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幕間
じゅりブタたん
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夏。
それは、暑く燃えて萌える夏。
日本最大規模の夏イベントを控え、サブカル好きの倫は神々の新刊チェックに余念がなかった。
ベッドでは義兄の雄哉が詩的に言うなら生まれたままの姿で、単純に言えば素っ裸で眠っている。
初恋だったゲームキャラのジュリアスによく似た、まさに三次元ジュリアス再現とも言える義兄に懸想してきた倫は、現在は幸せの絶頂に居た。
向こうも同じように倫の声に懸想していたと分かってから、若いリビドーは両親の目を盗み暴走の一途を辿っている。
サディストの倫とマゾヒストの雄哉は相性ばっちりだが、毎回過激なプレイをしている訳ではない。そんな体力も時間もそうはないのだ。
けれど両思いとなった今、軽く触れ合って抜き合いくらいはしたいところ。
キスをしながら互いの陰茎をてで扱き合うだけでも気持ちが良い。
先に眠った雄哉の整った寝顔を見つつ、幸せに浸った倫はスマホで新刊チェックを続けていた。
なにしろソーシャルゲームで人気が再燃した今年の夏は、ジュリアス受け界の大御所、控え目に言って神である作家が新刊をだすと前々から宣言しているのだ。
その新刊は信者にとって神の啓示で在り福音である。
ジュリアスクラスタとしては是非とも手に入れたい。
しかもその作家は、元祖『じゅりブタたん』の教祖でもあるのだ。
魔族である敵に支配され、家畜のように息を潜めて生きる村の人間に言い放った言葉。
「お前達は豚として生きるが良い。食事や水の施しも結構。狼に豚の餌は必要ないからな」
高潔で騎士キャラであるジュリアスのこの台詞は、お約束なフラグがてんこ盛りだった。
豚と言い放ったモブ村人に犯され、快楽漬けになってメス豚堕ちするジュリアス、通称『じゅりブタたん』。
その尊い姿が新作で拝めるのだ。
「あ! サンプル画像が上がってる!」
嬉々とした倫は新刊情報として上がった数ページの画像をじっくりと眺めた。
村の男たちに集団レイプされるじゅりブタたん。
村の中央で板で作られた拘束具から首と両手首を出して繋がれ、豚の鳴き真似をさせられるじゅりブタたん。
手前では板が立てかけてあり、『牝豚交尾中。種付け自由』と書かれたじゅりブタたん。
円で囲み股間を晒した村人に囲まれ、土下座フェラをさせられているじゅりブタたん。
本物の豚と交尾させられたじゅりブタたん。
……パーフェクトだった。
パーフェクトなじゅりブタたんだった。
倫は眉間を揉み、絶対買わねばと心に誓う。
今となってはリアルジュリアスこと、義兄の雄哉が倫の中では一番尊いが、だからといってジュリアスを忘れたわけではないのだ。
今年の夏は暑くなりそうだ。
ふと。
スマホの中のじゅりブタたんと眠っている雄哉の顔を見比べる。
原作はもちろんだが、この作者のジュリアスが雄哉に最も似ていた。
鍛えた騎士らしい細マッチョの筋肉をこの作者は見事に再現しているのだ。
雄哉の方もスポーツ好きのアウトドア派であり、綺麗な筋肉質の肉体美を誇っている。
雄哉を見て、ジュリアスを見、ジュリアスを見て、雄哉を見る。
……義兄さんにジュリアスのコスプレさせたら――完璧じゃね?
