31 / 117
31.ウィルバートは香水が欲しい
しおりを挟む
「なんだってこんな寒い時期に寒い場所に行かなきゃいけないんだよ」
馬車で王宮を出発してからこの台詞を聞くのは何度目だろうか。相変わらずアーノルドはめんどくさそうな表情を浮かべたまま窓の外を見ている。
アリスとの本屋デートから早2週間が過ぎた。季節は本格的な冬へ突入し、今年も残り少なくなってきた。
わたし達が向かっているのは、我が国の中でも最北に位置する村で王都よりも寒い。暖かな服を着込んではいるが、すでに馬車の中も冷えてきた。
「だいたい視察とか言いながら、目的はなんとかっていう怪しげな香水だろ。そんなのわざわざお前が行かなくても誰かに買いに行かせればいいじゃないか」
怪しげな香水……
まぁそう言われるのも無理はない。わたしが寒い思いをしてまで視察に出たのは、そう、アナベルが持っていたキス専用香水が忘れられないからだ。
アナベルは香水をプレゼントされたと言っていた。友人の故郷の村で作られているものらしい。
こんな面白いものが小さな村の土産物だなんて勿体ない。王都で商売をすれば金を持て余した貴族達が群がるに決まっている。これは早急に視察に行かなくては……っということでこの視察旅行が組まれたわけで、決してわたしが香水を買いたいからというわけではない。
「だいたいウィルバートのこんなわがままを、よくルーカスが許したよな」
「仕方ないじゃありませんか」
ルーカスは見るからに不愉快そうな顔をしている。
「他の馬鹿げた計画を実行されてしまうより、はるかにましですから」
ルーカスがはぁっとわざとらしく大きなため息をついてみせた。
「わたしは別に馬鹿げた計画なんてしていないよ」
「山賊に襲われる計画の、どこが馬鹿げてないというんです?」
ルーカスの口調に軽い怒りがにじんでいる。
「殿下はもう少しご自分の立場を考えるべきです。怪我でもしたらどうなさるんですか」
「ちょっと待てよ」
それまで黙っていたアーノルドが会話に割り込んできた。
「ぜんっぜん話がみえねーよ。山賊に襲われる計画って一体なんなんだ?」
「言葉の通りだよ」
アリスと二人でいる時に山賊に襲われる、ただそれだけだ。山賊に襲われるという危機的状況で、わたしは命がけでアリスを救う。その姿を見れば、アリスはきっと私に恋をするはずだ。
なぁに、危険なんてあるものか。本当に山賊に襲われる必要はないんだから。山賊役を雇えば、簡単且つ安全に襲われる状況を作り出せる。
「他にも雪山で遭難するという計画もありましたよね?」
ルーカスの言葉に頷いた私を見てアーノルドが首を傾げる。
これも言葉の通りで、ただ単にアリスと雪山で遭難するだけだ。もちろん本当に遭難する必要はない。アリスに遭難したと思わせればいいだけだ。
遭難した二人は雪の中をさまよい、ついには山小屋にたどり着く。そこで助けがくるまで二人身を寄せ合い、温め合って愛を深める。最高の計画じゃないか。
「お前……馬鹿だろ」
アーノルドが、何かおかしなものでも見るような冷たい目でわたしを見た。
「香水が一番現実的でしょう?」
ルーカスが諦めたような顔でアーノルドに同意を求めた。
