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5.二人の生活

62.社長という人

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一緒に紅茶を飲みだした社長は、これからはアキラの担当者になることを告げた。


「社長は忙しいのでしょう?僕なんかの担当者やってて大丈夫ですか?」


「何を言ってるんですか。アキラさん。
あなたを獲得したいと思う企業がどれほど多いか知ってますか?

この前の肉の資料を見ましたが、あれだけ調べるのに、我社では2ヶ月以上はかかりますよ。
それを片手間みたいに一週間で

もうあなたは、我社のゴールデンエッグ、金の卵なんですよ!
僕なんかなどと、卑下していいものではありません!

だから私は早くからあなたをスカウトしていたんです。なのにあなたはetc」



なかなか社長のアキラ賛美と社長のスカウト断って、なぜ会長なの?の恨み節は終わらない。


その間にもらったクッキーの山を食べきったジョンが、残念そうに皿を見ていると


「はい、私のも食べてね」


社長は自分の、お茶請けクッキーを差し出した。

「っ、ありがとう」

まだ緊張がとけてないが、上目使いでオズオズと受け取り、尻尾をパタパタとしながら食べる姿


社長はザザザっと会長を引きずって影でこそこそと話だした。


「ちょっとおじいちゃん、あれはなんですか?可愛すぎませんか?
おじいちゃんが独り占めなんめズルいじゃないですか!
僕も一緒に遊びたい。」


「何をいう、お前はまだ現役じゃろう、ワシみたいに隠居じゃないんじゃ働け!
ジョン君はワシと遊ぶんじゃ」


「えぇ、ちょっとそれはないんじゃないですか?おじいちゃん」

声がでかくて筒抜けだなぁと、アキラは思いながら。
新しく入れてもらった紅茶をすすった。



「じゃあね、ジョン君また来週ね」

大変残念そうに、社長はアキラと本社に向かうために部屋をでた。

「あぁ、ジョン君可愛いですねぇ~、来週もアキラさんを迎えに来ますからね!

我社の始業時間は9時からですから、それまでは遊ばせてもらおう。

アキラさん、ジョン君は何が好きですか?
甘い物好きそうですよね?
遊びでは何が?」

車の中では、ジョンへの質問攻めだった。
もう一人ジョンの虜が生まれたな
とアキラは静かに思った。
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