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止まないキスと痕

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バスルームから出た二人は主寝室の寝台に座っていた。枕を背に、ウィルフレッドがレティシアを包み込むように後ろ抱きにしている。


「三人の出発は明日だったわよね?」

「あぁ、陛下のご指示でな。もしかして・・・会っておきたいのか?」

「しばらく会えないなら、挨拶はしておきたいとは思うけど・・・何を話せばいいかもわからないわ」

「別に、話たいことがあるわけでないなら、会わなくてもいいんじゃないか?」


ウィルフレッドは、不安そうな顔をして覗き込む。


「コルテオ様とは面識はないし、マクシミリオン様と話すことはないわ。レイバン様だけは・・・陛下の件では罪を犯したかもしれない。でも、イザベラ様の件では協力してくださったし、ウィルが怪我で任務につけなかった間、変わりを務めてくださっていた。それに・・・イズヴァンドの事は、お大変でしょう。少しくらい激励してもいいんじゃない?」

「そうだな。まぁ、俺とアイオロスも明日は出立時に立ち会いする事になっている。その場にシアも同行するか?」

「そうね。そうしようかしら」

「・・・俺から離れないでくれよ?」

「ふふっ、本当に何を心配しているの?そんな心配は必要ないわ」

「・・・それでも不安なんだ」


ウィルフレッドは後ろからレティシアをしっかりと抱きしめ、髪に顔を埋めて擦り寄った。不意に肩に柔らかいものが当たったかと思えば、ちくりと痛みが走る。


「ウィル!?」

「シアは俺のだ・・・」

「もう・・・そんなところにつけたら隠すの大変なんだから・・・」

「隠す必要ないだろう?」

「あのね・・・場合によってはそういうわけにはいかないの。女性がたくさん集まる場所では格好の噂の的になってしまうわ」

「別に好きに言わせておけばいい。男よけなんだから」


キスマークをつけた所にキスをしたり、再度吸い付いたり。消えないようにと何度も後を残すように触れていた。やめたかと思えば肩にぐりぐりと頭を押し付けてくる。今日のウィルフレッドは甘えていたいようだ。きっと、やめてと言ってもやめないだろう。さすがのレティシアも、ウィルフレッドの扱いには慣れてきた。これは気の済むまでさせたがいいというものだ。飽きるまで好きにさせておけばいい。レティシアもウィルフレッドの扱いには・・・慣れていたと思っていた。


「ウィル、いつまで続けるのかしら?」

「・・・ずっと」

「眠れないわ」

「・・・むぅ・・・」


寝台に横になってからも、後ろ抱きのまま、首に肩にと触れてキスをして吸い付いて。一向に止める気配のないウィルフレッド。結局、ウィルフレッドが眠るまでそれは続いていた。


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