一体何がおかしいというのか? 毎日変わらず平穏に過ごしていては、なかなか二人の絆は深まらない。山賊も遭難も、比較的安全で効果的な方法ではないか。
「それは恋愛小説においてだろ。現実の恋愛で山賊に襲われるカップルなんて、そうそういてたまるかよ」
「そんなことは分からないじゃないか。普段王宮にいるから知らないだけで、世のカップルは山賊に襲われるものかも知れないよ」
わたしの言葉に、アーノルドとルーカスが顔を見合わせた。二人息を合わせたかのように、そろって大きなため息をつく。
「あのなぁ……お前はこの国の王太子だろ。そんなに頻繁に山賊が出るようじゃ、国としてやばいと思わないのか?」
ふむ。確かにそう言われてみれば、アーノルドの言う事も納得できる。
「山賊の件は考え直す必要がありそうだね」
「雪山での遭難もお考え直しください」
まぁとりあえず今は香水だ。キスしたくなる香水があるくらいなんだから、もしかしたらつけるだけで相手を夢中にさせる、惚れ薬みたいな香水もあるかもしれない。それさえあれば、アリスをわたしのものに出来るだろう。
「そんな怪しい香水に頼らなくても、キスしたけりゃすればいいだろ。なんならさっきアリスが見送りに来た時にやっときゃよかったんだ」
アーノルドが馬鹿にしたように言うが、それができないからこうやって旅に出たんじゃないか。そもそもわたしは、キスをしていいタイミングというものが未だによく分からない。
「ところでアーノルド、質問なんだけれど……キスというものは、どのくらいの頻度でしていいものだろうか?」
「頻度? なんだそれ?」
わたしの質問の意図が分からないと眉間に皺を寄せながら、アーノルドが頭を掻いた。
「キスなんて、したい時にすればいいもんだろ」
「したい時にしていたら、毎日する事になってしまうよ」
「じゃあ毎日すりゃいいんじゃね?」
大した問題でもないといわんばかりに、サラッと返したアーノルドに対して驚愕してしまう。
「毎日していいものなのかい?」
「しちゃいけないのかよ?」
面倒くさそうに投げやりに答えたアーノルドが両腕をあげ思い切り背伸びをした。あふっと大きな欠伸をひとつした後で、首を左右に伸ばしながらアーノルドが再び口を開く。
「っていうかお前だって毎日してんじゃねぇのか? 毎晩アリスと寝室に閉じこもってんだからよ」
そんなわけないだろう。毎晩一緒にいるからといって、毎日キスなんてできるわけがない。
わたしがアリスと口付けを交わしたのは二度であることを知ったアーノルドは目を丸くして私を見つめた。「えっ!? 二度? えっ?」っと何やら独り言のように呟いている。そしてなぜだか確認するようにルーカスを見た。
アーノルドの懐疑的な視線に対して、ルーカスはいつもと同じ冷静な顔のまま無言で頷いた。アーノルドの口から「まじかよ」っという、呆れとも驚愕ともとれる呟きが漏れる。
「お前……アリスの事好きなんじゃなかったのかよ?」
「好きに決まっているじゃないか」
「じゃあなんで二人きりになって、何もしてねぇんだよ」
さっぱり理解できないとアーノルドは首を振るが、わたしとしてもなぜアーノルドが驚いているのかが理解できない。
そりゃできるものなら、わたしだってもっとアリスに触れたい。許されるなら毎晩キスだってしたい。だがそれで嫌われたらどうするのだ?
