流星姫は平凡騎士をご所望です

agapē【アガペー】

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恋した君と愛する君

荒れ狂い、そして涙



「陛下・・・」

「貴様、マーガレットに何て事をしてくれたんだ!」

「・・・何が間違っていたと言うのです」

「なんだと?」

「僕とマーガレット様は夫婦になるんです!」

「ブルーノ公爵家からの縁談は全て断っていたはずだ」

「何故です!爵位だって見合っている、公爵家として国に貢献だってしているでしょう!」

「話にならんな・・・おい、公爵が城に登城していたな。呼んで来い」


国王が近衛騎士に指示する。


「陛下、お呼びとの事・・・サイラス?」

「父上・・・」

「お前、何故、近衛に取り押さえられているんだ・・・」

「公爵よ、教えてやる。お前の息子は事もあろうか、マーガレットを襲って事に及ぼうとした」

「なっ・・・」

「公爵、どう落とし前つけるんだ」

「・・・連れ帰り再教育いたします」

「甘い」

「・・・屋敷からは一歩も出しませんので」

「・・・まぁいい。子息よ一つ教えておいてやる。マーガレットは他国に嫁ぐ事が決定しておる。この国には残らんぞ」

「何故です!?僕がいるのに!何故他の男の元へ嫁がせるのです!?おかしいではないですか!」

「何もおかしくない。随分と前から決まっていた事だ」

「マーガレット様は何もおっしゃいませんでした」

「何故お前に言う必要がある?」

「僕は未来の夫です!夫になるんです!」

「話にならん、連れていけ!」

「離せ!離せ!!」


サイラスは取り押さえられていた近衛騎士達に引きずられるように部屋を出ていった。


「公爵よ、この件はマーガレットの醜聞にもなる。この事は緘口令をしく。縁談が破断になっては困るからな」

「・・・はい、承知いたしました」

「降格を覚悟しておけ」

「・・・はい」


その後、サイラスはブルーノ公爵家の自室に軟禁状態となりし、ばらくの期間荒れ狂っていた。部屋の中の物を毎日のように暴れるように破壊した。だが、一ヶ月経つ頃にはその気力もなくなり、虚無を見つめるようになった。

ほどなくして、あの夜会での王女三人の婚約の発表。それを後に聞かされたサイラスの瞳からは静かに涙が流れた。

次期公爵当主としての実績を積み上げていたサイラスだったが、このままでは難しいと、当主の座は弟のクライスが引き継ぐことに決まった。

ブルーノ公爵家は、サイラスの件があったが、緘口令を敷いていたため、貴族間では知る者もなく、王家からの監視という観察処分となった。当主の座を弟のクライスに渡すと決めたことで、降格は一時保留となり公爵家としての体裁を保つ事だけはできた形となった。



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次回

釣書を持ってきた

好きな娘を選べ

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