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【挿話】次元斬りヴァイトの死後
しおりを挟む「して、あの空間使いは見つかったか?」
偉そうに踏ん反り返り、玉座に座る肥満体型で頭に王冠をかぶった中年の男の後ろに魔法使いと思われる、フードを被ったら老人に、豪華な服を着て、膝をつく中年のの男が緊張した様子で口を開いた。
「いえ、見つかりませんでした。我が国で炎龍王を討伐したのは確認したのですが…」
視線を泳がせ…言いどもる男に、王は玉座を強く叩いた。
「ではこれから我が国の危機にあった時どうする!? それに素材もだ!! あの男は定期的に纏めて素材を我が国に下ろしていた!! あの男が他国に拠点を移したらお前の責任だぞ!!」
「そ、そんな!!」
今まで、空間魔法を使う男をいいように使い…天災級や覇王級の素材を1/100にもならない格安で買い取り、高値で他国へ売り払い、いいように使ってきた張本人に言葉に理不尽を思わずにいられなかった。
「だったら探せ!! 何がなんでも空間使いを探し出すのだ!! もし、見つけられなければお前の家は取り潰しだ!! それ嫌ならば死ぬ気で探したせーー!!」
「はははいいいい!!」
膝をついていた男は、急いで立ち上がり…転びそうになりながら玉座の間から走っていなくなった。
「クソ!! 空間使いめ!! せめて素材を置いていけばよいものを…」
イラだつ王を落ち着かせるように、フードの老人は回復性の魔法を使い口を開いた。
「陛下。空間魔法を使う、あの平民が見つからなかった場合を考えなくてはなりませんぞ」
王はそんなふざけた事を言う老人の胸を掴みかかった。
「ふざけるな!! あの男は必ず見つけ2度と儂から離れられないように、奴隷の首輪を付けさせてやる!!」
「しかし、最悪の状況を考えなくてはなられすまい。賢王とは、いくつも作を用意しておく物ですぞ?」
そう言うと、王は老人を掴んでいた手を離し…鼻を鳴らした。
「作はあるのか?」
「勿論でございますぞ!」
「ほう…よい、先程の無礼を許そう。話すがいい」
「ありがたき幸せですぞ!」
老人が頭を下げ…フードの中から、魔法陣が刻まれた、かなり古いせいか…焼けた紙を取り出した。
「これはある遺跡から見つかった物です。調べた所、驚くべき事に、なんと! かつて勇者と呼ばれた者と同じ世界から、勇者の素質をある者を召喚出来る代物ですぞ! これがあれば何も心配はいりませんぞー!!」
老人は興奮の余り、気持ち悪い笑みを浮かべ…腕を大きく広げ、王も大差ない笑みを浮かべた。
「ほう…もう召喚した勇者が従わらなければ、奴隷の首輪をハメると」
「そうですぞ」
「よし、その作を採用しよう。速やかに動き出せ!」
「かしこまりました。ですが…勇者を召喚するとなると、必要な物があるのですぞ」
そう言うと、王は気分を悪くしたのか、眉を寄せた。
「必要な物とは?」
「なに、簡単ですぞ? この魔法陣を発動させる魔力…それも、最低でも5000人、確実なら10000人は必要ですぞ!」
そう答えると、つまらなそうに鼻を鳴らした。
「それなら奴隷を用意…いや、それなら金がかかりすぎるか…、我が国に巣を作るスラムのドブネズミ、それでも足りなければ、そこら辺の者を捕らえればよかろう」
その言葉に老人は満足げに、笑みを浮かべ頭を下げた。
「かしこまりました。
後は任せて下さい。ただ、大規模な召喚な為…3年の準備が必要ですぞ!」
「仕方なし…か。よかろう迅速に行動せよ。くれぐれも他国に悟られるなよ?」
中途半端な準備で召喚して、使えない者を召喚しては、元もこうもないと思ったのか…不服ながらも頷いた。
「勿論ですぞ!」
王は勇者が召喚し、この大陸を手中に収める未来を想像せずにはいられなかった…。
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