「よく本に、『ガツガツした男は嫌われる』と書いてあるからね。やはりアリスには余裕のある男らしい姿を見せたいじゃないか」
私がキスしたい時にアリスにキスをして、ガツガツしていると思われないだろうか? アリスにドン引きされたりしたら、わたしは怖くてもう一生アリスに触れることができなくなってしまう。
あぁ。アリスがわたしとキスしたいと思ってくれればいつだってキスできるのに……
そんな思いもあるからこそ、例の香水の事が気になって仕方ないのかもしれない。
アーノルドがふぅっとため息をついた。
「あのなぁ。お前は深く考えすぎなんだよ。俺は今までやりたい時にやりたいようにキスしてきたが、それで引かれた事なんかないぞ」
そういうものなのかと納得しかけたが、ちょっと待てよと思いとどまる。アーノルドが大丈夫だからといって、わたしが大丈夫だという保証は何もないじゃないか。なんせ、アーノルドの歴代彼女とアリスは全く違うタイプなのだから。
「アリスはアーノルドの元恋人達のように腹黒ではないからね。やはり純粋すぎる彼女に毎日キスをするのは難しいよ」
わたしの言葉にアーノルドは、眉間に皺を寄せた。
「おい、腹黒って何だよ。俺がいつ腹黒と付き合ったっていうんだ?」
アーノルドの味方をするように、「殿下、腹黒は言い過ぎですよ」とルーカスも口を挟む。
「アーノルド様はただ、外面のよい年上の令嬢に振り回されるのがお好きなだけですから」
小さい頃からの付き合いなのだから、当然わたしはアーノルドの好きな女性のタイプは知っている。同じくわたしに長く仕えているルーカスもアーノルドの好みは熟知していた。
全く援護にならないルーカスの言葉にズッコケながらアーノルドが叫んだ。
「だから、その言い方!! せめてミステリアスな令嬢くらいの言い方をしろよ。お前達の言い方じゃ俺の好みがおかしいみたいじゃないか」
ミステリアスねぇ……
まぁわたしの理解を越える行動をするという意味では、確かにミステリアスとも言えなくないか。
アーノルドの元恋人達を思い出しながら、物は言いようだなっとおかしく思った。
馬車で王宮を出発してからこの台詞を聞くのは何度目だろうか。相変わらずアーノルドはめんどくさそうな表情を浮かべたまま窓の外を見ている。
アリスとの本屋デートから早2週間が過ぎた。季節は本格的な冬へ突入し、今年も残り少なくなってきた。
わたし達が向かっているのは、我が国の中でも最北に位置する村で王都よりも寒い。暖かな服を着込んではいるが、すでに馬車の中も冷えてきた。
「だいたい視察とか言いながら、目的はなんとかっていう怪しげな香水だろ。そんなのわざわざお前が行かなくても誰かに買いに行かせればいいじゃないか」
怪しげな香水……
まぁそう言われるのも無理はない。わたしが寒い思いをしてまで視察に出たのは、そう、アナベルが持っていたキス専用香水が忘れられないからだ。
アナベルは香水をプレゼントされたと言っていた。友人の故郷の村で作られているものらしい。
こんな面白いものが小さな村の土産物だなんて勿体ない。王都で商売をすれば金を持て余した貴族達が群がるに決まっている。これは早急に視察に行かなくては……っということでこの視察旅行が組まれたわけで、決してわたしが香水を買いたいからというわけではない。
「だいたいウィルバートのこんなわがままを、よくルーカスが許したよな」
「仕方ないじゃありませんか」
ルーカスは見るからに不愉快そうな顔をしている。
「他の馬鹿げた計画を実行されてしまうより、はるかにましですから」
ルーカスがはぁっとわざとらしく大きなため息をついてみせた。
「わたしは別に馬鹿げた計画なんてしていないよ」
「山賊に襲われる計画の、どこが馬鹿げてないというんです?」
ルーカスの口調に軽い怒りがにじんでいる。
「殿下はもう少しご自分の立場を考えるべきです。怪我でもしたらどうなさるんですか」
「ちょっと待てよ」
それまで黙っていたアーノルドが会話に割り込んできた。
「ぜんっぜん話がみえねーよ。山賊に襲われる計画って一体なんなんだ?」
「言葉の通りだよ」
アリスと二人でいる時に山賊に襲われる、ただそれだけだ。山賊に襲われるという危機的状況で、わたしは命がけでアリスを救う。その姿を見れば、アリスはきっと私に恋をするはずだ。
