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【レイバンside】突然の襲撃と地獄

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「レイバン、ここに隠れて!」

「父上と母上は!?」

「私達は、この部屋に彼等が入れないように阻止をする。とにかく、何かがあってからではいかん。お前はとにかく見つからないよう隠れていなさい!」




何が起きているんだ・・・
急に領のあちらこちらで騒ぎが起き始めた
いつもは朗らかな優しい笑みを浮かべる両親達も、今はその欠片も見えない




「あなた・・・」

「ユリエル、心配はいらない。お前とレイバンは私が守るからね」




父上が母上の肩を抱き寄せて落ち着かせようとしている
僕は、今、クローゼットの中に押し込められ、衣装の隙間から顔を覗かせるように外を伺っている
扉の細工の隙間から、外が覗き込めるので、両親の姿を見ることができている
何か廊下から声がし出した
まさか、屋敷の中まで押し入ってきたのいうのか?





「あなた・・・」

「大丈夫だ」





何人もの男達の声と足音がどんどんと近くなってくる
怖い・・・





「おい、どこに隠れている!逃げても無駄だ!出てこい!」

「おい、この部屋鍵がかかってるぞ」

「そうか・・・この部屋か?」





ドガッ!!!





!!!
ガタイのいい男の人が何人も部屋へと雪崩れ込んできた
扉を蹴破るだなんて・・・
父上!母上!逃げて!!





「おー、いたいた!!」

「ふん、手間かけさせやがって」

「な、何でこんな事をするんだ!」

「何でって?わからないのか?お前等のせいだろうが!」

「そうだ、お前達がこの戦争を呼び込んだんだろうが」

「他国と繋がっていたのか?敵国に情報でも売ったか?」

「なっ!?そんな事する事ないだろう!・・・殺すなら、私だけにしろ」

「あ、あなた!」

「おうおう、奥さんにいいとこ見せたい旦那様ってか?」

「格好いいねぇ・・・奥さん、愛されてるねぇ」

「と、とにかく妻は関係ない。私がこの領地の領主だ。責任は私にある」

「あ、そう・・・じゃあ、一思いにいかせてもらうわ」





父上・・・?
に、逃げて!
ダメだ・・・逃げて!!






ズシャッ!!






「きゃぁぁぁ!!!」

「あっ、はっはっはっ!!」

「あ、あなた!あなた!!」

「ユリエル・・・す、すまない・・・あい、して・・・る・・・」

「あなたーーーー!!!」





ち、父上・・・
血が・・・
父上・・・
そ、そんな・・・
嘘でしょう?
また、レイバンって、呼んでくれるんですよね?
剣の稽古つけてくれる約束でしたよね?








ーーーーーーーーーーーーー

【レイバンside】

お願い?そんなお願い聞くわけないだろう?







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