細を聞こう。
「……?えっと、詳しくお願いします」
「今の王太子のレン王子がクズでね、顔だけはいいんだけど、勉強はしない、婚約者はないがしろにして女を口説く、DVする、とまあ、ダメな男の要素をコンプリートしたようなガキなんだ。で、その周りも止めるどころか、いろんな人を愛すのも王の仕事だって言うもんで、義務で婚約した女性たちが非常に苦労していてね。だから、君には彼らをたぶらかして婚約破棄をさせて廃嫡に追い込んでほしいんだ。そして、そのために必要な教育と、必要があれば少し手術をさせてもらう。君に拒否権はないけど、意見と質問は聞くよ」
とってもマシンガンで草。まあ、大体わかったけどさ。
「見返りは?」
「その条件さえ呑んで、ちゃんと満たしてくれれば服でもアクセサリーでも好きに買っていいよ。常識の範囲内ならね。王太子を落とすためにも必要だし」
「ごはんは?」
「教育が長引くようであれば別のこともあるけど、基本的に一緒に摂ってもらう。嫌だったら別にしてもらうけど。それと、部屋も余ってるところがあるからそこが君だけの部屋だよ。あとで案内させる」
「食事は一緒でいいです。あなたの相手をする必要は?」
「基本的にはない。けど、王太子を落とすのに必要だと判断された場合においては私が相手をする可能性はあると思っておいて」
「この家にほかにこどもはいます?」
「跡取りの16歳の息子のキールひとりのみ。第一王子と同級生だね」
「第一が王太子じゃないんだ」
「側妃の子でね。王太子は正妃の息子の第二王子なんだ。ただ、第一王子のほうが明白に適正があるからそちらをつけたいという貴族も多いんだ」
「でも、よく考えたら、私が王太子を落としたらあなた罰せられるんじゃない?」
「第一王子が王太子になることと、君を切り捨てることで減刑してもらうから大丈夫だよ。そういえば終わった後の話を忘れていたね、すまない。君には国外追放されて、知り合いの家に嫁入りしてもらおうと思っている。もちろん、平民として自由に生きたければそれで構わない」
「なるほど。もう質問はないです。ありがとうございます。そのままあの家にいるよりはマシで刺激のありそうな話でよかった」
「それはよかった。サリー、案内を」
「はい、ご主人様」
超速条件確認を終えると、ご主人、お父様と呼んだほうがいいか、がメイドを呼んだので、私は彼女に着いていった。
まずは汚れを落としましょう、ということで都市伝説のように思ってた家風呂に叩き込まれて洗われる。温かいお湯をふんだんに使える贅沢を噛み締めながらしばらく浸かった。
風呂を出ると服を着せられ、部屋に案内された。なかなかに部屋は広いし、可愛いし、ベッドはふかふかだし、ひとまず今日のところはこの環境を満喫して眠ることにした。
「こちらです」
門から敷地に入る。今まで住んでいた家に比べてあまりの大きさの違いに驚かされる。ここ家なのか!?
家に入ると柔和な男性が立っていた。
「いらっしゃい。アルテス伯爵家へようこそ。僕はこの家の主人のクロム・アルテスです」
「ルナです。よろしく、お願いします」
思っていたのとだいぶ違う男性にちょっと面食らいながら挨拶をした。
「さて、早速、君を引き取った理由なんだけどね、王太子とその周辺にいる奴らを引きずり落としてほしいんだ」
ガチで早速だし、何を言ってるんだこの人と正直思うが、一応詳細を聞こう。
「……?えっと、詳しくお願いします」
「今の王太子のレン王子がクズでね、顔だけはいいんだけど、勉強はしない、婚約者はないがしろにして女を口説く、DVする、とまあ、ダメな男の要素をコンプリートしたようなガキなんだ。で、その周りも止めるどころか、いろんな人を愛すのも王の仕事だって言うもんで、義務で婚約した女性たちが非常に苦労していてね。だから、君には彼らをたぶらかして婚約破棄をさせて廃嫡に追い込んでほしいんだ。そして、そのために必要な教育と、必要があれば少し手術をさせてもらう。君に拒否権はないけど、意見と質問は聞くよ」
とってもマシンガンで草。まあ、大体わかったけどさ。
「見返りは?」
「その条件さえ呑んで、ちゃんと満たしてくれれば服でもアクセサリーでも好きに買っていいよ。常識の範囲内ならね。王太子を落とすためにも必要だし」
「ごはんは?」
「教育が長引くようであれば別のこともあるけど、基本的に一緒に摂ってもらう。嫌だったら別にしてもらうけど。それと、部屋も余ってるところがあるからそこが君だけの部屋だよ。あとで案内させる」
「食事は一緒でいいです。あなたの相手をする必要は?」
「基本的にはない。けど、王太子を落とすのに必要だと判断された場合においては私が相手をする可能性はあると思っておいて」
「この家にほかにこどもはいます?」
「跡取りの16歳の息子のキールひとりのみ。第一王子と同級生だね」
「第一が王太子じゃないんだ」
「側妃の子でね。王太子は正妃の息子の第二王子なんだ。ただ、第一王子のほうが明白に適正があるからそちらをつけたいという貴族も多いんだ」
「でも、よく考えたら、私が王太子を落としたらあなた罰せられるんじゃない?」
「第一王子が王太子になることと、君を切り捨てることで減刑してもらうから大丈夫だよ。そういえば終わった後の話を忘れていたね、すまない。君には国外追放されて、知り合いの家に嫁入りしてもらおうと思っている。もちろん、平民として自由に生きたければそれで構わない」
「なるほど。もう質問はないです。ありがとうございます。そのままあの家にいるよりはマシで刺激のありそうな話でよかった」
「それはよかった。サリー、案内を」
「はい、ご主人様」
超速条件確認を終えると、ご主人、お父様と呼んだほうがいいか、がメイドを呼んだので、私は彼女に着いていった。
まずは汚れを落としましょう、ということで都市伝説のように思ってた家風呂に叩き込まれて洗われる。温かいお湯をふんだんに使える贅沢を噛み締めながらしばらく浸かった。
風呂を出ると服を着せられ、部屋に案内された。なかなかに部屋は広いし、可愛いし、ベッドはふかふかだし、ひとまず今日のところはこの環境を満喫して眠ることにした。
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