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まとめ役の年長者

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マクシミリオンの態度に、イラつきを覚えながら捲し立てる様に話をしていたソルディオ。はっと気付くと、咳払いをし謝罪した。マクシミリオンは、面と向かって勢いよく捲し立てるソルディオに面食らい、少々後ずさりをしていた。その様子を見ていたコルテオは、おや?っと気になることがあった。


「わ、悪かったのはこちらだ。誰が剣を握ろうともそれは自由だからな。ただ、俺は剣を握る令嬢など見たことがないと言うだけだ」

「いえ、こちらこそ申し訳ありません」


ソルディオは深々とお辞儀をしながら謝罪をした。


「まぁまぁ、副騎士団長殿、こちらにも非があったのです、おあいことしましょう。辺境伯殿がお待ちでしょうから」

「失礼しました。コルテオ様のおっしゃる通りです」


爵位は低くても、ここは年長者。場の空気の変え方には慣れている。勘当されているも同然のマクシミリオンだが、コルテオにとっては歳下でも格上の相手。当主である父、公爵の期待を背負っていたのは紛れもない事実。自分にはなかった功績だ。それだけでも、マクシミリオンに対して強い態度に出れない自身がいる事を誰よりもよくわかっている。そして、目の前の爽やかで見目麗しい副騎士団長が、尊敬や忠誠ではない感情を、辺境伯令嬢であるエルサに向けている事にも気付いてしまった。


「さぁ、参りましょう。応接室に案内致します」


ソルディオは三人の前を歩いていく。その後を三人がついていくような形で歩く。いくつかの部屋を通りこし、たどり着いたのは広々とした応接室だった。三人はソファに座るよう促され、コルテオを挟む形で三人横並びに座って当主を待った。しばらくすると、部屋のドアをノックする音が聞こえる。


「失礼する」


声をかけて入ってきたのは辺境伯当主であるクレイドル・アンバー。その後にソルディオがついている。


「皆さん、よくぞ参られた」

「この度は、私どもの受け入れを許可していただきありがたく思っております」

「ただ受け入れているわけではない。こちらにも利がある話であるからな。そうだ、申し遅れた、私はこの辺境を任されている、当主のクレイドル・アンバーだ」

「よろしくお願いします。私はコルテオ・ハッサルと申します」

「クレイドル殿、お会いできて光栄です。マクシミリオン・・・ランドルストと申します」


マクシミリオンが一瞬言葉に詰まった。家名を言ってもいい立場なのか、それが気がかりだった。


「・・・レイバンと申します」


レイバンは静かにそれだけを言った。


「うむ。陛下とアバンス団長から話は聞いている。コルテオ殿は北の辺境にて研究の継続、マクシミリオン殿は辺境の守りの強化や、辺境としての財政面での指南役、レイバン殿はしばらく後にイズヴァンドの地に移る。間違いはないか?」


クレイドルは三人の目をそれぞれ見ながら言った。



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