上 下
243 / 1,153
13.願わくば二人に幸福を

238.あの子を幸せにする、それは義務

しおりを挟む
「ジーザスよ酒は何がいい?
とりあえず一通りあるぞ?」



田中がチーズやクラッカーなどの軽めのつまみを持ってくる。



「バーボンお願いできますか?ロックで」



シノダ教授は遠慮なく答える。もう飲んでないとチビリそうな気分だった。



「そんなにビビらんでもいいぞ?取って食ったりはせんわい!



さてと、まずは何を話そうかのう?


とりあえず、お前さんはわしらの仲間になってくれるでいいんじゃよなぁ?」



シノダ教授は小さくため息をはく


「その質問に拒否権ないでしょう?ギルマス

こんなプライベート部屋に通されて…
もう最後まで付き合いますよ。 
 
今のギルマスの影響力じゃ昔みたいに逃げられそうもない」



諦めたような投げやりに答えれば、ハハハと会長は笑う。
否定もせずに。


「そうじゃなあ、まずはジョンくんのことを話さないといけないかのう?

田中、あの資料を持ってきてくれ…」


会長は淡々とシノダ教授に話した。
それはもう昔話のような…懺悔のような…


「だからわしはジョンくんに責任があるんじゃ、
あの子はわしの愚孫がイタズラに生み出した子なんじゃよ。

生まれてからずっとひどい環境におかれ…ひどい扱いを受けて…

わしはあの子を幸せにしないといけない義務がある」


拳を握りしめて、強い意志で会長は言ってみせる。


シノダ教授は会長が出してきた資料を見て、吐き気と嫌悪感に溢れていた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

無能のフリした皇子は自由気ままに生きる〜魔力付与出来るのは俺だけのようだ〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,621pt お気に入り:1,098

【本編完結】ごめんなさい、お淑やかじゃないんです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:2,066pt お気に入り:4,063

私がいつの間にか精霊王の母親に!?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:4,615

腹黒上司が実は激甘だった件について。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:505pt お気に入り:139

王妃となったアンゼリカ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:178,555pt お気に入り:7,842

今度は悪意から逃げますね!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:276pt お気に入り:1,832

処理中です...