なぁに、危険なんてあるものか。本当に山賊に襲われる必要はないんだから。山賊役を雇えば、簡単且つ安全に襲われる状況を作り出せる。
「他にも雪山で遭難するという計画もありましたよね?」
ルーカスの言葉に頷いた私を見てアーノルドが首を傾げる。
これも言葉の通りで、ただ単にアリスと雪山で遭難するだけだ。もちろん本当に遭難する必要はない。アリスに遭難したと思わせればいいだけだ。
遭難した二人は雪の中をさまよい、ついには山小屋にたどり着く。そこで助けがくるまで二人身を寄せ合い、温め合って愛を深める。最高の計画じゃないか。
「お前……馬鹿だろ」
アーノルドが、何かおかしなものでも見るような冷たい目でわたしを見た。
「香水が一番現実的でしょう?」
ルーカスが諦めたような顔でアーノルドに同意を求めた。
一体何がおかしいというのか? 毎日変わらず平穏に過ごしていては、なかなか二人の絆は深まらない。山賊も遭難も、比較的安全で効果的な方法ではないか。
「それは恋愛小説においてだろ。現実の恋愛で山賊に襲われるカップルなんて、そうそういてたまるかよ」
「そんなことは分からないじゃないか。普段王宮にいるから知らないだけで、世のカップルは山賊に襲われるものかも知れないよ」
わたしの言葉に、アーノルドとルーカスが顔を見合わせた。二人息を合わせたかのように、そろって大きなため息をつく。
「あのなぁ……お前はこの国の王太子だろ。そんなに頻繁に山賊が出るようじゃ、国としてやばいと思わないのか?」
ふむ。確かにそう言われてみれば、アーノルドの言う事も納得できる。
「山賊の件は考え直す必要がありそうだね」
「雪山での遭難もお考え直しください」
まぁとりあえず今は香水だ。キスしたくなる香水があるくらいなんだから、もしかしたらつけるだけで相手を夢中にさせる、惚れ薬みたいな香水もあるかもしれない。それさえあれば、アリスをわたしのものに出来るだろう。
「そんな怪しい香水に頼らなくても、キスしたけりゃすればいいだろ。なんならさっきアリスが見送りに来た時にやっときゃよかったんだ」
アーノルドが馬鹿にしたように言うが、それができないからこうやって旅に出たんじゃないか。そもそもわたしは、キスをしていいタイミングというものが未だによく分からない。
「ところでアーノルド、質問なんだけれど……キスというものは、どのくらいの頻度でしていいものだろうか?」
「頻度? なんだそれ?」
わたしの質問の意図が分からないと眉間に皺を寄せながら、アーノルドが頭を掻いた。
「キスなんて、したい時にすればいいもんだろ」
「したい時にしていたら、毎日する事になってしまうよ」
「じゃあ毎日すりゃいいんじゃね?」
大した問題でもないといわんばかりに、サラッと返したアーノルドに対して驚愕してしまう。
「毎日していいものなのかい?」
「しちゃいけないのかよ?」
面倒くさそうに投げやりに答えたアーノルドが両腕をあげ思い切り背伸びをした。あふっと大きな欠伸をひとつした後で、首を左右に伸ばしながらアーノルドが再び口を開く。
「っていうかお前だって毎日してんじゃねぇのか? 毎晩アリスと寝室に閉じこもってんだからよ」
そんなわけないだろう。毎晩一緒にいるからといって、毎日キスなんてできるわけがない。
わたしがアリスと口付けを交わしたのは二度であることを知ったアーノルドは目を丸くして私を見つめた。「えっ!? 二度? えっ?」っと何やら独り言のように呟いている。そしてなぜだか確認するようにルーカスを見た。
アーノルドの懐疑的な視線に対して、ルーカスはいつもと同じ冷静な顔のまま無言で頷いた。アーノルドの口から「まじかよ」っという、呆れとも驚愕ともとれる呟きが漏れる。
「お前……アリスの事好きなんじゃなかったのかよ?」
「好きに決まっているじゃないか」
「じゃあなんで二人きりになって、何もしてねぇんだよ」
さっぱり理解できないとアーノルドは首を振るが、わたしとしてもなぜアーノルドが驚いているのかが理解できない。
そりゃできるものなら、わたしだってもっとアリスに触れたい。許されるなら毎晩キスだってしたい。だがそれで嫌われたらどうするのだ?