雄哉にジュリアスのコスプレをさせ、その雄哉を犯す。なんという倫が得する展開だろうか。
この新刊のようにジュリアスのコスプレをした雄哉を豚の鳴き真似をさせながら犯し、土下座フェラさせる男の浪漫。
うん、やろう。
雄哉の寝顔を見ながら、即座にコスプレ衣装を取り扱う店を検索する。
後日、夏の祭典のコスプレブースにて、完全再現ジュリアス様が現れて大騒ぎになったという。
***************************************************************************
ここまで書いてなんですが、ジュリアスの設定は決めてなかったという
それは、暑く燃えて萌える夏。
日本最大規模の夏イベントを控え、サブカル好きの倫は神々の新刊チェックに余念がなかった。
ベッドでは義兄の雄哉が詩的に言うなら生まれたままの姿で、単純に言えば素っ裸で眠っている。
初恋だったゲームキャラのジュリアスによく似た、まさに三次元ジュリアス再現とも言える義兄に懸想してきた倫は、現在は幸せの絶頂に居た。
向こうも同じように倫の声に懸想していたと分かってから、若いリビドーは両親の目を盗み暴走の一途を辿っている。
サディストの倫とマゾヒストの雄哉は相性ばっちりだが、毎回過激なプレイをしている訳ではない。そんな体力も時間もそうはないのだ。
けれど両思いとなった今、軽く触れ合って抜き合いくらいはしたいところ。
キスをしながら互いの陰茎をてで扱き合うだけでも気持ちが良い。
先に眠った雄哉の整った寝顔を見つつ、幸せに浸った倫はスマホで新刊チェックを続けていた。
なにしろソーシャルゲームで人気が再燃した今年の夏は、ジュリアス受け界の大御所、控え目に言って神である作家が新刊をだすと前々から宣言しているのだ。
その新刊は信者にとって神の啓示で在り福音である。
ジュリアスクラスタとしては是非とも手に入れたい。
しかもその作家は、元祖『じゅりブタたん』の教祖でもあるのだ。
魔族である敵に支配され、家畜のように息を潜めて生きる村の人間に言い放った言葉。
「お前達は豚として生きるが良い。食事や水の施しも結構。狼に豚の餌は必要ないからな」
高潔で騎士キャラであるジュリアスのこの台詞は、お約束なフラグがてんこ盛りだった。
豚と言い放ったモブ村人に犯され、快楽漬けになってメス豚堕ちするジュリアス、通称『じゅりブタたん』。
その尊い姿が新作で拝めるのだ。
「あ! サンプル画像が上がってる!」
嬉々とした倫は新刊情報として上がった数ページの画像をじっくりと眺めた。
村の男たちに集団レイプされるじゅりブタたん。
村の中央で板で作られた拘束具から首と両手首を出して繋がれ、豚の鳴き真似をさせられるじゅりブタたん。
手前では板が立てかけてあり、『牝豚交尾中。種付け自由』と書かれたじゅりブタたん。
円で囲み股間を晒した村人に囲まれ、土下座フェラをさせられているじゅりブタたん。
本物の豚と交尾させられたじゅりブタたん。
……パーフェクトだった。
パーフェクトなじゅりブタたんだった。
倫は眉間を揉み、絶対買わねばと心に誓う。
今となってはリアルジュリアスこと、義兄の雄哉が倫の中では一番尊いが、だからといってジュリアスを忘れたわけではないのだ。
今年の夏は暑くなりそうだ。
ふと。
スマホの中のじゅりブタたんと眠っている雄哉の顔を見比べる。
原作はもちろんだが、この作者のジュリアスが雄哉に最も似ていた。
鍛えた騎士らしい細マッチョの筋肉をこの作者は見事に再現しているのだ。
雄哉の方もスポーツ好きのアウトドア派であり、綺麗な筋肉質の肉体美を誇っている。
雄哉を見て、ジュリアスを見、ジュリアスを見て、雄哉を見る。
……義兄さんにジュリアスのコスプレさせたら――完璧じゃね?
雄哉にジュリアスのコスプレをさせ、その雄哉を犯す。なんという倫が得する展開だろうか。
この新刊のようにジュリアスのコスプレをした雄哉を豚の鳴き真似をさせながら犯し、土下座フェラさせる男の浪漫。
うん、やろう。
雄哉の寝顔を見ながら、即座にコスプレ衣装を取り扱う店を検索する。
後日、夏の祭典のコスプレブースにて、完全再現ジュリアス様が現れて大騒ぎになったという。
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ここまで書いてなんですが、ジュリアスの設定は決めてなかったという
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