孤高の英雄は温もりを求め転生する

モモンガ

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3話 初めての戦闘

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 「にゃあ」

 そんな鳴き声を残して、親猫は姿を消した。

 俺も【隠密】発動して、こっそり息を殺し…草むらに隠れて獲物の様子を窺う。

 視線の先では、角を生やした兎が鼻をピクピクさせて、キョロキョロと周りを見渡していた。

 すると…。

 兎の頭が飛んだ。

 ビクン! と…体を硬直させ、草の上で落ちる。

 その隣には、親猫の姿が…。

 ふむ…全然分からなかったな。

 やはり、空間魔法が無いと不便だな。

 レベル2で使える『探知』が使えれば不意打ちなど、受ける心配はない。

 どんなスキルや、魔法を持っていたとしても、空間そのものを探知していれば、見抜けないことなどない。

 そんな事を考えていると…いつのまにか、兎を加えた親猫が眼の前いた。

 「にゃあ」

 ほう、次やってみろ…と言うんだな。

 いいだろう。

 今の俺の実力を知るいい機会だ。

 いざ行かん!!

 …あれ? 俺ってこんな調子に乗るような奴だったか…?

 むむむ…もしかして、体が未熟ゆえ、精神が引っ張られているのか…?

 分からん。

 …まぁ、いい。

 今はそれより、獲物を探す事に集中するとしよう。

 親猫がな!

 俺は首の後ろを、親猫に咥えられながら流れる景色を見ていた。

 と…言っても、草や木ばかりだがな。


 €€€€€


 ポトリ…。

 「にゃあ」

 ん? 親猫よ、獲物を見つけたのだな。

 よし、俺に任せろ。

 親猫みたいに、華麗に仕留めてみせる!

 俺は親猫が後ろから見守る中、【隠密】を発動した。

 ただ、熟練度が足りないのか…ほんの少し、気配を隠したにすぎなかった。

 くそぅ…これでは簡単に見破られてしまう。

 だが…。

 このままおめおめと、親猫の元に帰るのは、俺のプライドが許さない。

 どうにかして、仕留めることが出来ないことか…。

 親猫は眼を閉じて、何かを考えている我が子を見て感心していた。

 今の自分の力を見極め、力が足りなければどうすればいいか…。

 考える力こそ、最大の力となる。

 親猫は確信した。

 我が子は立派なハンターとなる事を。


 …1度、この作戦でやってみるか?

 上手くいく保障はないが…駄目で元々だ。

 やってみるとしよう。

 俺は作戦に移る事にした。

 まずは、小石を複数集める。

 今の俺には、大きな石を持てる力など持っていない事が、残念極まりない。

 そして、今の【隠密】でバレない程度より少し離れた場所に隠れる。

 【隠密】は目立つ行動さえしなければ、更に磨きがかかる。

 悔しいが、今の俺にはバレずに、獲物の後ろを取るなど不可能だ。

 だから

 俺は隠れた草むらから、少しの音を立て…兎の方に投げた。

 小石は上に飛んでいき…兎の眼の前に落ちた。

 「キュ!?」

 驚いた兎は、俺のいる後方に逃げ出した。

 よし…いいぞ…。

 む…少しズレているな…。

 俺が動いたら、気づかれる距離に入るまでに調整しなくては…。

 俺は、兎の進行方行が僅かに右にズレるように…小石を投げる。

 投げた小石は、狙い通り兎の、前左に落ちた事で…僅かに右にズレた。

 今だ!!

 「にゃぁああ!!(もらったぁああ!!)」

 「キュ!?」

 突然草むらから現れた、俺を見て、ほんの少し硬直した兎を見逃さず…確実に仕留めれるよう首にしがみつき、噛み付いた。

 まだ伸びきっていない爪では、確実に仕留められるか不安だからな。

 それなら、しがみついて噛み付いた方がいいだろう。


 そんな俺の作戦は上手くいき、猫になってから初めての獲物を仕留め…勝利の雄叫びをあげたのだった。
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