上 下
4 / 211

4、えっと・・・君は誰?

しおりを挟む
ミーティアの突撃に驚いたバージル。

突然の事で、時間が止まったように固まっていた騎士達も様子を伺う。

そこへ、騎士団長のテオドールと副騎士団長のトーマスがやってくる。

「これは、ミーティア第三王女殿下ではないですか、本日はいかがされましたか?」

テオドールがにこやかに話しかける。

「ジャンク騎士団長、お久しぶりね」

(え?今、第三王女殿下って言わなかったか?)

「やっと見つけたのよ!」

「私の騎士様よ、バージルよ!」

テオドールは、目を見開き驚いた。

「ミーティア王女殿下、バージルとはお知り合いですか?」

(テオドール、何言ってんだ、しがない子爵家の次男の俺が、王女様と知り合いなわけないだろうが・・・)

「私だけの騎士様で、私の初恋の人で、未来の旦那様よ!」

「「ええーーー!?」」

テオドールとバージルは驚いているが、トーマスは面白いものを見たとニヤリと笑っている。

「み、未来の旦那様・・・?俺、なんか約束してましたっけ?」

「いいえ、私が決めたの!」

「えっ!?」

「その・・・嫌かしら?」

「嫌とかじゃないんですが、えっと、その、あぁ、なんで俺なんでしょうか?」

「なんでって、私の名前を誉めてくれたからよ!」

「名前を?」

「ええ、星の妖精姫って言ってくれたわ!」

(ん?星の妖精姫?・・・あっ!)

「あの時、庭園の迷路で泣いてた女の子!」

「やっと思い出してくれたの?」

「大きくなりましたね」

「そこは、綺麗になりましたねって言うところじゃないの?」

「女性に慣れていないもので・・・いや、10年も経ってるんですよ、わかるわけないでしょう」

そのやり取りを見ていたテオドールが割って入る。

「王女殿下、ここでは何ですから、中にどうぞ。バージルも話しにくいでしょうし」

「あっ!ごめんなさい、私バージルを押し倒してたわ!」

「ええ、本当にびっくりしましたよ、熱烈なアタックは光栄ですが・・・」

バージルがそう言うと、ミーティアは顔を真っ赤にして、両手で顔を隠した。

その様子を、テオドールとトーマスは苦笑しながら見ていた。




しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ずっとあなたが欲しかった。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:184pt お気に入り:1,757

好色王子を激推ししてたら、夜伽に命じられました。

BL / 連載中 24h.ポイント:269pt お気に入り:1,539

voyager~不思議な船旅~

SF / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

愛したいと獣がなくとき。

BL / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:1,011

交際0日同棲生活

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:348

処理中です...