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コンプレックスと暴露
しおりを挟む何を言っても肯定してくるアイオロス。全てが許されるようで、受け入れてくれうような感覚に、最後の一つを口にした。
「・・・む、・・・」
「む?」
「胸、小さいですからね!脱がせてガッカリしたなんて言われて落ち込むのも嫌ですし、豊満な女性がいいなら、今のうちです。きっと不満に思われますわ。色気もないし、きっと満足はできないでしょうね。子どものような体型ですもの。もっと、そうね・・・レティシアみたいに胸が大きければ、色気があれば・・・虜にさせることができるんでしょうけど?私にそれを期待されても無駄ですから。後になって、胸が小さいからと、浮気されても嫌です。最悪、娼館に通うなどと後腐れのない物なら多めに見ます。でも、本音は嫌です。でも、こればかりはもう成長はしませんから・・・だから、やめておくなら今のうちです!」
ぜぇぜぇと荒く息をしながら捲し立てるミリアの様子は、アイオロスにとっては懐かない猫がシャーシャー言っているようにしか見えなかった。それすらも可愛いのだ。
「えっと・・・言いたいことはこれで終わりですか?」
何も気に留めていないといった様子のアイオロス。
「ちゃんと聞いてましたか!?胸が!」
「じゃあ、触って確かめてもいいですか?」
「へっ!?」
頬を赤らめて瞳に熱を宿して、アイオロスはそう言った。
「け、け、結婚前の男女がそんな事!」
「・・・そうですよね・・・残念です」
「ざ、残念って・・・」
「ん?だって、俺、ミリア嬢以外を好きになれませんから。他の女性に触れたいとも思いません。俺がそう思うのはミリア嬢だけですから。触れたい、触ってみたいというのは自然の道理だと思います。この際ですから言ってしまいますけど、俺、毎晩妄想でミリア嬢を抱き潰しているです。可愛い声と表情で何度も煽られて・・・辞めてって言われても止まってやれなくて・・・ここに入れるのは俺だけだ、こんな表情にさせられるのも俺だけだって・・・何度も何度も・・・でも実際には俺の右手がそこにあるだけで・・・って・・・こんな話、女性にするものではないですね・・・すみません・・・」
俯いてしまったアイオロス。少々驚いていたが、気持ちはミリアにもよくわかる。
「でしたら私も一緒です・・・」
「一緒?一緒って・・・」
「抱きしめられる想像ばかりしてしまうんです。昔助けて頂いた時に抱えて運んでくださって、あの時から・・・アイオロス様の腕に抱きしめられたいって・・・お願いしてしてもらうものでもないし、そんな関係でもないし・・・きっと叶う事はないと・・・」
ミリアはどんどんと声が小さくなっていった。
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