「よく本に、『ガツガツした男は嫌われる』と書いてあるからね。やはりアリスには余裕のある男らしい姿を見せたいじゃないか」
私がキスしたい時にアリスにキスをして、ガツガツしていると思われないだろうか? アリスにドン引きされたりしたら、わたしは怖くてもう一生アリスに触れることができなくなってしまう。
あぁ。アリスがわたしとキスしたいと思ってくれればいつだってキスできるのに……
そんな思いもあるからこそ、例の香水の事が気になって仕方ないのかもしれない。
アーノルドがふぅっとため息をついた。
「あのなぁ。お前は深く考えすぎなんだよ。俺は今までやりたい時にやりたいようにキスしてきたが、それで引かれた事なんかないぞ」
そういうものなのかと納得しかけたが、ちょっと待てよと思いとどまる。アーノルドが大丈夫だからといって、わたしが大丈夫だという保証は何もないじゃないか。なんせ、アーノルドの歴代彼女とアリスは全く違うタイプなのだから。
「アリスはアーノルドの元恋人達のように腹黒ではないからね。やはり純粋すぎる彼女に毎日キスをするのは難しいよ」
わたしの言葉にアーノルドは、眉間に皺を寄せた。
「おい、腹黒って何だよ。俺がいつ腹黒と付き合ったっていうんだ?」
アーノルドの味方をするように、「殿下、腹黒は言い過ぎですよ」とルーカスも口を挟む。
「アーノルド様はただ、外面のよい年上の令嬢に振り回されるのがお好きなだけですから」
小さい頃からの付き合いなのだから、当然わたしはアーノルドの好きな女性のタイプは知っている。同じくわたしに長く仕えているルーカスもアーノルドの好みは熟知していた。
全く援護にならないルーカスの言葉にズッコケながらアーノルドが叫んだ。
「だから、その言い方!! せめてミステリアスな令嬢くらいの言い方をしろよ。お前達の言い方じゃ俺の好みがおかしいみたいじゃないか」
ミステリアスねぇ……
まぁわたしの理解を越える行動をするという意味では、確かにミステリアスとも言えなくないか。
アーノルドの元恋人達を思い出しながら、物は言いようだなっとおかしく思った。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
四人の令嬢と公爵と
オゾン層
恋愛
「貴様らのような田舎娘は性根が腐っている」
ガルシア辺境伯の令嬢である4人の姉妹は、アミーレア国の王太子の婚約候補者として今の今まで王太子に尽くしていた。国王からも認められた有力な婚約候補者であったにも関わらず、無知なロズワート王太子にある日婚約解消を一方的に告げられ、挙げ句の果てに同じく婚約候補者であったクラシウス男爵の令嬢であるアレッサ嬢の企みによって冤罪をかけられ、隣国を治める『化物公爵』の婚約者として輿入という名目の国外追放を受けてしまう。
人間以外の種族で溢れた隣国ベルフェナールにいるとされる化物公爵ことラヴェルト公爵の兄弟はその恐ろしい容姿から他国からも黒い噂が絶えず、ガルシア姉妹は怯えながらも覚悟を決めてベルフェナール国へと足を踏み入れるが……
「おはよう。よく眠れたかな」
「お前すごく可愛いな!!」
「花がよく似合うね」
「どうか今日も共に過ごしてほしい」
彼らは見た目に反し、誠実で純愛な兄弟だった。
一方追放を告げられたアミーレア王国では、ガルシア辺境伯令嬢との婚約解消を聞きつけた国王がロズワート王太子に対して右ストレートをかましていた。
※初ジャンルの小説なので不自然な点が多いかもしれませんがご了承ください
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる