2 / 13
入学
しおりを挟む
しかし、それからの生活はわりと大変だった。
まず、今まで一切学校というものに行ったことがなかったので、初歩の初歩から叩き込まれた。それが終わると今度は姿勢などのマナー講習、元娼婦の女の人からのテクニック伝授、身を守るための剣術・護身術など、貴族って大変なんだな、と痛感させられた。
私は体を動かすことはそこそこ得意だったから剣術・護身術はわりとスムーズに身につけられたのだけど、とにかく勉強が苦手で発狂しそうになりながら、いや、この環境を手放したら地獄に逆戻りだと思い直して努力する日々だった。
今日は高校の合格発表日。ここで落ちてしまっていたら全ては水の泡だ。隣では学園に通うお義兄さまが見守ってくれている。お義兄さまは引き取られた理由を聞いた上であろうが、とても優しくしてもらっている。
どきどきしながら番号を探した。563、563、563、あ、あった!
「受かってた!」
「おめでとう」
その夜はちょっと豪勢なごはんが出た。
翌日からは入学に必要なものを揃えたり、周辺知識の強化をしている。
そういえば、元々はロリ巨乳系を目指していたようだが、どちらかと言うとキレイ系に育ってしまったので、貧乳だが、手術うんぬんもなくなった。バランスが崩れなかったので運動がしやすくて便利だ。
髪も肩くらいのミディアムである。最初お義父さまに止められたが、ロングの格式高い姿の女性との差別化ができるから、と主張したら許してもらえた。なにより、元娼婦の先生からの賛成意見が後押しをしてくれたのだと思うけど。
これだけあればヘアセットもぎりぎりできるし、涼しいし、きれいに保ちやすい。長いと毛先からすぐ傷み始めるからね。
入学式の数日前に寮に入居した。協調性を学ぶとかで基本的には誰かと同室になるそうだ。
私のルームメイトはアリア・プラシール。子爵令嬢で、小さくてその割に出てるとこ出てて、あー、こういう感じになるのを期待されてたのかー、と思った。
話を聞いたら既に両想いの幼馴染婚約者がいるようで、私の作戦の邪魔にはならなそうで安心したけど。
「今日からよろしくね」
「よろしくお願いします」
ちなみに、彼女とはクラスも一緒なのでとりあえず仲良くなることにした。
雰囲気も貴族っぽさが強くなくて付き合いやすそうだし。本格的に落とすフェーズに入ったら巻き込まないように切るけどね。
入学式も無駄に豪勢だった。
あと、生徒会長やってる王子に対する声援がすごかった。
貴族なのにこんなにきゃーきゃー言うのはマナー違反ではないのかな?それとも、パーティーとか公的な場だと言えないから今言っているのか。
話す王子のそばに控えている中には副会長を務めている王子の婚約者のミラ・イディアールもいた。会長以外話さないから声も喋り方もわからない。しかし、シンプルだけれどお金がかかっていることがわかるドレスとアクセサリーを身につけていて、これが純正の貴族のお嬢様か、と少し圧倒された。正直すごくかっこいい。
あと、書記のお義兄さまの顔がいい。
まず、今まで一切学校というものに行ったことがなかったので、初歩の初歩から叩き込まれた。それが終わると今度は姿勢などのマナー講習、元娼婦の女の人からのテクニック伝授、身を守るための剣術・護身術など、貴族って大変なんだな、と痛感させられた。
私は体を動かすことはそこそこ得意だったから剣術・護身術はわりとスムーズに身につけられたのだけど、とにかく勉強が苦手で発狂しそうになりながら、いや、この環境を手放したら地獄に逆戻りだと思い直して努力する日々だった。
今日は高校の合格発表日。ここで落ちてしまっていたら全ては水の泡だ。隣では学園に通うお義兄さまが見守ってくれている。お義兄さまは引き取られた理由を聞いた上であろうが、とても優しくしてもらっている。
どきどきしながら番号を探した。563、563、563、あ、あった!
「受かってた!」
「おめでとう」
その夜はちょっと豪勢なごはんが出た。
翌日からは入学に必要なものを揃えたり、周辺知識の強化をしている。
そういえば、元々はロリ巨乳系を目指していたようだが、どちらかと言うとキレイ系に育ってしまったので、貧乳だが、手術うんぬんもなくなった。バランスが崩れなかったので運動がしやすくて便利だ。
髪も肩くらいのミディアムである。最初お義父さまに止められたが、ロングの格式高い姿の女性との差別化ができるから、と主張したら許してもらえた。なにより、元娼婦の先生からの賛成意見が後押しをしてくれたのだと思うけど。
これだけあればヘアセットもぎりぎりできるし、涼しいし、きれいに保ちやすい。長いと毛先からすぐ傷み始めるからね。
入学式の数日前に寮に入居した。協調性を学ぶとかで基本的には誰かと同室になるそうだ。
私のルームメイトはアリア・プラシール。子爵令嬢で、小さくてその割に出てるとこ出てて、あー、こういう感じになるのを期待されてたのかー、と思った。
話を聞いたら既に両想いの幼馴染婚約者がいるようで、私の作戦の邪魔にはならなそうで安心したけど。
「今日からよろしくね」
「よろしくお願いします」
ちなみに、彼女とはクラスも一緒なのでとりあえず仲良くなることにした。
雰囲気も貴族っぽさが強くなくて付き合いやすそうだし。本格的に落とすフェーズに入ったら巻き込まないように切るけどね。
入学式も無駄に豪勢だった。
あと、生徒会長やってる王子に対する声援がすごかった。
貴族なのにこんなにきゃーきゃー言うのはマナー違反ではないのかな?それとも、パーティーとか公的な場だと言えないから今言っているのか。
話す王子のそばに控えている中には副会長を務めている王子の婚約者のミラ・イディアールもいた。会長以外話さないから声も喋り方もわからない。しかし、シンプルだけれどお金がかかっていることがわかるドレスとアクセサリーを身につけていて、これが純正の貴族のお嬢様か、と少し圧倒された。正直すごくかっこいい。
あと、書記のお義兄さまの顔がいい。
0
あなたにおすすめの小説
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる