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恋した君と愛する君

サイラスの心の葛藤

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「なぁ・・・レット・・・俺と・・・離縁、するか・・・?」


サイラスは力なく言った。それを聞いたマーガレットは静かに話し出す。


「最初はなんでこんな事になってしまったのか・・・確かに辛く思う事もございました。何故怒りをぶつけられるのかも、優しく抱いてくださらないのかも・・・理由もわかりませんでしたから。でも、レットと呼ばれる時のサイラス様は優しかった。疲れて起き上がれない私を介抱してくださり、食事も食べさせてくださいました。湯あみを手ずからされた事も、服を着替えさせてくれたこ事もありましたね・・・夜会には素敵なドレスを贈ってくださいました。庭園の迷路には助けに来てくださいました。私のせいでサイラス様がお怪我を・・・」

「それは違う!レットのせいではない!全て・・・全て俺が悪いのだ・・・俺の選択が全て間違っていたんだ・・・」

「・・・私を・・・お選びになったのも、間違いでしたか?」

「レットを選んだのは間違いなんかではない!俺は人生で初めて・・・初めて正しい選択をした。初めてレットを無理矢理抱いた日、マーガレット様に見立てて欲をぶつけた。でも、終わってみたら・・・そこにはマーガレット様ではないレットがいたんだ・・・罪悪感に飲まれた。それからも、気が昂った時はレットに激しくぶつけた。嫌われてもおかしくないのに・・・レットはいつまでも優しかった。俺を気遣って、寄り添ってくれた・・・正気に戻った俺は、腕の中で眠っているレットを見て、俺は何をやっているんだ・・・この子を守らなくてはいけないのにと後悔した。しかし、君へどう感情を出したらいいか・・・わからなくなっていたんだ」


サイラスは自分の心の葛藤を話し続けた
王女であったマーガレットで埋め尽くされた自分の心に、知らない間に妻、マーガレット・・・レットの存在があった。自分がどうふるまえば、彼女をどう扱えばいいのか、わからなくなってしまうほどに、サイラスは混乱しそして後悔していたのだ。


「夜会の日、戻ったテラスにレットがいなくて・・・俺は混乱してどうにかなってしまいそうだった。レットを失うのが怖い。俺を一人にしないでくれって。自覚してしまったんだ・・・レットは俺のものだ。レットは俺の特別なんだって。男が覆いかぶさっている君を見て、生きた心地がしなかった。だが、すぐ怒りへと変わった。俺以外の男がレットに触れるなんて許せなかった」


マーガレットは、サイラスの言葉を静かに聞いていた。サイラスが話す言葉は、少しずつマーガレットに染み渡っていく。


「サイラス様・・・私、お願いがございますの」




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次回

サイラス様・・・私、お願いがございますの

その先の言葉とは
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